今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー99 ラチェット” と、
“SSー110 アイアンハイド” です。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” より、オートボットの
“看護員 ラチェット” と、
同じくオートボットの
“警備員 アイアンハイド” が、
スタジオシリーズのコアクラスで発売されました。
初代オートボットのレギュラーメンバーは、ザ・ムービーでほとんどが戦死してしまいますが、仲間の修理や技術開発で部隊に大いに貢献したラチェットや、司令官 オプティマスプライムの右腕として常に戦場で活躍したアイアンハイドもけっこう序盤で無残な死を迎えています。
本当、それまでのTVシリーズでの戦いはなんだっただ? というくらいあっさりと殺されてしまいましたよね。
実際、殺害されるシーンくらいしか出番のない彼らをスタジオシリーズで発売するというのも酷いというかなんというか・・
まぁ、今回はコアクラスなんですけどね。
通常スケールのボイジャークラスはわかるんですけど、なんでこっちまでスタジオ枠なんだろう? レガシーでよくない?
そもそもロボットモードでのスケール感統一というお題目がスタジオシリーズにはあったはず。
まぁ、わりと最初のほうからはたしてそうか? と思うところはありましたけども。
もとより小さいキャラをコアクラスで出すのは理解できますが、ミニサイズ版まで組み込むのはどうなのかなぁ。
大きさの概念と聞いて思い出されるあのシーンを再現できるという意味では、コアクラスのラチェットとボイジャークラスのアイアンハイドの組み合わせはぴったりなんですが、あのシーンはザ・ムービーにあったわけじゃないしなぁ。
そんな面白シーンが再現できるわけでもないBB ショックウェーブをコアクラスで出していることが一番の謎なんですが・・
あ、勝手にミニサイズ版とか言ってますけど、ニュアンスはわかってもらえますよね?
僕自身、ミニサイズでもっといろんなキャラを出してほしいとは思ってますし、スタジオシリーズで出すほうが日本では一般販売しやすいというのなら、それでもいいんですけどね。
ただまぁ、シリーズコンセプトがブレるしなぁ・・て、今さらか。
もはやスタジオシリーズ、ジェネレーションライン、その他諸々、分ける必要もない気がしますけどね。
長くなりました。
レビューしていきます。
ちなみにラチェットは3月の発売でしたが、単独レビューでは物足りないと思ったので、今回のアイアンハイドの発売まで待ってもらっていました。
オートボット 看護員 ラチェット
肩書きは医師とされることも。
初代オートボットの中核メンバーの1人で、ホイルジャックとともに仲間の修理や技術開発など、主に後方支援を担当。
救急車に変形します。
ザ・ムービーでは劇中序盤、アイアンハイド、プロール、ブローンとともに宇宙船で地球に向かう途中、メガトロン率いるディセプティコン部隊の襲撃を受け、応戦するもスタースクリームの攻撃により死亡しています。
ロボットモード
ミニサイズ版の常で、若干デフォルメされたことでガッチリというかムッチリというか、箱ロボ感の強いプロポーションになっています。
また胸部がかなり出っ張っていたり、つま先がほとんどなかったり、あとはタイヤの位置など、スタジオシリーズではありますが、正直アニメのデザインとは随分印象が違う感じで、やはりレガシー出だしておいたほうが違和感も少なかったんではないかなぁ・・
頭部アップで。
かなり小顔ですが、顔付き自体はアニメデザイン準拠だと思います。
でも、ラチェットにしては随分と厳めしい表情。
まぁ、切り取られた場面が場面だけに、こういう表情になるのも無理はないか・・
両肩のマークは、赤十字マークが使用条件が厳しいとかなんとかいうことだったか、十字ではなく横棒を2本でクロスしたかたちにオートボットのエンブレムを組み合わせた独自のマークになっています。
ボイジャークラスでも同様のマークが使われていますね。
ここも、スタジオシリーズとは? と首を捻る部分。
背面。
コアクラスながらなかなかの密度感だと思います。
脛部分もパネル状のパーツを織り込むかたちで空間があまり気にならない感じになっていて、ほかに目立つ肉抜きもありません。
背中のガワパーツの回転灯の中央部に3㎜穴がありますが、それがスタンド用に使えます。
腰部にも、穴を開けようとした痕跡らしきものがあるんですが、強度面で見送られたのかな?
付属武器
ビームガンが2丁付属。アニメで使用していた銃を再現したものですね。
ジョイントの位置で左右対称の造形になっていて、グリップ以外がシルバーで塗装されています。
グリップは3㎜。
銃口先端は3㎜軸ではありませんが、各種エフェクトパーツを取り付けることも可能。
同型の銃2丁を扱う場面は、たぶんザ・ムービーだけだったと思いますが、そういう意味ではちゃんと劇中再現できるようにしてくれたのは嬉しいですね。
福次効果(?)でアイアンハイドでもコア、ボイジャーともに銃が2丁付属するのもありがたい。
ビークルモード
救急車にトランスフォーム。
オリジナルトイのモチーフは救急車仕様の日産チェリーバネット。
今回はスタジオシリーズではありますが、アニメシリーズ由来のものについてはとくにライセンスは取得されていません。
そもそも、アニメのあのシンプルなデザインはトイのモチーフとがまた違いますからえ。
そしてアニメデザインの再現とすると今回のコアクラスはディティールがけっこう細かくて、やはり別物という印象です。
なおご覧の通り、側面やリアのウインドウ部は塗装されておらず、かなり白いです。
逆に細かく塗装を加えれば、それなりに見られるものにはなるかと。
変形は、シージ型やスタジオのボイジャークラスと基本的に同じ流れ。
分割線の多さからもわかる通り、パネル状のパーツを展開して箱のように組み合わせる変形なのですが、こっちをはめればあっちが外れるとか、隙間が開いたり、綺麗にかっちり収めるのはなかなか難しいです。
ビームガンは専用のジョイントで車体側面にマウントできます。
回転灯中央部に3㎜穴があるので、1丁だけならそこに取り付けることもできます。
中台紙に描かれている背景は彼らの最期の場所となった宇宙船のブリッジ。
ボイジャークラス アイアンハイドに付属したものの縮小版ですね。
固定具を通すために穴が開いています。
オートボット 警備員 アイアンハイド
初代オートボットの中核メンバーの一人。
司令官 オプティマスプライムも右腕ともいえる歴戦の戦士で、ジャズ、プロールと並ぶ部隊の実質的なナンバー2。
実直な戦士ではあるものの少々直情的な性格でもあり、度々危険な目にも遭っています。
赤いバンに変形。
ラチェットとは同型ですが、とくに血縁等、関係はないもよう。
ザ・ムービーでは先の通り地球へ向かう宇宙船でディセプティコンの襲撃に遭い、ブローン、プロール、ラチェットが倒れるなかなんとか一矢報いようとメガトロンの脚を掴むも、至近距離から融合カノン砲の直撃を受け死亡。
ロボットモード
先ほどのラチェットからの流用。
カラーリングの変更に加え、頭部と、地味ですが腰部、そして背中のガワ(ビークルのルーフ)パーツが新規造形されています。
ラチェット同様、これはこれで整ったバランスではあるんですが、アニメデザインの再現度は高いとはいえません。
それにしても、先にラチェットで、あとからアイアンハイドというパターンは珍しい気がするなぁ。
まぁ、通常サイズのボイジャークラスではいつも通りアイアンハイド、ラチェットの順番ですが。
頭部アップで。
やっぱりちょっと小顔感がありますね。
アニメデザインよりはちょっと老けてるように見えるかな。
表情はラチェットよりむしろちょっと穏やかかな?
背面。
先の通り、ガワパーツが新規造形で回転灯がなく、フラットです。
結果的にスタンド用の3㎜穴がありません。
付属武器
ラチェットと同型のビームガンがやはり2丁付属。
今回もシルバーで塗装されていますが、グリップ以外にビークル時にマウントするためのジョイントにも塗料が乗っていません。
ビークルモード
バンタイプのワンボックスカーにトランスフォーム。
オリジナルトイのモチーフは真っ赤な日産チェリーバネット。
今回は似た雰囲気のバンに変形。
先にも言った通りルーフパーツが新規造形で、あとはカラーリングの変更のみです。
ラチェット同様、側面、リアのウインドウ部の塗装派なし、側面のオレンジのラインもありません。
まぁ、ラインに関してはボイジャークラスでもなかったので・・
なお、ラチェットよりかっちり感が増すような調整がされているんではないかとちょっと期待していましたが、個体差でしょうか、むしろラチェット以上にふわっとした感じに・・
ビームガンは車体側面にマウント可能。
ラチェットではジョイントにも塗料が乗っていたためわりとフィット感がありましたが、今回わざわざジョイント部分は塗っていないせいでかえって緩めに・・
まぁこれも個体差の範囲だと思いますが。
中台紙の背景はラチェットと同じ、宇宙船のブリッジですね。
2枚を繋げてパノラマ風になるとかだったら面白かったけど・・
比較画像
まずラチェット・・といきたかったのですが、通常サイズのボイジャークラスはまだ日本では発売前されていない・・発売後、手に入り次第画像を追加したいと思います。
ということでアイアンハイド、同じスタジオシリーズのボイジャークラスと。ロボットモードで。
もちろん全体に雰囲気は似ていますが、相似形ではありません。
どちらがよりアニメデザインに近いか、さすがに較べるのは酷ですが、そもそもボイジャークラスもちょいちょい気になる部分はあるのでね・・
ただまぁ、比較的短いスパンで同じシリーズからボイジャーとコア、スケール違いで2種類出す意味はやはりわかりません。
コアクラスはレガシーでよかったと思う。
ビークルモードでも。
形状的な違いではます、コアクラスにはリアウイング(?)があるけれど、ボイジャークラスにはない。
で、アニメデザインではリアウイングはないので、やはりボイジャークラスのほうが近いものにはなっている。
というかなんでコアクラスにはウイング付けたのかな?
造形の違いは頭部と腰部、そして背中のガワパーツ。
ラチェットに成型色が白一色なのに対し、アイアンハイドは赤とグレーの2色。塗装箇所はだいたい同じですね。
ビークルモードでも。
塗装の少なさはどちらも同じ。
どちらもウインドウくらいは塗ってやったほうがいいかなぁ。
キングダムで発売されたコアクラス オプティマスライムも加えて3人で並べて、ロボットモードで。
オプティマスのほうがわずか背が高くて、多少のデフォルメ感のあるミニサイズ版とはいえ、いいサイズ感だと思います。
なんか、撮影が下手なせいでアイアンハイドが妙に小さく見えますけど・・
ビークルモードでも。
こちらは一転、オプティマスの変形したトレーラーキャブがかなり小さく感じます。
まぁ、仕方ないですね。
以下、画像
型としては同じものなので、交互にポージングしながら可動性についてまとめていきます。
まぁ、正直なところ可動性はそれなりです。
基本的に各間接はボールジョイントによる可動で、個体差もあると思いますが、うちに来たものはラチェット、アイアンハイドともに股関節が少々緩めでした。
腰も本来は変形のために360度回転できるのですが、ロボットモードでは自他の画像のようにガワのジョイント部が干渉するため、ほんの少し捻れる程度。
膝は45度くらいしか曲げられず、当然足首可動もないので接地面積自体は広いものの自立は微妙。
立て膝もかなり厳しいです。
ただまぁ、小さくて軽いこともあってバランスをとることはさほど難しくないので、このような意外にスタイリッシュなポーズも可能です。
頭部が上を向ければよかったですね。
ちなみにラチェットは首が据わってません(ボールジョイントがゆるゆる)でした・・(笑)
でもそんなラチェットのみ、背中の3㎜穴を使ったスタンドディスプレイが可能。
コアクラス全体でも珍しいですね。
コンビで共闘イメージ。
もっとも、同型というだけで劇中ではとくにセットにされている印象はありませんでしたね。
ちなみに、ボールジョイント接続の脛パーツ、先にも言った膝可動域の狭さも原因だと思いますが、曲げようとするとけっこう簡単に外れてしまいます。
まぁこれも個体差あると思うのですが、うまい具合に(?)うちに来たものはアイアンハイドは右脚が、
ラチェットは左脚が外れやすかったです。
これは、負傷したアイアンハイドを助けに入ったラチェットまでも同じように負傷してしまった画ですね(笑)。
司令官と一緒。
これまでほぼ孤軍奮闘だったところにようやく援軍が到着して、司令官もほっとしていることでしょう。
これまでミニサイズ版のラインナップはディセプティコンのほうが充実してましたからね。
ここからオートボットの反撃が始まるのか・・
とか言ってるそばから、調子に乗って突撃したアイアンハイドが手痛い反撃を被って戦線離脱。
ア「申し訳ありません司令官・・敵の罠にかかってしまいました。
オ「そういう無鉄砲なところがおまえのまだ若いところだ、アイアンハイド。
オプティマスの次に年長らしいんですけどね。
ていうかオートボット部隊、オプティマスが最年長なの?
以上、“SS コアクラス ラチェット” & “SS コアクラス アイアンハイド” でした。
スタジオシリーズでの発売ですが、ほかの86系アイテム同様、レガシー等のジェネレーションラインと絡めてもまったく違和感のないチェリバネコンビ。
というか、やはりモノしてはスタジオシリーズではなくジェネレーションライン寄りという印象です。
まぁ、もはやどっちで発売されようがさほど関係ない気はしますけどね。
出来自体は、これまでのミニサイズ版同様、手のひらサイズに程よいデフォルメ感が可愛らしく、ただ並べて置いておくだけでもそこそこ満足感のあるものにはなっていると思います。
一方で可動性はほどほどですし、変形はややふんわりしているので、アクションフィギュア的な見方をするとちょっとストレスを感じるものになってしまっているかもしれません。
せめてもう少しかっちり変形が決まればなぁ・・
箱型のロボットを箱型の車にするだけなのに、なんでチェリーバネット型はこんなにも難しいんだろう? 不思議ですね。
さて、日本での発売は危ぶまれていたトレーラー付きのオプティマスとビーのセットもモール限定とはいえ発売されますし、このままシリーズを跨ぐ格好でもよいので、ミニサイズ版ももっとキャラを増やしていってほしいですね。
やはりオートボット勢も、もっといろいろ出してほしい。
しかしまぁ、ディセプティコンの場合はメガトロンを筆頭に3参謀とジェットロン、あとはそれ以外というような、知名度的な意味でもヒエラルキーのようなものがけっこう明確にある印象なんですが、オートボットについてはオプティマス以外はわりと横一線という感じなんだよなぁ。
でも、やっぱり実写からかな。
オプティマスの次にビー、そしてアイアンハイド、ラチェットくらいが1軍というか、ほかの面子より頭一つ出てきたような・・
なにが言いたいのかというと、次、オートボットからミニサイズ版を出すとしたら誰がいいんだろう? と考えると、けっこう難しいなと。
まぁ、流用を考えるとランボルギーニ型か、フェアレディ型というところなのかなぁ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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