今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー108 チーター” です。
実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” に登場するマクシマルの
“密林巡視員 チーター” が、
スタジオシリーズで発売されました。
すでにメインラインやクルッとチェンジ、覚醒ウエポンでも発売されているチーターですが、そのどれもがビーストウォーズ版ベースのデザインになっていて、実際に劇中に登場した姿とはまったく違うものでした。
劇中でロボットに変形しないエアレイザーは別にしても、ほかのメインライントイは劇中デザインとそこまで大きな乖離がないのに、なんでチターだけそんなことになってしまったのか?
映画製作の初期段階ではビーストウォーズ版べースのデザインでいくはずだったものが、途中でまったく違うものになったとか?
トイ開発側にとっては聞いてないよ! 的なことだったんでしょうか?
まぁいろいろな事情はあると思いますが、映画を見たあとワクワクで玩具売り場を訪れた子供たちも首を捻ったことでしょうね。
みんな違ってみんないい、という境地にはなかなか達せないだろうしなぁ・・
ともあれ、今回のスタジオシリーズ版は劇中にかなり近い姿が再現されています。
ただそれも、最終決定版のデザインを基にはしていないため、微妙に違うんですけども・・
レビューしていきます。
マクシマル 密林巡視員 チーター
モチーフはビーストウォーズの同名キャラクター。
海外版設定ではマクシマル部隊の最年少で、実写版バンブルビー的なポジションだったようです。
ビースト覚醒では、マクシマルはユニクロンの襲来で故郷の星を脱出し、地球にやってきました。
そこでトランスワープキーを2つに分割し、彼らもまた二手に分かれます。
チーターはプライマル、ライノックスとともにペルーに潜伏。現地の人間と協力してトランスワープキーを守護してきました。
そこで、もう一方のキーを奪われたエアレイザーと、彼女が連れてきたオートボット、そしてノア、エレーナと同流しています。
チーター自身は、今回さほどフィーチャーされることがありませんでしたが、プライマル、ライノックスとともにテラーコンとの最終決戦で活躍。
無事生還もしています。
日本語吹き替え版のキャストはオリジナルに引き続き高木 渉氏。
語尾の~じゃんも健在でした。
台詞自体は少なかったけど。
ビーストモード
メカチーターですね。
ちなみに名称のチーターの綴りは “Cheetor” で、動物のチーター “Cheetah” と機械の “Motor” を混ぜたものになっていて、より発音に近いカタカナ表記にすると “チートァー”という感じになるのかな?
さて、最初に宣材画像を見たときは、ちょっとずんぐりし過ぎやしないかい? と思いました。
チーターというよりはクマか、それに近いもっとマッチョな獣に見えたんですね。
で、実際のところ、やっぱり角度によってはそう見えるんですが、思っていたよりはスマートなフォルムでした。
カラーリングはオレンジに近い茶系で、チーターといえば黄色というイメージとはまた違いますが、劇中の雰囲気には近い式超だと思います。
ちょっと俯瞰から見えるとわかりやすいと思うのですが、頭から尻尾まで、余計な凹凸がありません。
真横から見ても全体の曲線はなかなか美しく、ネコ科の猛獣らしい力強さとしなやかさが上手く再現されていると思います。
今までの動物型TFなら、だいたいこんなふうになっていたことが多いですよね。
メインライン版でも、キングダム版の構造をほぼ踏襲していたこともあり、胴体の横から前肢が生えていましたが、今回は真っ直ぐ下向きに生えています。
でも、やっぱりチーターではないかなぁ。
チーターらしい斑点のプリントはされていますが、もっとごつい、ヒョウやトラみたいな雰囲気。
ボイジャークラスなので、これまでのチータートイよりも一回り大きいこともありますけど、首が太短いのかな。
また、劇中デザインでは体毛などがしっかり生えてる、わりと生々しいデザインになっていたので、このスタジオ版も違うといえば違うのですが、先のエアレイザーほどにはがっかり感はないですね。
あくまで主観ですが。
まぁ、第一印象が微妙だったので、実際見て触ってみたらそんなに悪いものじゃなかった・・むしろいいかも? と思えた部分が大きいです。
頭部アップで。
近くで見ると・・うん。やっぱりかなりごつめです。
口が開閉しますが、若干受け口気味。
あと顔が縦方向に回転できます。
でも回転よりは多少でも左右にスイングできるほうがよかったかなぁ。
全体のフォルムの次に気になっていたのがこの前肢のデザイン。
まぁ、ロボットの腕ほぼそのままなんですが、外装がスライドすることでメカ部分が露出するという構造になっています。
いや、むしろロボットのときメカ要素が増すほうがいいんのでは? という疑問はさておき、肝心のメカ部分のディティールがご覧のようにかなりあっさりしているので、ただ裏側を見せているだけというか・・
あとロボットの手もそのままだし。
後肢もほとんどロボットのままなんですが、太腿以下が180度回転し、脛の装甲が上部にスライド、さらに脛を中程から曲げることでけっこうしっかり獣の後肢が再現されています。
ロボットのつま先はただたたむだけなので、之も角度によってはちょっと目立つかも。
尻尾は根元含め2箇所で上下にスイング可能。
今回は取り外せません。
四肢の可動は通常ではこの程度ですが、
そして尻尾付け根のガワを固定する軸をそれぞれ外すことで、
もちろんやり過ぎるとおかしなことになりますし、とくに頭部に関しては文字通り首の皮1枚で繋がっている状態なので見せ方は重要になってきます。
ロボットモード
エアレイザーは変形するタイミングがなかったですが、ほかのマクシマル3人は最終決戦にてプライマルの号令の下、一斉にマクシマイズ(変形)。
それぞれパワフルな戦闘スタイルでテラーコン軍団を圧倒しました。
チーターは、南米のジャングルで生活する戦闘部族のような、マッチョな姿に変形。
獣人っぽくも見える、オリジナルのビーストウォーズ版のデザインとはまったく違う姿ですね。
下半身に対して上半身のボリュームが大きめで、バランス的にちょっと脚が短く見えますが、そこがまたなんというか野性的な雰囲気で、オートボットとの差別化にもなっていてよいですね。
なお、こちらのデザインもやはり劇中の最終デザインとは微妙に違うようですが、そもそもロボットに変形したのが最後の戦闘シーンだけなので、その姿をじっくり確認できる時間がないという・・
でもまぁ、おおよそイメージ通りという気はします。
頭部アップで。
オリジナルとはまた違った方向性でネコ科の雰囲気を纏ったデザイン。
というかほぼネコだな。
キャッツっぽいです。あるいは志麻子(笑)。
眉毛の太い凜々しいネコのようにも見えますが、逆に可愛くも見える。面白いデザインですね。
胸部から腹部にかけてのマッチョ感も素晴らしいと思います。
なんとなく顔みたいにも見えますが(笑)。
腹部のガンメタ塗装はちょっとウェザリングっぽい感じになってますね。
腕部は上方に跳ね上げることができ、肩アーマー部も独立可動するので、腕全体を真横以上に上げることができます。
欲を言えば前方向への引き出しもできるようにしてほしかったけど・・
手にはビーストの爪がそのまま残っています。
ベアクローみたいですね。
チーターだからチータークローか。
背面。
ビーストの背中ほぼそのままなのですが、たたまれた尻尾が脊椎のように雰囲気にもなって面白いです。
前腕と手の裏側に若干の肉抜きがありますが、まぁ気にするほどのものではないでしょう。
それよりも後頭部のネジが目立つなぁ。
個体差でしょう。
根元でちょっと歪んでいるのか、真っ直ぐにはならないのが残念ですが・・
その尻尾が繋がっているガワパーツがスカートのようにお尻を隠しているのはメインラインのプライマルと同じ。
その隠れたお尻(腰裏)にスタンド対応穴があるので、スタンド使用時はガワを開く必要あり。
付属武器
穂先の形状の違う槍状の武器が2本付属。
それぞれの柄に凹凸があるため、単体では末端、連結時は真ん中でしか保持できず、両手持ちもできません。
チーターの手自体は少し指が開いた造形になっているんですが、この槍に対応したわけではないのですね・・
分割状態で背中にマウント可能。
柄にあるダボを背中の左右にあるダボ穴にはめ込むかたちです。
まぁ、連結状態でもいけますけども。
上下、左右の向きも自由です。
ビーストモードでも同様にマウントできます。
中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、プライマル以下のマクシマルとオートボット、そしてノアたちが初めて遭遇するペルーのジャングル。
ビーストモードと併せるとほぼ動物園です(笑)。
まぁ、本来チーターはジャングルにいませんけどね。
比較画像
メインライン版と。ビーストモードで。
クラス違いということもあり、ネコ科はネコ科でも明らかに種類の違う獣ですね。
どちらがよりチーターっぽいかというと、やはりメインライン版かなぁ? とは思うのですが・・
前肢の付き方など、スタジオ版のほうが本来の獣らしいプロポーションにはなっていると思います。
ロボットモードでも。
さらに別人感が・・
劇中で変形しないエアレイザーはともかく、プライマルもライノックスもわりとビーストウォーズ版に近いデザインのに、なんでチーターだけまったく違うものになったんだろう?
胸部にビーストの顔、というのが実写のイメージに合わなかったとか?
SS バンブルビー(ビースト覚醒版)と。ビーストモードとビークルモードで。
最後、併走するシーンがありますが、サイズ感はまぁまぁこんなものかも。
ロボットモードでも。
この形態で並ぶシーンはないですね。
というか、ペルーに来る前にビーは〇んでたからね・・
以下、画像
まずビーストモードで。
先の通り、かっちりジョイントをはめこんで変形させていた場合は限定的な可動しかできないのですが、とくに首と肩を固定しているジョイント外すことで前肢の自由度が格段に増し、躍動感のあるポージングが可能になります。
ネコ科らしい伸びポーズもこの通り。
尻尾が付いているガワも少し仕上げるだけで後肢が後ろに伸ばせるようになりますし、疾走や跳躍ポーズも再現可能。
ただし、ビーストモードで使えるスタンド穴がありません。
上の画像では、件のガワを上げてロボットの腰裏にあるスタンド穴を使っています。
こういった部分で気の回らないものが最近増えてきた気がする・・
ちょっと後肢のかたちがおかしくなりますが、伏せ姿勢もなんとか。
いやはや、ビーストモードでここまで動かせるとは思ってませんでした。
四足獣タイプだと過去一くらい動くんじゃないですかね。
覚醒ウエポン装備。
ビースト、ロボットともに5㎜穴は手にしかないので、拡張性には乏しいです。
まぁ、そこはスタジオシリーズですからね。
ロボットモードでも。
こちらの可動も優秀。
先に紹介した肩周り以外にも、腰部回転、足首スイング(外側にも動かせます)と最新フォーマットに準じた基本可動は当然クリア。
手首ロールもできるので二刀流ならぬ二槍流ポーズが格好よく決まります。
もちろん自立も安定。
連結した槍を持たせてももちろん格好いい。
欲を言えば両手持ちもさせたかったですが。
立て膝も可能。
ただ、脚が若干短め、かつ膝も90度ほどしか曲げられないので、少し窮屈な感じはあります。
一方でスーパーヒーロー着地はこの通りばっちり。
長い腕に、ビーストの爪もいい仕事をしてくれますね。
素手でも。
なんかプロレスラーっぽいな(笑)。
タイガーマスク・・いや、メキシコの覆面レスラーかな。ペルーか。
スタンドを使って。
う~ん野性的。
身を縮めて飛び上がり、一気に襲いかかる感じ。
戦闘部族っぽい雰囲気です。
空中の敵に向かって槍を投擲。
もうちょっと個別の戦闘シーンも見たかったなぁ。乱戦でしたからね。
テラーコン側にもう少し人材がいれば・・
というか、バトルトラップの相手をチーターとライノックスにやらせればよかったのに。
怒り肩チーター。
なんかめっちゃ強そうになりましたよ。
ライカンスロープモード!
ビーストヘッドに変えて完全な獣人に。
腕部(前肢)が共用なのでメインラインやキングダムのときよりもストレートな獣人にできますね。
ペルーでの邂逅。
突然現れたオートボットを警戒するマクシマルたち。
しかしすぐにエアレイザーの取りなしでプライマルは状況を理解、オートボットたちをキーの下に誘うのだった。
チ「怖がらせて、悪かったじゃん。
ミ「怖がってなんかないぞ。こはただのオイル漏れだって・・
なんにしても漏らしたことには違いなのね、ミラージュ。
そしてなんやかんやあっての最終決戦。
テラーコンの大群に真っ向挑んでいくのはマクシマル3人、オートボット4人、そして人間2人。
プ「チーター! ライノックス! マクシマーイズッ!!
プライマルの号令一下、ロボットモードに変形したマクシマルたちの圧倒的なパワー。
興奮しましたね。
でもやっぱり、それぞれにもうちょっと見せ場が欲しかったですね。
マジで、チーターはともかくライノックスはバトルトラップとガチンコすると思ってたから・・
そしてみんなの力を合わせて、ユニクロンの野望を打ち砕いた。
マクシマルはビースト、オートボットはビークルに変形し、疾走していくシーン。
爽やかなラストでした。
実は、チーターとライノックスには地下神殿でノアとエレーナに遭遇するシーンがあったらしいのですが、尺の都合でカットされたようですね。
ほかにもいろいろとカットされたシーンやキャラ(トランジットとか・・)もあるそうなので、BDにはそういった未公開シーンも収録されるでしょうが、ディレクターズカットとして、カットせず本編に入った状態のものも見たいですね。
以上、“SS チーター” でした。
実写版登場でマッシブに生まれ変わったチーターを、ボイジャークラスで再現した今回のスタジオ版。
ビーストモードのフォルムは、正直チーター本来の華奢な感じには少し欠けますが、各部ジョイントを外すことで一気に広がる可動域でメインライン版やそのベースとなったキングダム(ビーストウォーズ)版よりも躍動感のあるポージングが可能。
ちょっと首が太短いくらいのことは気にならなくなりました。
本当、画像だけ見ていたときと、直接見て、触ったあとではガラリと印象が変わりましたね。
ロボットモードは、第一印象通りのマッシブなプロポーションに優秀な可動性でこちらもまたポージングは非常に楽しいです。
あとは槍の両手持ちさえできれば完璧だった・・
変形も、一見単純そうですが細かいパーツ移動があったり、ビーストモードでのフォルムをより自然なものにする工夫があったりと、ただ過去の踏襲だけにはなっていません。
それに較べてエアレイザーは、なんであぁなってしまったんだろうか・・
劇中での活躍度合いで言うと、断然彼女のほうが優遇されてしかるべきなのに・・
おそらく、トイ開発段階ではストーリーの詳細は知らされていないのでしょうね。
まぁ当然か。
スタジオシリーズトイについては映画公開後、デザイン、設定、劇中での活躍含めすべて詳細が判明した上で、さらにじっくり時間をかけて作ってほしい・・という向きもあるかと思います。
確かに、中途半端なものを出されるよりは時間がかかったとしてもより完璧に近いものをと願う気持ちはわかります。
そもそも劇中再現を謳っているシリーズのはずなので。
ただ一方で映画公開になるべき近いタイミングで発売したほうが売り上げも上がるだろうという考えもわかる。
そんななかでの今回のチーター、かなり頑張っているほうだと思いますね。
というか、ビー覚関連のスタジオ版トイ、今のところまぁまぁよい出来のものが多いと思います。
もちろん例外もありますけどね。
エアレイザーとかね・・(しつこい)
といったところで、今回は終了。
またご訪問を。
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