今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、
“TLー54 デトライタス” です。
惑星ジャンキオン出身の
“傭兵 デトライタス” が、
レガシーで発売されました。
待望のアースモード ハウンドの発売・・じゃない!
誰だよ!?
いやいやいや、おかしいでしょうよ。なんでこっちが一般でハウンドが限定なのよ?
シージのときにサイバトロンモードで発売されたキャラたちがアースライズ以降、続々とアースモード・・つまりは初代アニメデザインベースのお馴染みの姿で再リメイクされていくなか、ただ1人置き去りにされていたハウンド。
ランボルギーニ型のようにシージからの流用でわりと簡単にいけるはずなのに、なんでここまで後回しにされてしまったのか・・
一時、バズワージーで発売されるという話もありましたが、それも立ち消えになってしまったようで。
というか、バズワージー自体最近あまり聞かなくなったんですが・・終わったのかな?
その後しばらく音沙汰がなかったのですが、不意にオートボット5パックなる商品情報が出てきて、そこにハウンドの名が入っていました。
ほかの4キャラはジャズ、ホイルジャック、サンストリーカー、トレイルブレーカーという顔触れ。
どうもアニメカラー版らしいということ以外、詳細がわかりませんでしたが、奇しくも日本でデトライタスが発売されたタイミングで正式発表。
ジェネレーションセレクトで、やはりアニメカラー再現の5体セットということでした。
なんだこれ? 煽ってんのか? とちょっとすさんだ気持ちになりかけましたが・・
まぁ、さすがにそんなことはないと思いますが、実際なにを考えてるのかさっぱりわからない。
普通に海外のファンも首を捻ってるんじゃないですかね。
なんで抱き合わせにするのか?
ハウンド欲しけりゃ、こいつらも一緒に買え! ということでしょ?
こんな売り方ばっかりしてたら本当、先がなくなると思うんですが。
最悪抱き合わせはいいとしても、なんかもうちょっとこう・・物語性のある組み合わせにしてくれよ、と。
確かに初代オートボットの最古参メンバーではありますが、あの5人の理由がわからない。なんか5人で印象的なエピソードとかあったっけ?
ハウンドとの抱き合わせなら、クリフとかミラージュのほうが絡みがあったはず。
まぁ、クリフはすでにアニメカラーやってますけどね。
ひょっとしてこれ、アニメカラー版セットで第2弾とか3弾やるつもりなのかな?
ただそうなったとしても、ハウンドみたいにそのセットでないと手に入らないキャラはもういないと思うので、どっちでもいいですが。
本命の前にその派生形を売り出すという手法は、トランスフォーマーに限らずガンプラとかでもよく見るんですが、やり口が見え見えであまりいい気分はしませんね。
しかもその本命の売り方が酷いとなるもう・・
もっと素直な商売をしてほしい。
仮に売れないなら、もっとプロモーションを頑張れよ! と思うんです。
いやデトライタスくん、君にはなにも罪はないんだよ。
レビューしていきます。
ジャンキオン 傭兵 デトライタス
惑星ジャンキオン出身の傭兵兼武器商人。
彼が味方をした陣営が必ず勝つという噂があるそうですが、それは彼自身が各陣営を天秤にかけ、常に勝つほうに鞍替えしてきた結果。
要は世渡り上手ということですね。
今回はロボットモードでオートボット、ビークルモードでディセプティコンマークを付けています。マーセナリーではないんだな・・
元ネタは2004年に e-Hobby 限定で発売された、トランスフォーマーコレクション。
復刻版のハウンドをデザートカラーにしたもので、キャラ設定もそのとき新たに作られました。
レガシーのラインナップで同じ出自を持つキャラには、クロスカットやVS500コレクションのロードホーラー、クランプダウンなどがいますね。
ロボットモード
シージ(SG) ハウンドの流用で、もっと言えばアースモード ハウンドのリカラー。
まぁ、先に発売されたのはデトライタスなので、ハウンドが彼のリカラーという順番になりますが。
でも、先に存在が漏れたのはハウンドのほうなんだよなぁ・・
だから余計にモヤモヤする。
主にビークルモードで外装となる部分が新規造形され、ロボットモードでは頭部と胸部、脛などがわかりやすく変更されていますね。
SG版よりもかなりフラットなデザインになっています。
メインカラーはデザートカラーということになっていますが・・ほぼ肌色ですね。
腕や脛前面は赤紫に近い色合い。
なかなか珍しい配色だと思います。
頭部は新規造形。
(あくまでハウンドの頭部の態で進めますが)アニメデザインベースで、ディティールがややシンプルになったように思います。
なお、色味のせいもあって非常にわかりにくいのですが、顎には塗装で髭が再現されています。
ジャンキオンなので。
というかまぁ、形状的にはまんまハウンドなので、その顎髭が唯一と言っていいジャンキオン要素なんですが・・なんでもっとはっきりわかりやすい色にしなかったのか?
白い顔面にシャンパンゴールドって・・髭じゃなくてシャドウメイクで小顔に見せてんのか? とか思っちゃう。
頭のすぐ後ろにカバーがあるので頭部可動に干渉しそうに思いますが、
少し後ろに倒せるのでとくに問題なし。
ロボットモードでは、左肩にオートボットマークを付けています。
オリジナルのコレクション版ではサイバトロン(オートボット)とデストロン(ディセプティコン)それぞれのシールが付属し、どちらかを選んで貼る仕様だったそうですが、今回はもちろんプリント済み。
ちなみに、先に振れた頭部後ろのカバーはビークルモードでボンネットの中央に来るのですが、そこにはディセプティコンのマークが付いています。
オートボットに就いてるときは後ろに立たれないように注意しないとね(笑)。
背面。
・・うん。かなり貧相ですね。
SG版で背負っていたバックパックがなくなっているので、それで上手く隠せていた部分も丸見えになり、また全体に明るめのカラーも災いして裏側感が強いものになってしまいました。
とくに腹部の肉抜きが残念ですね。
腹部パーツはSG版からそのまま流用されてます。
ビークルモードではこの肉抜きが座席周りのディティールとして活かされているのですが・・SG版では先の通り、バックパックで隠されてたのに今回は丸見えですからねぇ。
なんとか隠せなかったものか。
脛裏については変形にかかわる部分もありますし、まぁ仕方ないとは思うんですが・・
付属武装
フェイズディスラプター
多分この手持ち銃の名前がフェイズディスラプターだと思うんです。違ったらすみません。
どのみちオリジナルトイに付属して手持ち銃にはあまり似ておらず、強いて言うならハウンドがアニメで使っていたホログラムガンに近いデザインですね。
銃口は5㎜穴になっています。
装甲ロケット弾
デフォルトでは右肩に装備されるロケット弾ランチャー。
弾頭は5㎜軸接続で取り外し可能。
ランチャー本体の肉抜きもなかなかエグイですね・・
で、上の画像からもお察しかと思いますが、武装類はすべて無色クリアパーツに塗装で再現されています。
このランチャーと先の手持ち銃に関してはグリップも塗装されているので、付け外しを繰り返すとどうしても多少は剥げます。
エヴォフュージョン
フェイズディスラプターとロケット弾のランチャー部を連結させるのがデトライタスのエヴォフュージョン。
公式ページの説明では、“フェイズディスラプターにビーム機銃を合体させ大型のビームガンへと強化が可能” とありますが、ビーム機銃は多分ビークルモードの荷台に装備されていたもの(今回は再現されていない)だよね。
テキスト書いてる人がちゃんと理解してないと思うんだなぁ。
まぁ、僕のほうの勘違いでしたらごめんなさいね。
ただなんにしても、この連結はおかしいでしょ。
ランチャーの先に銃付けるほうが自然だと思う。
仮にランチャーを前に持ってくるとしても、前後逆だしね。
銃の後端にも5㎜穴が開いてればなんの問題もなかったんですけどね・・
ビークルモード
デザートジープにトランスフォーム。
装甲車のような雰囲気もあったSG版から外装のほとんどが新規造形となり、ジープらしい(?)見ために。
タイヤも使い回しされずにちゃんと新造。ホイールも塗り分けられています。
ロボットモードとの兼ね合いで、荷台部分は申し訳程度にスペースがある程度ですね。
変形パターンはSG版とまったく同じで、ロボットの脚をガバッと開いて全体を包む構成が面白いです。
あ、右前面のジョイントが外れてる・・
フロントウインドウは無色のクリアパーツなんですが・・もうちょっとと透明度高くできないもんかなぁ。
くすんでる。まぁ、それも砂漠地帯っぽいか?
ボンネット中央には先にも触れたディセプティコンマークが。
オートボットマークよりも大きくて位置的にも主張が強いですね。
ウインチ部分が取り外せたりしたらまた面白かったかも。
座席周りのパーツはSG版をそのまま流用。
ダイアクロン隊員くらいのフィギュアが乗れるほどのスペースもありませんが、肉抜きを上手く使った再現だとは思います。
真後ろから見るとスカスカなのはSG版でもそうだったのですが、カラーリングのせいか今回の砲が目立ちますね。
なにか隠せる工夫があればなぁ。
武装類は荷台部分などに取り付け可能。
オリジナルトイの機銃っぽい武器ではありませんが、まぁまぁ雰囲気は再現できていると思います。
ただ仰角変更できないので、このまま撃つとウインドウを直撃しそう・・
比較画像
SG ハウンドと。ロボットモードで。
とりあえず色は無視して(笑)。
腕部と腹部、脚は付け根から太腿、足首とつま先が流用されています。
頭部も新規造形で、顔付きはアニメのハウンドに寄せてちょっとのっぺりした感じですね。
後ろからも。
バックパックがなくなったことで、今回のものは背中がかなり寂しくなりました。
色のせいで脛の張りぼて感も目立つし・・
あと、タイヤの幅が半分くらいになってます。
やっぱりトータルのボリューム感がやや減ってしまった感はありますね。
武装して。
武装類はすべて新規造形。
手持ち銃に関しては、SG版のほうがオリジナルトイ付属のものには近かったかな?
ビークルモードでも。
SG版には運転席周りをぐるりと囲むガードバーがアリ、オープントップながら装甲車のような雰囲気もありましたが、今回はそういったものが一切なくなりスタンダードなジープとなったので、色を無視してもかなり印象の違うものになっています。
実際、この形態で露出している共通パーツは、運転席とその両脇のパーツのみですね。
武装して。
同じくジャンキオン出身の異端者という括りで、TL アクセルグリースと。ロボットモードで。
アクセルグリースはディセプティコンに奔ったけど、故郷を完全に捨て切れてない感じなのかなぁ。
それに較べてデトライタスはもう故郷に未練はない感じ・・と、都合よく解釈をしておきます。
ビークルモードでも。
デトライタスも、故郷にいた頃は車体に世紀末的なゴテゴテの装飾してたのかな?
現行のフォーマットが確立したシージのときに発売されたものがベースなので、実際もう4年以上前のものなんですが、古臭い印象はなく、むしろ最新の偏りも丁寧さを感じるところもありますね。
あらためてここ最近のコストカットの影響を感じさせるというか・・
だから、SG ハウンドよりも微妙にボリュームダウンして、ロボットモードの背面があんなに寂しいことになってしまったのかな。
ともあれ、よく動いてくれます。
手首ロールもできますし、足首の内側へのスイング幅も広く、接地性も十分。
変形都合でつま先も動くので、脚を前後するようなポーズでもしっかり自立。
立て膝も綺麗に決まります。
頭部可動が左右ロールだけなのがちょっと残念ですね。
ほんの少しでいいので上を向ければ・・
スタンドを使って。
スタンド用3㎜穴は腰裏にあります。
エヴォフュージョンで。
手首ロールのおかげでちょっと窮屈ですが両手持ちも可能。
レ「こんなやつ我が一族にいたアルか?
デ「それはさすがに酷いぜ、族長・・
レックガーの性格なら悪気もなく普通に言いそう。
まぁ、デトライタスのほうも言われても仕方ないところはあるよね。
本人のせいはない気もするけど・・
戦場での再会。
ア「あんた・・今はオートボットのはずじゃ?
デ「同胞を見捨てるほど墜ちちゃいないさ。それに、この混戦じゃバレやしない。
そして芽生えるなにか・・
あ、パーツ取りに利用しただけか・・(酷い)
オ「やぁハウンド。しばらく見ないうちにすっかり日に焼けてるじゃないか。
バカンスを楽しんできたのか?
バ「本当、いい色だね。
ミ「おいおいいつの間に。こっちはいろいろ忙しかったんだぜ
デ(なんか人違いされてるみたいだが・・まぁいいか。
面倒臭いから話合わせとこう。
以上、“TL デトライタス” でした。
ハウンド問題のために変な恨みを買いそうで気の毒なデトライタスですが・・
まぁなんていうか、企業論理の犠牲者という気がしますね。
まぁ最悪、彼を緑塗ればすべて解決・・というのも可哀想か。
さて、そのへんのネガティブな感情はとりあえず置くとして、モノ自体の感想をまとめますが、やっぱりシージのときの型は基本、丁寧に造られていたんだなと、あらためて思いました。
というか、結局コストですね。
シージのときと今とでは、かけられるコストにかなり差が出てしまっているんでしょう。
原材料費が倍近くなっている、とかいう話も聞きますからね。
既存アイテムの流用で、金型費用が半分ほどで済んでいるはずの今回のデトライタスなら、むしろ流用前よりもちょっと豪華になっているくらいでもいいとすら思っていましたが、実際にはボリュームダウンしてます。
基本構造部分は流用なので、可動性などで安心感がある一方、後ろ姿の貧弱さにはちょっと悲しくなりましたね。
ただまぁ、正面から見るぶんにはみんなが待っていたアースモード ハウンドのデザインがしっかり再現されていますし、ビークルモードもイメージにかなり近いものになっていると思います。
ジャンキオンらしさはほとんどないけど、オリジナルがそうだったのでまぁいいかな。
最後にまた蒸し返すようですが、日本でのハウンドの扱いは、はたしてどうなるものか・・
トランスフォーマー40周年。初代アニメも配信しているなか、スルーすることはないと思うんですが、あのセットをそのままモールで限定発売は正直キツい。
ジェネセレ枠なのでありえる話ではあるんですよねぇ。
希望としては、日本独自仕様のドラマティックキャプチャーで発売してほしいものですが・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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