今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー112 ブローン” です。
“戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー” および “トランスフォーマー ザ・ムービー” に登場するオートボット ミニボットの
“攻撃員 ブローン” が、
スタジオシリーズ86で発売されました。
ミニボットゆえに小柄ながら、大型戦士にも負けないパワーを誇るブローン。
日本名のゴングから、“怪力ゴング” の親しまれている初代オートボットの中核メンバーですね。
アニメ最初期から登場しているため関連エピソードも多く、ミニボットのなかではバンブルビー、クリフジャンパーに次ぐくらいに出番が多いかと。
今回はデラックスクラスでの完全新規リメイク。
アースライズ以降、ジェネレーションラインで展開していたデラックスクラスのミニボットリメイクですが、スタジオシリーズでは今回のブローンが初めてですね。
初めてで唯一になりそうかな?
ギアーズはザ・ムービーに登場していませんし、ウインドチャージャーは、死体が引きずられてくるシーンがあったけど、さすがにそこからのラインナップはないでしょう。人の心がなさ過ぎる・・
それでは、レビューしていきます。
オートボット ミニボット 攻撃員 ブローン
怪力自慢のベテラン戦士。
初代オートボットメンバーのなかでも一、二を争う老け顔(笑)。
性格は頑固で直情的。
悲観的なハッファーや学者肌のパーセプターとがソリが合わないことが多いですが、パーセプターとは共闘の末、その勇気を認めています。
4WDカーに変形。
その形態でフロントからドリルを出して地中を掘り進んだり、浅水もしたりとなかなか多彩。
メガトロンの融合カノン砲を奪ってぶっ放したり、なぜかサウンドウェーブ相手には分がよかったりと、ディセプティコン絡みでもなにかと話題が豊富な、愛すべきキャラクターです。
しかし、ザ・ムービーではアイアンハイドなどと宇宙船で地球に向かっていた際にディセプティコンの襲撃を受け、メガトロンが変形したワルサーを用いたスタースクリームの射撃の直撃を受けて戦死。
同乗していた仲間たちも全滅してしまいました。
ロボットモード
ずんぐりむっくりなおかっぱ頭のおっさん・・そんな唯一無二なブローンの姿が見事に再現されています。
いや、ロボットアニメでこのデザイン・・あらためてすごいよね(笑)。
プロポーションはかなり独特で、頭部が大きく、腕も脚も短め。お世辞にも格好いいとはいえません。
しかしこんなやつも普通に出てくるのがトランスフォーマー。
アニメデザインベースのスタジオ86での立体化ですが、案外ディティールは細かく、これまでに発売されているジェネレーションラインでのデラックスクラス ミニボット連中と並んでもとくに違和感はありません。
おそらく今後、流用でアウトバックが発売されると思いますが、彼はザ・ムービーに登場していないのでレガシーに組み込まれる(限定になる可能性が高いか?)でしょうし、そのへんのバランスもとられたのかもしれません。
ただ、あくまでスタジオシリーズなので5㎜穴がほとんどなく、拳以外だと背中のガワ中央と踵の裏側の計3箇所にあるだけです。
バストアップで。
唯一無二のデザイン(2度め)ですね。
おかっぱ頭のような形状のヘルメットはツヤのあるグレー塗装。フェイス部はシルバーで塗装されています。
変に若々しくなったりはしておらず、頬のほうれい線など、しっかり老けてます。
この髪形(じゃない)だとおばさんでも通用しよう・・
なお個体差だと思いますが、うちに来たものはヘルメットとフェイス部の境目にわずかに隙間が空いていたのがちょっと残念・・
押し込んでも動きませんし、逆にひっぱてみても接着されているのか、びくともしませんでした。
頭部可動については、下からピン打ちされていて左右に回せるのみ。上下可動はできません。
胸部などのオレンジ部分は塗装で再現されているところが多いですね。
そこもツヤがあるので、成型色部分とはけっこう印象に違いがあります。
背面。
後ろ姿はほぼビークルのままという感じ。
ルーフ部のガワを亀の甲羅のように背負っている格好ですが、このガワパーツがとくに固定されないので、
スペアタイヤ自体にも5㎜穴が空いています。
今回も(最近けっこう多いですが)スタンド用の3㎜穴がないので、その5㎜穴を代用する感じになりますね。
一方で、さすがデラックスクラスのコストをかけたミニボットということで、これまでも多くがそうだったように気になる肉抜きもほとんどなく、みっちりとした仕上がり。
とくに、変形にも関わる部分ですが、脛の密度感がいい感じです。
アニメデザインとは違っと思いますが、タイヤが2つ並んでいるのは個人的にも好きな部分。
あえて言うなら脇・・同体側面がちょっと気になるかな?
腕部の基部パーツが、オレンジ色で剥き出しなのがやや目立つかもしれません。
固定も甘くてけっこう動いてしまいますし・・
ここももちろん変形に関わる部分ですが、まぁネタ的なアクション可動にも援用できるのでいいかな。
付属武器
ビームガン
アニメでは2丁拳銃スタイルだったり、ほかにもバズーカらしきものを使っていたりもしましたが、今回は小型のビームガンが1丁のみ付属。
銃口先端は3㎜軸になっています。
非使用時は背中、先ほどのスペアタイヤの上から取り付けておけます。
ビークルモード
4WDカーにトランスフォーム。
大基のミクロチェンジシリーズではジープということになっていましたが、特定の車種や型番などの設定はないですね。
そもそもザ・ムービーでは変形してない・・
ともあれ、ロボットモード同様、コンパクトながら武骨なフォルムで、可愛さと格好よさが絶妙に同居したデザインだと思います。
今回はクリアパーツが使われておらず、ウインドウは塗装での再現。
のっぺりした水色はアニメっぽくはありますが、今回の車体のディティールと比較して若干浮いている感もあります。
そしてリアウインドウは塗装されていないし・・
もっと後ろ姿にも気を遣って。
フロントグリルはメインのシルバーと下部のオレンジまでしっかり塗装されているんですけどね・・
ただ、ライトは塗装されていませんね。
一方で、ザ・裏側という感じのリア部。
ウインドウだけでいいんだけどなぁ・・
変形は、脚部がレジェンス チャー(カップ)やシージ ハウンドのそれに近い構造になっているほか、腕部の収納やフロングリル周りの展開など、小さいながらに大胆なパーツ移動があって面白いです。
直近の同じデラックスクラス ミニボットのビーチコンバーはかなりシンプルでしたし、キャラによって随分と差がありますね。
まぁ、ブローンの場合はオリジナルトイの雰囲気も多少残したかったのかな? とか、この脚部の変形を見ると思います。
基になったトイとアニメのデザインとに乖離があるのは初代アニメではままあることですが、ブローンもけっこう別物ですからね。
アイアンハイドやラチェットほどではないですが。
武器はロボットモードと同じ位置、ルーフのスペアタイヤの上に取り付け可能。
ドリルを展開した状態や潜水モードの再現はできません。
ザ・ムービーでは見せていない形態ですしね。
というか、そもそも変形してない(2回め)。
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景はオートボットの宇宙船のブリッジ。
アイアンハイドなどと同じアングルかと思いきやその後方、ディセプティコンたちが突入のために破った外壁が描かれています。
メガトロン自ら先頭に立って乗り込んでき他ところ、すぐさま気付いたブローンが席を立って応戦しようとするのですが・・(悲)
比較画像
ヘケヘケ版のゴングと。ロボットモードで。
ヘケヘケではクリフ、ビーチコンバーとの3体セットでミニボットアタックチームとしてされました。
1体1体はEZコレクションくらいのサイズで、このゴングも正直再現度は微妙。
なんで顔が真っ黒なんだろうか・・
ビークルモードでも。
ビークルモードもかなりフラットな出来映え。
気持ちボンネット部分が長く見えて、ちょっとイメージとは違うもしますね。
レジェンス版のゴングと。ロボットモードで。
レジェンス版は現行のコアクラス・・より少し大きめのレジェンドクラスで、ヘッドマスターのリパッグ(後にゴロテストセットで発売された本体付きのものとは造形が違います)とのセットで発売。
ヘケヘケ版に較べて随分アニメデザインに近くなりましたが、さすがにあの独特のプロポーションまでは再現しきれていませんね。
むしろよりマッチョで怪力感はありますけど。
ビークルモードでも。
レジェンス版は軍用ジープという感じで、小さいのですがなんとなくスケール感のあるデザイン。
ちなみにのちのパワーオブザプライム(PP)ではこの型のリカラー、頭部変更、武器追加でアウトバックが発売されています。
親友のウインドチャージャー(PP版)と。ロボットモードで。
やはり一回り以上のサイズ差。
一昔前、ミニボットはこのウインドチャージャーや先のレジェンズ版ゴングと同じレジェンドクラスでけっこうリメイクされてたんですよね。
それで一旦全員揃うのかと思いきや、シージでのレジェンドクラス廃止からの、アースライズでクラスアップしての再リメイクが始まり、なんやかんやでここまで来ました。
あと少し、ぜひコンプリートしてもらいたいものです。
ビークルモードでも。
ロボットモードで。同じくアニメ最初期から登場していたミニボットの仲間の一人、ドラッグことハッファー。
・・うん。同じアニメに出ているキャラとは思えないほど頭身バランスが違う(笑)。
ビークルモードでも。
ボリュームはだいたい同じくらいですが、ハッファーよりはブローンのほうが断然変形が凝ってますし、全体の密度感もあります。
まぁ、ハッファーはクリアパーツ使われてますけど。
というかイマイチわからんけど、クリアパーツって高いのかな?
WFC以降の基本フォーマットはクリア。さらにつま先、踵がそれぞれ別個に可動するので、接地性が高く、自立も安定します。
脚を前後に開いた状態でしっかり立てるのはよいですね。
ただ、やはり頭部は少しくらい上下に動いてほしかった。
おっさんらしく胡座・・はちょっと無理ですが、どっかりと腰を下ろすことは可能。
ブローンという名前は筋肉を意味するらしいので、アピールポーズを。
真顔なところがまたいい味を出している(笑)。
腕部基部を下ろしてやるとこっちのポーズも。
バ「キレてる! キレてる!
ク「頭にオニギリ乗っけてんのかい!
オリジナルトイリスペクトモード!
このための脚部構造じゃないかと思うくらい。
実際はここまで長くはないですけどね。
また、この脚部構造のおかげでいろいろと遊べます。
スペアタイヤがもう一個あればトレーラーにできたんだけど・・
バンブルビー版でも採用されたくらい、ブローンといえばドリルのイメージもあったようなので、フロントグリルに5㎜穴が欲しかったなぁ・・
これじゃあ地面掘れないや。
ブ「こいつがあのメガトロンの融合カノン砲か。試しに撃ってやろう!
お茶目なブローン。
このときは、まさかその融合カノン砲(というかメガトロン変形したワルサー)の直撃を受けて倒されるとは思いもしなかったでしょうね。
いや、TVシリーズとザ・ムービーは別作品か? と思うくらい呆気なく死ぬからね、みんな。
今回のスタジオ版の公式説明では「激しい戦闘を繰り広げた・・」とか書いてありますが、戦ってすらなんだよ。
2010に向けての大量リストラ回でもありましたからね。
まぁ、その死の瞬間がちゃんと描かれただけマシというものかな。
誰が呼んだか、音波キラー。
本来のライバルであるブラスターよりも戦績はいいともいわれます。
純粋な戦闘力は絶対サウンドウェーブのほうが高いはずなのに、サウンドウェーブに一方的的苦手意識があるのかも。
なにかというと悲観的なハッファーを叱ったり、
インドア派のパーセプターを臆病者と言っていたけど、その活躍を認めてすぐ手のひらを返したり・・いやまぁ、これはいい意味でね。
なんというか昭和の親父そのものという感じのキャラでしたね。
本当、惜しい人を亡くしたもんだ・・
ブ「なんだチャージャー? おまえ縮んだか?
チ「おまえらがでかくなったんだよ。ギアーズもぼやいてたぜ。顔すら出さないよ。
ブ「まぁ、そんなことはどうでもいい。司令官がお呼びだ。みんな行くぞ。トランスフォーム!
チャージャー、ギアーズのリメイク待ってます。
ブ「そろそろスタッドレスに履き替えないとな。ハッファー、頼むぜ。
ハ「一個しかないぞ。
ブ「え・・?
以上、“SS ブローン” でした。
わりと最近発売されたバンブルビー版ブローンもよかったですが、今回の本家ブローンもさすがの出来映え。
直近でいろいろと不満の募るものが続いてモヤモヤしていた気分をすっきりリセットしてくれました。
スタジオシリーズでは初となるミニボットですが、これまでのデラックスクラス ミニボット同様、コンパクトなボディにギュッとコストをかけたものになっていまず
まずなによりもインパクトが大きいのが、ロボットモードの再現度。
おかっぱ頭のおっさん顔はアニメそのままですし、頭身バランスもほぼイメージ通り。
お世辞にも格好よいとはいえないその姿をよくぞ立体化してくれたものです。
しかもちゃんと動くし。
動くと意外に格好いいしね(笑)。
そして変形も凝ったもので、ちょっとビーチコンバーが気の毒になるくらい。
ビークルモードの仕上がりもよいですし・・まぁ、リアウインドウの塗装が省かれているのは残念ですが。
また惜しむらくは、スタジオシリーズ枠のために5㎜穴がほとんどないこと。
レガシー枠だったなら、きっとフロントから展開するドリルも外付けパーツで再現されてたでしょうね。
しかし総合的に見てバンブルビー、クリフジャンパーに匹敵する出来のよさだと思います。
いやぁ、アイアンハイドとラチェットもですが、呆気なく死ぬ連中に対する力の入れようがすごい。
ある意味、これが最後の輝きなのか・・
さてさて、こうなると俄然、残りのメンバーにも期待が高まりますね。
というかギアーズを焦らし過ぎでしょうよ。
でも彼こそ現行フォーマットでどんな感じになるのか、非常に気になります。
来年度にはどうにか・・
といったところで、今回は終了。またのご訪問を。
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