今回のレビューは、1/100スケール リボーンワンハンドレッド より、
“RE シャッコー” です。
”機動戦士Vガンダム” に登場する、ザンスカール帝国軍・・通称ベスパの試作型モビルスーツ、
“ZMT-S12G シャッコー” が、
REとしては初のプレバン限定完全新規型キットとして発売されました。
MG、HGUCに続いて、とうとうREでもプレバンで完全新規型が発売されるようになってしまった・・
まぁ、時代の流れですかね。
もう最近はあまり拒絶反応も出なくなりました。
むしろ受注生産だから、注文すれば確実に手に入れられるという点では一般販売よりよいですからね。
というのは、一般販売だからとタカを括ってたらHGオリジンガンダムを買い逃してしまった者の弁です。再販まだかなぁ・・(悲)
話を戻します。
作品としての人気があまりないのか、キット化の機械があまり巡ってこない印象のあるVガン登場機。
それでも、さすがに主役機のガンダムはMG(Ver.Ka)とHGUCで、2番手のガンイージ系もほぼプレバンですがREで一通り発売。
とくに、ここ最近はHGUCでセカンドV発売、先のガンイージ系もプレバンでバリエーションを多数発売と、地味に盛り上がりを見せています。
ならば、そろそろ相手側のザンスカール系の登場もあるだろう・・と思われていたところに、まさかのシャッコーですよ。
あとあとの展開や知名度(そもそもザンスカール系MSの知名度なんてどれも似たようなもんだろ、という気もしますが)を考えれば、ゾロやゾロアットあたりが妥当かと思っていたところに、シャッコー。
意外なチョイスでした。
ただ、シャッコーは主人公、ウッソが最初に乗ったMSですし、そういう意味ではVガンにおける象徴的なMSの1つではあります。
しかし、アニメ放送当時に非発売された1/144シリーズ、HG1/100シリーズではともに未発売。
その後も当然のようにリメイクされることもなく、アニメ放送から実に27年の時を経て今回が初のキット化となります。
ザンスカール系の1/100スケールキットでは、先にいったHG1/100スケールのゾリディア以来、2つめ。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。
まずパッケージと組み立て説明書。
今回、プレバンにしては珍しくパッケージ、説明書ともにカラーになっています。
ただし、機体解説などはありません。
では、中身に移ります。
比較的シンプルな曲線で構成されたボディに特徴的なネコ目(あるいはキツネ目?)。
ビームシールドから派生したビームローターを左腕に装備し、その左腕を掲げるような格好でを飛行する・・
F91に登場したクロスボーン系のMSもそれまでにないデザインで驚きましたが、また違った方向で衝撃を与えてくれたのがザンスカール系のMS。
物語が後半に進むにつれ、より奇抜なデザイン、非ミックを搭載した新型機が続々登場しましたが、それらの礎として、この試作機シャッコーの存在があったはずで、しかしそこに子供であるウッソに奪われ、しかも人並み以上に運用されていたことが関係していたらしいというのは皮肉な話でもあります。
なんというか、因果は巡るものなんだな。ガンダムらしい設定ですね。
RE化にあたり、プロポーションはある程度調整されていますが、とくに尖ったアレンジはされていません。
パネルラインなどのディティールの追加もほとんどなく、アニメ設定画の雰囲気から極端に変わっているということはないです。
設定画の時点でなかなか格好よかったですが、いくぶん小顔脚長になったぶん、さらに格好よくなりました。まぁ、あくまで主観ですが。
ほぼ全身オレンジのカラーリングは、特殊部隊イエロージャケットが試験を担当したからでしょうか? おかげで色分けもほぼ完璧です。
バックパックと一体になっている背面や、スカートアーマーのない股関節周りなど、意識的にこれまでの標準的なMSのデザインとの差別化が図られているように思います。
触角のような2本のアンテナに、独特なデザインのツインアイ(センサー)を備えた頭部も印象的。
目(センサー)の開閉はパーツの差し換え再現されています。
閉じた状態のスリット部分と開いている状態の全面をガンダムマーカーEX ロイヤルメタレッドで塗りました。
あと、アンテナ先端の赤はシールがあるんですが、ここもマーカーで塗っています。でも、下地が透けねますね。もっとしっかり塗らないとな。
ちなみに、ザンスカール帝国軍の通称、“ベスパ” はスズメバチに由来するといわれています(もっとも、スペルは違うようですが)。
このシャッコーの頭部デザインはカラーとも相まってまさにスズメバチっぽいんですが、どっちが先に決まったんでしょうかね?
というか、この顔が最近の仮面ライダーの顔に見えて仕方ない(笑)。
また、機体構造としてとくに異質なのが足首。
これは、ほかのザンスカール系MSでもあまり見られない構造なんですが、いわゆる足首は脛に固定されている状態で可動せず、踵のみが可動。
その踵に爪先にあたるパーツが接続されており、それがまた可動するという・・
非常に珍しいというか、なんでわざわざこんなことになっているのかさっぱりわかりません。
当然柔軟性には乏しく、少なくともキットとしては接地性もあまりよろしくありません。
あくまで試作機として、ビームローターによる大気圏内での飛行を主たる移動手段と考え、歩行機能はあまり重視されなかったとか、そういうことかもしれない。
正式採用機のリグ・シャッコーは普通の足首だったはずだしなぁ。
武装
試作型ビームライフル
専用装備ではなく、機体と同じく試験運用されていた試作品です。
劇中ではけっこう早い段階で失われ、以降はゾロ用のライフルやのちにVガンダムヘキサも使用するガトリングガンなどを装備していたもよう。
銃身中央の照準器(センサー部分はシール)の展開が再現されているほか、サブグリップが左右にスイングします。
保持には右銃持ち手を使用。左の持ち手は付属しません。
なお、ハンドパーツは親指が可動式でそれ以外の4指を交換するという、一昔前のMGの定番仕様。
これまでのREでは基本挟み込み式で、用途に応じてまるまる交換するタイプ(ガンイージでもそう)がほとんどだったと記憶してるんですが、なんでまたこのタイプに回帰したのか・・
実際、銃持ち手はグリップとのクリアランスがギチギチで、グリップ側に固定用のピンなどもないため、指パーツが非常に外れやすくかなりストレスです。
ビームサーベル
標準的な格闘用武装。
左右大腿部外装側面に1本ずつマウントされます。
標準的な格闘用武装。
使用時はデバイスが伸びる仕様になっているようですが、キットでは使用時、マウント時それぞれ別のパーツで再現されます。
サーベル刃はイエロー成型の汎用パーツです。
保持には汎用の持ち手を使用。左右どちらにも持たせられます。
やはり固定用のピンなどはありませんが、こっちはまぁ普通に持てます。
2連ショルダービームガン
右肩アーマーに内蔵された小型のビームガン。
2連ということなので、2つ並んだ3角形のパーツの先端部分からそれぞれビームを発射するんでしょうね。となるとかなり口径が小さいですが・・
アーマーを含めて3箇所で可動しますが、あまりグリグリ動くという感じではありません。
威力も含め、あくまで接近戦で相手の隙をつく隠し武器というような印象です。
ビームローター
ミノフスキークラフトとビームシールドを技術的に融合させた、ザンスカールが誇るMS用空中航行システム。
ザンスカール系MSの象徴的な装備の1つですが、飛行時には当然シールドとしては使えませんし、そういう意味ではそのまま普通に飛んでいたクロスボーン系MSのほうが優秀な気がします。
そもそもローター1個でどうやって安定したした飛行が可能なのかわかりません。タケコプターと同じです。
単純に四方にビームを出力して、それをヘリコプターのローターのように回転させることで浮力を得ている・・ようなもんだと思っていたのですが、それなりに小難しい理屈が考えられているようです(笑)。
まぁ、とりあえずこれで空が飛べるし、ビームシールドにもなる、というだけで十分ですね。
ただそれだと、トンデモ兵器感が強いですけどね。
もっとも、中盤以降のザンスカール軍はトンデモ兵器のオンパレードですが(笑)。
基部パーツの接続は単純な3㎜軸で、左前腕装甲に直で取り付けます。
当然回転は可能ですが、角度の変更などはできません。
右腕にはハードポイントがないので、左腕専用です。外装パーツごと交換すれば右腕に装備する仕様にもできますが。
ビーム発生状態の再現には、円形のエフェクトパーツを使用。
基部パーツで挟み込む仕様。
けっこうなサイズで迫力があります。
平面ではなく凹凸のある形状になっており、膨らみのあるほうが表側。反時計回りで回転しているイメージでプリントが施されています。
でもこれ、瓶妙にプリントがズレてる気がすんだけど、これでいいのかなぁ?
また、表面は光の当て具合によって綺麗にグラデーションするようにもなっています。
しかし、付属品がこれだけとは寂しいですね。
劇中で使用した武器のうち、ガトリングガンはMG Vダッシュガンダムに付属のものが使えるのでいいとして、ゾロ用のビームライフルもオマケで付けてくれたら嬉しかったんだけどなぁ・・
そういえば、ゾロもキット化されてないな。
比較画像
歴代ウッソ登場機で。
左がV(ヴィクトリー)ガンダム、中央にシャッコーを鋏んで右がV2(ヴィクトリーツー)ガンダム。ともに1/100 MG Ver.Kaです。
ちなみに設定ではVガンダムの頭頂高が15.2メートル、シャッコーの全高が14.7メートルなので、この2機はまぁおおよそ設定通りのサイズ感なのですが・・
V2ガンダムの頭頂高は15.5メートルなので、1体だけ完全にオーバースケールです。
前にV2をレビューした時にも言いましたが、なんでこんなことになったのか・・VよりV2の変形機構のほうが単純なのに。
同じREのガンイージ・・は持っていないので、ガンブラスターと。プレバン仲間ですね。
なんとなくガンブラスターのバックパックは外してます。
ガンブラスターの全高は14.9メートルということなので、是って衣に準ずるならガンブラスターはちょっと小さいことになります。
それにしても、同じシリーズのMSの設定なのに頭頂高と全高が入り交じるのやめてほしい。
デザイン的にはVガンダムと並べてたときにも感じましたが、開発経緯や使われている技術がまったく違うんだろうな、という感じですね。
キット的には、ガンブラスター(ガンイージ)もかなりシンプルでしたが、シャッコーはそれ以上にシンプルというか・・ディティールのあっさり具合もそのイメージに拍車をかけている気がします。
可動性能は標準的。
肩間接は引き出し式で、前方と上方にある程度可動します。肘は二重関節で深く曲げることが可能。
腹部のは気持ち程度前後に動くくらい。左右に捻るような可動はできません。腰への接続もボールジョイントではなく軸です。 股関節は前後にスイング。スカートアーマーのないデザインということもあり、付け根はよく動きます。パンツにあたるパーツも若干可動。
膝ももちろん二重関節なので、立て座も問題なし。
足首については先に言った通り。最初は戸惑いますが、慣れればべつになんてことはありません。ただ、あまり動きません。
飛行イメージで。
肩アーマーが単純な挟み込み構造なのがちょっと残念ですね。
ビームローター展開状態の腕を上げるポージングの格好がイマイチよくない・・
サーベルに持ち替えて。
スタンド用のアタッチメントは股間にはめ込むいつものスタイル。
今回のものはやたらがっちり嵌まるので安定感は抜群なのですが、外すとき本体側のパーツを傷付けそうで怖いです。
第1話の遭遇戦イメージで。
実は、Vガンダムはまともに見たことがないので、これも本当にイメージでしかありません。
このシャッコーとコアファイターの戦闘に巻き込まれたウッソは、なんやかんやでシャッコーを奪い、リガ・ミリティアに合流するわけですな(雑)。
クロノクルとの因縁の始まりです。
その後のウッソ。
ガトリングガンを持っているので、もうすぐシャッコーを乗り捨ててVガンダムに乗り換えるんでしょう(笑)。
というか、ガトリングガンはこれでいいのかな? 汎用持ち手で普通に持てましたね。
以上、“RE シャッコー” でした。
個人的なことですが、実に4ヶ月ぶりのガンプラ製作とあって、一気に組み上げてしまいました。実質2時間かかってないんじゃないかな?
非常にシンプルなキットで、正直もの足りない部分もありましたが、初キット化のレア機体ということもあり、楽しんで作ることができました。
部分塗装もほとんど必要なかったのもよかった。墨入れするのは久々でちょっと面倒でしたが、ディティールもあっさりでしたし、とにかくストレスなく組めましたね。
完成後にライフルを持たせる段階で、ちょっとストレスを感じましたが・・
なかなか立体化に恵まれないザンスカール系MS、あらためて格好いいです。
という感じで、このシャッコーそのものについてはおおむね満足ではあるんですが、気になるのは今後の展開ですよね。
シャッコーとくれば当然リグ・シャッコーへ繋がることを期待したいのですが、そもそもシャッコーとリグ・シャッコー、試作機と正式採用機ということでもちろん似てはいるんですが、外装の形状でまったく同じ部分って、実はないんですよね。
これがMGだったら、内部フレームの流用というかたちがとれるんでしょうが、そんなもののないREだとはたして流用できる部分があるのかどうか・・
ランナーには意味深なスイッチらしきものはあるんですけどね。
でも、今どきまったく流用の利かない完全一点モノのキットを出すとも考えにくい。
なので、期待だけは捨てずにおきますね。
リグ・シャッコー・・通常期は一般で、近衛師団仕様はプレバンかなぁ(笑)。
そしてそのあとはほかのザンスカール系へ続いていくわけですね。
ゾロなら一般機、クロノクル機、そして改。
トムリアットならドムットリア。
ゾロアットなら白いのと、ゾリディア・・
ほかにも1つ出せばそのあとに複数のバリエーションを出せる機体はたくさんいます。
まぁ、そういったものも度外視で個人的要望を出すとしたら、一番ほしいのはHGUCゲドラフですね。もちろんアインラッド付きで一般。そして、2体セットのツインラッド付きがプレバンでどうでしょう?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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