SS ドロップキック レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-28 ドロップキック” と、
“SS-36 ドロップキック2” です。


 実写映画版トランスフォーマーのスピンオフ作品、
“バンブルビー” より、
逃亡したバンブルビーを追って地球にやってきたディセプティコンの一人、
“ドロップキック” が
それぞれ別のビークルモードに変形する別個の2アイテムとして発売されました。


 遅まきながら、バンブルビー見ました。昨日に(笑)。

 正直、これまでの実写映画版のなかでは1番面白かったんじゃないかなぁ。

 スピンオフということで、時系列としては第1作の前日譚にあたるお話ですが、そこは実写版トランスフォーマー、至るところに矛盾があります(笑)。

 主に活躍するトランスフォーマーもオートボットはタイトルにもなっているバンブルビーのみ、ディセプティコンも今回レビューするドロップキックとシャッターという新キャラだけで、物語のスケールも小さいですが、無駄に長くもなく、戦闘シーンのボリュームも十分な良作だったと思います。

 この設定準拠で全部リメイクしてほしいとすら思う。そしてダークサイドムーンまでで終わっていいと思う(笑)。


 さて、そんな劇中で活躍したドロップキックは、先にも言ったようにバンブルビーオリジナルの新キャラとなります。過去作品に同名のキャラがいたような気もしますが、おそらくは別人。

 バンブルビー追って地球に襲来し、まず車をスキャン、さらに戦闘ヘリをスキャンしてトリプルチェンジャーとなりました。

 これまでの実写映画版でも一応トリプルチェンジャーとされるキャラはいましたが、今回のドロップキックやシャッターのようにその設定をちゃんと表現されたキャラはほぼいなかったと思うので、戦闘シーンで各モードを切り替える様子は新鮮でした。それでこそトランスフォーマーだ!

 ただ、さすがにトイでは実写版の複雑(というか物理的にほぼ不可能)なトリプルチェンジを再現するには至らず、しかも今回はスタジオシリーズのデラックスクラスでの発売というサイズ的な制限もあって、単独で個々のビークルモードに変形できる別個のアイテムとして発売されることになりました。


 それでは、レビューしていきます。

 


ドロップキック
ロボットモード

 まず3月にこちらが “ドロップキック” として発売されたんですが・・誰?(笑)

 辛うじて顔がそうかな? と思えるくらいで、劇中の姿とはまったくの別人です。

 そもそも、ドロップキックたちは地球にやってきてまず車をスキャンし、のちにヘリ(シャッターは戦闘機)をスキャンしたことでトリプルチェンジ能力を得て、そのときにロボットモードの外観も変化したので、“1”,“2” と区別するならこちらを “2” とすべきだった思うんですが、そんなことどうでもいいくらい別人です(笑)。

 ヘリモードの再現度を重視したことで、まずメインカラーがブルーじゃなくグレーになってますし、当然ですが車要素は一切ありません。

 しかし、あくまでヘリだけに変形するキャラととれば、レジェンズ版ホワールなどにも似た独特なプロポーションや小さいながらも凝った変形パターンなど、見るべき部分は多いです。

 武器はヘリモードのミサイルポッドが変形するガトリングガン。2丁付属し、5㎜軸で拳での保持が可能です。


ビークルモー

 ベル・エアクラフトのAH-1W スーパーコブラにトランスフォーム。

 世界初の戦闘ヘリとして有名なコブラの後継機種ですね。

 現在ベルはテキストロンに買収されていますが、ヘリ部門はベル・ヘリコプターとして存続しているようで、今回はちゃんとそこのラインセンスが取得されています。

 実写版でヘリといえば、第1作で衝撃的な登場をしたブラックアウトを思い出しますが、あちらが大型の輸送ヘリだったのに対し、こちらは一人乗りの戦闘ヘリに変形します。

 細身のプロポーションはかなり実機に近いのではないかと思いますが、ローターなんかにはやはり少しオモチャ感が出ますね。しかしなかなかに格好いい。

 コクピット下の機銃は収納状態で変形させることも可能です。

 ただ、各部のパーツの合わせがかなり悪いです。とくにテール部分は根元を合わせれば先端が割れ、先端を合わせれば根元が割れるの繰り返し。左右のエンジンパーツも固定が甘く、常にぶらぶらと頼りない感じです。

 そして1番の不満点、ヘリコプターなのに、飛行状態で飾るための3㎜穴がありません!


ドロップキック2

ロボットモード

 そして5ヶ月後の8月に発売されたのがこちら。

 後発アイテムのため、便宜上 “2” と付いているわけですが、何度も言いますが劇中ではまずこちらの姿になります。

 なんでそのへんの調整ができなかったのか・・

 デザインやプロポーションは、劇中のマッチョな感じをわりとよく再現できていると思います。とりあえず最初のものに較べればちゃんとドロップキックです。共通点顔だけだし・・(笑)

 背中にビークルモードのルーフを背負う、いわゆるガワ変形になりますが、ルーフ自体を多少コンパクトに折りたたむことができるため、すっきりと綺麗にまとまっています。

 腕部が変形するブラスターは外付けのオプションとして付属。拳を回転収納すると出てくる突起にはめ込む仕様です。

 パッケージ画像に準じて左手に付けていますが、劇中では右手が変形してましたね。もちろん右手にも取り付け可能です。


ビークルモード

 アメリカンモーターズ(AMC)のジャヴェリンにトランスフォーム。

 AMCも現在はクライスラーに買収されているため、今回はクライスラーのライセンスが取得されています。

 なんでどっちのビークルモードも買収された会社のものなのか・・ 

 メインカラーは成型色ですが安っぽさはありません。ただ、フロントグリルや後部ライトなど、細かいところまで塗装されている一方でタイヤのホイールは塗られていないのは残念ですが。

 ガワ変形ですが、ボディや腕部の変形パターンはなかなかに複雑で新鮮。ただ可動部が多いせいか各部のわずかな歪みが蓄積され、最終的に合わない、という状況になりがちです。

 画像でも右のドアを収めきれてません。これは僕の変形の仕方が不味いのか、そもそも歪んでいるのか・・


比較画像

 両ドロップキックを並べて。まずはロボットモード。

 完全に別人(笑)。

 一応共通デザインになっている頭部も流用ではなく、サイズやディティールがけっこう違っています。

 なお、劇中でトリプルチェンジャーなったあとのドロップキックは、2をベースに胸部にヘリのコクピット、背中にローター基部を足したようなデザインになっています。

 

ビークルモードでも。

 実際のサイズとしては、さすがにヘリのほうがもう少し大きいのかな?

 プロポーションはどちらも非常にいいですけどね。

 

 いまだ主役のバンブルビーを持っていないので、とりあえずバンブルビー版オプティマスを挟んで。

 まずはロボットモード。

 劇中でこの姿で相まみえることはなかった両者ですが、ラストのバンブルビーとの並びから、サイズ感はだいたい合っているのかな、と思います。

 しかしあらためて、このオプティマスは格好いいな。


 ビークルモードでも。

  忘れてましたが、ドロップキック2の武器はビークルモードでリアウイング(?)に取り付けることができます。

 単純に挟み込むだけ、しかもけっこうキツイので、何度も付け外ししてると本体側が傷みそうで心配です。

 相方のシャッターと2とで。

 まずロボットモード。

 シャッターのほうがスラリと背が高いのは劇中同様。

 こちらのシャッターも車にだけ変形するもので、ロボットモードもまだ戦闘機をスキャンする前の姿を再現している・・はずなんですが、なぜか顔が劇中でほぼ見られないマスクオン状態。

 これまた誰? 感の強い仕上がりになっています。

 二人が具体的にどういう関係なのかは語られませんでしたが、わりと短絡的なドロップキックをシャッターがコントロールしているような感じだったので、姐さんと舎弟的な感じだったのかもしれません。ひょっとしたら双子の姉弟だったり? 


 ビークルモードでも。

 シャッターはクライスラーのマッスルカー、プリムス・GTXにトランスフォーム。

 もちろんライセンスも取得され、再現度はなかなかのもの。

 ドロップキックのジャヴェリンと同じくタイヤのホイールやフロント上のライトが未塗装なのは残念ですが。

 車に詳しくない僕なんかはこの2台はてっきり同じ車の仕様変更で、だからシャッターとドロップキック2もパーシャルなんだろうと思ってたんですが、実際は全然違いました。

 まぁ、車の雰囲気は似てますが、パーツの流用などは(たぶん)ありません。


以下、画像

 まずヘリのほうから。

 腰の回転はありませんが、長い手脚がよく動き、ローターも含めてけっこう派手なポージングが可能です。

 足首のスイングはできませんが、細いながらしっかりパーツの詰まった脚部のおかげか、接地性は十分。立て膝もかなり綺麗に決まります。

 劇中再現度を無視すれば、非常によいアイテムだと思います。それだけにスタンド用3㎜穴がないことが惜しまれる。

 幸い軽くて細いので、挟み込みタイプのアタッチメントを使えばディスプレイはさほど難しくはないんですけどね。


 続いて車のほうで。

 こちらはヘリのほうほど動きません。

 よくも悪くもスタジオシリーズで車に変形するタイプのほかのトイとほぼ同じ感覚ですね。

 腰は固定。足首も縦向きにしか動かないので、接地性は微妙ですが、自立が困難ということはありません。

 こちらは腰裏に3㎜穴があるので、スタンドの使用が楽々。

 劇中でもバンブルビーとアクロバティックな肉弾戦をしていたので、その再現には嬉しいところです。まぁ、そのときの彼はこんな姿ではなかったんですけどね。


 相方のシャッターと。

 青と赤というカラーリングの対比、そして性格の違いがよいコンビだった二人。

 けっこうあっさり死んでしまったのは残念でしたが、前日譚のスピンオフ作品である以上、仕方ないですね。

 まぁ、平気で前の設定を引っ繰り返すシリーズですから、次回作で普通に出てくる可能性も捨てきれませんが(笑)。


 スタジオシリーズならではの、中台紙を使った簡易ディスプレイベースをバックに。

 ヘリのほうの背景には、戦闘機同士の空中戦が描かれていますが、劇中にこんなシーンはありません。

 あくまでイメージ、ということで。

 車のほうの背景は、彼らが最初に飛来した場所、でしょうか?

 もっと開けた土地だった気がするけど。


 以上、“SS ドロップキック” でした。

 バンブルビー、評判はよかったので楽しみにしていたんですが、期待以上でした。

 まぁ、そもそもこれまでに公開された実写版5作品を経た状況で期待値がかなり下がっていた、という部分もありますけどね。

 とりあえずハリウッド映画というのは、ある一定のパターンを消化しなければいけない決まりがあるらしい(笑)。今回はそのへんとファンが期待するトランスフォーマー映像とのバランスが上手いこと整った、という感じだったのかな。

 冒頭のサイバトロン星での戦いだけで2時間やってもらってもよかった、という意見もあるかもしれませんが。

 個人的には、クライマックスの戦闘シーンでしっかり変形を盛り込んでくれたことが嬉しかった。これまでの作品だと、戦闘になるともうほとんど変形せずにただ殴り合うってパターンが多かったですからね。

 とくに、ドロップキック、シャッターの両名はちゃんと戦闘中にもトリプルチェンジを披露してくれましたし。

 さて、そんなドロップキックのトイですが、スタジオシリーズのデラックスクラスという条件では劇中のトリプルチェンジは到底不可能(ボイジャークラスでもたぶん無理)ですし、今回の割り切った仕様は結果的によかったと思います。

 それぞれの出来はモノによって差の激しいスタジオシリーズにあってほぼ同等によいですし、なによりビークルモードの再現度はさすがライセンスを取得しているだけはあります。ここのところ、オモチャ感の強いコンストラクティコンばかり触ってたから余計にそう感じるのかもしれませんが・・

 あとは、ハリヤーに変形するシャッター “2” の発売が待たれますが、全然出る気配ないですね。ライセンスが取れなんだろうか?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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