今回のレビューは、ノンスケール エヴォロイド より、
“ER005 ジャイロン” と、
“ER006 スカイグル” です。
EeSSA (エーサ)エヴォロイド部隊、エヴォビースト軍団それぞれ3体めとなる新戦力、ともに空中戦を担当する、
“EVGーR01 ジャイロン” と、
“SーEGRー06 スカイグル” が発売されました。
これにて、シリーズスタートと同時に発表された6体のエヴォロイドおよびエヴォビーストのすべてが発売されたことになります。
正義のエヴォロイド側が戦闘機、戦車、そして戦闘ヘリ。
悪のエヴォビースト側がティラノサウルス、ライオン、ハクトウワシ。
とりあえず定番モチーフを網羅した感はありますね。
そして今後の展開は・・とくに発表されず(困)。
まぁ、今月にはミジェットン、Cレックスと第1弾のジェットン、Eレックスのカラバリ+αなアイテムが発売されますし、おそらく同様の手法でほか4体のカラバリも出してくる可能性はありますが、はたしてその後に完全新作はあるのだろうか?
数年前から急速に勢いづいて、様々なジャンルに手を伸ばした印象もあるコトブキヤ。
ぶっちゃけ、いろんなことやり過ぎじゃない? と思わないでもないです。
とにかくいろんなものにチャレンジして、そのなかからいくつかモノになればいい・・なんてことは考えてないと思うけども。
エヴォロイドって実際どうなんでしょうね?
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに付属のシールを貼ったのみです。
EVGーR01 ジャイロン
世界統合機構 UWAT(ウワット)ユーメリア島駐留第22技術開発部隊 EeSSA(エーサ)所属のテストパイロット、ジョンズ・パックマンのバディとなった偵察や援護を任務とするエヴォロイド。
生真面目で理屈っぽい戦略家という設定です。
ロボットモード
ビークル時のコクピットがそのまま頭部になっているというデザインは初めてですね。
その頭部の感じはもうほぼダグラムですが・・描いてる人同じだからよし(笑)。
前回のガンクロン同様にわりと武骨なデザインは敵方の量産機っぽい雰囲気もあります。
全体がほぼサンドカラー一色というのがまたミリタリー感強めです。
背面。
4枚羽根のローターとまさに尻尾のように伸びるテールローターが特徴的。
コクピットのキャノピーはクリアパーツ。フレーム部分の色分けはシールでの再現です。
キャノピーはもちろん開閉可能で、内部にはセンサーポッドのようなものが備わっています。
モノアイのような感じでこれはこれでよいんですが、外すとちゃんとシートも造形されています。
設定ではパイロットのジョンズがここに乗り込む(付属のコミックしかり)ので、本来の仕様はこちらのような気がするんですが・・
ちなみに、同じようにコクピットが開閉したジェットンでは1/72ゾイドのパイロットフィギュアなどを乗せることができましたが、ジャイロンでは無理でした。
キャノピーを閉じることができません。
腕部接続基部は変形用の可動を備えた専用の機構になっていて、
変形時は画像のように後方にスイング可動させることになります。
また、膝関節も変形のために二重関節が採用されており、深く曲げることが可能。
ロボットモードにおけるポージングにも活かすことができます。
あと、珍しく足裏が肉抜きされておらず、しっかりとディティールが入っています。
付属の武装としては、一応固定武装という感じですが、それぞれ左右の肩に4連装のロケットポッド、
ロケットポッドは3㎜軸接続なので外して手に持たせることも可能。
機関砲取り付けのため、拳パーツは外側に3㎜軸の生えた専用のものを使用します。
まずコアブロックの構成はこの通り。
先の通り、腕部の接続部に変形のための可動を備えた専用パーツを使用しています。
しかしもう、こうなってくると汎用のコアブロックの必要性があまり・・
ビークルモード
戦闘ヘリコプターに変形。
頭部を上向きに起こしてテールローターを伸ばし、脚を折りたたむ。まぁだいたたいそれだけの健啖変形ですが、見事にまとまりのよいヘリコプターになっています。
そもそもロボットモードがヘリに手脚生やしただけ、みたいなデザインでしたが。
ミリタリー感がありつつもちびっこくて可愛いのはエヴォロイド部隊の持ち味ですね。
なお、例によって各部にはとくにロック機構的なものはありません。
ローターはもちろん回転可能。
ロボットモード時の胸部装甲の左右のパーツがランディングギアになっており、起こすことで着陸態勢を再現できます。
そしてその装甲の通央部分に3㎜穴があるのでこの形態でのスタンド使用はスムーズ。
SーEGRー06 スカイグル
キング、Eレックス率いるエヴォロイド・ビースト軍団の航空参謀。
ニューリーダー? ニューリーダーなのか?(落ち着け・・)
ともあれエヴォビースト軍団待望の航空戦力です。
人呼んで天翔のスカイグル。
ハクトウワシのDNAを受け継ぐエリートで、キザな戦略家だそうです。
今回は戦略家対決か・・
ロボットモード
これまでのEレックス、ファンガオともにビーストモードの口を開くとその中にロボットの顔がある・・というデザインでしたが、今回のスカイグルはロボットとビーストで頭部はそのまま。
全体のデザインにしても、翼の一部をたたんで直立しただけで、ほぼワシのままです。
最後にちょっと手抜いたか?(失礼)
まぁ、だからこそむしろシンプルで格好いいのかもしれない。
背中のバックパックのようなパーツは上下に計4つ3㎜軸があって、ミキシングなどにも重宝しそうなパーツですが、このスカイグル単体では変形時にも一切関係のない(必要のない)パーツだったりします。
そもそも設定画には描かれてないし。
紛うことないハクトウワシの頭部。
額の角はやはりリーダーの証か。
クチバシが開閉します。
目にはシールを貼っていますが、一応クチバシなどと同じ黄色で色分けはされています。
ちなみにこのスカイグル、これまでのエヴォロイドシリーズのキットのなかで唯一クリアパーツが採用されていません。
ロボットモードでは基本折りたたんでいる翼ですが、もちろんそのまま広げることも可能。
カッターみたいに近接武器にもなるイメージかな。
足の爪は前側3本、後ろ側1本がそれぞれ独立して可動します。
ただかなり緩いので、とくに後ろの1本はあまりかかとの役目を果たしてくれません。
ちょっとでも後ろに重みがかかるとそのまま倒れてしまうので自立は厳しめ。
手持ちの武器はボウガン。
ビーストモード時には尻尾になるパーツで、ロボット時も腰裏に取り付けておけます。
ただ、例によってボールジョイント接続になるので、ちょっと外れやすいですが。
コアブロックの構成はとくに独自の要素はない基本形になっています。
股関節を分割して脚部を前に回して翼を展開、頭部を起こす。これまたシンプルな変形・・というか、ぶっちゃけ前傾姿勢をとっただけともいえます。
まぁ・・ね。もう少しなにかなかったかな? とは思いますけどもね。
なおこの形態では底面に3㎜穴がないため、スタンドを使い場合は背面(上面)の穴を使うくらいしかないです。
比較画像
まずエヴォロイド部隊。ロボットモードで。
ヒーローロボっぽいのはジェットンだけで、ガンクロンもジャイロンも、どちらかというとミリタリーテイスト強めという感じ。
まぁでも、80年代のロボアニメとかの主人公側って、案外こういうパターンが多かった気もする。
比較的スマートで格好いい主役メカに、ちょっと野暮ったい感じの脇役メカ、とかね。
初代のガンダムなんかもまさにそうだったし(あれは70年代か)。
ビークルモードでも。
空2と陸1という比率。
どうせなら陸海空で1機ずつというバランスもよかった気がするなぁ。
3機めが潜水艦に変形とか。
でも役割としては接近戦、遠距離砲撃、偵察および後方支援とちゃんと分担できてます。
続いてエヴォビースト軍団。ロボットモードで。
非常に解りやすい悪の幹部たち。
モチーフもあって、やはりスカイグルが一番華奢ですね。ちょっと女性的な印象も受けます。
そういえばエヴォロイドに女性人格っていないよね、今のところ。
ビーストモードでも。
実は基本的な変形パターンって、3機でほとんど一緒なんですよね。
Eレックスとスカイグルなんかはわかりやすいけど、ファンガオだって下半身を構成してるのはまるまるバックパックですからね。
変形前後で頭部(コクピット)がそのまま。空担当。戦略家と共通点の多い2機。
本体のボリュームではジャイロンが勝っていますが。
変形して。
ちんまりしたジャイロンに対して翼を広げて表面積が増したスカイグル。
見ためのボリューム感がロボット時から逆転したのは面白いです。
以下、画像
まずジャイロン。
やはりなんといっても二重関節のおかげで膝がよく曲がるので、エヴォロイド史上もっともスタイリッシュな空中ポーズが決まるというのがポイント。
ジェットンに移植したい(こら・・)。
肩の位置も変形用の可動で動かすことができるので、パッと見のプロポーションからは想像できないくらい動いてくれますね。
ただ、ロボット時に使えるスタンド穴がテールローター側面くらいしかないのがちょっと不便。
格好いいポーズだけじゃなく、正座もできます。
可愛いですね。
ロケットランチャーを手に持たせて。
テールローターが支えになるので自立は問題なし。
ビークルモードでも。
ちんまり可愛い戦闘ヘリ。
スタンドが使いやすいのがよいですね。
続いてスカイグル。
ジャイロンのような特別な可動構造はありませんが、とくに干渉するものもないので、まぁそれなりによく動いてはくれます。
翼を広げるとなかなかハッタリが利いていいですね。
変形して。
ぶっちゃけ、ロボット時とさほど変化はないです(笑)。
ともあれ、コアブロックのフレーム可動も含めて翼の可動、足の爪の可動で獲物に襲いかかるワシをイメージできる躍動感のあるポーズジングが可能。
ビーストモードとしてはEレックス、ファンガオよりも断然動きますからね。
ただ、スタンド穴がね。やっぱちょっと不自由ですね。
E「スカイグルも到着し、ようやく我が軍団の戦力も整った。今こそ我らの力をニンゲンどもに知らしめてやるのだ!
ラ「エヴォビーストたちが街で暴れているようだ。ジェットン、みんな、出動するぞ!
そしてついに役者は揃った。
人とエヴォロイドの正義と友情が勝つのか?
それともエヴォビーストの悪意が勝つのか?
果たして・・この先新たな展開はあるのか?
さてさて、ここから少し組み換えチャレンジ。
今回はほかのシリーズキットは使わず、エヴォロイドシリーズのみを使った組み換えでやっていきます。
ランドジャイロン
ジャイロンがどう見てもダグラムなので、ガンクロンとのミキシングで陸戦型にしてみました。
まぁ・・もはやジャイロンじゃない(ジャイロがない)けど・・
一応変形しますが、イマイチまとまりがよくありません。
非変形でもよかったか。
でも変形しないとエヴォロイドじゃない気もするしなぁ。
スカイガオ
これは公式の組み換えでもありましたし、まぁだれでもやるよな、というスカイグルとファンガオとのミキシング・・というか、ほぼファンガオのバックパックを付けただけですね。
もちろん、ビーストモードのグリフォン形態がメインでございます。
エヴォロイド部隊3体合体、ビッグエヴォード
ジェットン、ガンクロン、ジャイロンの3機がビークルモードで合体した重爆撃機モード。
う~ん、我ながら強引だなぁ・・
そもそもこんなの絶対飛べないだろ(笑)。
対して、
エヴォビースト軍団3体合体、超魔獣将軍
うん。永井豪感・・(笑)
エヴォロイド3体合体よりもはるかにまとまりがあるのがまた憎い。
ちなみに、Eレックスとスカイグルはスカイグルの背面パーツでガッチリ接続されてますが、下半身は脚を外したEレックスの股関節部分をファンガオのタテガミパーツで挟んでるだけです。
超進化6体合体 エヴォルカイザー・真
前回プログレスボディ2体を胴体にしていた6体合体を、ジャイロン、スカイグルの加入で正式に6体揃ったエヴォロイドだけで再構成。
これがエヴォルカイザーの真の姿です。
ただまぁ・・お察しの通りスタンドがないと自立は不可能。
各機の接続も基本3㎜軸だけなのでゆるゆる。気を抜くとすぐ崩壊してしまうところは、やはり普段敵対関係にあるから仕方ないですね(こら)。
以上、“エヴォロイド ジャイロン” & “エヴォビースト スカイグル” でした。
ジャイロンは、その量産機然としたデザインが好きという人も多いと思いますが、変形のための可動もあってロボットモードで思いのほか動いてくれたのは驚きでした。
実際、あんなスタイリッシュな挙動をするデザインではないとも思うんだけど・・ある意味ギャップ萌え(笑)。
一方のスカイグルは、ロボット⇔ビーストでほぼ印象が変わらないものの、ゆえに完成されているというか、デザインにも構造にも一切無駄や無理がない感じでシンプルに格好いいものになったと思います。
ただボリューム面でちょっと寂くはあったかな。
それこそ刀とか、そういう武器があってもよかったかも。
ともかくも今回のジャイロン、スカイグルの発売でちょっと一段落感はありますね。
俺たちの戦いはこれからだ!
第1期完・・じゃないよ! たぶん。
今月もカラバリだけど新作発売されるのは最初にも言った通りだし。
その次も・・きっとあるよ。
ていうかスカイグルの説明書に載ってたフクロウ欲しいんだけど・・
でも・・やっぱり、今一つ跳ねきれてないのかな? エヴォロイド。
正直、いろいろとちぐはぐな感じは否めないシリーズだとは思っています。
一応メインターゲットとされているのは小学生などの低年齢層のはずですが、そこを狙うにはまずそもそも価格がネックです。
コトブキヤのキットとしては安価は方ではありますが、それでも定価3000円近いですからね。子供がおいそれと手を出せる代物ではありません。
大河原邦男氏が手掛けるデザインは、今の子供たちにも受け容れやすいものだとは思いますし、単体のキットとしての出来も、組み立てやすさも含めて対象年齢にあったものには合っていると思います。
ただ一方で、コトブキヤのお家芸である組み換えについては、実はけっこう難易度高めですし。
胴体・・とくに上半身を構成するコアブロックはジョイントパーツの集合体なので、それこそブロックのようにいろいろな形に組むことが可能ですが、頭部ほかの固有パーツはデフォルメ体型のロボットのそれとして完成しているので、あまり汎用性がないんですよね。
わかり易い例で言うと、エヴォロイドのパーツだけでリアル等身のロボを組むのはかなり難しい。
頭部はともかく、腕や下共通のフレームに外装を被せるという構成だったらまた違ったんでしょうけどね。
コアブロックについても、少なくともこれまでのエヴォロイド、プログレスボディも、基本的な構造は一緒。変形で使う可動もごく一部でわりとワンパターンと、せっかくのジョイントパーツの集合体があまり活かされていない印象がずっと続いています。
なんか、毎回同じようなこと言ってる気がするなぁ(笑)。
あっと驚く大胆な変形とか、それこそ合体とか、インパクトのある新ギミックを引っ提げた新型の発表・・そんな期待だけはしてるんですよ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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