今回のレビューは、1/1スケール chitocerium より、
“chitocerium XCII ー urania ” です。
独特の世界観を展開するchitocerium(チトセリウム)に期待の新人、
“urania(ユラニア)” が登場しました。
アルベラとエフェルの双子幼女で低身長ボディに味を占めた(言い方ww)のか? チトセリウムの新作はまた彼女らと共通フォーマットの低身長キャラになりました。
ただ、双子はセットアイテムということもあり本体衣装もパジャマのようなシンプルなデザインで、装飾も取り外し可能なスカートのみ。
オプションも椅子が2脚と、チトセリウムシリーズとしては比較大人しめの内容でした。
一方、今回のユラニアは単独アイテムなので本体衣装も双子に較べて豪華。
そしてなによりオプションが盛りだくさんで、キット単体で表現できる物語性はシリーズ随一といってもよいと思います。
チトセリウムは本体であるフラグメンツたちのデザインも、嘆美的というか独特の雰囲気があって秀逸ですが、いわゆる武装パーツとは別に、インテリアにもなるオプション類のデザイン、チョイスもまた独創的で、数あるガールキットシリーズのなかでも一際強烈な個性が光りますね。
それこそ、ただの(?)お洒落インテリアだと言い張れそう。
まあ、僕の場合はべつに誰に言い訳する必要もないですが。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに付属も水転写式デカールでの仕上げです。
パッケージ
恒例のパッケージアート鑑賞。
いつになく暗いイメージです。
囚われの姫君・・というにはちょっと禍々しさが漂う構図、色使いですね。
はたしてこの少女はナニモノなのか?
レターパックもいつも通り。
中央に六角形のランナーに繋がった状態の未塗装眠り顔フェイスパーツがはめ込まれているのもいつも通りですが、今回はその上にさらにバツの字に交差する鎖状のパーツがはめ込まれています。
鎖パーツは3㎜軸ではめ込まれています。
またなにかしらか使い途がありそうですね。
XCII ー urania(ユラニア)
アルベラ、エフェルとほぼ共通フォーマット、サイズもほぼ等しい低身長マシニーカ。
双子からの流用パーツがそれなりにあるのかと思っていたのですが、ハンドパーツ以外は新規造形ですね。
衣装は暗めの赤ほぼ一色。
これまでのフラグメンツの衣装は意外と明るめの色が使われていることが多かったんですけどね。
一方、腕や脚などは剥き出しの肌色(というかほぼピンク・・)で、まるで生身の人間のような雰囲気もあります。
なお、手首と膝下のリボンのような・・タトゥーかな? は水転写式デカールで再現されています。
双子も肌色多めでしたが、プラチナムやアダマス、ロンデズライト(この二人も双子か・・)はわりと造られたモノという雰囲気が強かったので、そういう意味でもユラニアは少し異質な感じがします。
よりヒトに近い存在になってる?
頭部アップ。
髪はグレーの色味もあってか、見ためにすごく重く感じます。毛量がすごそう(笑)。
頭頂部の王冠は塗装済みのものと未塗装のものの2つが付属。
右が未塗装のものですが、これはこれで落ち着いた成型色でいい感じです。
パーツを交換することで王冠を外した状態も再現できます。
王冠を外した位置に蓋をするわけですが、このパーツが非常に小さいので紛失には注意です。
また、これを外す際は一旦前髪パーツを外し、矢印の位置から針や爪楊枝など先の細いものを挿し込んで押し出すようにしなければなりません。
これがまたけっこう面倒ぃ・・
2房に束ねた後ろ髪は手首足首に使われるものと同様の球体関節で可動。
これらの球体関節はシリーズ共通の仕様で塗装も可能なABS製のもの(ABSで塗装いけるの?)と、強度重視のPOM製のものの2種類が付属するので、好みで選択してください。
まぁPOM製のものでも接続軸が非常に細いので動かす際は慎重を心がけるべきではありますけどね。
フェイスパーツは3種類。
メンヘラ感強めの通常顔と、
完全にキマッてる表情ですね。怖い・・通常顔と同一人物(人物じゃないか)とは思えません。
なお、前髪で隠れている右目も、もちろんすべてプリントされています。
目許・・とくに通常顔がわかりやすいデウスが、なんというか少し滲んだような、独特のタッチのプリントになっています。
決して画像がぼやけているわけではありません(まぁ、多少ぼやけてますけど・・)。
絵画的というか、より幻想的な雰囲気が強くなっている感じです。
シリーズ初期のものから随分と精度が上がった証ですね。
ちなみに、シリーズ第1弾キットであるプラチナムが、このほどバージョンアプして再販されることになりましたが、アイプリントがより高精度のものに変更されているそうです。
新規アイプリントのフェイスパーツのみでの販売もあるとか。そちらはたぶん公式限定だったと思いますが。
また、フェイスパーツは双子と互換性があり、それぞれ交換可能。
アルベラフェイスに、
ユラニアのフェイス基部はちょっと緩い感じですね。前髪で挟めるので問題はないですが。
特徴的なデザインのスカート。
とくに後ろ側の裾は球体関節で接続されており、ウイングのように展開させることで全体のシルエットも大きく変わります。
その後ろ側と左右側面の4枚の裾は裏側が黒で塗装済み。
後ろ側の裾の白い目のような模様はデカールでの再現です。
裾だけ外せばミニスカートっぽい雰囲気にもできますね。
太腿もムッチリ感が双子よりも増していますかね。
双子同様にスカートを全部外した状態も再現できます。
前部分が可動するので脚部可動を妨げることもありません。
足パーツもデフォルトのサンダル履きのもののほか、
なお、双子では爪先が可動するタイプのものも付属しましたが、ユラニアは固定タイプのみ。
ハンドパーツは双子と共通といいましたが、新規で後述の人形を保持するための手の平に3㎜軸が生えたものが左右分付属します。
そもそも手が小さいので、3㎜軸とてこのサイズ感・・
本体は一応マシニーカということになるのですが、サイズが標準的なもの二回りほど小さいこともあり、省略されている可動部もあります。
腕部の接続部が固定で、マシニーカといえばまず思い出される鎖骨部分の前後可動がありません。
腹部と腰部も一体になっており、下半身については股関節の上下スライドで可動範囲を確保。
なお、その股関節のスライド可動は双子では少しキツイ印象がありましたが、ユラニアではかなりスムーズに動くようになっています。
個体差かもしれませんが。
付属品
箱
まずはいつもの収納箱。
基本仕様、サイズはシリーズ共通。
表面のディティールと刻印はユラニア専用のものになっています。
今回も本体とほとんどのオプション類を同時に収納可能ですが、それについてはまたのちほど。
やはりスタンドベースとしても使用できます。
人形
ユラニア本人を模したと思しき人形が付属。
わずか3㎝ほどのサイズですが、塗装済みパーツ含め完璧に色分けされており、さらに頭部と手脚が可動するという驚きのクオリティ。
まぁ、ネコの実績があるチトセリウムですからね。
さすがに自立はほぼ不可能なので、専用のスタンドが付属。
すでにさっきの画像で使ってますが・・
先ほどの専用持ち手を使ってユラニアに持たせるとこんな感じ。
うん。病んでますな(笑)。
王冠もユラニア本体同様に塗装済みと未塗装の2種が付属。
やはり外すこともできますが、この蓋パーツがまた極小・・
ランタン
チトセリウムでは初となる電飾ユニットを内蔵した組み立て済みのもの(左)と、ミライトを仕込める組み立てが必要なもの(右)の2つが付属。
デザイン自体はまったく同じなので正面から見るぶんにはほとんど見分けが付きません。
裏返して後ろ側のパーツを外した状態。
電飾ユニットタイプはLR41型のボタン電池を3つ使用します。
ミライトはそのまま組み込む仕様。
電飾ユニットタイプは、後ろ側のパーツをはめてからスライドスイッチで点灯。
オレンジ色の光でけっこう明るいです。
ミライトは先端を押し込むことで点灯するので、組んだ状態で灯りを付けることはできますが、消す場合はまたバラさないといけませんね・・
上部の輪っか部分を持ち手で保持可能です。
鳥籠
今回のメインオプションですね。これだけでも本体と同等の価値があるんじゃないでしょうか。
箱をベースに6本の縦フレームと4枚の横フレーム(正六角形が2枚、一辺ない正六角形が2枚)、天井フレーム、扉パーツを組み合わせた鳥籠・・というかもう檻ですね。
天井部分もチトセリウムらしくレリーフ状になっています。
正面扉は鍵パーツを挿し込むことで施錠可能。
扉自体は鍵なしでも左右のジョイントでしっかり固定されます。
鳥かごの横フレームにはユラニア用、
人形用の固定ジョイント(ともにスタンドパーツを分解)をそれぞれ取り付けることも可能。
ユラニア用は内側から、人形用は外側の切り欠き部分から取り付け、スライドして固定します。
さらに天井からフックパーツを介してランタンをぶら下げることもできます。
雰囲気がすごい。
ちなみにランタンを後ろ側に引っかけると・・
うん、逆光。
それでは、箱に収納してみましょうか。
まず鳥籠を各フレームにバラし、
6本全部折りたたみみましょう。
これが鳥籠フレーム専用のハンガーパーツ。
矢印の位置に横フレームの溝を合わせて、4枚ともはめ込みます。
さらに真ん中に天井フレームを裏返して、やはり溝を合わてはめ込み。
その横に扉パーツを縦として持つときのグリップパーツも取り付けます。
天井フレームの軸に鍵を取り付けた状態の扉パーツを取り付けます。
折りたたんだ縦フレームを2つずつ重ねて、扉パーツを取り付けるフレームを真ん中、ほかを左右にはめ込み。
左右の端には2分割したスタンド支柱パーツをはめ込みます。
そして矢印の通り、ハンガー側の軸を底板側の穴にはめ込で固定します。
これで一方は完了。
続いてもう一方、蓋側に移ります。
まず人形用のスタンドを分割して固定(赤丸)。
青丸は、収納時に人形を取り付ける専用のジョイントパーツです。
下側にはスカートを外した状態のときに代わりに取り付けるパーツを固定できます。
ユラニア本体は脚を後ろ側に曲げ、スカートの裾を画像のように可動させておきます。
花のようで綺麗ですね。
蓋側の3㎜穴軸をスカートの隙間に通すようにユラニアをセット。
ボルト代わりのパーツ3㎜穴軸に取り付けてユラニアを固定します。
昆虫の展翅標本のようですね。
なお、説明書にその用途が載っていない謎のパーツがあるのですが、
これは先の固定用パーツの代わりに取り付けることで、市販のチェーンなどを付けてユラニアをさらにガッチリ固定するようなことができるパーツになっています。
こんな感じですね(メガミデバイス マジカルガールに付属のチェーンを使ってみました)。
なるほどねぇ。
しかし、なんで説明書にはなにも書かれていないのか・・
さっきの鳥籠の収納にしても、図で示されているだけでいくつ重ねるとかそういうことは言葉で説明されていないし、わりと不親切なんですよねぇ。
戻ります。
先ほど言ったジョイントに人形、反対側の四角にランタンのフックをはめ込んます。
て、裏表逆じゃねぇか!
あくまで本体を収納してる側が蓋なので。
比較画像
アルベラ(右)、エフェル(左)と。
身長、体型はほぼ同じに見えます。
衣装のボリュームにはけっこうな差がありますね。お姫さまとその従者兼遊び相手みたいな感じかな。
しかし、アルベラがマシに見えるくらい、ユラニアの通常顔が病んでる・・
そしてエフェルの天真爛漫さが際立つというものです。
それぞれスカートを外して。
はい、みんな寝る準備はできましたか?(笑)
というか、やっぱり下半身は若干ですが双子よりユラニアのほうがボリュームがあるのかな。
全高はほぼ半分。
羽のように広がるスカート、剣タイプの武器と、わりと共通点のある二人です。
綺麗なお姉さんに憧れるお年頃なのかもしれない。
人形比較。
メガミデバイス 兼志谷シタラ Ver.ガネーシャに付属のシタラちゃん人形と。
シタラちゃん人形は肌色(やや褐色)の単色成型で頭部のみ可動。
一方のユラニア人形はサイズこそ一回り大きいとはいえ、完璧な色分けに可動性でも完全にぶっちぎっています。
ユラニア比較。
人形はだいたい1/4スケールくらいですね。
左サイドの三つ編みとか、細かいところまで似せてあります。
ひょっとしたら人形のほうが本体かもしれない。
以下、画像
素体としての可動性は先にも言った通り、標準型のマシニーカと較べていくらか劣っているのものの、それでもまぁ十分に動いてくれます。
この小さな足でも、バランスさえとれればしっかり自立できるのだからすごい。
腰部可動が省略されているので、前屈はちょっと苦手。
肩周りの柔軟性もあまりないので、人形をしっかり抱けないのもなんかもったいない感じ・・
正座は問題なくできますが、後ろからは見ないであげてください。
組み体操。
ユラニアにも繋ぎ手は付属するので、3人で手を繋いで輪になることも可能です。
では、スカートを穿いてもらって。
スカート各部の可動で大きくシルエットが変わるのが楽しいですね。
この画なんか、ティンカーベルみたい。妖精のお姫さま感があります。
眠りの森の美少女・・
今のところ、フラグメンツで一番ヤバいやつだと思います。
スタンドを使って。
人形はコトブキヤのフライングベース見にで浮かせてます。
まぁ、眠り顔も十分ホラーだな。持ってるものがホラーですからね。
そのままライトを消して。
ゆっくり近付いてきて、みんなの恨みがこもった包丁(鍵ですよ)で挿してくるアレですね。
せっかくなのでランタン2個持ちで。
うーん、ちょっと光量に差があるなぁ・・
まぁ、なんにしても怖い。
とある寂れた塔の最上階、鳥籠のような牢獄に、その少女は幽閉されていた・・
少女を訪ねる者はなく、ただ一人、何年も、何十年も少女は独りでそこにいた。
その寂しさを紛らわすのは、たった一つの人形だけ。
あるとき、塔に二人の少女がやってきました。
二人は鳥籠の少女を見つけ、白い少女が出してあげようと提案します。
黒いの少女は躊躇いましたが、構わず白い少女は鍵に取りつき、力任せに引き抜こうとします。
わりとあっさりと、鍵は抜けました。
このときを待っていた・・
鳥籠の中の少女の瞳がゆっくりと開くのに、黒い少女が気付きます。白い少女はまだ気付いていません。
黒い少女が踵を返すのと、鳥籠の中の少女が動き出すのは同時でした。
あわれ、白い少女は逃げ遅れ、黒い少女にも不気味な人形が迫ります・・
なんやかんやあって仲良くなりましたとさ。
とんだ茶番だぜ(笑)。
仲良くなれなかったパターン(笑)。
鳥籠自体はけっこうな高さがあるので、1/10~1/12スケール相当のプラモ、フィギュアを閉じ込めることもできます。
まどかがまた似合う(8笑)。
ていうか、その気になれば簡単に抜け出せるだろう、そんな檻。
以上、“chitocerium XCII ー urania” でした。
アルベラ、エフェルに続く低身長フラグメンツとなったユラニア。
アルベラ、エフェルの双子は2人セットということで本体は比較的シンプル、オプションも最低限の内容になっていましたが、そんな彼女たちとほぼ同等のリソースを、ユラニアは単体で活かせるというところで、本体の衣装も豪華に、そしてないよりオプションの内容は非常に豪華なものになりました。
最初にも言ったように、単キットで表現できる物語性はシリーズでも一番だと思います。
プラチナムからアダマス、そしてロンズデライトまでは、本体への追加装備がオプションのウエイトのほとんどだったのですが、双子に付属する椅子はインテリア。そして今回の鳥籠はもはやステージですよ。
色分けは完璧でしかもけっこう動く人形に、電飾内蔵のランタンとほかの小物類のクオリティも高いですし、鳥籠の一部を分解すればちゃんと武装もフォローされてるしと、とにかくプレイバリューが高いです。
一方で、ユラニア本体についてはスカートパーツや王冠の仕様などで双子を圧倒している感がありますが、本体構造は双子のものそのまま踏襲しており、可動性も変わりなし。
ほぼ新規造形なのでなにかしら手を加えてくるかな? とも思ったのですが、とくになにもなかったですね。
まぁ、このサイズで強度などを考えるこのくらいがちょうどいいということなのかな。
でも、鎖骨可動はどうにか組み込んでほしかったかなぁ。やっぱり肩周りが少し窮屈なんですよね。
ともあれ、そんなことは些細な不満はどうでもいいくらい、各種オプションや双子たちと一緒に並べておくだけでも楽しい。
独特の雰囲気がありながら、意外となにと絡めてもけっこう馴染んでしまうチトセリウム、不思議な存在です。
いや、そんなんの個々の感じ方次第やろ・・(笑)
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2022.09.10 11:21
2022.09.10 11:06