今回のレビューは、トランスフォーマー シージ より、
“SG-45 クロスヘアーズ” です。
オートボットのターゲットマスター、
“クロスヘアーズ” が
トランスフォーマー シージにておよそ33年振りにリメイク。
今回は1月に発売されたバトルマスター、
“SG-40 ラング” と併せてレビューしていきたいと思います。
不遇のオートボットターゲットマスターより、ようやく1人がシージに参戦。
とはいえ、残りのメンバーが駆けつける気配もなく、まさに孤軍奮闘といった態です。パートナーもフォローされないし・・
そもそも、なんで急に彼が呼ばれたのかということですが、やっぱり実写版からの流れになるのかなぁ? バリケードと同じく。決してタイムリーなネタではないけど。
実写版では仕切り直し(?)の第4作、“ロストエイジ” から緑色のロングコートを纏ったガンマン風のデザインで登場しましたが、G1との共通点といえば銃がメインウエポンというくらい。
G1オリジナルの彼は、先にも言ったように銃に変形する小型のトランスフォーマーを相棒に持つたターゲットマスターの一員で、日本では “ザ☆ヘッドマスターズ” の中盤から登場。
ターゲットマスターはサイバトロン(オートボット)、デストロン(ディセプティコン)ともに3人ずつが登場しますが、確か全員が歴戦のベテラン戦士という設定だったと思います。
それが理由なのか、今回のクロスヘアーズは同じベテラン戦士であるアイアンハイドのリカラー頭部変更というかたちで登場しました。
一方のバトルマスター、ラングは海外コミック出身のオリジナルキャラで、オートボット所属の精神科医という設定。
今回が初トイ化だと思われます。
では、まとめてレビューしていきます。
クロスヘアーズ
ロボットモード
一言で言うと、箱ロボ。
アイアンハイドでは曲面だった頭部も角張った形状に変更されたことで、ほぼすべてのパーツが四角で構成されることに。
しかし、実はオリジナルデザインの頭部はこんなゴーグルマスクタイプではなく、2つの目に鼻と口があるタイプで、ヘルメットの形状も丸みを帯びています。
というか、頭部もアイアンハイドのものをそのまま使ったほうがむしろオリジナルに似ていたのに・・なんでこんなふうにまったく別人の顔になってしまったのか?
頭部(顔)以外は、腕にタイヤがないくらいでわりとオリジナルの雰囲気に近いんですけどね。
さて、モノ自体の感想はアイアンハイドとほぼ重複することなんですが、アイアンハイドの発売がもうかれこれ半年以上も前のことになるので、気にせず繰り返します(笑)。
箱組と肉抜きを多用することでデラックスクラスとしては大柄になっていますが、そのぶん密度感は減っています。
ただ、アイアンハイドではグレーだった部分が黒に成型色が変更されたおかげで、とくに背中の肉抜きなどはパッと見気にならない感じになっています。
また、同じくアイアンハイドでは全体に間接が緩緩めだったんですが、調整がされたのか、絶妙な渋みになって保持力が増しています。まぁ、個体差かもしれませんが。
オリジナルを踏襲したカラーリングですが、個人的に初見は(スピニスターの場合と違ってこちらは普通に)ダサいと思っていたんですが、現物は赤も青もわりと落ち着いた暗めの色調で、案外悪くなかったです。
ウェザリングは今回もありません。
ビークルモード
オリジナルはバギータイプの車輌に変形しましたが、今回は基型のアイアンハイドのビークルモードのまんま。
しかし、いくらサイバトロンモードという言い訳ができるとはいえ、オリジナルの面影が一切ないというのはどうなのか・・このデザイン自体は嫌いではないですが。
なお、こちらでも間接や可動部の調整がばっちり利いており、変形がよりかっちり決まるようになっていました。
うちのアイアンハイドはいつのまにか車体後部(脚部)がしっかり閉じなくなっちゃったからなぁ・・
付属武器
W-35 LR ドゥームブラスト フォージ
ランチャーモード
単体で射撃武器から格闘武器へ変形可能な大型武器。
アイアンハイドに付属の武器と型式も名称も同じもので、カラーリングのみ変更されています。
先端部に6つ並んだ砲口部分にエフェクトパーツが付けられそうで付けられないという・・
エフェクトパーツはハンマーモード時にハンマーの後ろ側に取り付け可能。縦に2つピンが並んでいます。
ビークルモードでは、ランチャーモードで車体天面中央に取り付けられます。
ロボットモードの上腕同士の隙間に、武器側のL字になっているジョイントを差し込む仕様で、どう考えてもそこが本来の取り付け位置のはずなんですが、説明書には一切記述はなく、普通に5㎜穴に取り付けるよう書かれています。
たしかに、アイアンハイドではスカスカでしたが、各部が調整されたこのクロスヘアーズではぴったりとフィットしてくれるので、やはりこれが正解でしょう。
ラング
ロボットモード
完全新規型で、これまでに発売されたシージの人型バトルマスターとは印象の違う、華奢めのプロポーションに、ロイド眼鏡風の丸い瞳が特徴的。
やっぱりアメコミ色強めですね。
ウエポンモード
コミックでは杖っぽいなにかに変形するらしいのですが、今回は普通(?)に2連装タイプの銃にトランスフォーム。
そろそろ違うモチーフが欲しい・・
変形もこれまでの定番とは違い、バンザイした状態で背中のパーツを起こすだけと非常に簡単。真っ直ぐ伸ばした脚がそのまま砲身になるかたちです。
エフェクトパーツを付けて。
ドリル状に螺旋を描いて放たれるビーム、というイメージの新規パーツになっています。
比較画像
基型のアイアンハイドと。
違いはカラーリングと頭部の造形のみ。
せめて武器はパートナーであるターゲットマスターのウエポンモードに似せたものを新規で付けるくらいのことはしてほしかったですね。
スピニスターとの扱いの差が・・やはりオートボットのターゲットマスターは不遇だ。
ビークルモードでも。
ただの色違いです。
しかし、各間接の保持力、変形時のパーツの合わせなどが調整されたことで変形トイとしての完成度が増していることは評価できます。
実写版と。
左はロストエイジ公開時に発売されたAD版です。
まぁ、見ての通りまったくの別人。
そもそも実写版のトランスフォーマー(スピンオフのバンブルビー登場キャラは除く)でG1オリジナルの面影があるのなんてオプティマスくらいですし、それはべつにいいんですが、辛うじての共通点だったガンマン要素もシージ版ではもう関係ない感じなので、もはや同名の別人でしかないレベル(笑)。
ビークルモードでも。
実写版は緑色のシボレー C7 コルベット・スティングレイに変形。
このAD版のトイがどれだけ実車に近いのかはわかりませんが、そんなことどうでもいいくらい別物(笑)。
ついでにラングとファイヤーボルトも、ロボットモードだけですが並べてみます。
こう見るとファイヤーボルトは変な体型だなぁ・・
でもラングはこれ、流用が利かなそうなデザインですね。ボディはともかく、顔がなぁ。特徴あり過ぎる。
以下、画像
可動性能はシージ基準で申し分なし。この型は手首も回転するのがいいですね。
アイアンハイドのときに不満だった間接の緩さが改善されたことで、ストレスなくポージング作業が捗ります。
もちろん、腰裏のスタンド穴も緩くない。
立て膝はバランスが微妙なところ。
武器で支えてなんとか格好が付く感じかな。
武器をこの位置で持つの、ツールボックスを提げてる感じでわりと好きです。このポーズも、水道工事のおじさんが現場に着いて、さぁて仕事始めますか・・みたいな雰囲気だなぁ、と(笑)。
ラングのウエポンモードと一緒に。
おそらくコミックでもまだ絡んだことないと思うんですが、そんなことはどうでもいい。
せめて、ここにはいない相棒の代わりに・・
ビークルモードでも。
フロントグリルの5㎜穴にラングにエフェクトパーツを取り付けて疑似ドリルタンク(タイヤだけど)に。
単純だけど、これが一番効果的な使い途のような気がする。
さて、以前レジェンズにおいて日本オリジナルでターゲットマスターのリメイクがなされましたが、そのとき一部のターゲットマスターは本来のパートナーとは別のキャラに付属するかたちになりました。
本来はクロスヘアーズのパートナーであるピンポインター(レジェンズ版では和名のポインテックになっています)も、ウインドブレードとセットで発売されています。
というわけで・・
ウインドブレード 「ほらポインテック、忘れているかもしれないけど、彼があなたの本当のご主人さまよ。そしてあなたの本当の名前はピンポンター。今日からあなたはピンポンターなのよ」
ポインテック 改めピンポインター「・・・・・」
クロスヘアーズ 「待たせたな、ピンポインター! これからはずっと一緒だ。もう寂しくないぞ」
ウインドブレード 「さぁ、お帰りなさい」
ポインテック改めピンポインター 「・・・・・」
ポインテック改めピンポンター 「・・・!!」
クロスヘアーズ 「おいこら! ピンポンター! 嫌がるんじゃない!」
ウインドブレード 「ポインテック・・(ホロリ)」
みたいなやりとりがあったり、なかったり・・
まぁ、誰だってごついおっさんより綺麗なおねーさんの傍にいるほうがいいわさ(笑)。
以上、“SG クロスヘアーズ & ラング” でした。
と、ここまで書いたところでピンポンターが海外限定版のセットに封入されるらしいという話を聞きました。ファイヤードライブのリカラーということのようですが、知ってたら代わりにファイヤードライブを持たせた画像も撮ったのに・・
本当、最近は売り方に文句ばかり言ってる気がする。
せっかくいいものを作ってるのに、マーケティングがおかしいんだよなぁ。
いっそこのクロスヘアーズが、端からファイヤードライブをリカラーしたピンポンターとセットで限定になっていればよかったのかもしれない。
クロスヘアーズだけが単体で一般販売となったことで、かえってほかのオートボットターゲットマスターが新規でリメイクされる可能性が、おそらくは数年のうちにはなくなったのではないかとすら思います。
これが完全新規だったら、アースライズやそのまた次のシリーズでほかの面子が出てくる可能性もあっただろうけど。
アイアンハイド型はデラックスクラスながらロボット、ビークル両モードでボリュームがあることや、変形も簡単ながら大胆なパーツ移動があって楽しく、トランスフォーマー初心者にもお勧めできる良アイテムだと思うのですが、間接および可動部の緩さが唯一のネックでした。
今回のクロスヘアーズはさすがに後発アイテムということで、そのあたりしっかり調整されているので、とくにキャラに思い入れがなく、とにかく変形トイが欲しいという人にはクロスヘアーズのほうを薦めるかなぁ。
まぁ、個体差けっこうあるからなぁ。アイアンハイドも、うちに来たのがたまたまとくにひ弱だっただけかもしれないし、クロスヘアーズでも足腰立たないのもいるかもしれない。
要は運なのかも。で、ハズレに当たった場合は各自で調整する、と。
なにはともあれ、出来そのものはよいクロスヘアーズ。レジェンズ版ウインドブレードやポンテック(ピンポンター)とのネタでも遊べたので、買って損はなかったです、はい。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
0コメント