陸上自衛隊06式ーⅢ型戦車 ろく レビュー

 今回のレビューは、1/35スケール 陸上自衛隊07式戦車 なっちん より、

“陸上自衛隊06式ーⅢ型戦車 ろく” です。


 ロボットデザイナー、moi氏がデザインするオリジナルキャラクターシリーズ、“陸上自衛隊07式戦車 なっちん” に、なっちんの前世代機として、もっとも多く配備・運用されているというジリツ戦車、

“06式ーⅢ型ジリツ戦車 ろく” が登場。

 ダークグリーンの通常仕様と、サンドカラーのカスタムVer.が2ヶ月連続リリースされました。


 プロトタイプなっちんの箱絵のバックに描かれてた丸っこい機体。

 なにこれ可愛い! 欲しい! と思っていたものが発売されました。

 しかも完全新規造形。

 まぁ実際、なっちんとはまったく違う外見なので、当然といえば当然なのですが。

 戦車といいながらキャラクターとしての可愛らしい印象が強かったなっちん。

 実はけっこうシリアスっぽいストーリーが意外だったのですが、今回のろくは、まぁ見ためは確かに可愛いんですが、なっちんと較べるとミリタリ色強めというか、現実にもあり得そうな絶妙なデザインだと思います。

 こちらも今後、なっちん同様にいろいろとバリエーションが出てくるのかな?


 それでは、2種まとめてレビューしていきます。

 キットはパチ組みに付属の水転写式デカールの一部を這っています。


陸上自衛隊 06式ーⅢ型ジリツ戦車 ろく

 従来機として現在の陸上自衛隊でもっとも多く配備、運用されているジリツ戦車。

 なっちん同様の1人乗り仕様。

 パイロットと意思疎通するためのコンタクトディスプレイ機能はすでに確立されているようですね。

 ただ、高度なマニピュレーターの搭載はまだ遅れているようで、基本的に3本爪の簡易マニピュレーターが装備されています。

 カスタムタイプでは開発中の次期複合耐熱装甲を導入、電源である水素電池のパフォーマンスも向上し、さらに5本指のマニピュレーターを装備したことで通常仕様より高性能な機体として調整されています。


 まず通常仕様から。

 カラーリングはなっちんの通常仕様とほぼ同じですね。自衛隊カラーということなのかな。

 さて、なっちんより現実的と言いましたが、だとしても雰囲気的にはジオン水泳部とか、メカトロウィーゴみたいなゆるキャラ的な可愛らしさがあります。

 直線主体のなっちんに対し、こちらは曲線主体。

 ただ、各部パーツの縮尺やレイアウトにはやはり通じるものがあり、ろくの進化形がなっちんなんだなと納得できます。

 でも、デザイン的にはむしろろくのほうが整っているというか、合理的な感じがしますね。

 それにしても、胴体だけでも顔っぽく見えます。

 お腹の左右のこれはなんなんだろう? ライトかな? それが鼻の穴みたいで、マンドリルとかそのへんの顔っぽく見えるんだなぁ。


 背面。

 前から見るとお腹が出ているぽちゃり体型なのですが、後ろから見るとキュッとウエストが引き締まっているので、けっこう印象が違いますね。


 それでは、各部を見ていきます。


 いわゆる目にあたるコンタクトディスプレイは、正面目線をプリント済みのものが付属。

 ほか、未塗装の交換用パーツが4つ付いているので、付属の水転写式デカールを貼ることで表示(表情)のバリエーションを増やすことができます。

 こんな感じですね。

 デカールの内容は通常仕様とカスタムVer.でまったく同じです。


 頭部コクピットハッチは開閉。

 なっちんのハッチは前後に分かれて開きましたが、ろくは全体が上がり、そして後ろ側にスライドするかたち。あまり大きくは開きません。

 内部には空間があり、一応コクピットらしいディティールも再現されていますが、かなり狭いです。

 このように、ガバナーでも小柄なクレイドルくんでも、そのまま乗り込むことは不可能。

 そもそもなっちんシリーズは1/35、ヘキサギアは1/24でスケールが違うので、仕方ないですね。

 脚を外せばなんとかいけるかと思ったんですが、結局肩幅でもう無理でした。

 なお、来年2月に発売が予定されているアペンドパーツセット(なっちんとのセット版もあり)にはなっちんと共通のシートおよびパイロットフィギュアが付属し、コクピット内部に組み込むことができるようです。


 胴体は一見動かなそうですが、

このように上半身を後方にスライドさせることで、

左右回転ができるようになります。

 正面のでっぱりはお腹に見えて実は腰部外装なんですよね。

 面白いデザイン。


 腕部可動はなっちん同様、あまり柔軟とは言えず、一応基部パーツを挟むことでわずかですが前後スイングできるものの、上下への可動は肩の形状も合ってこの程度が見解。

 真横に伸ばすことはできません。

 肘もやや90度に足りないくらいしか曲げられません。


 3本爪タイプのマニピュレーターは、爪がそれぞれ可動。

 内側、1本の爪を挟んでいるこの謎のパーツも、個別に可動します。

 これなんなんだろう?

 また、マニピュレーターの中心には3㎜穴があり、専用のアタッチメントを取り付けることで、

付属のM.S.Gなどの手持ち武装を保持できます。

 あくまでアタッチメント取り付け用の穴というだけで、機関砲やビーム砲というわけではないはず。

 まぁ、そういうことにしてしまっても全然いいとは思いますけどね。

 なお、パッケージイラストや公式画像ではミサイルランチャーを上から直接掴んでいますが、実際の3本爪の保持力だけではほぼ無理・・


 股関節はなっちん同様、わずかですが下方向にスライド可能。

 この構造のおかげで180度の開脚もできます。

 膝も90度曲がりますね。

 短いけど、腕よりよく動くし・・


 足は踵のアウトリガがこのように可動するものと、

展開状態で固定されているものの2種類が付属。

 固定のほうはアウトリガ部分の色分けがされていませんが、自立には適しています。


 臀部アウトリガは今回のキット化に際して新たにデザインされたもののよう。

 展開することで3点支持となり、自立が楽になります。

 取り付けない場合のためにカバーパーツも付属します。

 ナンバープレートはデカールです。


 背部(後頭部?)や

 肩に前腕、

そして脇腹、太腿など、

各部のカバーパーツを外せば3㎜穴が現れるので、付属の3㎜軸ジョイントなども利用していろいろとカスタマイズが可能です。

 ただ、各カバーパーツは一旦はめてしまうと外すのがけっこう大変。

 一応小さく凹みがあって、そこに針など細いものを引っかければ外せるのですが、傷が付くのも前提なんでしょうね。予備のパーツが何個か付いているところもあります。

 なっちんでもそうでしたけど、ここはなんらか改善してほしかったですね。


付属武装

 恒例の専用カラー成型のM.S.G。

 今回のろく 通常使用には、ウェポンユニット04 マシンガン・ミサイルランチャーが付属しています。

 単体販売分はすでに絶版になっているレアものです。

マシンガン

 銃身下部に取り付けるオプションはグレネードランチャーとサブグリップから選択できます。


ミサイルランチャー

 こちらも先端部分を2種のデザインから選択可能。

 マシンガン、ミサイルランチャーともに先の通り、保持の際は専用のアタッチメントを使用します。


その他付属品

 以下は通常仕様、カスタムVer. 共通の付属品です。

スタンド

 なっちんと共通形状の簡易スタンドが付属します。

 このように、完全に自立補助ですね。


 あと、画像撮るの忘れましたが、3㎜軸付きの汎用グリップパーツが2つと、3㎜軸✕3㎜軸のジョイントパーツが4つ付属します。

 カスタマイズ用ですね。


 続いてカスタムVer. 。

 基本的に本体は成型以外通常仕様と一緒なので、細部については割愛します。

 通常仕様ではあえて貼らなかったデカールを追加してます。

 まぁ、気分です(笑)。

 最初の説明の通り、外装や内蔵の水素電池なども通常仕様よりもバージョンアップしているのですが、キットとしてはとくに見ために違いはないです。


 で、唯一形状に違いがあるのが、腕の先端部分。

 なっちんでも採用されていない(する必要がなかった?)5本指タイプのマニピュレーターは、M.S.G ハンドユニット 丸指ハンド B を使用。

 そうです。この5本指タイプのマニピュレーター=ハンドパーツが、カスタムVer. のM.S.G枠なんです。

 握り手、平手、そして武器持ち手の3種類が左右分付属します。

 なお、手首周りの装甲と、ハンドパーツを取り付けるための3㎜軸パーツも新規造形で付属しています。

 ただM.S.G枠をハンドパーツに使っているため、せっかく持ち手があるのに持つための武器が付いてこないという・・

 まぁ、いくらでもそのへんに転がってるからいいけどね。


 通常仕様と同じ3本爪タイプのマニピュレーターも付属しているので、ただのサンドカラーの通常仕様としても組めます。

 色味的にはグリーンよりこっちのほうが似合ってるかも・・


比較画像

 なっちんと。ともに通常仕様で。

 ろくのほうが全高が高いですし、なんというかやはり全体のバランスでしょうか、ロクのほうがパワーがありそうな感じに見えます。

 なっちんは多機能化されてたという雰囲気かなぁ。


 ろくのカスタムVer. となっちんのグレーVer. で。

 なっちんは腕部構造が独特なので、この5本指マニピュレーターに換装することができません。

 そのへんの汎用性とかは、やはり従来機のろくのほうが勝っているということなんでしょうか。

 ろく同士で。

 やっぱりマニピュレーターは逆のほうが似合うかなぁ。

 そしたらザクとゴッグ(もうちょっと濃い色のほうがいいか)みたい。


以下、画像

 まず通常仕様で。

 腕周りの窮屈さは構造がほぼ同じなっちん同様。

 接続時期が短いことで基部ごと腕部が外れやすい点も継承してしまっています。

 逆に下半身・・脚部は短いながらもよく動き可動域も広いので、そこそこスタイリッシュなアクションも決まります。

 キット構成上仕方ないこととはいえ、本来火器使用が不得手そうな3本爪マニピュレーターしかない通常仕様が重武装なのも皮肉なものですね・・


 休憩中。

 一応、パイロットの搭乗が基本だとは思うのですが、ジリツ戦車と言う名称から、単独でもある程度活動はできるのでしょう。

 その場合にパイロットほか人間と意思疎通を図るためのコンタクトディスプレイ。

 欲を言えば通常版とカスタムVer. とでデカールの内容を変えてほしかったですね。


 必殺・・

魔貫光殺砲!

 手の平からじゃなく指先から出る技でしたね・・


 続いてカスタムVer. 。

 脚短いですけど、ちゃんと立て膝もできます。

 腕も短い・・(笑)

 でも一生懸命訓練してるみたいで可愛いですね。

 それにしても、丸指ハンドはデザイン的にまったく違和感ないですね。


 右手をビームサーベル内蔵型クローに換装!

 カスタムVer. ですからね。これくらいの改造はアリでしょう。


 コンタクトディスプレイに土下座の絵文字があったので、

全身でも表現してもらいました。

 このための丸指ハンドかな?(違う)


 ちょこっと組み換え。

 腕部、脚部はそれぞれ3㎜軸接続なので、なっちんとはそのまま交換することが可能です。

 ただ、なっちんボディにろくの脚部はミスマッチですね。

 ろくの太腿が太過ぎて、なっちんのボディに付けるとまっすぐに脚を下ろせません。

 あとかなりセクシーになっちゃうし(笑)。


 ろく単体で腕部と脚部を入れ換えてみました。

 脚(腕部)の接続に3㎜軸ジョイントを使用していますが。

 これはこれで面白いですね。

 腕部⇒脚部はともかく、脚部⇒腕部はまったく違和感ないです。

 というかこれもうザクの腕やん・・


 別売のM.S.Gでデコレーションしたり。

 丸指ハンドは武器類の保持はイマイチですね・・

 なっちんのときはもっといろいろと遊んでみたんですが、今回ちょっと余裕がなくてこんなところでご勘弁を。


 小隊イメージで。

 やっぱり役割が違う気がする・・

 まぁ、手の形状だけの話なんですが。


 ジャ〇ローに散る・・

 これ、絶対赤くする人いると思うんだよな。

 水色でもいいけど。


 以上、“陸上自衛隊06式ーⅢ型戦車 ろく” でした。


 以前なっちんのレビューでメカトロウィーゴとのコラボなんか面白いんじゃないか? とか言ったら、ほぼウィーゴなろくが登場してしまった・・(笑)

 いや正直、けっこう既視感のあるデザインなんですが、それだけ受け容れられやすいフォルムということなんでしょう。

 丸っこくて可愛らしい。

 とても戦車とは思えない外観ですが、でもストーリーはわりとシリアスな感じで、そのギャップもまた面白いところです。

 さて、キットはなっちんから踏襲されたような構造も多いですが、流用パーツはなく完全新規。

 パッと見、あまり動かなそうなずんぐり体型ながら、高い可動性で多彩なアクションポーズが可能。

 デザイン上、肩周りはあまり柔軟とは言えませんが、そこまで気になるものではありません。

 やはり見ためからすると十分動いてくれると思えます。

 キットオリジナルの解釈で多数の3㎜穴を備え、幅広いカスタマイズが可能なところはさすがコトブキヤです。

 ただその3㎜穴のカバーパーツがかなり小さいうえに取り外しにくいというストレス要素を、なっちんからそののまま引き継いでいるのは残念でした。

 不満に思えるのはそれくらいかなぁ。


 さて、年が明けて2月にはなっちん用のアペンドパーツセットが発売されますが、今後そういうかたちでいろいろなオプションの単体発売もあるかもしれませんね。

 すでに本体はけっこう持ってる(レビューはしてませんが、プロトタイプなっちんも、パトナッチンも買って組んでる)ので・・


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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