今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー89 スラージ” です。
“戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” から “ザ・ムービー” を経て “2010” 、“ザ☆ヘッドマスターズ” の序盤まで登場したオートボットの一部隊、ダイノボットのメンバー、
“密林戦士 スラージ” が、
スタジオシリーズで発売されました。
スタジオ86シリーズでのダイノボットリメイクの第3弾。
グリムロック、スラッグに続いて今回もまたリーダークラスの大ボリュームでのリメイクとなりました。
ただ、先の2人には非変形、半固定フィギュアとして再現されたウィーリーおよびダニエルが付属していましたが、今回のスラージは彼のみ。
そのぶん先の2人よりも本体が気持ちボリュームアップしているのかというと、とくにそんなことはなく、実質値上げに近い・・いや、実際に値上げされてるしなあ。
ともあれ、これで先行して誕生した3人のダイノボットが揃いました。
しかし、グリムロックの発売からすらっ偽発売までが6ヶ月、そしてスラッグ発売肩今回のスラージ発売までが9ヶ月と、順当にスパンがながくなっています。
追って残りの二人もリメイクしてくれるものと思われますが、今のところはとくに情報がないので、やはり次が来るまでは短く見積もっても1年近くかかるのかなぁ・・
本当、引っ張ってくれますね。
それでは、レビューしていきます。
パッケージ
ビースト(恐竜)モードでシャークトロン(ノウ)の群れを蹂躙する,迫力の戦闘シーンが描かれています。
ロディマス(ホットロッド)たちを助けにクインテッサの基地に乗り込んできた場面をイメージしたものですね。
ちょっと主役がでか過ぎる気もしますが、あくまでイメージですから(笑)。
リーダークラスのパッケージの仕様が、窓なしで全面一面が背景付きのイラストになっているというのは、少し前からの世界共通仕様。
ジェネレーションラインでもレガシーからはそのようになっていますね。
もう全部もクラスでそうしておくれよ。
密林戦士 スラージ
基地の地下で発見された恐竜の化石からヒントを得て、ホイルジャックが生み出したメカ恐竜に変形する新戦士ダイノボット。
先に生まれた3人がグリムロックにスラッグ、そして今回のスラージ。
追ってスナール、スワープも加わって5人チームとして活躍します。
スラージといえば,メガトロンにバカのレッテルを貼られたことでもお馴染みですが、これは強いものに従うという,ある種の主体性のなさを評したもので、戦いのなかでのスラージはわりと機転を利かせるようなシーンもあったような。
ただ、肩書きの密林戦士というのはよくわかりませんね。
ブロントサウルスはたぶん密林にはいないし。むしろ水辺にいる印象。
設定としては湿地帯での戦いが得意ということになっており、名前もそれに由来するものののようなのですが・・
ビーストモード
今回も劇中で主に活動していたこちらのモードから。
ビーストというよりはダイナソーモードといったほうがいいのでしょうが。
メカブロントサウルスですね。
なんやかんやあったけど、あらてめてブロントサウルスは正式に認められたんですよね。
ともかくも圧巻のボリュームです。フォルムも実も見事。
スラッグは、ちょっとデフォルメが利き過ぎている感もあったのですが、このスラージはメカ恐竜としての力強さと格好よさ、そして可愛らしさがちょうどいい塩梅でバランスよくまとまっていると思います。
ちょっと下半身・・尻尾のほうに向かうに従い若干の皺寄せが来ている感は否めませんね。
横から見るとわかりやすいのですが、ロボットモードの爪先部分が張り出していて、ギリギリお腹が擦れるような感じになってしまい、少しお尻を上げる姿勢になりがち。
まぁ、これはこれで可愛らしいかな。なんかアヒルみたいでもあるし。
首は根元で上下にスイングし、金色に変わっている部分でロール可動。
さらに頭部も上下に可動します。
もちろん口も開閉。
内部には銃口のようなものがあり、先端はごく短いのですが3㎜軸になっています。
なのでエフェクトパーツを取り付けることができるのですが、グリムロックやスラッグもそうでしたが軸と上顎とのクリアランスが狭いので付けられるエフェクトパーツは限られます。
また、アニメでのダイノボットはグリムロック以外、恐竜モードでその目に瞳が描かれていた印象が強いのですが、前回のスラッグにはグリムロックと同じく瞳がなく、なるほど、スタジオ86では瞳なしでいくのか・・と思っていたら、今回のスラージには瞳があります。
そこは統一してほしいんやけどなぁ。
変形パターンはオリジナルトイから大幅に変更(進化)しており、例えばオリジナルではロボットの爪先がそのまま恐竜の背中の突起になっていたのですが、今回その突起はダミーで、実際の爪先は先にいったようにお腹側に来るようになっています。
そこはスラッグも同様にダミーになっていましたが、スラージの場合はさらに複雑な工程が組み込まれています。
ざっと流れを見てみると・・
思っていた以上にけっこうあちこち動かさなければならなりません。
脚部の展開頭はこんな感じ。
ここだけ見てもその手の込みようがよくわかるかと。
しかし、それでいて一度往復させれば覚えられる程度のもので、とくにストレスもなく難度も繰り返したくなる変形です。
なお、箱にはロボットモードで入っているので、説明書の手順としては逆になります。
さっきの脚部もそうでしたが、ロボット、恐竜両モードで一切表に出ないこんなところにもしっかりメカニカルなディティールが。
さすがに成型色の赤一色なのですが、塗り分けるとすごい情報量になりそう。
ロボットモード
オートボット戦士たちが初見で驚愕した巨体をリーダークラスで再現。
当然ですがビーストモード時同様、先のグリムロック、スラッグ同様、一昔前のリーダークラスを思わせる圧倒的なボリュームです。
原作重視のスタジオシリーズでのリメイクということもあり、オリジナルのアニメデザインにかなり忠実なシルエットになっていると思います。
プロポーションは多少現代ふうに整えられ、全身にディティールも追加されていますが、決してうるさくない程度に抑えられています。
オリジナルトイでは恐竜の後脚と尻尾の先端がほぼそのまま折りたたまれていたのですが、今回はビーストモードの後脚がロボットモードの腕部となるかたちに変更されており、さらに尻尾先端をオリジナルトイとは逆方向からたたむことでアニメデザインの膨らんだ脛のデザインが再現されています。
なお、グリムロックとスラッグには肩などにオマケのウィーリーやダニエルを乗せる(固定する)ためのペグがありましたが、今回のスラージは先にも言ったようにフィギュアのオマケがないので、ペグもなし。
いや、それは付けておいてもよいのでは?
ウィーリーもダニエルも、たまにはスラージにも乗りたいだろうに・・
まぁ、ウィーリーはじきに変形するコアクラスが出ますし,ダニエルも親父のリデコで来る可能性も・・
頭部アップ。
意外に柔和で知性も感じさせるお顔立ち。
とてもバカには見えません。
いや。決してバカではないんだ、彼は。
背面。
ブロントサウルスの頭(首)がそのまま垂れ下がり、その左右にガワの一部がウイングのように広がっているのはグリムロックと似たデザインです。
また、ビーストモードの前脚は首の後ろにたたまれています。
これもまたスラスターみたいに見えて面白い配置ですね。
ちなみに、恐竜の首は外れた状態で入っており、開封後に取り付けて完成する仕様です。
スライドタイプのジョイントで、付け外しは容易になっています。
同じようなかたちでパッケージされていたノウとはジョイントの形状がわずかに違うものの、強引にパーツを交換することは可能(破損する可能性もあるのであくまで自己判断でお願いします)。
スラージにノウのパーツを付けるとこんな感じ。
うなじに噛み付かれているようにしか見えない・・
一方、ノウにスラージのパーツを付けると・・
新種の生き物ができました。
なお、外した状態の首はとくに使い途がありません。
5㎜軸や穴でもあれば、なにかと活用法もあったと思うのですが・・
付属武器
ブラスター
キャノン砲という趣きもある大型のブラスター。
なにか正式名称があると思うのですが、ちょっとわかりませんでした。
とくにギミックはありませんが、先端や上部のスコープなどはゴールドで塗り分けられ、銃口は5㎜穴にもなっているので大型のエフェクトパーツの取り付けが可能です。
ロボットモード時には手に持たせる以外でどこかにマウントできたりはしません。
スラッグもそうでしたね。
ビーストモード時にはお腹の下にマウントできます。
スラッグでは尻尾の先端にはめ込んで変形に組み込まれる仕様になっていたのに、今回はまたグリムロックのように取って付けた感じに・・
というか、ご覧の通りお腹にはけっこうなスペースが空いているの(ロボットモード時にビーストの前脚を収めるスペース)で、ブラスターも折りたためるようにしたりしておけばここにすっぽり収められたんじゃないかなぁ?
で、例によってオリジナルトイに付属する剣は今回も付いてきませんでした。
中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、パッケージイラストと同様の場面、クインテッサの基地内部です。
グリムロック、スラッグ、そしてノウと同じものですね。
比較画像
オリジナルトイは持っていないので、パワーオブザプライムのときにリメイクされたコンバイナー仕様のものと。ロボットモードで。
いろいろな制約があるなか、しかしかなりオリジナルのイメージに近いかたちでリメイクしてくれたPP版。
しかしこうしてあらためて見てみると、とくにスラージはほかのメンバーよりもその細さが目立つ印象。
サイズ的にもデラックスなのでやはり迫力にはかけますね。
ビーストモードでも。
並べると親子感が(笑)。
PP版はアニメデザインというよりもトイデザインに近く、メッキこそ使われていませんがクリアパーツの裏からゴールドやシルバーの塗装を施すことでオリジナルの雰囲気を再現しています。
僕も、しばらくはこのPP版で十分だなと思っていました。
それがまさか、のちにリーダークラスで再リメイクされるとは・・
でも、PPからもう4年以上も経ってるんだよなぁ。
全体のボリュームは3人ほぼ同じ。
全高はフード(トリケラトプスの頭)を被っているスラッグが一番高いですが、とにかくみんなでかいです。
一列に並べると威圧感がすごい。
ビーストモードでも。
総合的なボリュームがほぼ同じとなると、やはり2本足で立っているグリムロックと、ギュッと詰まったデザインになっているスラッグが大きく見えてしまうのは仕方ないところ。
前後に長いスラージはどうしても一番小柄に見えてしまいます。
なお、スラージにはなんとなくスパイクを乗っけてます。もちろん固定はできません。
生みの親のホイルジャック、そして司令官と。ロボットモードで。
いやはやでかい・・
とくにホイルジャックとの並びはスケール間違えてないか? と思ってしまうほどですね。
実写映画第4作、ロストエイジ公開時に発売された実写版スラージこと、スロッグ(ムービーアドバンス版)と。ロボットモードで。
商標の関係か、それとも変形モチーフの変更があったからか、名前がスラージではなくスロッグとなった実写版。劇中未登場のトイオリジナルキャラですね。
一昔前のボイジャークラスということもあってけっこうなボリュームだと思っていたのですが、さすがにリーダークラスと較べると小さいですね。
そして例によって別人。
まぁでも、そもそも別人か。
ビーストモードでも。
スロッグが変形するのはブロントサウルスではなくブラキオサウルス。
武器の装備位置も相まってゾイドっぽいですが。
とりあえずはカミナリ竜繋がりというところですが、なんでもチーフが変わったんだろう? あの当時はブロントサウルスが微妙な時期だったのかな?
スロッグ、デザインに変形の妙もなかなか面白いアイテムではあるのですが、如何せん軟質パーツの多さが厄介なところ。
でも意外と劣化してなかったな。
以下、画像
可動はシンプルですが優秀。
足首のスイング幅も広く、大股開きでの自立が可能ですし、拳も回転。
頭部も基部から上下に少し動く(ロボットモードでとくに固定されない)ので、目線も合わせやすくなっています。
ただ、下半身の可動部が緩い・・
股関節、膝関節ともに一応クリックが入っているのですが、これが非常に弱くてほぼ機能していません。
まぁ、へろへろとまでいはいいませんが、背負いもの(ブロントサウルスの首)もあって重心が後方に傾きがちでもあるので、膝から崩れて後ろに倒れやすいです。
個体差で程度の差もあるでしょうが、だいたい緩めのようですね。今回唯一といっていい、残念な点です。
スタンド対応穴は腰裏にあります。
しかし、背負いもの(ブロントサウルスの首)が邪魔で使いにくいですね。
そしていつものことですがこのボリュームを3㎜で支えるのは怖い。
攻撃開始!
やはりこのサイズのキャラには大型エフェクトでないと迫力がありません。
グリムロックもスラッグも、武器の先端は3㎜軸でしたからねぇ。
3㎜でも大型エフェクトは付けられますけど、根元に5㎜軸が見えちゃうし、そもそも安定しないし。
スロッグの武器を持たせて。
毎度のことですが、付属の武器が一つだけというのは寂しい。
やっぱり剣が欲しいですね。アニメでは持っていなかったとしても・・
ビーストモードでも。
首と頭がよく動くので表情が付けやすいです。
後脚だけで立ち上がることもなんとか可能。
前脚も中ほどでロール可動、さらに手首部分も動かせます。
口から火炎放射。
初登場時は目からビームも出していましたが。
しかし、角度的に戻してるようにしか見えないな・・
お腹の空間をどうにか活かしたいということで、ひっくり返してクルーザーモード。
コアクラスアイテムならお腹のスペースにすっぽり収まりますね。
さらにそこから立ち上がって。
前脚の生えている位置がおかしいですけど。
恐竜人モード。
全然違和感ないな。
せっかくなので(?)ほかの2人も。
うん。スラージが一番すっきりしてる。
ホイジャ「さてお集まりのオートボット諸君、そしてコンボイ司令官、我が苦心の傑作を紹介しよう。
ラチェット「ダイノボットだ!
ストリーク(しかし声はプロール)「なんてでかいんだ、まったくたまげる。俺たちの倍はあるぞ・・いやいや、3倍よりもっとあるな。
ドラッグ「おいおい、恐竜をつくるんじゃなかったのか?
ホイジャ「そうだよ
ラチェット「ダイノボット、トランスフォーム!
司令官「ほう。なかなかやるじゃいか。
ホイジャ「ただ残念なのは、知能が低いことです。しかしいずれは・・
などと言っているうちに暴れ出すダイノボットたち。
ナレーション「こうなることを、いったい誰が予想したであろうかっ!?
いや、だいたいいつも通りだよ(笑)。
司令官「もういい! もうたくさんだ! ダイノボットを破壊する!
そして司令官が短気を起こすのも、だいたいいつものこと(笑)。
とまぁ、最初は手が付けられない暴れ者集団だったダイノボットもザ・ムービーの頃には頼れる中核戦力になっており、そして2010ではコメディ担当に・・
本当、愛すべキャラたちですな。
グリムロック「大丈夫。もう少しだけ待て。きっとおまえたちも大きくなれる。
スナールにスワープも、早く大きくなれるといいね。
以上、“SS スラージ” でした。
サイズ感と重量感、これぞリーダークラスという圧倒的なボリュームで懐かしいアニメデザインに忠実なリメイクをしてくれているスタジオ86のダイノボット。
今回も非常に満足感の高い仕上がりになっていました。
グリムロックがリーダークラスでリメイクされると聞いたときには、さすがにでか過ぎるやろ。ボイジャークラスでいいんじゃ・・? とも思ったのですが、今となってはもうダイノボットはリーダークラス以外考えられないですね。
オプションも少なく、トリプルチェンジャーでも基地に変形するでもない、トランスフォーマーとしては比較的シンプルなキャラクターということもあって、ダイレクトに本体のボリュームにコストをかけることができたのかもしれません。
グリムロックでは少し物足りなさを感じた変形にしても、スラッグ、そして今回のスラージと少しずつ手が込んだものになっていて、今後発売が予想されるスナール、スワープでもどのようなアレンジでロボット、ビースト両モードのデザインを量シルさせるのか、楽しみで仕方ありません。
まぁ、今回スラージは股関節や膝関節がかなり緩いという品質面でのマイナス点はあったのですが、致命的な問題でないですし,十分対処可能なのでとりあえず目を瞑っておきます。
早く残りの2人も来てほしい。
すでに日本でも発売が決定しているしアイアンハイドのほか、ゴング(ブローン)もスタジオ86で来るという話ですし、喩え一瞬でもザ・ムービーで出番があったらこちらでのリメイクは可能ということで、いつの間にかいなくなってるスナールのリメイクもなんら問題はないはず。
あと気になるのはスワープのクラスですね。
ロボットモードでのサイズ感を併せるにはリーダークラスにする必要があるとは思うのですが、そうなるとビーストモード(プテラノドン形態)がでかくなり過ぎるような・・
はたしてどうなることか。
そして23年中に5人揃うかな?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2022.10.03 13:51
2022.10.03 13:15