今回のレビューは、1/35スケール ZOIDSゾイドワイルド列伝 より、
“ZWR07 ライジングライガー パンツァー” です。
ライジングライガーに巨大なキャノン砲を装備した、
“M型 ライオン種 ライジングライガー パンツァー” が、
タカラトミーモール限定の列伝シリーズで発売されました。
アニメ、ゾイドワイルドZEROに登場したカスタム仕様のゾイドをリリースしていく・・のが列伝シリーズだと思っていたんですが、それも第5弾のスナイプテラインペリアルガードまでで、第6弾のサイコジェノスピノの出典はカードゲームらしいですし、今回のライジングライガーパンツァーも配信アニメの “ゾイドワイルド戦記” に登場する機体・・ということなので、どうやら新たに設定されたオリジナルということになるのかな?
正直、ライガー系(というかネコ科)はもうお腹いっぱいというところでもあるんですが、今回の主役はゾイド本体ではなく、オプションの “ロングレンジバスターキャノン強化型” といっても過言ではないですから(コラ)。
そのロングレンジバスターキャノン強化型は、Nintendo Switch用ゲームソフトとして発売された、“ゾイドワイルド インフィニティブラスト” の早期購入特典として配布されたもので、一般販売はされなかった武器パーツです。
旧シリーズの、いわゆるゴジュラスキャノンがモチーフの大型武器で、画像を見たときは当然改造武器パーツとして一般販売されるものと思っていたのですが、まさか非売品になるとは・・
まぁ、それから 1年半ほど経って、今回モール限定とはいえ発売されたのは素直に喜ばしい。
その一方で、使い回しで何度も出した改造武器セットがいまだに店頭に大量に残っているのを見ることも多くて、なんともいえない気持ちになります。
なんだろうな・・
ゾイドは好きだし、新商品が出るだけで本当に嬉しいんだけれども、同時に少し悲しくもなります。
いよいよ終わりが近付いてきたようでもありますし。
では、レビューしていきます。
ボーン復元
もうなにも見ずとも、しかも数分で組めてしまうネコ科のボーン状態。
ボーンパーツの成型色はメタリックグリーン。
初めての色ですね。なんか苔むしているような雰囲気?
ツメやキバはシルバーですが、通常版のライジングライガーのものとは多少色味が異なります。
この段階での塗装はなし。
・・うん、もうとくに言うことないや(謝)。
復元完了
まずはライジングライガーの外装、武装のみを付けて、一応の復元完了。
造形的な変更、追加は一切ありませんが、通常版ではゴールドだった部分はグレーがかったグリーン、メタリックレッドだった部分はガンメタリックになっており、ボーンのメタリックグリーンと併せて少しミリタリーチックなカラーリングになっています。
なお、通常版ではゴールド部分が全塗装になっていましたが、今回の当該部分は成形色のまま。
わずかに額から伸びるタテガミパーツの赤いラインのみ、塗装されています。
アイパーツはメタリックレッド。
全体のカラーリングとのバランスで赤くなったんだと思いますが、赤い目は帝国製ゾイドというイメージがあるので、そこだけちょっと違和感が。
エヴォブラスト第一形態
ブラストユニットもそのままなので、通常版同様に2段階でエヴォブラストが発動(電動歩行と連動)します。
ロングレンジバスターキャノン強化型
今回の主役。
ワイルドシリーズの武装としては最大級のキャノン砲です。
砲身の赤いラインは塗装されています。
ゴジュラスキャノンがモチーフと言いましたが、モチーフどころか完全なコピーです。
画像上が旧シリーズのゴジュラスキャノン(サラマンダーボンヴァーンに付属のもの)なのですが、大きさ、そして基本的なデザインもまったく同じ。
アーム部分も同様です。
もちろん、新規金型でワイルド仕様になっているのですが、データは流用して作られているのだと思います。
ここのディティールだけデザインが逆になっているのはなんでだろうか?
また、砲身側面に3㎜軸が追加されていたり、アーム接続部にも複数の穴があるので、このキャノン自体のカスタマイズも可能です。
砲身パーツを省き、本体に直接砲口パーツを付けることでショートキャノンとすることもできます。
これはゴジュラスキャノンではできなかったので、よいアレンジですね。
では、ライガー本体に装備して、ライジングライガー パンツァー復元完了。
本体の全長を超えるサイズの武器を装備した姿は迫力満点。
まさにパンツァー・・戦車と呼ぶに相応しいのですが、高機動型ゾイドに長距離砲撃用の大型武器を取り付けるというのは、長所を台なしにしてしまっているような気もします。
しかし、これもまたシールドライガーMkーⅡを筆頭に、旧シリーズより連綿と受け継がれてきた伝統のカスタマイズともいえます。
もっとも、シールドライガーMkーⅡの場合はまだ高速戦闘に支障がない程度の武装追加だたので、ここまででかい武器を積んだライガー系ゾイドというのは始めてかもしれません。
また、ワイルドシリーズではよくあることなのですが、背中や腰といった胴体部分への装備ではなく、後脚外装への装備となるので、なんというか、負荷がすごそう・・
もちろん、(電動)歩行、走行時には脚の動きに追随しますし。
起動骨に付けるパーツに5㎜軸を追加したものとかを新規で付けてくれたらよかったのに。
なお、キャノンの取り付けにZキャップは不要ですが、それぞれの接続部分にキャップを嵌めることは可能。
こうすることでより旧シリーズっぽい雰囲気になります。
予備のキャップは2個しかないので、ほかからキャップを拝借しないといけませんが。
もちろん、この状態でもエヴォブラストは可能です。
ライガー系の共通アクションはオプションの有無とは一切関係がありません。
つまるところ、これまで通りに歩行中に自動でエヴォブラストします。
第一段階は、まぁいい。2種類の射撃武器が展開するだけなので、キャノンとの一斉射もありえるでしょう。
射程の長短はさておくとしても。
問題は、当然そのまま第2段階へも移行すること。
タテガミブレードで攻撃するには、やはり的に近付かなければなりませんが、そのためにはでかいキャノンは邪魔でしかない。
現実的には、キャノンでの長距離砲撃後、それをパージして接近戦に移ることになるのでしょう。
エヴォブラストを抜きにしても、やはり後脚外装への装備はどうかと思いますねぇ。
歩くたびに砲身がブレるし。
まぁ、砲撃時には止まってしっかり安定した状態を確保するんでしょうが、だったらそもそもライガーにキャノンを装備する意味がない。
後方支援用のバズートルとか、せいぜいキャノンブルにでも積んだほうがいいような・・
そんなこと言っちゃあお終いなんですけどね(笑)。
ちなみにキャノンなしの場合はこう。
重いキャノンを外したぶん、気持ち歩行速度が上がっているかな。
比較画像
通常版のライジングライガーと。まずボーン形態で。
シルバーも微妙に色味が違うので、すべてのパーツの成型色が変わっています。
パンツァーのほうは面白い色ではあるんだよなぁ。
外装、武装を付けて。
やはりキャノンの存在感がすごい・・
パンツァーからキャノンを外すと、ただのライジングライガーのカラバリです。
通常版の外装のゴールドが全塗装だったことを思うと、今回の外装の成型色もいい色だとは思うんですが、少し手抜き・・というか、コストかけてない感は拭えませんね。
同じライジングライガーのバリエーションですが、方向性は真逆な2体。
そして、アーサーのシルバーも塗装なんだよなぁ。
同じ列伝シリーズから、ディアス専用ワイルドライガーと。
カスタマイズの方向性はほぼほぼ一緒の2体。
ただ、ディアスライガーのほうはタテガミクローをオミットとしていますので、そういう意味ではより潔い(?)。
武装の位置も安定感のある背部にまとまってますし。
旧シリーズより、同じパンツァーの名を冠するライガーゼロパンツァーと。
今回のカラーリングなどは、このゼロパンツァーを意識したものだと思ってたんですが・・けっこう違う色だなぁ。
シルエット的にもさほど似ていませんね。
あとすみません。お気付きでしょうが、ゼロの本体は帝国製のほうです。
共和国製のが見当たらなかった・・
シールドライガーDCSーJと。
元祖キャノン付きライガー(のカラバリ)。
高機動戦に無理のない範囲での武装ですね。
以下、画像
一斉射撃!
反動もすごそうだけど、その脚で大丈夫?
ショートタイプにすれば機動戦闘もそれなりにいけそう。
アームも外して直で外装に付けてみました。
このほうが安定するだろうな。
ロングレンジバスターキャノンをメインに改造武器をいろいろ付け足して重砲撃型ドローンに。
このままゾイドの背中に合体させてもいいかも。
ほかのワイルドゾイドにもキャノンを取り付けてみる。
まずキャノンブル。
色も合っててよく似合います。
脚じゃなくて背中のブラストユニットに装備できるので安定感も抜群。
キャルガにショートタイプ装備。
これもなかなかよい感じ。
ステゴゼーゲに装備して、キャノニアーゼーゲ。
旧シリーズリスペクトですが、ブラストギミック完全無視です(笑)。
というか、やはり基本武装カスタマイズを考慮していないファーストシリーズのゾイドに装備させるのはちょっと難しいですね。
ということで、グラキオザウルスにはほかの改造武器も追加しての装備。
ウルトラザウルスイメージですね。
最後に、やっぱりこれが一番しっくりくるかな。
ワイルド版ゴジュラス・ジ・オーガ。
このキャノンをセットで出すなら、本体はゼログライジスでしょうよ。
まぁ、そうなると余裕で1万超えのキットになってたでしょうが。
以上、“ZWR ライジングライガー パンツァー” でした。
非売品だったキャノンを、かたちはどうあれフォローしてくれたことは素直に嬉しかったです。
思った以上にゴジュラスキャノンそのままだったことは驚きでした。
まぁ、旧シリーズとワイルドではスケールが違うので、そこを合わせたら今回のキャノンはゴジュラスキャノンをほぼ1/2に縮小した武器ということになるんですが。
一方のゾイド本体は、さすがにライガー系は食傷気味なので、ほかの型とのセットでもよかったかなぁ・・とかも思ったり。
先のグラキオサウルスやキャタルガ以外にも、ナックルコングとかはカラバリも出ていないので、そのあたりを引っ張り出してくれば面白かったかもしれない。
やはりライガー系本来の特性とでかいキャノンの組み合わせのミスマッチが気になるんですよ。
そんな細かいことはいいんだ! でかい武器こそ浪漫なんだ! という思想もわかるんですけど。
ガンダムのような人型ロボットと、生物がモチーフのゾイドとは違うからなぁ。
せめて背中か腰に装備できるようにしてくれたら・・脚に装備の無理矢理感がなんとも・・
単体として見ると、ミリタリーチックなカラーのライガーも悪くはないんですけどね。
言うてももう7体・・トラやヒョウも含めると10体めですし。
シリーズの1/5が同じ型うやん、と。
でも、こういうことをグチグチ言える機会ももうなくなるんですよね。
とうとう次が最後かぁ。
モール限定の列伝でしばらく繋いでおいて、頃合いを見て一般販売展開の復活! なんてことを思い描いていましたが、妄想で終わってしまう感じですね。
第1期の終了からおよそ9年、新作アニメとともに復活した第2期。
当初は第1期からの流用キットが大半を占めていましたが、徐々に新作キットが増えていき、ブロックスや妄想戦記といった新展開も見せてくれました。
アニメも4作品が放送。その終了とともにキットのリリースも集束していきましたが、結果として7年ほどの長期にわたってゾイドの発売が続くという、期間的には第1期を超える盛り上がりだったと思います。
その後も月刊ゾイドグラフィックスやリバースセンチュリーなどもありましたが、比較的短期間で終了し、それから空白の10年・・
マスターピース? 知らないコですね。
そして訪れた2019年、まったく新しいゾイドとして帰ってきたワイルドシリーズ。
第1期、2期からの流用は一切なしで、スケールも変更、歩行以外の特殊ギミック、ブラストギミックを搭載した完全新作キットを約3年半にわたって出し続けてくれました。
最初の頃の勢いはすごかったですね。
でも僕は最初・・と、ダメだ。うっかり総括に入ってしまうところでした(笑)。
この先は2ヶ月後、ワイルドシリーズ最後のキット(たぶん)のレビューで書き連ねようと思います。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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