今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、
“ER-05 スタースクリーム” です。
ディセプティコン永遠のナンバー2、
“航空参謀 スタースクリーム” が、
お馴染みのアースモードの姿で発売されました。
今回は、同日発売のモール限定マイクロマスター、
“ER EX-04ボムショック & グラウル” も
合わせて紹介したいと思います。
前シリーズ、シージでのサイバトロンモードに続き、ウォーフォーサイバトロントリロジーでは2度めの発売となるスタースクリーム。
同様の特別扱い(?)はオプティマス、メガトロンの両リーダーと、なぜか選ばれたスモークスクリーン(とくに海外では人気あるのかなぁ)、そして今回のスタースクリームとなります。
海外の一部ショップ限定などではリカラー、パーシャル含めほかにもいろいろあるようですが、今のところ日本で発売が確定しているのはその4つだけですね。
まぁ、メガ様の発売日はまだ未定ですが・・まさかモール限定とか、さすがにないとは思うけど。
オプティマスやメガトロン、スモークスクリーンがシージ版のパーシャルなのに対し、スタースクリームはなんと完全新規。
ビークルモードの形状がまったく違うとはいえ、さすがの人気を物語るところではあります。
とはいえ、オートボットの、いわゆるカーロボ軍団に対するディセプティコンの勢力がジェッティコン(ジェットロン)となるので、バランスを考えれば彼らもデラックスクラスで作ってほしかったなぁ・・というのが、シージのときにも感じた個人的な思いなんですが、まぁ、今回もボイジャークラスです。
スタースクリーム単体なら立ち位置的にも相応のボリュームがあってもいいんですけど、同型がいっぱいいるからなぁ。
とくに今回はまだ確定情報ではないものの、スラストやダージといったコーンヘッズも来る感じですし、彼らももちろんこのスタスクのパーシャルということになりますから、そうなるといよいよバランスが・・
どうせ日本ではほとんど発売されないんだろうけどね。
・・と、いきなり愚痴ってしまいましたが、まだしばらく愚痴は続くというか、今回半分くらい愚痴なので覚悟しておいてください(笑)。
それでは、レビューしてきます。
スタースクリーム
ロボットモード
オプティマスやメガ様を差し置いての完全新規となります。
シージ版ではけっこうスタイリッシュだったプロポーションが、より初代アニメデザインに忠実な感じに変更・・されてしまったと言ったほうがいいのかもしれない。
・・うん、随分太ってしまいましたね。
確かに、アニメデザインの再現度という意味では胸部がちょっと奥まってしまっていることを除けば、おおよそよくできていると思います。
実際、これくらいどっしりしてた印象もなくはない。
ただ、それも正面から見るぶんにはというところで、まず横を向けると、腋の下が完全に蓋をされずに空洞ができてしまっています。
そして胸部から腹部までが1枚のパネル状パーツになってることもあり、ボディラインにまったくメリハリがありません。
くびれがないんですね。だから寸胴に見えるし、キャノピーも奥まって見える。
さらに後ろ姿、
ビークルモードの機首が剥き出しなうえ、イマイチしっかり固定されず、若干グラつきます。
ウイングも同様にとくに固定もされていません。
そして、構造上もっとも残念な点として、腰の回転ができません。
股間は後ろのスカート状のパーツと一体成型になっており、まったく動かない作り。
脚を上げる際には、画像のように前のスカート(?)を上げる必要があり、後ろ向きにはもちろん動かせません。
シージで発売されたエイプフェイスも腰が回りませんでしたが、腰の回転と足首のスイング可動はシージからの共通仕様だったはずでは?
トリプルチェンジャーのエイプフェイスはともかく、今回のスタースクリームはそう複雑な変形をするわけでもなく、構造上どうしても無理・・というわけでもないだろうに、なんでオミットされたのか?
実はこのER版スタースクリーム、日本では12年前に “変形! ヘンケイ! トランスフォーマー” シリーズで発売された、クラシック版スタスクリームの拡大リメイクになっているんです。
最初に画像が公開されたときに、あぁ、似てるなぁ・・とは思ったんですが、まさか変形パターン含めて構造までほぼそっくり踏襲しているとは思いませんでした。
腕や脚の可動範囲は向上していますし、細部はより複雑な変形パターンになってはいるのですが、基本的なパーツ配置はそっくりです。
なので、懐かしさはあるんですが、なんでここまで寄せたのか? という疑問はあります。
ヘケヘケ版(クラシック版)は12年前の当時、しかもデラックスクラスだったからよかったわけで、今ボイジャークラスに拡大して再現する意味があるのか? と。
これ、ヘケヘケ版を知らない人が見たらどう思うんだろう。
随所に丁寧な仕事が見られたシージ版のあとにこれはなぁ・・
もちろん、いいところ・・というか、お! と(個人的に)目を惹く部分もあるんですよ。
例えば胸部などの赤い部分はすべて塗装なんですが、これがやけに厚塗りでてっかてかで、昔のダイキャストパーツにされてた塗装みたいな雰囲気でちょっと嬉しかったり・・まぁ、それくらいかな(笑)。
ビークルモード
ジェット戦闘機にトランスフォーム。
初代アニメではF-15 イーグル戦闘機に変形していました。
シージやアースライズではスタジオシリーズのようにモチーフとなった実機のライセンスが取得されることはないので、あくまで初代アニメ、オリジナルトイのデザインがベースになっていますが、その点においては見事に再現されていると思います。
ほぼ成型色のうえシージ版のようなウェザリングもないため、淡いグレーというカラーリングも相まって地味な印象は否めませんが、表面にでこぼこもなく、綺麗にツライチになっている状態は非常に気持ちがいいです。
キャノピーはクリアパーツ。開閉はできませんが、内部には一応シートなども造形されています。
さてここからは、ちょっと残念ポイントの羅列になります。
ひっくり返して、
機首の中央付近にロボットモードの後頭部が見えています。
そして根元にぽっかりと空洞が。ここもどうにか蓋ができなかったのか・・
ジェット機やヘリに変形する場合はおよそ定番になっていた、ランディングギア等の展開ギミックもありません。
そしてそれらは、すべからくヘケヘケ版から踏襲されている部分でもあります。
本当、どうして・・
ビークルモードでスタンドを使う場合は、ロボットモード前部スカートの裏面に3㎜穴があります。
付属武装
ナルビーム砲
例によって武器の名称記載されていないので、今回は日本名で。
左右の肩に1丁ずつ、計2丁付属。
基本的にサイバトロンモード時(シージ版)の武器とも同じものですが、もちろん形状は変わっています。ディティールもあっさりめに。
定位置は肩ですが、普通に5㎜軸接続なので手に持たせることも可能。ただし、軸は短めなのであまり安定しません。
マクロマスター ボムショック & グラウル
日本では “リターン・オブ・コンボイ” で発売されたマイクロトランスフォーマー、“砲撃戦士ミリタリーチーム(海外名ミリタリーパトロール)” から、例によって2名が選抜。
今回は日本でも、本来の所属であるディセプティコンとして発売されました。
ロボットモード
左がボムショック(旧日本名ボンブショック)、右がグラウル(旧日本名グロウル)です。
それぞれ、一部にこれまでのマイクロマスターのパーツが使われているような気がしますが、目立つ部分はおおむね新規造形と思われます。
グラウルはビークルモードで天面に取り付ける武器を手持ち武器として持つ(側面に取り付け)ことが可能。
なお、ボムショックのほうは一応踵となるパーツがあるので自立は安定しますが、グラウルを自立させるのはかなり困難です。
ビークルモード
それぞれ戦車、戦闘用ジープにトランスフォーム。
カラーもあり、コンバッティコン(コンバットロン)のブロウルとスウィンドルを彷彿とさせます。
どちらもマイクロマスターにして変形も凝っていて、マンネリ感がなくなっていたのは好印象。
ウエポンモード
こちらも個々の変形は独特なものがありますが、結局はいつもの感じになります(笑)。
それぞれわかりやすい武器要素があるので、無理に合体させずとも単体で武器モードにできそうな感じですが、ボムショックのほうが5㎜軸として使えるパーツが砲身のみで、5㎜穴も砲塔の後ろにしかないため使い勝手が悪いです・・
比較画像
基型となるヘケヘケ版と、まずはロボットモードで。
プロポーションの調整、ディティールアップ、そして可動性能の向上と、12年の歳月、さらにクラスアップによる総合的な進化は当然あるものの、基本的なデザイン、構造はほぼそっくり受け継がれています。
そしてその受け継がれている部分が、おおよそ今回の残念な部分であるというのがなんとも・・
ビークルモードでも。
こちらはロボットモード以上にそのまま拡大した感じがあります。
ともにすっきり綺麗にまとまっていることは確かです。
ただ、機首の根元に空洞があったり、ランディングギアの展開ができなかったりということもすべて踏襲されている部分。
う~ん・・
シージ版と。ロボットモードで。
プロポーションは随分変わりました。
きっと地球で作られるエネルゴンが美味しくて、食べ過ぎで太ったんだな(笑)。
やっぱネックなのは胴体部分の構造だなぁ・・せめて横腹全部蓋して、赤とグレーで塗り分けしてくれればまだマシだったかもしれないけど。
ビークルモードでも。
こちらはもう完全にかたちが違いますが、雰囲気は似ています。
母星で一般的だった三角ジェットから、当時の地球の最新鋭ジェット機へ、どちらもちゃんとスタースクリームだと認識できます。
腰が回らないのも問題ですが、肩周りの柔軟性に乏しいのも残念な部分。
シージ版ではわずかに関節が引き出せましたが、今回は不可能。
メインの武器が肩に付いているキャラなのに、その肩を引き出したり跳ね上げたりできないので、イマイチポーズに迫力が出せない・・
手首は変形都合で前後スイングか可能になっていますが、シージ版ではできた回転はできなくなっています。
スタンド対応の3㎜穴は後ろのスカートにあります。
スカートを跳ね上げることで脚は90度近くまで上げることはできるので、少しぎこちなくはありますが立て膝は可能。
でもこれ、豪快にパンチラしてるみたいで、なんとも情けなく感じる・・なんでまたこんな仕様にしたのか。
膝もほぼ90度くらいしか曲がらず、そこもシージ版から劣化してしまった部分。
一方で足首のスイング幅は向上しており、接地性は十分。
可動に関してシージ版に勝っている点といえばここくらいか・・
バトルマスター付属のエフェクトパーツを使って。
ナルビームの先端は3㎜軸になっているので、エフェクトパーツの取り付けが可能です。
この緑色のビーム、なにに付いてたやつだったっけ?
前に回したウイングにナルビームを取り付けて、ヴェスバーっぽい感じにしたり。
ボムショック & グラウルのウエポンモードを持たせて。
そういえば、コンバッティコンの生みの親はスタースクリームでしたね。直接関係ないけど。
ビークルモードでも。
ジェットエンジン(ロボットモードの踵のパーツ)を開くと5ミリ穴があるので、エフェクトパーツを取り付けてジェット噴射をイメージしてみたり。
トップ3会談。まぁ、ほかの2人はシージ版ですが。
サウンドウェーブのアースモードも出るような話もありますが、それもこのシージ版のパーシャルになるでしょうし、やはりスタースクリームだけが特別な感じですね。
というか、他のボイジャークラスと違って流用でいっぱい出せる(実際、シージではけっこうな数が出ました・・ほぼ限定でしたが)から、そのぶん開発費の都合がつくということなんだろうけど。
あ・・でも、実質は12年も前のものの拡大版だし、開発費はそんなにかかってないのかも。
以上、“ER スタースクリーム” でした。
アースライズの新規組、オートボットはみんな比較的よくできているのに、ディセプティコンの1人めはこんな感じかぁ・・
決して悪くはないんですよ。悪くはないんだけど・・
まぁ、プロポーションやディティールの密度なんかは、アースライズはシージ以上に初代アニメのデザインに近付けるため(アースモードでのリメイクなので当然なのですが)にあえて若干野暮ったくしている感じはあると思うんです。
このスタースクリームの場合は、そういった点でヘケヘケ版(クラシック版)をベースにしよう! となったんだと思いますが、あまりにそのまま大きくしただけという感じで、それが今回残念に思えた点にすべて直結しているのがなんともやるせない。
確かに、ヘケヘケ版は当時のデラックスクラスとしてはよくできていますが、いかんせん10年以上前のアイテムです。
今回はサイズもボイジャーにアップしたのだから、もう1段2段、進化させる余地はあったはず。
あったのにやってない感じがするんだよなぁ・・
ほかにも、前腕の変形の・・とくに必要性を感じない細かさとか、胸部パーツの固定方法とか、微妙に油断できない部分もあり、なんというかいろいろ中途半端。
もうほんの少し手間をかけただけでG1リメイクのスタースクリームとしては最高傑作となったかもしれないだけに、残念です。
でも、またいっぱい色違いが出るんだろうな。すでにスカイワープとサンダークラッカーのセットが海外ショップ限定で発売されていますが、それすら日本では発売されないんでしょうね。
うん、もうされなくてもいいや。
本当にコーンヘッズが来るのなら、誰か1人くらいは日本でも発売されると思うので、それは買おうと思いますが、それもこのスタースクリームのパーシャルだと、今回気になった部分は全部そのまんまなんだろうな・・
さて、日本におけるアースライズの展開ですが、ディセプティコン勢はこのあとまたしばらく鳴りを潜め、一般販売は11月のスコルポノックまでお預けになります。
その前に10月にモール限定でスナップドラゴンが来ますが、これは9月一般販売のダブルディーラーと同じマーシナリー(傭兵)扱いだったような・・
なんにせよ、けっこうな長期間スタースクリーム1人で戦線を維持しなければならないわけで、たぶん逃げ出すな、こいつ(笑)。
早くメガ様以下、正式に情報が出ているディセプティコンの面々の日本での発売日を確定してほしいです。
まぁ、ファストトラックはモール行きだろうけど・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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