RE ザクII改 レビュー

 今回のレビューは、1/100スケール リボーンワンハンドレッド より、
“RE/100 13 ザクⅡ改” です。


 “機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争” より、
ジオンの青年兵、バーナード・ワイズマンが乗り込み、ガンダムNT-1 アレックスと死闘を繰り広げたザクⅡの最終生産型
“MS-06FZ ザクⅡ改” が
REにて初の1/100スケールキット化されました。


(このレビューは、旧サイト「退屈と惰性と」で8月8日に投稿したものの、その後容量不足から一部画像の表示がおかしくなったものをこちらに転載したものです。

 いくつか画像の撮り直しと整理をしています。本文についてはほぼそのままなので、認識の古い部分もありますがご了承ください。若干の修正箇所はあります。

 なお、こちらでの投稿を機に旧サイトの投稿は削除しております。)


 ポケットの中の戦争、懐かしいです。

 以降、続々と展開されていく一年戦争スピンオフの元祖であり、ガンダムシリーズ初のOVA作品ですね。

 1989年リリースですから、今からもう30年前。僕もまだ小学生でしたよ。当時、レンタルビデオ(笑)で一巻ずつ借りて観ていた覚えがあります。

 なんとなくポップなサブタイトルとは裏腹に、民間人の少年(CVは子役時代の浪川大輔!)を主人公に戦争の悲劇を描いた物語は、今なおシリーズ全般を通してもかなりの異色作だと思います。

 その内容には、子供心にもいろいろ考えさせられました。

 永らく観ていませんが、廉価版のBDBOXも出るようだし、久しぶりに観てみたいなぁ。たぶん、今観たら泣くだろうなぁ……

 そんな作品のクライマックスにおいて、コロニー内で新型ガンダムと死闘を繰り広げるMSが、ザクⅡの最終生産型であるザクⅡ改です。

 一年戦争後半にジオン軍が推進した統合整備計画のなかで抜本的な改修が施されたザクⅡというのは後付けの設定で、当初はあくまで普通のザクⅡのリファインデザインでしかなかったようです。

 しかし、今ではその後付けが公式設定となっており、完成が戦争末期だっためにごく少数が実戦投入されたに留まる、というようなことになっています。

 露出もかなり少なく、アニメでは0080以降、近年になってようやくUCでちらっと登場したくらいです。

 そのせいか、キット化の機会にもあまり恵まれなかったいう印象です。

 仮にもメインキャラが乗り込み、数々のトラップを用いた末の相打ち(しかもパイロットは死亡)とはいえ、新型ガンダムを大破させた実績があるにもかかわらず、1/100スケールでは今回は初のキット化ですからね。

 プロモーションとしては、その相打ちの相手、ガンダムNT-1 アレックスとのタイアップになります。

 なんでこのタイミング? と思ったんですが、なるほど30周年なのか。

 ちなみに、前月発売のMG アレックス Ver.2.0 を、僕は買い逃してしまいました。9月の再販分は確保できましたが。


 それでは、レビューに移ります。

 キットは素組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。 


 全体に丸みを帯びたフラットなデザインだった原型機に較べ、各部の形状がやや複雑になり、スラスターなども増設され、見ための情報量が飛躍的に増したザクⅡ改。

 とくにボディは軍用ジャケットを羽織らせたようなイメージで、随分とマッシブな印象になったと思います。

 REでのキット化ですが、過度なアレンジはありません。もともとがハイディティールなデザインだったので、等身を含めてとくに違和感はなし。

 色分けもすべてのバーニア内部までパーツ分割で再現される徹底ぶり。

 ただ、マシンガンのみ設定のグレーではなく、バックパックやソールと同じダーググレーでの成型になっています。


 原型機よりも長く伸びた口(?)が印象的な頭部。

 ヘルメットは、デフォルトの丸坊主のほか、指揮官用の角飾りが付いたものとBタイプ(フリッツヘルム)が付属します。

 Bタイプって、見ためほぼギラ・ドーガですよね。デザイナー同じ人だっけ?

 あと、モノアイカバーが付くのって久しぶりな気がする。

 モノアイは顎裏のレバーを動かすことで可動。パーツ自体は無色クリアーで、テトロンシールを貼る仕様ですが、今回も定番のガンダムマーカー蛍光ピンクで塗っています。

 なお、黄色の動力パイプはゴムに近い柔らかさの軟質パーツ。確かMG ギラ・ドーガもそうだったけど、これゲート処理が綺麗にできないから嫌いなんだよなぁ……


付属武装

MMP-80 90㎜マシンガン

 一年戦争後期のジオン製MSの多くで運用された実弾射撃武装。

 いわゆるザクマシンガンよりも口径は小さいですが、小型で取り回しがよく、性能も上なのだと思います。

 過去にもMGほか1/100スケールでたびたび立体化されていますが、今回はかなり大振りになっています。

 銃口下部のグレネードランチャー、マガジンは取り外し可能で、予備マガジンは左腰サイドアーマーに収納できます。

 アーマーのカバーはヤクト・ドーガのときのようなことはなく、ちゃんと開閉可能。
 ただ、マガジンは1パーツ成型で後ろ側にがっつり肉抜きがあります。
 なんでまたここで手を抜くのか……

 保持には専用の銃持ち手を使用。

 待望の銃持ち手ですが、右しか付属せず、しかも手甲パーツは左右一つずつしかないので、いちいち付け換える必要があります。


ヒートホーク

 ザクといえば、の格闘用武装。

 使用時と携帯時ので柄の伸縮をパーツ差し換えで再現しています。そして、かつてヒートホークがここまで色分けされていただろうか?

 形態時は専用のアタッチメントで腰リアアーマーにマウント可能。

 ブレードパーツはランナーの都合で一つ余るので、今回はシルバー、クリアーオレンジの順に塗装して赤熱化状態を再現してみました。

 保持には汎用の武器持ち手を使用。こちらはちゃんと左右分付属します。柄にピンが出ているので、拳の中でしっかり固定できます。


ハンドグレネード

 右腰サイドアーマーに三つ携帯する小型の投擲武装。

 もちろんすべて取り外し可能で、さらに柄のパーツを差し換えることで投擲状態にして武器持ち手に持たせることが可能。

 ただ、実際に持たせてみると思いのほか小さいです。


比較画像

 まずはHGUC版と。

 0080に登場したMSは、HGUCのわりと初期の段階でけっこうな数が出揃っていましたが、ケンプファー、そしてこのザクⅡ改は少し遅れて発売(その後さらに随分と遅れてジムスナイパーⅡが発売され、一応シリーズコンプリート)されました。

 そんなHGUCザクⅡ改ですが、あまり評判はよろしくなかったようです。

 オリジナルのデザインに較べてかなりスマートというか、メリハリのないプロポーションが好まれなかッたのだと思います。あらためて見ると、成型色からしてメリハリがありません(笑)。

 しかし、構造的には擱座状態が再現できる股関節の可動ギミックなど、後の定番に繋がる部分もあって、決して言われるほど悪いものではないと思うんですけどねぇ。


 次に1/100スケールの歴代ザクⅡと。

 左からファーストに登場したいわゆる量産型ザク、F型。0083に登場したF2型。そして今回のザクⅡ改ことFZ型。

 作品の年代から、F2型が最新機種だと勘違いする人もいそうですが、こうして並べて見るとその差は明らか。どう見たってFZ型が最新の高性能機だと思えます。

 コクピット周りをごっそり改良しているというのもよくわかる。

 なお、今回比較に並べたキットはF型が2008年発売のMG Ver.2.0。F2型が2002年発売のMG版です。今にして思えばF2型のMG化もけっこう驚きですね。

 でも、今回FZ型がMGではなくREでの発売となったのも、ザク Ver.2.0のフレーム流用が難しそうだったからかもしれませんね。

 まぁ、内部フレームの再現なんかにこだわらない限りは、REは十分MGの代わりとして足りるものになっていると思います。

 そもそも、最近のMGでも内部フレームの再現なんて二の次のキットも多いですし。


以下、画像

 このザクⅡ改から、これまでのREすべてに採用されていた共通ポリキャップの使用が廃止になり、KPSオンリーの間接、接続構造となりました。

 正直、KPSの保持力もあまりアテにはできないんですが、とりあえず今回は問題なし。

 とはいえ、18m級の標準サイズかつ、とくに大型武装も持たないオーソドックスな機体なので、これで保持力、強度不足だったら話にならないわけですが。

 一方で可動性能についてはなかなかに優秀。

 個人的には首の可動範囲の広さは嬉しいです。

 肩はHGオリジンザク系のように胸部ブロックごと動かせるタイプで、前方への可動のほか、多少上方に持ち上げることもできます。さらに肩間接も前方に引き出せるためマシンガンやヒートホークの両手持ちも楽々こなせます。

 シールドよびスパイクアーマーは可動式のくの字型アームジョイントで接続されているのでかなり自由に動き、腕の可動を妨げません。

 腹部はコクピットブロックを引き出すことで少し深く前方に曲げることができます。ただ、左右にはあまり捻れません。

 股関節は左右独立してスライド。腰アーマーを上げれば180度の開脚も可能です。膝は20度ほど曲がり、立て膝も問題なし。

 足首は脛外装の後ろ側の裾パーツが開くことで前後に大きく動き、爪先も可動します。しかし、前側の裾は固定のため、それが干渉して左右の可動はイマイチです。


 以上、“RE ザクⅡ改” でした。


 このところはREでもバリエキットありきな展開が続きましたが、これは久々の一点ものになりそうな予感です。

 HGUCではバズーカだけ足して強引にUC Ver.としてプレバンで発売していましたが、さすがに同じことはやらないだろうし。

 ザクⅡの最終生産型ですし、間違いなく一年戦争期のザクではもっとも高性能な機体だと思うんですが、バーニィ以外で誰かが乗っていたという記録はないんでしょうか?

 ただまぁ、やっぱりバーニィの機体というイメージが強いですし、他の誰にも乗ってほしくないという気持ちもあります。

 でも、バーニィに続いてミーシャも逝ってしまいましたね。淋しいなぁ……


 キットのことに話を戻しますが、ザク系の1/100スケールキットはかなり久しぶりに作った気がします。

 プレバンにてMG Ver.2.0のR型祭りが結構長い間続いていましたが、僕は不参加だったもので。

 完全新規のザク系1/100スケールキットとなると、いったい何年振りになるんだろうか?

 特殊な装備を持たない量産型汎用機ですが、それゆえに丁寧に作られたキットだな、と思います。

 ただ、RE共通ポリキャップを廃した効果については、このザクⅡ改だけでは判断しかねる感じですね。次がどうくるか……だな。


 さて、9月には世界観こそ違え、同じザクを名乗るガナーザクウォーリア(ルナマリア機)が、そちらはMGで発売されます。

 これって、どっちがMGかREか、二択だったのかな?

 だとしても、バリエ展開が確実でシリーズ人気も遥かに上(でしょう、たぶん)なザクウォーリアがMG化権を得たのは自然の流れだったんでしょうね。

 まぁ、正直なところはどっちもREで十分だとは思うけどね。

 むしろ僕は、ガナーザクウォーリアもREだったら買ったでしょう。MGということで、今回はスルー。

 ていうかあれ、頭小っちゃ過ぎだよ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。


 さて、これで旧サイトで不具合のあったレビューは全部引っ越しできましたかね・・

 ほかになにか見つかったら、またそのとき対処します。

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