SS GE オプティマスプライム レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ ゲーマーエディション より、

“SS GEー01 オプティマスプライム” です。


 スタジオシリーズのスピンオフシリーズ、ゲーマーエディションが始動。

 トップバッターとしてオートボットの

“総司令官 オプティマスプライム” が発売されました。


 2018年に実写映画に登場するキャラクターのリメイクシリーズとして、とくに劇中再現度重視、ロボットモードでのサイズ感統一というコンセプトでスタートしたスタジオシリーズ。

 2021年にはシリーズ35周年を記念して、初の劇場作品である “トランスフォーマー ザ・ムービー” に登場するキャラクターも組み込まれた(86シリーズ)ことで、実写、アニメ関係なく劇場公開作品からラインナップしていくという感じに間口が広がりましたが、今回さらにゲーム作品まで含まれることになりました。

 ・・うん、こうなるともうなんでもアリですね。

 すでにジェネレーションラインとの間でも、まぁそれは86シリーズに限ったことですが、相互に流用したりされたりということが起こっていますので、そもそもシリーズ分けをする意味ももはやなくなってきている気がします。

 ちなみに今回のゲーマーエディションで題材になっているのは、2010年に発売された “Transformers:War for Cybertron” というゲーム。

 北米向けにXboxやプレイステーション3、PCで発売された3Dシューティングゲームで、日本では発売されませんでした。

 サイバトロン星を舞台に、オートボットとディセプティコンの戦いが描かれており、ざっくり言うと初代アニメの前日譚という感じですね。

 登場するキャラクターはお馴染みの面々がほとんどですが、いわゆるサイバトロンモードとされる新規デザインになっていました。

 トイはゲーム発売とほぼ同時にいくつか発売されており、日本でもトランスフォーマー ユナイテッドやその後のジェネレーションズで導入されています。

 今回はそれらのリメイクということですね。

 なおこのゲーマーエディション、大枠ではスタジオシリーズなのですが、ナンバリングはGEが追加された独立したものになっています。

 海外では86シリーズも独立しているのに日本では一緒にされたので、今回もそうなるかと思ったんですが。

 それでは、第1弾オプティマスプライム、レビューしていきます。


オートボット 総司令官 オプティマスプライム

 言わずとしれた我らの司令官の、地球に来る前のサイバトロン星での本来の姿・・ということでいいのかな。

 赤、青、白(シルバー)のトリコロールカラーに頭部の輪郭など、記号的な要素はしっかり押さえつつ、とくに上半身のボリュームが増し、初代アニメデザインに較べてマッチョ感が増しています。

 実写シリーズの影響もあるでしょうが、細かいディティールはゲーム用のデザインならではという感じもしますね。

 サイバトロン星のトラックに変形します。


ロボットモード

 ユナイテッド版はデラックスクラスでしたが、今回はボイジャークラスということでマッチョ感が数倍増しになっています。

 いや、パッと見は標準的なボイジャークラスのボリュームじゃないですね。

 一見リーダークラスかと見紛うほどの圧倒的な存在感があります。

 めっちゃごついよ、このヒト。

 過去一ごつい司令官じゃないですかね。

 もちろん、単純なサイズではもっと大きいオプティマスはいくらでもいますし、実際のところほかのボイジャークラスと並べると、実はそんなに大きくない・・むしろ背は低いくらいだったりするんですが、単体で見たときの威圧感はすごいです。

 ユナイテッド版は持っているので、このゲーム版のデザインは知っていたつもりなんですが、実際はこんなにごつかったの?

 最初にこのGE版の画像を見たときはびっくりしましたよ。

 ただ、けっこう張りぼてだったりします。

 気付かずに持ち上げると、あれ? 軽っ! となりますけどね(笑)。


 頭部アップで。

 輪郭はずっと変わらない、いわゆるコンボイ顔。

 オリジナルのアニメデザインに較べて随分とシャープにはなっていますが、間違いなく玄田ボイス、あるいはピーターボイズで喋ってくれると思います。


 胸部もオリジナルのビークルのフロント部を思わせるデザイン。

 やはり本来はビークルのフロント部から変形するのだと思うのですが、今回はダミーパーツでの再現になります。


 胸部は左右に展開。

 内部にはマトリクスが収納されています。

 マトリクスは取り外し可能。

 やはりアニメ版とは少し違ったデザインですね。

 残念ながら、今回のオプティマスの手は普通に5㎜穴が開いている握り拳タイプなので、マトリクスを両手で持って掲げる、定番のポーズはとれません。


 マトリクスを外した胸部はこんな感じ。

 マトリクスの固定は中央の5㎜軸と左右のジョイントで行われます。


 上腕の内側はけっこうがっつり肉抜きされています。

 肘関節も同様ですね。

 せめてこの穴が5㎜ならまだ使い途もあるのに・・


 背面。

 見ためはけっこう綺麗に整っていると思うのですが、おそらく胸部や腹部が変形するはずのビークルのフロント部分のガワを背負っている格好なので、本来のデザインとは違うんじゃないかなぁ・・

 けど、正面から見たのと同じくらいボリュームがあっていいですね。

 ただ俯瞰で見ると頭部の後ろ側にけっこうな隙間が。

 ガワパーツが蓋になるような配置ならよかったなぁ。


 下半身では太腿の内側に肉抜きあり。

 あと、脛裏はけっこうごちゃっとしてますね。

 側面のパーツもこれ、完全に裏側なんだよなぁ・・


 スタンド対応穴は腰裏にありますが、ガワパーツが被る位置なので、使用の際は一旦ガワパーツを開く必要あり。

 先の通りごついわりには軽いので、3㎜軸でもとくに不安はありません。


 構造的には、実写版のような繊細さはあまりなく、ジェネラインに近いです。

 というか、ほぼジェネラインと同じと思っていいでしょうね。

 そもそも最近は実写系も随分扱いやすくなってきましたが。


付属武器

ブラスター

 ゲーマーエディション共通のギミックとして、右の前腕を取り外してブラスターと交換することができます。

 腕が変形するのか、それとも普通に交換するのか、ともかくもゲーム中でそういうことになっているようです。

 ユナイテッド版では普通に手持ち武器としてブラスターが付属していたんですけどね。

 逆に今回は手で持つことができません。

 接続は5㎜軸で、ほかのゲーマーエディションアイテムに付属する武器との互換性もありますし、

もちろんその他いろいろと取り付け可能。

 あくまで右腕専用のギミックで左腕は取り外すことはできません。


 ブラスター銃口先端は3㎜軸になっています。

 各種エフェクトパーツが取り付けられますね。

 ただこのサイズのブラスターなら先端は5㎜穴でもよかったな。


 取り外した右前腕は3㎜軸で腰裏のスタンド対応穴にマウントできます。

 変形用のジョイントを使えば左前腕へのマウントもできたり・・

 とくに意味はないですが。

 あとブラスターの本体へのマウントできませんね。


エナジーアックス

 オプティマスの近接武器といえば斧。

 実写版の影響か、最近はブレードのイメージもありますが、その実写版でも最新のビースト覚醒では斧も使ってましたね。

 ともかくも斧です。しかも今回は柄が長い、長尺のでかい斧。

 迫力満点です。

 3パーツに分割でき、柄は上下の入れ換えも可能。

 サイズ的に両手持ちできるのですが、ちょっと窮屈ですね。

 というのも、せっかく手首ロール可動があるのに、

前腕の飛び出した部分が柄と干渉するためにほとんど死に可動になってしまっているんです。

 TL ビーチコンバーでも同じようなことあったけど・・


 ブレード部分はデフォルトでは片刃+ピックという形状ですが、

このように展開でき、

両刃状態に変形します。

 ブレードのグラデーション塗装もいい感じ。

 なお、このアックスもとくに本体へのマウントはできませんね。


ビークルモード

 サイバトロニアントラックにトランスフォーム。

 全体に流線型の近未来的なデザインで、オリジナルの四角いコンボイトラックの面影はほとんどありません。

 なんというか、虫っぽい感じもあってちょっと可愛い(笑)。

 非常に上手くまとまったフォルムだと思うのですが、唯一残念なのがリア部にロボットの腕が丸見えなこと。

 ここはちゃんと蓋をしてほしかったですね。

 ユナイテッド版ではこんなことなかったのに・・

 まぁ変形パターンが違っているので、そもそもユナイテッド版ではその位置にロボットの腕はないんですが。

 その変形ですが、腕部を基部ごと180度回転させたり、脚部のパネルパーツの展開など、ユナイテッド版との違いもそうですが、ここ最近ほぼ共通となっているオプティマスの変形パターンとはまるで違うものなので新鮮でした。

 そもそもビークルのフォルムがまったく違うので当然ですけどね。

 

 ブラスターは車体後部にマウント可能。

 さらにその上にアックスも取り付けられます。

 アックスは組み換えでブレード部分を前に出すこともできます。


 一応スタジオシリーズの枠内なので、恒例の中台紙を使った簡易ディスプレイベースは継続。

 ゲームやったことないのでどういう場面なのかわかりませんが。

 あと、台座部分が赤ではなくグレーになっているのは新鮮ですね。


比較画像

 ユナイテッド版と。ロボットモードで。

 ユナイテッド版はデラックスクラス。

 今回のGE版をごついごついと言ってましたが、実際ユナイテッド版と並べてみるとそこまで差はなかった・・

 いやまぁ、肩幅はすごいんですけど。顔なんかはむしろ小顔になってるかな?

 ユナイテッド版のほぼ全面メタリック塗装は、日本独自仕様でしたかね。

 今にして思うと非常にリッチな仕上がりですね。

 再現度も悪くないと思います。

 というか、このユナイテッド版のイメージがあったから、今回のGE版のマッチョ感には本当、驚いたんですよ。

 実際はここまでごつかったのか・・

 ブラスターの仕様とか、エナジーアックスの追加とか、武装面の充実ぶりも増していますね。


 ビークルモードでも。

 当然フォルムはよく似ていますが、GE版のほうが一回りほど大きく、そして気持ち後部が長くなっていますかね。


 ブラスター比較。

 これはもう完全に別物。

 そもそも形状がまったく違います。

 手持ちのブラスターもゲーム中には出てくるんですかね?


 同時発売されたGE版バンブルビー、バリケードと。ロボットモードで。

 バンブルビー、バリケードはデラックスクラスなので、彼らと較べると断然でかいオプティマス。

 ただ顔はむしろビーより小さい?

 もともとはすごいモデル体型だったんじゃない?(笑)


 ビークルモードでも。

 いわゆるサイバトロニアンビークルでも、三者三様。

 みんないつものアースモードとは違う雰囲気で新鮮です。


以下、画像

 可動性はまずまずというところ。

 シージ以降のジェネラインのフォーマットはクリアされており、まぁ特別よく動くというような印象はないですが、必要十分だと思います。

 足首のスイングでしっかり接地し、自立も安定します。

 立て膝はちょっと不格好。

 太腿が短いのと、膝が90度しか曲がらないためですね。

 画角でなんとかできているようにごまかすしかありません。


 ブラスター装備で。

 換装なのか変形なのかわかりませんが、トイとしては前腕部分を丸ごと交換する仕様は実写版では何度か見ている感じですが、ここまでガッツリ見ためも変わるタイプは珍しい。

 5㎜軸での接続なので仕えも容易ですし、ウエポナイザー等との組み合わせもいろいろ考えられます。

 付属の武器パーツだけでもこんなことができたり(笑)。


 アックス装備で。

 インパクト抜群の大型武装。ブレード部の変形で印象が変わりますし、柄の分割を利用した拡張性の高さも魅力。

 ただ前腕のデザインとの兼ね合いでせっかくの拳ロール可動が死んでいるので、まっすぐ肘を伸ばした状態でしか両手持ちができないのは残念。


 フル装備で。

 うむ。格好いい。


オ「マトリクスよ、私に力を!

 やっぱり手で持てないのはちょっともの足りないなぁ・・


 スタンドを使って。

 見ためのごつさに反してわりと軽いので、3㎜軸のスタンドディスプレイにもさほど不安はありません。

 頭部がけっこう上を向けるのもポイント高いですね。


 手持ちの武器も欲しかったので、ユナイテッド版から拝借。

 今回付属のブラスターも5㎜軸を付けてくれればよかったのに・・

 奥まった場所に5㎜穴があるだけなので、ほぼこのオプティマス専用武装になってしまうのがちょっともったいないです。


 パンプアップオプティマス!

 すべてを筋肉で解決するオプティマス。

 まぁ、今までも基本武力で解決してきたので、基本的なスタンスは変わってませんね(笑)。

 火力か筋肉か、というだけの違い。

 こっちもいいな。


 ビークルモードでも。

 ロボットモードでは拳以外本体に5㎜穴がありませんでしたが、ビークルモードだと側面に2箇所だけ、5㎜穴があるので多少は武装可能。

 バーニングな武器を取り付けてみました。


 バンブルビーとの共闘イメージで。

 実写以降、バンブルビーはオプティマスの片腕、見たいないイメージが定着しましたね。

 初代アニメのときはそこまで特別扱いはされてなかったと思うけど・・

 でもまぁ、赤と黄色の対比もいいバランスなのかな。


オ「行くぞビー! 私に乗れ!私の斧も貸してやる!

 いいサイズ感ですね。


オ「くたばれディセプティコン!

口の悪さでは定評のある実写版オプティスのイメージに近いのかな。


 以上、“GE オプティマスプライム” でした。


 スタジオシリーズでゲーム版のキャラクターをリメイクするとは・・

 まぁ86シリーズはともかく、実写版のほうはまだまだ待機してるキャラがいるとは思うのですが、メインと張れるような存在がいなくなっているのは事実。

 となると、まったく新しいところに手を伸ばすのも理解できます。

 ただ、スタジオシリーズってなに? という感じにどんどんなってきてますよね。

 そもそもは実写版のキャラを最新フォーマットでリメイクするというシリーズだったはず。

 途中から86シリーズとしてザ・ムービーに登場したアニメ版キャラも加わったことで、実写、アニメに限らず映画に登場したキャラをリメイクするというふうに守備範囲が広がった。

 そこに、今度はゲーム版キャラも追加となったわけですが、これはどう解釈したものか・・

 イマイチ説明がつかないので、日本でも一応ナンバリングを分けたのかもしれませんね。

 あくまでスピンオフだ、みたいな。

 ゲーム版デザインのリメイク自体はまぁ、それこそ12年振りくらいなので新鮮なのですが、べつにスタジオシリーズでなくとも、マルチバース設定を導入してなんでもアリになったジェネレーションライン・・レガシーでも出せたと思うし、そのほうがわかりやすかった気もするのですが。

 なんでしょうね?

 スタジオとジェネラインの2本柱を並行で、だいたい同じくらいの密度でやっていかなければならない決まりでもあるんでしょうか?

 もう全部一緒でよくない?

 ただまぁ、明らかに実写版はほかの毛色が違うので、やっぱりスタジオシリーズは実写版のみを貫いてたほうがよかったかなあ。

 今さらですが。


 さてそんなゲーマーエディション オプティマス。初見のインパクトが凄まじいですね。

 こんなゴツイオプティマス見たことなかった。

 本当にボイジャークラスか? と目を疑うボリューム感に再現は見事だと思います。

 実際にはけっこう張りぼてなんですが、それを感じさせない構成の巧さですよね。

 可動性はねぇ、もうちょっと・・例えば腕が前方向に引き出せればなぁとか、拳のロールが死んでなればなぁとか、思わないではないのですが、遠近2種類の大型の武装の換装、変形ギミックは楽しいです。

 新シリーズのトップバッターに相応しい、とにかく見ために大きなインパクトのある、気合いの入った内容だと思います。

 いやぁ、ごつい司令官、格好いいですね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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