BWVS 瞬速の対決 レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー ビーストウォーズアゲイン より、

“BWVSー03 瞬速の対決” です。


 キングダムおよびレガシーでリメイクされたビースト戦士たちを、重塗装かつオリジナルトイを彷彿させる対決形式の2体セットでリリースしていくビーストウォーズアゲインの第3弾。

 サイバトロンの

“密林巡視員 チータス” と、

デストロンの

“空中攻撃兵 ワスピター” が、

セットで発売されました。


 アゲインも3組め。

 今回は両軍きってのスピードスター対決ですね。

 オリジナルトイでも同じ対戦カードでした。ナンバリングも同じく3番め。

 チータス(海外名チーター)もワスピーター(同ワスピネーター)も、ともにキングダムでリメイクされたものの重塗装版となりますが、どちらもキングダム版の評価は芳しくなかったような・・

 チーターは、やはりアニメ版との色味の違いが大きなマイナス点だったのかな?

 あとはいわゆる内臓銃が付かなかったことも。

 一方のワスピネーターも、1つ前のリメイクであるジェネレーションズ版(海外ではスリリング30版)の出来が非常によかったので、そちらと較べると、う~ん・・という感じだったかなぁ。

 今回のアゲイン版ではそれぞれどれほどの変化を見せてくれるのか?

 レビューしていきます。


瞬速の対決

 陸上最速を誇るチーターに変形するチータスと、地球状でもっとも速く飛ぶことができる種がいるという・・あ、それはハエだったわ。ハチじゃなかった。まぁでも、劇中でハエ扱いされることもあった気がするワスピーターだから、いいよね(笑)。

 そんな2人の対決には相応しい名称かと。

 なお、オリジナルトイでも同じ対戦カードで発売されており、そのときの商品名は “最速の対決” でした。

 瞬速と最速・・どっちが速いんだろ?


パッケージ

 シリーズ共通のスリーブ付貴クローズドタイプのパッケージ。

 今回はデラックスクラス2体のセットなので、箱のサイズも今までで一番小さいです。

 スリーブの表面には描き下ろしイラストでロボットモード、

裏面にはビーストモードが描かれています。

 スリーブを外して、

蓋を開けるとこのように。

 おぅ・・今回はまたインナーシートたわんでるよ。

 そのインナーシートの表面。

 裏面。

 中身だけ織り出してシートを被せてみます。

 やっぱりこの状態で売るべきではないかなぁ・・


 キャラクターカードも付属。

 表面はオリジナルトイに付属のカードと同じ内容。

 裏面はスリーブにも描かれていた描き下ろしイラストがあしらわれています。


サイバトロン 密林巡視員 チータス

 海外版本来の設定ではマクシマル最年少の戦士で、物語の主人公格だったようですが、日本語吹き替え版ではラットルが声の印象もあって少年っぽい雰囲気だったので、少なくとも最年少というイメージはあまりなかったかな。

 ただ若さゆえに独断専行しがちというか、危なっかしい場面はけっこうあった気がします。

 コンボイにはしょっちゅう怒られてましたね。

 CVは高木 渉氏。

 語尾に~じゃんと付けたり、射撃時に撃つべし! 撃つべし! と叫ぶ口癖が印象的。

 高木氏は実写最新作、ビースト覚醒の日本語吹き替えでもチーターを演じていて、相変わらず~じゃんと言っていましたが、とくに浮いた感じはありませんでした。


ロボットモード

 KD版の成型色および塗装を変更したもの。

 KD版は全体に明る過ぎてオリジナルのアニメのイメージには遠かったのですが、今回イエロー部分のオレンジみが増し、ブルー部分もほんのりメタリックな濃い色に変更、さらに頭部や前腕、太腿などにゴールドの塗装が追加され、色味的にはかなりアニメデザインに近いものになりました。

 後ろ姿はまるで高級毛皮のコートを着ているよう(笑)。


 今回もまずKD版との比較から。

 手許に届くまでは、言ってもキングダム版からそれほど違いはないのではないかと思っていたんですが、これがもう全然違う。

 まさにプレミアムフィニッシュです。

 並べてみるとキングダム版のなんとチープなことか・・

 いやまぁ、色味的な意味でね。

 さすがにプロポーションは弄りようがないので、アニメのあの華奢な感じまでは再現されていない・・

 とくに脛の肉付きがよ過ぎる感はあるんですけどね。

 では各部を見てききます。

 まず頭部アップで。

 正面の顔周りは赤みの強いゴールド、

後頭部もちゃんとブルーで塗り分けられていてアニメ版の配色が再現されています。

 造形は変わっていないはずなんですが、不思議と顔付きもアニメの印象に近付いた気がします。


 前腕、

太腿など、ちょっと画像ではわかりづらいかもしれませんが、頭部と同じゴールドの塗装が追加されています。

 あと驚いたのが肩の後ろのガワパーツ。

 裏側にまで斑点と、さらにメカディティール部分にゴールドで塗装が追加。

 斑点はともかくメカディティールなんかほとんど見えない部分ですよ。


 また、KD版では総じて緩めだった関節、その他可動部もわりと渋めに調整されているようで、自立、可動ともに安定します。


付属武器

ハードホイップ

 ビーストの尻尾を取り外したブレード付きの鞭状武器が付属。

 これはメタルス版のオマージュというか、無印時代では持っていないものですが。

 今回の名称も便宜上そちらから拝借しました。

 ブレード部分の塗装が水色からシルバーに変わって武器らしさはアップしましたね。

 てっぺんには5㎜軸もあるので多少の拡張性もあります。

 なお、今回も内臓銃は付属せず。

 タイガトロンのものの流用で付けてくれはしないかと期待していたんですが、さすがにあれだけを整形はできないでしょうしね。

 新規造形で追加するにもコストが・・


ビーストモード

 チーターに変身(トランスフォーム)。

 当然KD版のリカラーなので造形的な変化はなく、若干デフォルメされていたアニメのデザインではなく、あくまでリアルなチーターを再現したものになりますが、やはり全体にオレンジみが増したことでいっそうリアル感が増しました。

 目にも瞳が入って魂が宿りましたね。

 さすがに脛のメカディティールまではどうしようもないですけどね。


 こちらもまずはKD版との比較から。

 頬から首、胸部に欠けての色の変化は、キングダム版ではけっこうくっきり分かれていましたが、今回は綺麗にグラデーションになっており、色も白く、面積も広くなってリアルなチーターの毛並みっぽい見ためになっています。

 そしてまた驚いたのが、全身の斑点模様がまったく新しいパターンになっていたこと。

 顔周りの模様も随分変わっていて、目に瞳が入ったこともあってリアルながら愛嬌のある顔に。

 後ろ側も、尻尾に至るまで模様が変わっています。


 頭部アップで。

 繰り返しになりますが、目に瞳が入ったことで生き生きとした感じに。

 妙に上目遣いでちょっと可愛い。

 口は開閉。

 KD版では塗装されていなかった口内も完璧に塗り分けられています。


 また、頭部固定のためのジョイントは破損しやすいと不評だったためか、今回は最初からカットされています。

 金型が修正されたわけではなく、普通にニッパーかなんかで切っただけっぽいですけでどね。

 ただこのせいで首がかっちり固定できず、どうしても隙間が空いてしまうことに・・

 あとここの可動部はライノックスみたいに周りと合わせて塗装してほしかったかな。

 それと、足先など一部のパーツが・・

 これはどこの色味を合わせたものなのかよくわからないのですが、ゴールドに近い成型色になっているので、ちょっと浮いた感じがあります。

 足先はまだいいとして、お腹がちょっと気になりますね。


デストロン 空中攻撃兵 ワスピーター

 とくに野望もなく、のんびり気質で戦闘にもあまり積極的でなかったデストロン兵士。

 けっこうぞんざいな扱いを受けることも多かったですが、裏切ったり死亡したりで仲間がどんどん離脱していくなか、なんだかんだ生き残り、最後(メタルス終了時)には猿人の王に君臨していました。

 日本版CVは加藤 賢崇氏。

 独特の緩い声質は、一人称がボクちゃん、~ぶ~んという口癖と相まって一種の癒やしでありました。


ロボットモード

 KD版の成型色、塗装を変更したもの。

 こちらもチータス同様、いや、チータス以上に変わり映えがなさそうと思っていましたが、なかなかどうして、けっこう変わっていました。


 ということでまずKD版と並べて。

 まず、目と翅の素材であるクリアパーツの色が紫から青に変更。

 メインカラーのグリーンはやはり劇中のメタリックな質感に近い濃いめの色味に変わっていて、クリアパーツとのコントラストがよりはっきりしたものになりました。

 また、キングダム版では黄色成型だったお尻(ビーストの腹部)や太腿のパーツが黒色成型に変更され、逆に黄色が塗装で再現されるようになっています。

 やっぱり成型色って大事ですよね。

 この黄色から黒への変更で全体がぐっと締まったと思います。

 では各部の詳細を。

 頭部はもちろん造型こそ変わっていませんが、塗装の変更でよりアニメの印象に近付いています。

 具体的には口許、キバの部分にまで塗装範囲が広がっていますね。

 後頭部は集光ギミックを活かすためクリアパーツ剥き出しのままですが、側面にデストロンマークが追加。

 マークは左右両側にあります。


 胸部、割れたビーストの頭部の内側・・というか断面部分にだけ黄色の塗装が追加されています。

 アニメを見返してみると、確かにそこだけ黄色いんです。

 なんだこのこだわり・・


 太腿はほぼ全塗装になっています。

 キングダム版では内側は成型色の黄色のままでしたが、今回はしっかり緑で塗装。

 そして同様に黄色から黒色に成型色が変更されたお尻。

 裏側まで縞模様が再現されています。


付属武器

ビービーショット

 お尻にある毒針部分を取り外した射撃武器。

 これはもうちょっと塗装追加とかで武器っぽくみえるようにしてほしかったかな。

 でも成型色が変わったことでKD版よりは随分マシになりました。

 

ビーストモード

 ハチに変身(トランスフォーム)。

 ハエじゃないですよ。ハチです。

 やっぱりアニメの雰囲気とはちょっと違う、リアルな・・いや、リアルかこれ? 

 ロボット脚部を折りたたんだ底面部にけっこうボリュームがあるので、そこがやっぱりちょっと気にはなりますよね。

 全体に色味が落ち着いたことで、KD版でけっこう目立ったプラスチック感は少し薄れたと思います。

 

 こちらもキングダム版と並べて。

 こちらはまぁ、目と翅の色が変わったくらいしか違いがわかりませんね。

 全体の色味も微妙に違うんですが、チータスほどの劇的な変化はないです。


 頭部アップで。

 複眼のディティールがリアル。

 顎と触覚はそれぞれ可動。

 首も上下にスイングできます。


 翅もボールジョイントで可動。

 本来は4枚あるはずの翅ですが、前後が一体成型になっています。

 オリジナルトイからそうでしたから、まぁそこはね。


 腹部は成型色の変更で質感がアップ。

 艶を抑えた黒色がなかなかリアルな感じです。


 なお、スタンド対応穴はロボットモードと同じものが使えますが、

ビーストモードではちょっと奥まった位置になってしまうのでスタンド側の接続部の形状を選ぶかも。


比較画像

 それぞれオリジナルトイと比較。

 25年の進化がすごい・・

 けっこう色味は似てるんですよね。


 ビーストモードでも。

 山猫とチーターですね(笑)。


 カード比較。

 右が今回のアゲイン版、左がオリジナルのカードです。

 基本的に同じデータを印刷したものですが、今回のほうがやや色が濃くなってますね。


 続いてワスピーター。ロボットモードで。

 おおよその原型パターンは共通なんですが、脚部の処理のみ変わって、その影響もあってハチの肢の配置が、今回のものはアニメのデザインとは違うんですよね・・

 その点ではオリジナルトイのほう再現度は高いんですけど、まぁそれだけですけども。


 ビーストモードでも。

 ハチはハチでもかなり違う種類のハチになりましたね。

 正直どちらもアニメのハチではないんですが、しいているなら今回のほうが近いかな。


 カード比較。

 右が今回付属のカードで、左がオリジナルのカード。

 ・・うん、ほとんど色味の違いはないですね。


 今回の2人。ロボットモードで。

 デラックスクラス同士なので、ボリューム感はほぼ同じ。

 というか今回のデストロン軍団ほとんどデラックスで露骨に力負けしてる感じがあるんですが・・


 ビーストモードでも。

 ただまぁ、変形すると実際の大きさよりもずっとでかく、怖く見える昆虫軍団。

 そう思うとデラックスクラスでちょうどよかったのかも。


以下、画像

 まずチータス。

 肩が前後に、手首ロールもあるのでハードホイップを振り回すアクションが決まります。

 画像では忘れてますが、パンツ部分が跳ね上げられるので脚付け根の可動域も広く、足首も内側だけでなく前後のスイングも可能です。

 KD版では個体差もあるでしょうがとくに足首の間接が緩買ったのですが、今回はそんなこともなく、自立も安定します。

 立て膝も綺麗に決まります。

 タイガトロンから内臓銃を借りて、

チ「撃つべし! 撃つべし!


 スタンドを使って。

 スタンド対応穴は股下にあります。

 3㎜は浅めですが緩さはなく安定。

 また、同じ場所にビースト時に尻尾を付けるための5㎜穴もあるのでそちらを使ってもオーケーです。


 ビーストモードでも。

 ビーストモードでは口の開閉のほか四肢が可動。

 それなりにポーシングできます。

 スタンドはロボットモードと同じ位置の3㎜穴か、お腹にあるロボットの拳の5㎜穴を使えます。


 続いてワスピーター。

 可動性そのものはとくに問題ないんですが、腕と脚から生えているハチの肢が干渉するのでちょっと気を遣いますね。

 それぞれ根元でロールできますけども。

 一見ハチの顎が邪魔で回らなそうな腰も捻る程度には動かせますし、手首ロールもできます。


 スタンドを使って。

 やっぱり飛行ポーズが似合います。

 翅もボールジョイントでグリグリ動きますが、ちょっと緩めかなぁ。

 KD版もそうなんですが、早い段階でへたってきそうで少し心配です。

 なお、ビーストモード時のみ言及しましたが、ロボットモード時もそこそこ使いにくい地位にありますね、スタンド穴。

 クリアパーツが明るい色になったこともあって目もよく光ってくれますね。


 ビーストモードでも。

 翅と頭部、触覚と顎のほか、肢も動かせるのですが、根元で動かせるだけですし、中肢と後肢は一体なので、あまりポージングの幅は広くありません。

 アニメだと身体を立てた状態でホバリングしてることがおおかったのですが、その様子の再現はちょっと難しいですね。


 対決イメージで。

チ「撃つべし! 撃つべし!

ワ「ふっふ~ん、へったくそぉ。そんな腕じゃ、空を飛んでるボクちゃんには当たらないぶ~ん。


チ「くっそぉ~、ならこうだ! 跳び蹴り!

ワ「あぁん、やられたぁ~


 ビーストモードでも。

ワ「自慢の鋭い顎で切り刻んでチーター肉団子にしてやるぶ~ん!

チ「ぎゃー!

 けっこうエグイ・・


チ「反撃の猫パンチ!

ワ「あぁん、やられたぁ~!

 もはや様式美ですね。


チ「行くぞチータス、ジェットの限り!

ワ「ボクちゃんジェットじゃないぶ~ん!

 以上、“BWVS 瞬速の対決” でした。


 チータス、ワスピーターともにキングダム版から大きな違いはなさそうだと思っていたのですが、どちらも成型色の変更、塗装の追加等でアニメのイメージにより近くなり、明らかに豪華に生まれ変わっていました。

 とくにチータスは劇的に変わった言っても過言ではないですね。

 全体にかなり明るい色味で違和感のあったKD版から成型色を一新。オレンジみの強いイエローとメタリック調のブルーにゴールドの塗装追加で、ロボットモードはかなりアニメの雰囲気に近付きました。

 ビーストモードも斑点塗装がまったく別のものになり、毛並みのグラデーション塗装も相まってリアル感がぐんと増しました。

 さらに目に瞳が入ったことで愛嬌もプラス。

 惜しむらくは今回も内蔵銃が付かなかったこと。

 500円ほど高くなってもいいから、タイガトロンの流用でも付けてほしかった。

 内臓銃付属なら、もう完璧でしたね。

 一方のワスピーターは、チータスほど目に目得た変化はないですが、やはり成型色と塗装の変更で全体に落ち対色味になり、KD版版で感じた若干の安っぽさも感じられなくなりました。

 太腿やお尻のパーツを黄色成型から黒色成型に変更したのは効果的だったと思います。 

 クリアパーツが明るいブルーになったことで目の集光効果もアップしましたね。

 チータス、ワスピーター共に間接可動部の緩さや、逆に堅過ぎるということもなく、前回の頑強の対決で感じた精度面のムラもありませんでした。

 願わくば、今後も同様でありますように・・


 さて、次はラットル VS テラザウラーだと思いきや、タイガトロン VS ブラックウィドーですね。

 引っ張るよねぇ・・

 なんにせよ第4弾はもう発売されてますけど、なぜかうちにはまだ届いてません。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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