今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、
“TLー09 ジアクサス” です。
トランスフォーマーの海外版コミックシリーズに登場する、元ディセプティコンの
“セイバートロン帝国指揮官 ジアクサス” が、
本来のデザインをベースに初の立体化。
レガシーで発売されました。
アニメシリーズには登場しない、海外コミック版由来のキャラクターはディセプティコン勢に多い気がしますが、そのなかでもかなりの実力者のようですね、このジアクサス。
というか、今回レガシーで発売となるまで知りませんでしたよ、こんなヒト。
向こうのコミックの内容まったく知らないからなぁ。
もちろんターンも知らない・・
なので、個人的には完全な新キャラですよ(笑)。
なお、海外コミックシリ-ズはマーベル、ドリームウェーブ、IDWの3社から出版される各シリーズがあるようですが、ジアクサスはそのうちマーベルG2版とIDW版に登場しています。
ただ、キャラ設定はけっこう違うようです。
そもそも各コミックの設定や物語もかなりパラレルなもののようで、当然アニメとも違うので正直wikiをなぞったくらいではよくわかりません。
今回のレガシー版ジアクサスについてはG2ユニバースという冠が付いているので、マーベル版の設定が下敷きになっているのでしょうが、そのG2ユニバースという括りもコミックとトイシリーズとがごちゃごちゃになってますよね。
ヴェロシトロン スピーディア500で発売されるロードロケットもたしかG2ユニバースになっているはずですが、彼女(でいいんだよね?)の場合はトイシリーズのG2出身のはず。
一方で、IDW版コミックから登板のターンは、コミックユニバースとなっています。
ならジアクサスもそっちでよかったんじゃ・・?
レビューしていきます。
セイバートロン帝国指揮官(科学者) ジアクサス
マーベルG2コミック版では元ディセプティコンですが、自己増殖能力を取り戻した最初期のトランスフォーマーとして自らをセイバートロニアンと称し、宇宙平定を目指すも最期は金属生命体を喰らう黒い霧のような物体、スウォームに呑み込まれて消滅してしまいます。
しかし、オプティマスやメガトロンを打ち負かすほどの実力の持ち主で、間違いなく最強のトランスフォーマーの一人です。
一方IDW版では、まだオートボットとディセプティコンの争いが始まるよりも前の時代から存在する科学者で、ショックウェーブの師匠でもあります。
天才ながらかなりマッドな性格のようで、捕虜だったアーシーを改造して初の女性型トランスフォーマーを誕生させる(そもそもトランスフォーマーには性別の概念がなかった)などしています。
最期はそのアーシーに倒されるようですが、ある意味全トランスフォーマーファンにとってもっとも賞賛されるべき功績を残したキャラなのかもしれません(笑)。
まぁ、今回のレガシー版ではそちらの設定は盛り込まれないのかもしれませんが、交ぜちゃったほうが面白いよね。
ロボットモード
過去には既存アイテムの仕様変更で限定発売されたこともあるそうですが、本来のデザインを再現した完全新規型としては初の立体化。
ロボットモードはボイジャークラスでもとくに大型になっていて迫力十分。
均整ととれたプロポーションは、あまり変形トイっぽくないかもしれません。
やっぱりちょっとマーベルヒーローっぽくも見えるんだよな。
いや、ヒーローじゃなくヴィランか。
レモンイエローにパールホワイトというサイケデリックなカラーリングがまた得体の知れない、不気味な雰囲気も醸しています。
こんなコーディネイトするやつ、絶対まともなじゃないし(笑)。
少なくとも日本人の感覚にはないなぁ。
ただこのパールホワイトの成型色、個人的には安っぽく見えるのであまり好きじゃないんですよね。
ジェネセレ ゴッドネプチューンもそうでしたが。
頭部のデザインもまた独特。
側面から顎に繋がるパイプは戦闘機パイロットのヘルメットのような感じですが、フェイス部は剥き出しのおっさん顔。しかもへの字口。
で、周りは赤くて顔面だけ黄色という。本当、すごいセンスだよね。
胸部には小さいですがエンブレムが。
これがG2版のディセプティコンエンブレムなのかな?
あと、右肩・・頭部の真横にセンサーっぽいものを装備しているのもわりと珍しいかも。
拳は指が開閉する仕様になっています。
とくに単体でこの可動が活きるギミックがあるわけではないんですが、ポージングに幅が出るのでもちろん歓迎です。
個体差なのか、肩の可動部がちょっと緩かったですね。
脛前面のこの造形、キモイ・・もとい細かいですね。
そして側面から生える小さな羽根。
なんで急にここだけ生物的なデザインなんだろう?
背面。
非常にすっきりと綺麗な後ろ姿です。
全体に目立つ肉抜きもなくみっちりと密度のある仕上がり。とくに太腿やふくらはぎ部分の逞しい感じがいいですね。
背中のウイングは本来のコミック版のデザインではないものかもしれません。
さっきの脛のコウモリの羽根みたいなものが、ビークルモードでは主翼に変形するんじゃないかと思うんですが。
付属武器
ブラスター
ショットガンっぽいデザインです。
成型色のままで赤一色というのがちょっと残念ですが、造形はなかなか凝っていると思います。
グリップは普通に5㎜軸なので指を開く必要はなく、そのまま保持できます。
銃口は3㎜軸になっているので、各種エフェクトパーツを取り付けることが可能です。
なお、とくに説明書などでは言及されていませんが、先に言った右肩のセンサーっぽい部分の前面パーツを外すことができ、それがこの武器の後端にジャストフィットします。
前後逆にするとまた違うタイプの武器みたい。
ただ、グリップの前にマガジンらしき造形があるので、逆向きには持たせづらいですけどね。
エナジョンウエポン
小型・・というか妙に幅の薄いブラスターが、一応エナジョンウエポン枠で付属。
デザインはなんとなくメインのブラスターに似ていますね。
例によってクリアパーツ製ですが、おおむねシルバーで塗装されているのであまりエナジョンウエポン感がありません。
こちらも銃口にエフェクトパーツを付けることができます。
2つの武器を合体させることもできますが、いまいちインパクトには欠けますね。
まっすぐ連結させられたならまだ・・
ビークルモード
SFジェットにトランスフォーム。
スタスク以下のジェットロン(三角ジェット)やサイクロナスのビークルとはまた違った、なんというか昭和初期のSF漫画とかに出てきそうなデザイン。
先端部分だけ赤いというのも、なんかいい。
変形についてはかなりシンプル。同じボイジャークラスのKD サイクロナスのような驚きはなく、そういう意味では少し物足りない部分もありますが、堅実な造りにはなっているかと。
また、ランディングギアなどの展開ギミックもありません。
キャノピー部分はクリアパーツ。
開閉ギミックはありませんが、ロボットモードの顔が見えるのが面白い(笑)。
後端のメインスラスターは内部の溝まで立体的に造形されています。
5㎜穴にもなっているので、噴射炎エフェクトなどを取り付けての飛行シーンの再現も可能です。
メイン武器は機首の下に、
エナジョンウエポンは機体側面などにそれぞれマウント可能です。
比較画像
オプティマス、メガトロンと。ロボットモードで。
この並びだとみんなサイバトロンモードのほうがよいかと思ったので、久しぶりにシージ版を出してきました。
全員ボイジャークラスですが、ジアクサスがわずかながら一番長身ですね。
左右の二人を倒せる実力者というのも納得のサイズ感になっていると思います。
ビークルモードでも。
こちらでは普通に頭上をとれるアドバンテージがあります。
オプティマスは一応この形態で飛べるけども。
ユナイテッド版のストラクサスと。ロボットモードで。
直接の絡みがあるのかないのかわかりませんが、とりあえず同じマーベルG2版コミック出身ということで。
ストラクサスはもう12年も前のアイテムですが、彼もまたけっこうクセの強いデザインということもあって、この並びでもとくに違和感はないですね。
デラックスクラスですが、今の同クラスアイテムより断然ボリュームもありますし。
ビークルモードでも。
ストラクサスが変形するのはSFタンク。こちらはジアクサスと違ってけっこう意外な変形パターンになっています。
彼もまたリメイクしてほしいなぁ。
以下、画像
可動性は良好。
とくに独自の特殊な要素はありませんが、指の開閉など標準的な同クラスアイテムよりもワンランク上という感じでよく動いてくれます。
もちろん立て膝も綺麗に決まります。
最近のマイブームというわけでもないのですが、可動性の検証になんとなくこんな感じのポーズをとらせがち(笑)。
可動域の広さはもちろんのこと、やっぱり手に表情が付蹴られるとこういうポーズにも説得力が出ますよね。
指の開閉に加えて手首の回転も可能なので、武器に手を添えるポーズも。
二丁拳銃(ブラスター)で。
なんか格闘用の武器もほしかったかなぁ。
剣とかも似合いそうですけどね。
センサーの前面パーツを外すと現れる5㎜穴を活かしたくて。
シージメガトロンから武器を拝借しました。
案外後端に5㎜軸のあるキャノン系の武器って少ないんだよなぁ。
弟子の武器を奪う師匠。
今さらのようにバックパックパーツの新たらしい見立てを思いつきました(笑)。
というかこのパーツ群も、ひょっとしたら彼が作ったのかも。
スタンドを使って。
スタンド対応穴は腰裏にあります。
背中の5㎜穴を使うのもいいかも。
ウイングを展開するのもいい感じ。
ヒーローっぽい飛行ポーズも似合います。
ビークルモードでも。
この形態でもロボットモード時と同じスタンド対応穴が使えないこともないのですが、かなり奥まった位置になってしまうのでロボットモードの肩や前腕にある5㎜穴のほうが使いやすいですね。
後ろからも。
エンジンフルブースト!
メ「貴様! この儂に楯突くのか!?
ジ「フンッ! もはやメガトロンの時代は終わったのだ!
武器を奪ってグサリ!
メ「ぐわぁぁぁーー!!
オ「ジアクサス! おまえの好きにはさせんぞ!
ジ「威勢だけはいいな。ならば力で証明して見せろ!
武器を奪ってどーん!
オ「ほあぁぁぁっ!!
ジ「ディセプティコンもオートボットも虫けら同然。この宇宙は我々セイバーとロニアンが支配する!
やってる人多かったけど、なるほど、玉座も大感もスタスクより数段似合いますね。
それから遡ること数百万年(?)、当時はまだ一人の科学者だったジアクサス。
ある日、暇を持て余していた彼は弟子のショックウェーブにこう語りかけます。
ジ「ほかの惑星の生物には性別ってのがあるらしいんだよ。
その基準でいくと、俺たちトランスフォーマーは全員男ってのになるらしい。女がいないんだよね。
だから、ちょっと女作ってみるから、適当な実験材料捕まえてきて。
シ「またこの先生は無茶振りを・・
シ「はい、仰せの通り捕まえてきましたよ。
ジ「おお。いいねぇ。いい素材だよ。
じゃあ早速やるか。手伝え。
シ「はいはい・・
こうして一人の若き戦士、アーシーは初の女性型トランスフォーマーとして生まれ変わったのだった。
ジ「気分はどうかな?
今日から君は女・・いや、女性になったんだよ。
ア「ちょっとなに言ってるのかわかんない・・
ほどなくトランスフォーマーはメガトロン率いるディセプティコンと、それに反抗するオプティマス以下のオートボットに分かれて争うこととなり、ジアクサスはディセプティコンに、アーシーはオートボットにそれぞれ身を投じることになるのですが・・
まぁいろいろあったんでしょうね。アーシーはジアクサスに対する恨みをずっと抱き続け、ついにそれを晴らす場面が訪れることに。
ア「このときをどれほど待ち望んだことか!
ジ「俺を殺すのか? 俺を殺したところで、もうおまえは昔のおまえには戻れないぞ。
俺が改造してやったことで、おまえは唯一無二の存在になれた。むしろ感謝してほしいくらいだ。
まぁ、その認識は正しいですねぇ。
実際のコミックの内容は知らないので、以上はただの妄想四コマですが(笑)。
以上、“TL ジアクサス” でした。
個人的にまったく知らないキャラなので、普通に新きゃらとして新鮮な気持ちで楽しむことができました。
独特なデザインと色遣いはやはりコミック由来のキャラかなぁと思うところですが、もちろんほかのキャラと並んでも極端に違和感がないようアレンジはされています。
それでも、とくにG1出身のキャラはだいたいずんぐりしているバランスのなか、スラリと長身でほどよくマッチョ感もあるこのジアクサスはやはり強キャラ感がすごいですね。
変形トイとしては若干物足りないシンプルな構造ですが、そのぶん丁寧に作られているという感じで、拳周りの可動であったり、アクション性の高いものになっていると思います。
これはターンへの期待も膨らむというもの。
何年も何年も、シリーズが変わるたび同じキャラばかり繰り返しリメイクされるというジェレレーションラインのジレンマ(?)を打破していく気概を感じるレガシーのラインナップ。
今後もコミックやこれまでリメイク機会のほとんどなかったわりと最近のシリーズなどにもどんどん手を伸ばしていってほしいです。
それにしても、レガシーではメガトロンの存在感が薄いですねぇ。
ドラゴンの人は別人だし・・
このままだと、コミックからの刺客たちにその座を追われてしまいますよ?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2022.11.16 09:02
2022.11.16 08:15