ER クリフジャンパー レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、

“ER EX-05 クリフジャンパー” です。


 オートボットの

“戦闘員 クリフジャンパー” が

アースライズに登場。

 日本ではタカラトミーモール限定のER-EXとして発売されました。


 グラップル同様、ほぼ同じ型によりメジャーなキャラがいるがために、先行しながらも日本ではモール限定になってしまったと思われるクリフジャンパー。

 ただ、依然としてバンブルビーもインフェルノもER版発表の兆しがないんですが、どうなってるんでしょう?

 まぁ、きっとWAVE4で来るとは思いますが・・


 さてクリフジャンパーですが、今回のER版に続き、なかなかに酷い殺され方をした実写版もスタジオシリーズで発売されるなど、ここへきて急にフィーチャーされてきた感があります。

 これまでも何度かリメイクの機会はありましたが、どれも先にバンブルビーがあり、そのリカラー(よくて頭部変更)という扱いがほとんどだったので、今回彼が先行するかたちになったのは意外でした。

 そんなこともあって、そもそも2人は同型と勘違いしている人も多いのではないでしょうか?

 実は僕もその1人だったり・・いや、もちろん幼少期にリアルタイムでアニメを見ていたときはビークルモードの車種が違うということは認識していたと思うんですが、オリジナルトイを持っていなかったこともあり、数十年と経つうちに記憶も薄れ、昨今のリメイクトイの仕様も手伝って最近は完全に同型、ただの色違いだと思い込んでいました。

 恥ずかしい限りです・・

 ともあれ、そんな誤った記憶を正してくれたという意味でも、今回のER版には感謝です。


 では、レビューしていきます。


ロボットモード

 シージからレジェンドクラスが廃止されたこともあり、ウォーフォーサイバトロントリロジーではいわゆるミニボットのリメイクは期待できないのか・・と思っていたんですが、このクリフ(以降、フルネームは長いので旧日本名で呼ぶことにします)の登場でそんな不安は払拭されました。

 設定通りの小柄な本体に、付属品を充実させてデラックスクラスとするという発想は結果として同シリーズのリーダークラスとほぼ同じことになっているんですが、筋道としては真逆ですね。

 まぁ、そんなことで本体が小さいぶん、分離変形ギミックを備えた大型武器が付属するクリフなんですが、それでもボリュームは随分と控えめで、その点で割高感は否めません。

 ただ単体のトイとして見るぶんには、そのサイズ感も含めて初代アニメの雰囲気を実によく再現できていると思います。

 構造はマスターピース版のバンブル(Ver.1のほう)がベースになっており、可動はもちろん、変形もなかなかに凝っていて、小さいからといって侮れません。

 同じく過去のリメイクトイの構造を踏襲しながら、ほぼただ大きくしただけのER版スタスクと、より小さくなり、相応に簡略化しつつも高水準の可動、変形を実現しているこのクリフが同時に発売されるというのも・・

 ただ一点、残念というほどではないのですが気になる点は、背中のガワの仕様。

 このガワのみ、完全な差し換えパーツになっており、変形の際は一旦取り外す必要があります。

 サイズ的に可動式にすると、強度に問題があったのかもしれません。

 ガワは、一応背中に付けた状態がデフォルトになりますが、外してシールドとして手に持たせるという新たな設定が生まれています。

 外した状態の背中も、特に不自然なことはなくまとまっていると思います。


ビークルモード

 本来の設定ではポルシェ・924ターボにトランスフォーム。

 今回は実車よりも幾分角張っていますが、雰囲気はなんとなく近いものになっていると思います。

 表面に見える部分は赤い部分はすべて塗装されており、シージのときのサイドスワイプ同様の高級感があります。

 オリジナルトイのビークルモードはチョロQのような、かなりデフォルメされた丸っこいフォルムのものだったので、構造が同じバンブル(フォルクスワーゲンのビートルがモチーフ)と混同されがちだった(実際、成型色を取り違えた商品が出回っていたことがあるそうです)のですが、形状はちゃんと違うんですよね。

 今回も流用でバンブル(こっちももう、ビーは省きます)が発売されることはまず間違いないとは思いますが、そのときはもちろんリカラーではなくパーシャルとなり、外装の多くは変更されるはずです。

 変形は、先にもいったようにMP版バンブルを踏襲しつつ、腕部と脚部の位置が入れ替わるなど独自の部分もあり、楽しめます。

 一旦取り外したガワは後部に回した腕部(拳)の5㎜穴に嵌め込むかたちになります。

 オプティマスのトレーラーに収納するには、非常によいサイズです。


付属武器 & ギミック

狙撃用バズーカ

 アニメでも使用した大型のバスーカ砲が付属。

 クリフ本体の身長に匹敵するサイズで、5つのパーツに分解することが可能。

 単体でも様々に組み換えたり、ほかのキャラの武器と組み合わせたり、これまでに発売されたアースライズアイテムに付属の武器では最高の拡張性を誇ります。


 ビークルモードで天面に装着可能。

 この場合は、バイポッドの位置と取り付け向きを変更してウイングのようなかたちにします。


 さらに分解して取り付けることで、水上走行モードを再現できます。

 バイポッドが前輪を乗せるスキーに、砲身も分割し、左右にジェットエンジン(?)として取り付けます。

 底面はこんな感じ。

 バズーカ後端のパーツを展開して、車体底面中央に取り付けます。


シールド

 というか、さっきから言っている背中のガワです。

 拳に持たせる以外に前腕側面にも取り付け可能。取り付け軸は可動します。


比較画像

 最初にヘケヘケ版(クラシック版)クリフと。各モードで。

 初代アニメデザインを基にしたリメイクとなると、僕はもうこれくらしか持ってません。

 日本では、ミニボットアタックチームとしてゴング(ブローン)、ビーチコンバーとセットで発売されたものですね。日本未発売のバンブルのリカラーだったと思います。

 なお、ヘケヘケにおいてバンブルはデラックスクラスで発売。そのリカラーのデラックス版クリフもあるのですが、日本では未発売か、限定だったのかな?

 まぁ、ヘケヘケ版の出来はサイズなりのものです。

 ロボットモードはともかく、ビークルモードはバンブル感強めですね。


 ユナイテッド版と。ロボットモードで。

 ユナイテッド版はゲームでのデザインを基に、いわゆるサイバトロンモードでの立体化。

 やはり基本は同シリーズのバンブルのリカラーですが、頭部は変更されています。

 小顔脚長とかなりスタイリッシュなプロポーションになっていますが、曲線を多用したデザインで、なんとなくミニボット感はあるのかなぁ。

 ただし、サイズは普通のデラックスクラスなので今回のER版と並ぶと巨人です。


 ビークルモードでも。

 ユナイテッド版は卵形のSFカーに変形。

 なんとなく、オリジナルトイのデフォルメ感を思い出すデザインです。

 今度発売されるスタジオシリーズ版(バンブルビー版)も似たような同系統のデザインでしたね。


 レジェンズ版バンブルと。ロボットモードで。

 今回のクリフの登場で今後のミニボットのリメイクに新たな希望が見えた・・のですが、やはりパワーオブザプライムまでにリメイクされてきたレジェンスクラスのミニボットたちと並べるのは違和感があるようです。

 まぁ、バンブルはもうリメイク確定だろうからいいとして、ほかの連中は・・


 ビークルモードでも。

 レジェンズ版バンブルのビークルモードは実は全然ビートルじゃないという・・

 このフォルムはむしろクリフのオリジナルトイっぽい雰囲気があります。

 構造の多くを踏襲、参考にしてと思われるマスターピーズ版バンブルと。ロボットモードで。

 生憎とG2Verしか持っていないので、そちらとの比較になりますが。

 サイズはMP版が一回り大きいくらい。

 ともに初代アニメのデザインが基になっており、再現度は甲乙付けがたい感じ。


 ビークルモードでも。

 MPバンバンブルはしっかりビートルですね。もちろんライセンスも所得されています。

 変形パターンについては、脚部はほぼそのままですし、肩や腕のパーツ移動もそっくりです。

 ただ、MP版バンブルではロボットモードとビークルモードのパーツ配置が変わらないのに対し、ER版クリフでは腕部と脚部の位置が逆になります。

 つまり、ビークルモードの運転席部分の向きがMPバンバンブルとER版クリフでは逆になるため、腕部と脚部の位置をぐるんと引っ繰り返すという部分がER版の独自要素となっており、面白いです。


 同じアースライズから、ホイスト、ホイルジャックと。ロボットモードで。

 これ、全員デラックスクラスですよ。

 標準的なサイズのデラックスクラスアイテムであるホイルジャックに対し、一回り大きなホイストは内部に空洞を作ることで表面積を増やす手法が採られています。そのぶん密度が減っている感じですが。

 クリフの場合は、ホイルジャックよりも凝った変形で、実際パーツもギュッと詰まっており、密度感は増している印象。さらに大型の武器が付属しているのですが、それでも総合的なボリュームで肩を並べられるかというと、微妙なところではあります。


 ビークルモードでも。

 やはりクリフはかなり小さいんですが、ビークルモードだと意外と違和感ないなぁ。

 ていうか、クリフに武器付け忘れてる・・


以下、画像

 腰の回転、足首のスイングといったシージ以降の共通可動はもちろんのこと、拳の回転、さらに変形都合による肘の逆向き可動、腰部の前後スイングと、小さいながらよく動いてくれます。

 まさに血気盛んな彼らしい可動性能と言えましょう。

 スタンド対応穴は腰裏にありますが、背中のガワと干渉しがちでちょっと使いにくい場面も。

 小さくて軽いのでディスプレイ自体にはなんら不安はありませんが、個体差でしょうが相変わらず穴が緩い・・

 バズーカは銃口部分が5㎜穴になっているので、シージ ジェットファイヤーやオメガスプリームに付属のエフェクトが効果的に使えます。


 バズーカは組み換えでハンマーや斧っぽい形状にも。

 シールドと合わせて持たせれば武闘派らしい雰囲気も醸し出せます。


 分割して短砲身のランチャーにするのもサイズ的にぴったり。

 なお、脚部全体に対して足(靴)が大きいため、立て膝のつもりが普通に走ってるようにしか見えなかったり・・


 変形のための腰部可動を活かせばこんな風に腹這いの狙撃姿勢に近いポースも。

 ほかのトランスフォーマーではなかなかできないポーズです。完全に胴体折れてますけどね(笑)。


 ビークルモード、水上走行モードで再びジェットファイヤーのエフェクト使用。

 こうなるともうロケットですね。青色のエフェクトがあればよかったんですが。

 ちなみに、ビークルモードでのスタンドディスプレイにはとくに対応していません。


 とりあえずすぐに出せたレジェンズおよびパワーオブザプライムで発売されたミニボットたちと。

 なんでおまえだけ抜け駆けで格好よくなってんだよ!?

 かつての仲間たちからの羨望と嫉妬に困惑するクリフ。

 そんななか、すでに約束されているバンブルは、内心が表情に出るのを必死に堪えていた(笑)。

 ビークルモードだと、それほど違和感はないんですけどね。


 「デストロンの奴等を2、3人血祭りに上げてやりますよ!」

 この名台詞、実際英語では「ケツを蹴っ飛ばしてやりたいですよ!」と言っていたそうで、日本語版脚本のセンスのよさ、そして当時の日本の大らかさを感じます(笑)。


 以上、“ER クリフジャンパー” でした。


 リーダークラスでああいったことが可能なら、デラックスクラスで実質レジェンズクラス相当のキャラも出せるじゃん! ということなんでしょうか。

 トランスフォーマーの商品仕様も刻々と変わっていきますね。

 まぁ、厳密なクラス分けと、それに伴う価格の統一と言うルールができたのもここ10年ほどの話だと思いますが。

 レジェンズやパワーオブザプライムのレジェンズクラスアイテムは基本本体のみで、武器が一切付属しなかったことを考えると、今回のクリフのような仕様は大歓迎です。

 確かに小さく、武器を含めても標準的なデラックスクラスに相当するボリュームがあるとは言いがたいところはありますが、その小さいボディにはMP版バンブルからのフィードバックがしっかりと活かされており、変形、可動、さらに表面の塗装と非常に完成度の高いアイテムなので、サイズなんてものは触っているうちにまったく気にならなくなります。

 むしろ、この小ささでここまで丁寧に作られているのかと感心するほど。

 まぁ、スタースクリームのあとだし、余計そう感じるのかもしれませんが・・

 いつ来るのかわかりませんが、バンブルも楽しみです。付属品はジェットパックかな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。


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