TL インフェルノ レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TLー20 プレダコン インフェルノ” です。


 “ビーストウォーズ 超ロボット生命体” に登場したプレダコンの

“地上攻撃指揮官 インフェルノ” が、

レガシーで発売されました。


 この4月からセレクション放送というかたちではあれ、“ビーストウォーズ・アゲイン” としておよそ26年振りとなる無印版の再放送が始まり、さらには実写映画最新作、“ビースト覚醒” の公開も控えていることでいやがおうにも盛り上がるビーストウォーズ。

 キングダムとレガシーを跨いで続いていたビースト戦士リメイクもついに最後(日本じゃまだ一人残ってるけど・・)。

 トリを飾るのはごっつんこことでかいアリ、インフェルノです。

 キングダムではタランスと彼だけがハブられていて心配していたのですが、両名とも気合いの入った完全新規で無事発売されて、めでたしめでたし。

 しかしこうなってくると、本当にテラザウラーの扱いだけが酷過ぎませんかね。

 無印版のレギュラー14人のうち、一人だけ流用。一人だけ店舗限定で一般販売されず。一人だけ、いまだ日本で発売される気配なし・・

 いやマジで、テラザウラーなんかした?

 ただそんな状況にも一筋の光が見えたかもしれません。

 新シリーズ(?)、BWVSの始動です。

 オリジナルトイの対決セットに見立てて、プレミアムフィニッシュ仕様の現行トイを2体セットで発売していく、まぁ事実上の再販ですが、第1弾のコンボイとメガトロンのセットでも税抜き14000円と、現在のボイジャークラスとリーダークラスの合計価格に1000円くらいしかプラスされていないので、それで重塗装、専用セット箱、さらに当時の対決セット箱をイメージしたインナーシートにキャラクターカードも付属という大盤振る舞いです。

 実は、情報解禁前にリーク画像を見てしまって、あぁセットでの再販か。どうせゴリラとティラノだけでお茶を濁すんだろうし、KD版を両方持ってる身からすれば関係ない話かな・・と思っていたんですが、とんでもないことかもしれない。

 少なくともBWVS01とナンバリングされているので、02以降も続くシリーズ企画であることと、先の通りの豪華な付加価値、そしてなにより嬉しいのは、オプティマスプライマルではなくコンボイ名義になっていることです。

 マスターピース同様、日本主体の、日本独自の企画ということです(海外でも限定で発売するようですが・・)。

 つまり今後発売が予定されるなかで、チーターはチータスだし、ラットトラップはラットルになるということ。

 そして同時に、ついにテラザウラーの日本での発売の可能性が出てきたということ。

 というか、これがおそらく最後のチャンスです。

 事実上、テラザウラーのための企画だとすら思ってますよ、僕は。

 しかしまだ完全には信じ切れていない自分がいる。

 仕方ないでしょう。タカトミもハズブロも、前科が多過ぎるんだもの。

 最初から全ラインナップを公開してほしいものです。

 そうすれば、みんな安心して予約もできると思うんだけど・・

 プレミアムフィニッシュの例もあるから怖いんですよ。

 急に梯子を下ろす可能性もありますからね。

 そもそもこの企画、最初に言ったビーストウォーズ・アゲインン放送発表に会わせていた感じですが、第1弾発売の8月には放送は終わってますしね。

 ビースト覚醒の公開タイミングには合ってますけど。

 そこから毎月1組ずつ発売されたとしても、コンプリートできるのは来年の2月か。

 レギュラー14人、7組全部発売されること前提で離してますが、当然そのはずだとは思ってますけども。

 しかし完全には・・(2回め)

 と、なんの話だよ。今回はインフェルノだよ。すみません。

 しかしBWVSが機体通りに展開した場合、およそ1年後には彼もまた重塗装で再販されるんでしょうけどもね。

 まぁいいんじゃないの。それぞれすでに持ってるキングダム版、レガシー版を普段遊び用にして、BWVSは観賞用に置いておけばいいんだよ。

 テラザウラーだけはそうはいかないかもしれないけど・・てまた話が逸れてる!

 とりあえずインフェルノ、レビューしていきます。


地上攻撃指揮官 インフェルノ

 劇中中版から登場。もともとはサイバトロン(マクシマル)だった個体のプログラムチップをタランスがデストロン(プレダコン)のものと入れ換えた結果、デストロン兵士として生まれたインフェルノ。

 タランスは自分と同じクモの姿をスキャンさせるつもりだったのですが、装置が先にアリをスキャンしてしまったのででかいアリの姿に。

 性質もアリに近いものになってしまい、当初は自分が入っていたポッドを巣と思い込んでいましたが、ポッドを破壊されたあとはメガトロンを女王アリと慕う、忠実な兵士になります。

 2丁のライフルと火炎放射を武器に、さらにロボットモードでは飛行も可能と、デストロンのなかでもとくに高い戦闘能力を有していました。

 続編メタルスではメタルス化はしませんでしたが、冒頭で死亡したスコルポスに代わってナンバー2的な位置に就きます。

 しかし最終局面ではメガトロンに見捨てられ、彼の放ったフュージョンカノンに巻き込まれるかたちで死亡。

 報われない・・


ロボットモード

 オリジナルトイ同様のボイジャークラスでリメイク。

 同じくオリジナルではボイジャーだったスコルポスがデラックスに縮小されたので少し不安だったのですが、オリジナルトイ、そして劇中のイメージ通りにボリューム満点の仕上がりになりました。

 バケモノ感の強い顔付きのわりに(?)腕や脚は長くて全体的にわりとスマートなプロポーションを再現。

 頭部や腹部、太腿やふくらはぎ側面のブルーはメタリック調になっていて、当時のアニメの雰囲気もばっちりです。

 ただ、変形パターンの変更でビーストモード時の肢の数は増えてしまっているのは、どう解釈したものだろうか?

 このままだと8本肢になりそうなんですが・・

 その肢、腕部についている2対はそれぞれ根元で可動します。

 手首も独立してロール可動する親切設計。


 ちょっと潰れたような扁平な頭部は劇中デザインそのまま。

 昔から思ってたけど、カエルみたいだなぁ。アリに変形するんだけども。

 目はクリアパーツで集光ギミックもあります。

 ただちょーっと色が濃いので効果は微妙かな?

 さらに、なんと口が開閉します。

 実際には上顎(頭側)が動くのですが、TFでは珍しい表情変化ギミックは嬉しい仕様。

 メトロプレックスのような違和感もなく、とても自然です。

 キバもちゃんとシルバーで塗装してあってよきです。


 背面。

 お尻にはアリの腹部が展開するヘル・ジェットを装備。

 4枚のプロペラは開いた状態がデフォルトなのですが、そのおかげで前腕や太腿の肉抜きが目立たないののはグッド。

 もっとも、それらの肉抜きもただの空間ではなく格子状になっているので、昆虫っぽさを感じられるディティールとしても見られます。

 また、スタンド対応穴は腰裏にあるのですが、使用の際はヘルジェットが邪魔になりがち・・

 最近こういうの多いな。


ヘル・ジェット

 4枚の回転式プロペラと4機連結型のブースターからなる飛行蔵置。

 真後ろから見ると花のようにも見えますね。

 劇中ではこれを使って飛行し、地上のサイバトロンたちを攻撃しました。

 航空戦力が豊富なデストロンと、基本陸戦メインのサイバトロンという構図は初代からの伝統でもありますね。

 4枚のプロペラは本来同じ形状なのですが、今回は変形の都合もあって大小サイズ差ができてしまいました。とくに下の1枚が小さいですね。

 しかし、裏面もしっかりメタリックブルーで塗装されています。

 なお、オリジナルトイではブースター根元のスイッチを押すことでプロペラが回転するギミックがありましたが、今回は手動で回転させられるのみ。

 でも昨今のギミックオミットの流れからすれば、回せるだけマシというところでしょうかね。

 ブースターはクリアパーツ製。4連装になっている噴射口部分は5㎜穴になっています。

 取り外すことも可能で、

 そのまま手持ちの武器にできます。

 これは今回新規のギミック・・というのはよく言い過ぎですね。

 要は変形パターン変更(後述します)の弊害というか・・武器としても違和感がないようリデザインされた結果、むしろブースターとしては若干違和感のある形状になってしまいましたし、これ以外に手持ちの武器が付属しないので、武器を持たせればブースターがなくなるので空が飛べなくなるし、空を飛ぶためには素手でいるしかないという状況に。

 空中から激しく攻撃を仕掛けるのが持ち味のキャラなのに・・


 なお、ロボットモードならばブースターを収納したままプロペラ部を閉じられるかと思いきや、手持ち時のグリップになる5㎜軸が邪魔で中央のパーツが閉じられません。

 もちろんブースーターを外せば閉じられます。

 ただし下側はこんな感じ。隙間が空きますし、とくに固定もできません。

 あとこの下側パーツがけっこう外れやすいですね。


ビーストモード

 アリ(ヒアリ)に変身。

 劇中のイメージと違って、わりとずんぐりしたフォルムのアリになります。

 個人的には意外と可愛らしく見えるんですが、無理な人はやっぱり無理かな。

 頭部や腹部にはかなりボリュームがあり、表面は少しざらついた感じになっています。

 6本の肢も太くて生々しいですね。

 前肢と中肢がそれぞれ根元でしか動かないため、どうしても全高は高めになります。

 劇中イメージにしろ、実際のアリの姿勢にしろ、もう少し体勢は低いほうが自然な気はするんですけどね。

 変形パターンもオリジナルトイから大きく変わっていて、ロボットの腕部は胸部の、脚部は腹部の裏側にそれぞれ収納されるようになりました。

 胸部のほうはともかく、腹部は裏側に脚がたたまれているのがけっこう目立ちますね。

 また、そのためにお尻のブースターを取り外せるようにした(するしかなかった)わけですね。

 結果としてブースターはビーストモードでは完全に余剰になるため、背中に付けるしかないという・・

 先行するお仲間たちはだいたい収納するか、できないまでも比較的目立たない位置にマウンドできたのに、急に雑な処理になったなぁ。

 ぶっちゃけこのブースターの扱いだけが残念なんですよ。あとはもう、個人的には100点をあげていいと思うんですけどね。


 頭部は若干ですが根元で上下に可動します。

 目はクリアパーツで再現されていますが、オリジナルトイのような複眼的なディティールはなく、つるんとしています。

 触角はそれぞれ前後可動。

 鋭い顎も開閉します。

 ただ変形収納時の都合もあって左右で重なるような角度になっているため、開いているときも若干ずれているように見える・・

 というか、実際ずれているのが少し気になる。

 なお、オリジナルトイではこの顎部分が外れてロボットモードの武器になりましたが、今回は外せません。


 6本の肢は先にも言ったように前肢と中肢がそれぞれ根元でのみ可動。

 前肢は上下方向にロール可動、中肢は前後にスイングというかたちなので、微妙に噛み合わない・・

 唯一後肢は根元で上下方向にスイング、さらに一つ先の関節でボール可動できるのである程度自由は利きます。

 でも、6本とも真ん中の関節でもう一回、できればボール可動できればよかったですね。


比較画像

 オリジナルトイと。ロボットモードで。

 ボリューム感はほぼ同じ。プロポーションをさほど変わらない感じですが、顔は今回のほうがはるかに劇中再現度が高いですね。

 腹部や脚の塗装も増えてメリハリが増しています。


 背面から。

 プロペラ裏面の塗装はオリジナルのほうが豪華。

 ブースターのボリュームもオリジナルが上かな。


 ビーストモードでも。

 今回のものもでかくて人によっては十分キモイと思われるのですが、それをはるかに超えてくるオリジナルの怪物感・・

 やはりトータルのボリューム感が同じくらいなんですが、オリジナルのほうが前後に長いんですよね。

 あと全体に刺々しくて派手。

 オリジナルに較べると今回のものは実物のアリに近い質感になっています。

 姿勢はちょっと不自然だけど。

 なお、オリジナルでは前肢がロボットの腕、後肢が脚になるシンプルな変形パターンを採っているため、お尻(腹部)のフォルムが綺麗です。

 もちろん中にはブースターが収納されています。


 KD スコルポノックと。ロボットモードで。

 オリジナルトイでは両者ともにボイジャークラスだったわけですが、リメイクではスコルポスだけデラックスに格下げ。

 アニメ劇中ではここまでの身長差はなかった気がするんだけどなぁ。


 ビーストモードでも。

 ロボットモードのときほどの体格差は感じないから不思議。

 変形の妙ですね。

 名前が同じG1のインフェルノ(KD版)と。ロボットモードで。

 名前以外にはメインカラーが赤というくらいで、ほかに共通点はありません。

 G1とビーストウォーズは同じ世界観の物語ですが、もちろん両者にはなんの関係もないはず。


 変形して。

 でかいアリと消防車ですね。

 仮にスケールが同じだったらなんの特撮だ? というところですが、突如現れた巨大昆虫に消防車が立ち向かう・・というシチュエーションはありそうな気がする。

以下、画像

 とにかくよく動いてくれます。

 基本的な可動に加え、肘と膝は変形の都合もあって二重関節になっており、ともに深く曲げることが可能。

 足首も内側にほぼ90度曲げられるので大きく脚を拡げた状態でもしっかり接地。

 踵も長めなので自立も安定します。

 まぁ、お尻にブースターを付けている場合はどうしても後ろに傾きがちにはなりますが。

 立て膝も綺麗に決まりますし、

正座もできます。

 頭部はボールジョイント接続に口の開閉と併せわせれることでやや上を向け貸せることが可能。

 低い体勢のポーズでも目線を合わせやすいです。


 しかし難点も。

 すでにお察しのこととは思いますが、6本あるアリの肢がまぁまぁ邪魔です。

 腕部に2本ずつ、計4本。そして脇腹に1対。それぞれ可動にクセもあるので、まずはそれに慣れる必要があるかもしれませんね。

 慣れればもういっそ武器扱いもできる。

 幸い強度はしっかりしているのでうっかり破損というようなことはなさそうです。この太さもそのためだろうか?


 スタンドを使って。

 先の通り、ちょっと使いにくい位置にありますが。やはり空中戦のイメージが強いキャラでもあるので、飛行シーンの再現は必須。

 でも、今回は飛んでる状態だと手持ち武器がない・・

 仕方ないのでオリジナルトイから武器を拝借しました。

 本当、ここだけなんだよ不満に思うのは。

 後ろからも。

 ヘル・ジェット前傾で突撃するでアリんす! 


 インフェルノといえばこの敬礼ポーズも印象的。

メ「サイバトロンどもの基地を攻撃する準備は終わったのか? インフェルノ。

イ「ごっつんこ!

タ「完了してる・・って言ってるッスよ。

メ「そうかそうか、よくやったぞ、インフェルノ。

イ「ごっつんこ!

タ「お褒めの言葉、恐縮です・・って言ってるッスよ。

メ「ごっつんこ意外喋れないの?


 VSダイノボット。

 ようやく彼と対等に渡りあえるデストロンビースト戦士が来てくれた。

 サイバトロン側はリーダークラスはいませんがボイジャー4人にデラックス二人、コア一人なのに対して、デストロンはこれまでメガトロン以外全員デラックスでしたからね。

 まぁ、KD ダイノボットは一応プレダコン所属ですが。


 ビーストモードでも。

 閲覧禁止。

 閲覧禁止その二。

 6本の肢の自由度があまりないので、この姿では思ったほど動きませんね。

 もったいない・・


イ「アチキもアリののまま飛べるでアリ・・ぶ~ん

ワ「あぁん、真似しないでぇ~


 インフェルノ ガウォークモード!

 中間形態=ガウォークじゃないよ(笑)。


メ「ようし、全員揃ったな?

ス「なんかぁ、一人足りない気がするんだけどぉー?

ブ「気のせいじゃないの?

 忘れないであげて・・(悲)

 というか彼が来ないとほぼインセクトロンだから。

 来たところでだけども。

 なんでこんな虫率高いのか?


コ「ストップ・ザ・ウォー!

 いや、止める気ないだろ・・(笑)


 ビーストモードに変身!

コ「これがビーストウォ-ズだ! 

テ「ミーも早く交ぜて欲しいザンス!


 以上、“TL インフェルノ” でした。


 ビースト戦士リメイクのトリを飾るに相応しい、素晴らしい出来映えといっていいんじゃないでしょうか、ごっつんこ。

 ヘル・ジェットの仕様だけが残念というか・・

 取り外したブースター以外の手持ち武器がもう1個付けてくれるだけでよかったんですが、まぁこのボリュームだし、そこまで余裕がなかったのかな。

 オリジナルトイの武器が持てるので、とりあえずはよしとしましょう。

 それにしてもタランスといいこのインフェルノといい、レガシーまで待たされた甲斐もあったというもの。

 いやもう、満足感が高いです。

 見ための再現度はもちろん、可動も非常に良好ですし、一連のビースト戦士リメイクのなかでも上位に入るクオリティじゃないですかね。

 本当、素晴らしい。

 スコルポスとワスピーターももうちょっとなぁ・・

 みんなビーストモード(虫)は程よくキモくていいとは思うんですけどね。


 さてさて、レガシーのビースト関連は今月末にメタルスドラゴンメガトロンとライオコンボイが来ますね。

 それで当分、新作はなさそうですが、夏からは冒頭に触れたBWVSがスタートして無印の2週めに入ります。

 しかし、アニメの再放を見たお子さんが関連トイを欲しいと思っても容易に手に入らないという状況は上手くないですねぇ。

 結局古参を軽く喜ばせるだけで新規層の開拓には至らないんだろうなぁ・・

 タカトミはどう考えてるんだろう?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。


 以上、“TL インフェルノ” でした。

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