TL シャープネル レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TLー32 シャープネル” です。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” から“2010” にまで登場したディセプティコン、インセクティコンの

 “電子工作兵 シャープネル” が、

レガシーで発売されました。


 キックバックに続いて完全新規のデラックスクラスで登場のシャープネル。

 設定的には一応リーダーになるキックバックや、アニメでフィーチャーされたこともあるボンブシェルの影に隠れてあまり目立った印象のない彼(あるいは彼ら)ですが、案外リメイクで見る機会が多い気がします。

 コンバイナーウォーズのときのレジェンドクラスは、日本ではアドベンチャーシリーズに組み込まれて発売され、その後にパワーオブザプライム(PP)で事実上の再アソートがされていますからね。

 PPのときは “スクラップネル” に名称変更されていましたが、今回晴れてシャープネルに戻れたようでよかった。

 より原語発音に近い表記だと “シュラプネル” になるようでもありますが、そこは日本で馴染みのある表記が選ばれたようです。

 キングダムのときのエアラザーと一緒ですね。

 彼女は、ビースト覚醒ではエアレイザー表記になりましたけども。


 それでは、レビューしていきます。


ディセプティコン インセクティコン

電子工作兵 シャープネル

 エンブレムでもわかる通り、インセクティコンもディセプティコン所属ですが、基本的にメガトロン直属の部隊ではなく、アニメでもメガトロン部隊とは協力関係は築きつつも独自の行動を取ることが多かったですね。

 メンバーは一応のリーダーであるキックバックとボンブシェル、そして今回紹介するシャープネルの3人ですが、それぞれのクローンを無数に生み出せる能力があり、大軍で向かってくる印象が強いです。

 ロボット昆虫とも言われ、作物から金属、もちろんエネルゴンも、なにもかも食い尽くす恐怖の集団でした。

 ザ・ムービーにおいて負傷した個体が宇宙に放逐され、ユニクロンによってスウィープス(あるいはスカージか? サイクロナスか?)にリフォーマットされまています。

 ただ、そのときの個体がオリジナルなのか、クローンだったのかは不明です。

 引き続き2010にも登場してますしね。


ロボットモード

 肩、頭部を挟むようにクワガタムシの大顎に相当するパーツが生えている特徴的なシルエット。

 ただそれを除くとかなりシンプルな箱型デザインですね。

 今回のリメイクではオリジナルトイおよび初代アニメ版のデザインにかなり近い雰囲気で立体化されています。

 もちろんある程度のディティールアップ、プロポーションの調整はされていますが、過度にはならず、当然先に発売されたTL キックバックと並べても違和感はありません。

 いかにも悪役という、チームで統一されたカラーリングもいいですね。


 頭部アップで。

 頭部だけ見るとかなりモブ感が強いですね。

 まぁ、彼らもある意味モブキャラみたいなもんですが。

 なお、頭部は回転のみできる仕様なのですが、大顎パーツに挟まれていることもあって回しにくいです・・というか、ほぼ動かせませんでした。

 というのも、頭部パーツは全塗装なのですが、胴体に挟み込まれている軸部分まで塗装されているのでそもそも可動部がギチギチなんですね。

 ということで、問題の軸の塗装を少し削ってスムーズに回せるようにしました(X(旧Twitter)でやってた人がいたので、僕も真似しました)。

 これくらいうっすら剥がすだけでも十分です。

 あんまり削ってクルックル回ってしまうのもなんなんで。

 胴体はネジ5本で留めてあるだけなので、簡単にバラせます。


 オリジナルトイでは開閉でき、大基のダイアクロン版では隊員フィギュアを乗せることができた胸部ですが、今回は開閉できず。

 キックバックでは構造的に開きそうなところをわざわざダボで固定するような感じになっていましたが、今回は普通にはめ込んであるだけです。

 クリアイエローのパーツの裏面にシルバーで塗装してあるようで、なかなか綺麗な仕上がりです。

 ちなみに、胴体前面の黒も塗装です。

 パーツ自体は先の分解した画像で見てもらった通り、紫成型。


 背面。

 非常にシンプルな後ろ姿。

 背中の中央のほか、肩や脛の裏側、あとは足の裏にも、複数の5㎜穴があります。

 ジェネラインらしい汎用性の高さですね。

 肉抜きは前腕の内側と太腿の裏側。

 なお、太腿のグレーも塗装です。

 脚は踵がないデザインなので、若干自立させにくい場面があります。


付属武器

ソーラービームガン

 オリジナルのデザインを再現した手持ち武器が付属。

 シルバーで塗装されていますが、グリップと銃口先端までは塗装されていません。

 銃口先端は3㎜軸、後端には5㎜穴があります。


 さらに今回、インセクトモードで後肢となる部分が取り外せ、ブラスターとなるアレンジがされています。

 もちろん左右分、2丁が付属。

 ちょっと肉抜きが目立ちますが・・

 本来の位置である前腕に取り付けておくこともでき、そのまま変形も可能です。

 こちらも銃口先端は3㎜軸になっています。


エヴォフュージョン

 ソーラービームガンと2丁のブラスターの合体が、今回のシャープネルのエヴォフュージョン。

 ソーラービームガンの下部と後部にそれぞれブラスターを連結させます。

 ちょっと強引というか、色的にも統一感がないのであまり見ためは格好よくないですね。

 基本このワンパターのみで、ほかに様になる連結方法もありませんし・・

 一応両手持ちは可能です。


インセクトモード

 メカクワガタムシにトランスフォーム。

 先のレジェンズクラスのリメイクでは、より昆虫感の強いフォルムにアレンジされていましたが、今回はオリジナルのデザインにかなり忠実なフォルムが再現されています。

 なので、メカクワガタというよりはクワガタをモチーフにしたビークルという感じ。

 あらためて見ると味のあるデザインです。

 一応先のブラスター含め6本の肢に相当するパーツはありますが、とても歩けそうにない・・

 オリジナルトイでは、確か肢にコロが付いていて、転がし遊びができたと思うのですが、今回はコロも付いていません。

 変形はオリジナルトイをおおよそ踏襲しており、シンプルですがかっちり安心感のある仕上がり。


 大顎は開閉可能。

 ロボットの頭部を隠すカバーパーツとは独立して動かせるので、顎を開くと顔が見えてしまう・・なんてこともはありません。

 大顎の先端にも3㎜軸があります。

 アニメでは、この顎の先端からもビームや、電子機器を操るオーバーライドウェーブなんかも発射していました。

 

 ソーラービームガンは背中に取り付けることができます。

 脚パーツを背中側に、ソーラービームガンを腹側に付けたりも可能。

 こうなるともう、ほぼクワガタ戦車です。


比較画像

 アドベンチャー版と。ロボットモードで。

 今回はクラスアップしたことでグッと存在感が増しました。

 アレンジ強めのアドベンチャー版に対し、今回のものは初代アニメ版にかなり忠実で、見ようによってはちょっともっさり感は否めません。

 でもまぁ、これが本来のラインだからなぁ。


 インセクトモードでも。

 先にも言った通り、少し間を置いて発売されたキックバック含め昆虫感強めにアレンジされたレジェンズクラス インセクティコンのリメイクですが、とくにこのシャープネルのフォルムは秀逸だと思います。

 一方のレガシー版はロボットモード同様、オリジナルに忠実でまったく違う方向性ですね。

 タイムボカンメカみがあって可愛い。


 TL キックバックと。ロボットモードで。

 共通カラーなので、初代アニメの最初期メンバーのなかでもわかりやすいチーム感のあったインセクティコン。

 でもキャラごと微妙に配色が違って、このレガシー版だと意外にもキックバックよりシャープネルのほうがシュッとして見えますね。

 顔もシャープネルのほうが小顔だし。

 前回リメイクではクラスこそ一緒ですが、シリーズを跨ぐかたちになったのでキックバックのみ追加仕様があったり、より精密感が増した感じもあったのですが、今回は同じレガシーでの統一フォーマット(武装関連がちょっと変わってますが)で揃うのは嬉しいです。


 インセクトモードでも。

 キックバックはまだ特徴的な羽根や後肢があるぶん、オリジナルに忠実なデザインでも昆虫らしいんですが、やっぱりシャープネルと・・ボンブシェルもきっとほぼ箱ですね(笑)。

 それにしてもインセクティコン、初期トランスフォーマーのなかではダイノボットと並んで異色の存在でした。

以下、画像

 キックバック同様特殊な可動はありませんが、普通によく動いてくれます。

 まあ、変形もシンプルなので、やろうと思えば可動性を追求する余裕はあったかもしれませんが、インセクティコンがめちゃくちゃ動くのもね、あまりイメージでもないし(笑)。

 シージ以降の最低限の基準はしっかり達成できているので十分だと思います。

 ただ踵がないので自立がちょっと不安定なのと、大顎パーツに挟まれている頭部が、少しくらい上向きにできたりすればよかったかな。

 頭部は先ほどの可動の件もありますし、なんで定番のボールジョイントじゃなく挟み込みの軸可動にしたんだろう?


 都合、3つの武器が付属。

 手での保持以外にも各所に5㎜穴があるのでいろいろアレンジできて楽しいです。


 エヴォフュージョンでロングライフルに。

 両手で保持、さらに立て膝で安定させて長距離狙撃を試みます。

 綺麗な立て膝できるかできないか、個人的にそこがかなり重要なポイントです。


 エヴォフュージョン別パターン。


 キックバックに新規の近接武器(エナジョンウエポン)が追加されたので、こちらも近接武器っぽいものをと思いましたが・・

 なんとなくジャッキー・チェンっぽい感じにはなりました(笑)。


 スタンドを使って。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。

 デ軍はほぼ全員そうですが、彼らインセクティコンも普通にロボットモードでも空飛んでた気がする。

 まぁ、シャープネルとボンブシェルの場合はインセクトモードで羽を広げることもないので、そもそもどういう原理で飛んでるんだ? ってな話ですが。


 インセクトモードでも。

 大顎からビーム!

 インセクトモードではスタンド用に使える3㎜穴がない(ロボットモードから下半身が180度回転しているため)ので、底面(ロボットモードの背中)にある5㎜穴をスタンド用に使っています。


 パッケージイラストに描かれていた謎形態。

 あ、そこ動くんだ・・


キ「オレが切り込む!シャープネル、援護を頼んだぞ!

シ「任せろ!

 まぁ、そんなキャラたちではないですが。

シ「ところでボンブシェルのヤツはなにしてるんだ?早く来ないと俺たちだけでここのエネルギー全部いただいちまうぜ!


 インセクティコンといえば自己増殖。

 あらゆるものを喰らい、無数にクローンを生み出していく恐怖の集団だ。

 さすがに今回のデラックスクラスを複数買うのは躊躇われますが・・

 先のレジェンスクラスがクローンに見立てるのにちょうどいいサイズ感。

 もっと買っとけばよかった。

 ロボット、インセクト両モードでむしろオリジナルより生々しいフォルムなのもまたいい感じ。


ス「インセクティコンの大群だ!

  誰か! ロボット昆虫殺虫剤を持ってきてくれ!

  ダース単位で!

ス「ぎゃあぁぁぁっ!!


 以上、“TL シャープネル” でした。


 レガシー インセクティコンの2人め。

 デラックスクラスに昇格し、初代アニメデザインベースに、変形はオリジナルトイをほぼ踏襲する構造で、最新フォーマットながらレトロな雰囲気を漂わせる、理想的なリメイクだと思います。

 インセクトモードの後肢を取り外し可能な武器としたことで武装面も充実。

 ただ、エヴォフージョンはちょっと取って付けた感が強かったかなぁ。

 もう少し連結時の見ために統一感が欲しかったです。

 あるいは何パターンか組み換えられればよかった・・

 ともあれ、とくに気を遣わずガシガシ遊べるのでお薦めです。

 頭部可動に不具合・・というほどのものではないですが、ちょっと難がありましたが、簡単にリカバリーできるものなので、欠点とは言いません。


 さて、トリを飾るボンブシェルは先日予約解禁となり、来年1月に発売されます。

 でも、今回のシャープネルの流用らしいですね。

 どうせなら3体すべて新規型にしてほしかったところですが。

 しかしWFCシージ以降、ほぼ統一の最新フォーマットで初代アニメに登場した最初期のメンバーが続々と揃っていくことは非常に嬉しいですね。

 デ軍については、それこそあとはボンブシェルとランブル(商品名はフレンジー(レッド)ですね。ややこしい・・)を残すくらい。

 まぁ、厳密に言えばメガトロンはオリジナルデザインではないですし、ラヴィッジとレーザービークもスタジオ86のコアクラスでもう一回、ついでにバズソーも・・とは思っていますが。

 ちなみに、レガシー2年め、エヴォリューションのメインヴィジュアルにこっそり描かれているデラックスインセクティコン・・初代アニメ放送当時ヨーロッパ限定で発売されていたもので、こちらのインセクティコンとはまったくの別物ですが、既にキックバックの流用(リカラー頭部変更)でランサックが発売されているので、シャープネルからのチョップチョック、ボンブシェルからのバラージ発売の可能性は高いです。

 問題はセミ(ツェツェバエ)モチーフのヴェノムをどうするのか? ということですが、どのみちバズワージー枠だろうし、日本では発売されないですね。

 はい、撤収。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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