今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー92 アーシー” です。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” から登場したオートボットの
“戦士 アーシー” が、
スタジオシリーズで発売されました。
わりと最近アースライズで完全新規型で発売されたと思っていたら、早くも再リメイクですか。
というか、ここしばらくでアーシー出過ぎじゃない?
まぁ、実写版だったりプライム版だったりと同名の別人扱いではあるんですが。
それにしても集中してるなぁ。
パワーオブザプライムの頃から女性型TFキャラの充実というものは言われていて、その流れが今もそれなりに継続しているということなんでしょうかね。
でも、今のご時世、あからさまに “女性” と強調するのはむしろアレなのかも・・
ということで、今回のアーシーの肩書きはあくまでもただの “戦士” で。
話を戻して。
とはえい結局メジャーどころというとアーシーかエリータかということになるので、彼女らが繰り返し登場するのは仕方がないのかも。
そういえば、一時露出が多かったウインドブレードは最近ご無沙汰ですね。
それでは、レビューしていきます。
なお、前回レビューにて、ジアクサスに改造されてたことでアーシーは初の女性型TFとなった、というIDW版の設定を紹介しましたが、今回のアーシーのレビューはあくまで一般的な設定に基づいて進行していきますのでご了承を。
戦士 アーシー
ザ・ムービーから登場した新キャラクターで、女性型TFとしては初のレギュラーメンバー。
その後2010、ザ☆ヘッドマスターズ(海外ではリバース)まで主要キャラとして活躍しましたね。
女性型TFは、初代アニメのときにもエリータワンやクロミアなど、何人か登場しているのですが、ゲスト扱いでしかなかったため、やはり女性型TF・・ウーマンサイバトロンの代名詞はこのアーシーということになるでしょう。
ザ・ムービー時点ではまだマトリクスを継承していないロディマス(ホットロッド)といい感じの場面もありましたが、2010ではスプラング(スプリンガー)の恋人という設定が定着していましたね。
ロボットモード
名作と言って違いない、レジェンズ版がベースになっています。
先にも言ったように、およそ2年前にアースライズで完全新規型でリメイクされているのですが、そちらは最近では珍しいほどに割り切ったガワ変形で、変形トイとしての出来はかなり微妙なものでした。
そういったファンの反応を、メーカー側も認識はしていたでしょう。
今回がそのリベンジなのかはわかりませんが、どうせなら再び完全新規でチャレンジしてほしかったかな? と個人的に思うところではあります。
本体部分でレジェンズ版から流用されているのは頭部と胸部、肘関節までの腕部とビークルモードのボンネット部分を構成するガワパーツ。
腹部より下、下半身はごっそり新造されているので、実際のところは半分以上・・たぶん7割近いパーツが新規造形。
レジェンズ版では若干不自然なくらいにボリュームのあった太腿がすっきりして、劇中の雰囲気に近いプロポーションになったとは思います。
頭部アップ。
頭部も流用と言いましたが、後頭部のみ新規パーツだと思います(その後頭部映してないけど・・)。ただ形状は同じ。
レジェンズ版ではクリアパーツだった部分ですがただの白色成型になってしまい、レジェンズ版ではあった集光ギミックも廃止。
目は塗装で再現されています。
フェイス部も塗装なんですが・・ご覧の通りうちに来たコはメイク失敗してますね。
細かい傷や塗装ムラがちらほら。左の目許とか皺だらけになってますよ。
交換してもらったとしてもマシなのが来るという保証もないので、もうこれでいいですけど。
口紅はちょっとどぎつい赤ですね。
顔付き自体は劇中デザインにかなり近い雰囲気だと思います。
ちなみにパッケージイラスト。
誰?
すごいしゃくれてるんですけど・・
なお、頭部の接続はボールジョイント。
そして後部に大きな切り欠きがあることで、ほぼ真上を向くことができます。
腕部は全腕部が新規造形。
基本的なデザインはレジェンズ版から変わりないですが、側面にあったダボ穴がなくなり、手も5㎜軸が保持しやすい形状に修正されています。
ついでに手首のロール可動も追加してほしかったけど、この細さじゃ厳しいか・・
そして、画像を見てもらえばおわかりかと思いますが、肘関節と前腕の受け側のサイズが微妙に合っていないのか、受け側のパーツが少し開いた感じになっています。
つまり外れやすい。
ある程度個体差もあるでしょうけども。
腹部は構造が一新されていて、前方に曲げられるようになって可動性が大きく向上しました。
横回転ももちろん可能ですが、こちらは生憎と位置がちょっとおかしい・・
まぁまぁなサイズのガワを背負っています。
レジェンズ版ではビークルの外装すべてをガワで再現するのではなく、後輪周りを脚部(太腿)で構成するなどしていたのですが、今回は外装をすべてをガワで再現するという、方向性としてはER版と同じことをやっているんですね。
まぁ、後部のガワをコンパクトにたためるようにすることで厚みはレジェンズ版よりも薄くなって本体との密着感は増したのですが、一方で下に伸び手間後ろからの見ためは損なう感じに・・・
う~ん。思ってたのと違う。
もっと目立たない感じにしてくれるだろうと思っていたので、これには正直少しがっかりしました。
ER版では後部のガワを取り外すという思い切った発想でロボットモードのスリム化を達成しているのですが、今回のスタジオ版ではそういったことはできず、結果としてレジェンズ版、ER版と較べると一番後ろ姿が残念になってしまった感は否めません。
令和の時代になっても、このサイズでアーシーを再現するのは至難の業なんだなぁ。2010放送当時にトイの発売を断念するはずだよ。
そもそも劇中デザインだと肩にビークルモードのライト周りのパーツが付いているだけで、ほかにはなにも背負ってないんですよね。
そういう意味では、ロボットモードではまったく劇中再現できてないんだよなぁ。
スタジオシリーズなのに・・
あとふくらはぎの肉抜きもかなりキツい。
付属武器
ハンドガン
レジェンズ版からの流用ですね。
手の形状の改善でレジェンズ版よりフィット感は増しています。
非使用時は太腿側面の5㎜穴などにマウントできます。
レジェンス版ではもう1丁、形状の違う銃と2振りのブレードといった豊富な武装が付属しましたが、今回はハンドガン1丁だけ。
そこは劇中再現ということで・・
ビークルモード
オープンタイプのフューチャーカーにトランスフォーム。
ボンネット部とフロントガラスがレジェンズ版からの流用ですね。
ちなみに、地味ですがタイヤパーツも新規造形。
まぁ、真横からでもほとんど隠れて見えませんが。
レジェンズ版では先にも言ったように後輪周りを太腿で構成していましたが、今回はそこも含めて外装がほぼほぼガワで再現されているので、カラーリング含めたトータルバランスはより劇中のデザインに近いものになっていると思います。
その点はレジェンズ版、ER版と比較して一番かなぁ。
ただここ。
隙間が空いてるのがねぇ・・なんとか埋める努力をしてほしかった。
裏から見るとこんな感じ。
レジェンス版と細部は違いますが、基本的な変形パターンは踏襲されています。
胸部パーツのみがビークルモードでも表面に現れますが、それ以外はすべてガワで覆い隠されてしまいますね。
まぁ、ER版とは違って本体も変形しているのでただのガワ変形というわけではいのですが・・
ハンドガンは足に挟むような位置に収納できます。
はめ込みが浅いのでけっこうポロリしますけども。
なお、側だけを変形させてロボットモードでビークルを背負っているような状態にできないかとやってみたのですが・・
うん。まぁ、後ろから見るぶんには脚の生えたビークルにはなります。
ただこれが前を向くと、
胸部およびボンネットのガワパーツをレジェンズ版から流用し、当然変形も共通なので、ビークルの前後のガワを合せるためには、どうしても胸部および頭部を移動させなければならないんですね。
まぁ、変形トイですから。
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は地球のオートボット基地。
これももう見飽きた感がある・・
比較画像
流用元であるレジェンス版と。ロボットモードで。
まず正面から。
あらためて、共通パーツは頭部、胸部と肘関節までの腕部、そしてビークル時にボンネットになる背部のガワパーツ。
なので、上半身はほぼ同じなのですが、やはり下半身のボリューム感がかなり変わっています。
レジェンズ版のほうが安産型ですね。
あれ? これセクハラ?
頭部は共通だと思うのですが、並べて見ると微妙に違う感じにも見えるんだよなぁ・・
顔付きも微妙に。これはメイクが少し変わっているからかな。
横からも。
全高は同じですね。
そして横から見ると、ビークル後部のガワパーツの処理の違いがよくわかりますね。
パーツ自体はスタジオ版のほうが多いのですが、幾重にも折りたたまれたことでかなり薄くなり、全体の前後の厚みが随分変わっています。
ただ後ろから見るとねぇ・・
ガワ全体が下に少し伸びているがなんとも。
まぁ、どちらにせよ亀の甲羅を背負っているような見ためですけどね。
そしてスタジオ版のふくらはぎの肉抜きよ・・
レジェンズ版には工夫がありますよね。
ビークルモードでも。
スマートなオープンタイプのフューチャーカー。
シルエットはほぼ同じですが、レジェンズ版ではロボの太腿で構成された後輪周りも、スタジオ版ではガワパーツで再現されたことでフォルム、カラーリング含めた劇中再現度はより上がったように思います。
僕もその点は評価していますよ。
というかそうでもないと、なんでまたガワに頼ったんだ? ってことになりますよ。
裏からも。
本体の変形パターンが基本的に一緒であることがわかると思います。
アースライズ版と。ロボットモードで。
こちらもまず正面から。
個人的に、このER版アーシーが可愛さなら一番だと思っています。
デザインが日本的というか。もちろん実際のアニメデザイン近いのはレジェンズおよびスタジオ版なんですが。ER版は少女時代という感じなんですよね。
まだすっぴんだしね。
後ろからも。
ER版は究極のガワ変形と表現死やこともありましたが、実際ガワだけでビークルを構成できるのでね。そのガワを真ん中で追って重ねたものを背負っているわけですから、ある意味着ぐるみですよ(笑)。
そう思うと、スタジオ版は頑張ってコンパクトにまとめたなぁとは思います。
ただ、ER版はこういうことができるからね。
ある意味一番劇中の後ろ姿に近付けるのはこっちなんだよなぁ。
まぁ、外したあとのガワの扱いはまた酷いものでしたが。
ビークルモードでも。
ER版は左右の幅が広く、前後にも少し縮んだちょっとデフォルメ感のあるフォルムになっています。
やはり随分印象が違いますね。
こちらも裏から。
ロボットモードだけですが、恋人のスプラング(スプリンガー)と。
しかしでかいなぁ、スプラング。
そのうち彼もスタジオシリーズで出るのかなぁ。まぁだとしても、このシージ版の流用でしょうけどね。
カラーリングをアニメ準拠に変更して、ゆるゆるの足首周りを改善してくれるのならまた買ってもいいかな。
ほかにもウルトラマグナスとか、もっと劇中再現度の高いものをスタジオ版として出してほしい。
これまでわりと散々な言いようだったと思いますが、こと可動性に関しては、間違いなく過去一です。
そこは高く評価します(なにさまだよww)。
足首の内側へのスイングや腰部回転など、レジェンズ版では採用されていないWFC以降の標準フォーマットは当然クリアしていますし、腰部の前後可動に頭部可動を併せることでTF史上もっとも前傾姿勢が綺麗に決まると言っても過言ではないかと。
射撃の名手でもあるアーシーのイメージにもぴったりです。
俯せにしてもしっかり顔は前を向ける。
立て膝も、やはり腰部の前後可動のおかげでかなり自然。
ただ、手首の回転については先に言いましたが、さらに欲を言うなら足首は内側だけじゃなく外側にもスイングできてほしかった。
そうなれば、モデル立ちももう少しうまくできたと思うんだよなぁ。
レジェンズ版からブレードを拝借して。
くノ一っぽいですね。
これ、またナイトバード来るんじゃないの?
スタンドを使って。
スタンド対応穴はお尻の部分にあるんですが、普通の姿勢だとガワが邪魔になります。
でもこれも腰部の前後可動があるのでさほど問題なし。
このための可動かな?
ビークルモードでもロボットモード時と同じ位置のスタンド対応穴が使えるので、ジャンプしてる態でのディスプレイが可能。
なんとなくレジェン版の武器を全部盛りつけてみました。
ブレードはそのままボンネット裏のダボ穴に、ハンドガンともう1丁の銃はガワの隙間に挿し込んだだけです。
ここからロボットモードにトランスフォーム!
フルアームドアーシー。
その姿にはディセプティコンの連中も震え上がるぜ。
ス「無理はするなよ、アーシー。
ア「あなたに心配されるほどヤワじゃないわ! でもありがとう。
いつでもすぐに脳内再生できる。
お二人ともまだ現役バリバリだよね。声優さんはすごいね。
腰部の前後可動のおかげで肩に乗るようなポーズもより自然に。
この画像を撮ってから、SS版スプラングが出るならもう一つ注文したいことが増えました。
指開くようにしてほしい!
長女、レジェンズ!
次女、スタジオ!
三女 アースライズ!
我ら、アーシー三姉妹!
キャッツアイ感(笑)。
全員ピンクだけど。
G1にアニメイテッド、プライム、実写ベイバース、バンブルビー。
5つの世界の5人のアーシー。
ピンク枠ばっかやけど(笑)。
以上、“SS アーシー” でした。
ER版で散々言われたからそのリベンジをした・・のかどうかわかりませんが、こんなに早く再リメイクされることになるとは思いませんでした。
まぁ、一応別シリーズですし。
ただ再リメイクといっても新規ではなく流用なんですよね。それも7年も前のアイテムの流用。
レジェンズ版アーシーは、当時普通によい出来だと思ってはいましたが、ER版を手にしたあとにその思いはより強くなりましたね。
確かに古いものですが、レジェンズ版のコンセプトをそのまま引き継いで、ロボットモードのプロポーションと可動性を向上させられたら、まさしく決定版のアーシーになるかもしれない・・と思ったのですが。
う~ん。これは判断が難しいなぁ。
やはりどうしてもER版のせいでガワをどう処理するのかということに注目していた部分があるので、そこに限った評価となると、まぁ頑張ったよね・・というくらいしかないです、はい。
一方で、ロボットモード本体の可動性は飛躍的に向上しており、アーシーらしい躍動感のあるポーズがバシバシ決まります。
アーシーのアクションモデルとしては文句なく最高峰。
プロポーションも劇中のイメージに近いと思いますし、ビークルモードの再現度も同様。
しかしまぁ、パーツ分離なしでの完全変形となるとこれが限界か。
マスターピースでもできてないんだもんなぁ。
そもそもアニメのデザインが変形トイとしての立体化を一切考えていないだろうものなので、しかたないですね。
35年以上の時を経て、それをここまで再現したのは素直にすごい・・というか、基になってるレジェンズ版のオーパーツ感があらためてすごいと思います。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2022.11.16 08:59
2022.11.16 08:08