今回のレビューは、1/35スケール
“陸上自衛隊07式戦車 なっちん ” です。
ロボットデザイナー、moi氏がデザインしたオリジナルキャラクター、
“陸上自衛隊07式ーⅢ型戦車 なっちん” が、
moi氏徹底監修のハイスペックフルアクションモデルとしてコトブキヤから発売されました。
今回は9月に発売されたダークグリーンの通常ver.(商品名としては、単になっちんとなっています)と、翌10月に発売されたグレーVer.の2種を併せてレビューしていきたいと思います。
武骨さと可愛らしさが絶妙にマッチしたデザインが独特の存在感を放つなっちん。
これまでも、キャビコのチョイプラシリーズで、全高約45㎜のミニサイズのキットが発売されていましたが、ついにコトブキヤに捕捉され(?)、同社の十八番であるフル可動に手軽なカスタマイズも可能なキットとして登場しました。
僕個人は、なっちんの存在は先のチョイプラでなんとなく知っていた程度なんですが、中程度のコトブキヤジャンキーなので(笑)、今回のキットもほぼ反射的に2種とも予約。実際にモノが来てからその詳細を知る、という感じでありました。
戦車なんですね、このコたち。
説明書に記載されているイントロダクションによると、
西暦2090年、急速なAI技術の発達で未来初速技術が当たり前になった世界で、高度未来予測型AIを搭載した新型ジリツ(カタカナ表記には意味があるのかな?)戦車を日本の陸上自衛隊が導入。
ほぼヒトと変わらない人格とコミニケーション能力を持つその戦車は隊員たちからは敬遠されていたようですが、唯一、菊理ナツキ1尉だけは乗機になっちんという名前を付けて、同じ隊員の一員として扱っていました。
そんななか、任務中にナツキとなっちんは世界の書き換え現象に遭遇。
自分たちだけが認識できるその現象に対し、その理由を求め、世界をモトのカタチに戻すために2人は動き出す・・
思いもしなかったハードな世界観でした。
とまぁそんなことで、なっちんというのは主人公(だよね)のナツキが自分の愛機に付けた愛称なんですね。
アルフォンスみたいなものですな。
いや、それよりははっきゅんか。戦車だし。型式由来でもあるし。
なので、機体全体をさす場合は7式ーⅢ型と呼ぶほうがいいのかも知れない。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに一部塗装、付属の水転写式デカールでの仕上げです。
陸上自衛隊07式ーⅢ型戦車 なっちん
まずは自衛隊カラーとしてもイメージの強いダークグリーンの通常Ver.から。
頭部一体型のずんぐりしたボディに大判のシールド(装甲版)を備えた腕部。
そしてその腕部と比較するとかなり短く小さい脚部に、尻尾のように見える後部のケーブル。
戦車というカテゴリの兵器ではありますが、リタイやタイヤといった走行装置は持たない、デフォルメ体型のいわゆるロボットです。
まぁ、レイバーも車輌扱いですから、これが戦車でもなんら問題はない・・と思う。
しかし、システム的なことはともかく、見ためがこうなったのは開発車の趣味でしょうね(笑)。
各部のマーキングは付属の水転写式デカール。
指定のすべてを貼っているわけではありませんが。
背面。
全高はおよそ100㎜と、チョイプラの2倍強ですが、コトブキヤのキットとしてはかなり大人しいサイズ感。
ただ、それで定価4000円は少々お高いと思ってのですが、そこはコトブキヤ、見ための可愛らしさとは裏腹に密度感のあるキットになっていました。
1/35スケールというのは戦車のプラモデルのスタンダードスケールでありますし、そこは当然合わせてきたのかな、とも思います。
それでは、各部をピックアップ。
頭部コクピットハッチ
設定通りに開閉。
※画像では見やすいように左腕部を取り外しています。
後頭部、額の順にスライド開閉します。
ただ、内部の再現度はさほどでもありません。
今後の展開も考えての開閉ギミックということらしいのですが、さてどうなるのでしょうか?
一応内部には空間があるので、操縦者なりなんなりを中に入れることはできます。
とはいえ、1/24スケールのガバナーには当然狭い(というか脚しか入らないww)ですし、
DTAもこの通り(むしろガバナーよりでかいしねww)。
同じ1/35スケールのゾイドワイルドのライダーフィギュアならしっかり収まりますが、姿勢がねぇ・・
結果こうなる(笑)。
ぱんつぁ~ふぉ~!
なっちんの目に当たる部分。
液晶パネルのようなものらしく、目線の変更だけでなく文字や記号の表示も可能なようで、このディスプレイで人や同じ7式とコミニケーションをとるのでしょうね。
キットでは正面目線の通常顔(?)が塗装済みで付属。目の部分は浮き出たディティールになっています。
それ以外に、無塗装、ディティールなし(ブランク)のディスプレイパーツが3つ付属し、デカールを貼ってパーツ交換をすることで表情(?)の変化を楽しむことができます。
デカールは通常Ver.とグレーVer.で共通で、ディスプレイ用のものはちょうど正面目線を除いて6種類あるので、
それぞれ貼り付けました。
パーツの成型色は違いますが、ほとんど気にならないのでどちらに使ってもよいでしょう。
腕部
武器などを持たせる場合は固定タイプの持ち手に交換します。
脚部
脛以下の形状が特徴的で、ネコの脚のようなデザインになっています。
足裏には肉球を思わせるディティールも。
せっかくなので黄色のマーカーで塗りました。
すでに端が剥げてますが・・
尻尾
電源ケーブルみたいなものでしょうか?
ケ-ブル部分は3㎜径のリード線で再現され、自由な表情付けが可能です。
先端のパーツには3㎜穴があります。
また、コトブキヤの真骨頂でもある自由なカスタマイズが可能な3㎜穴が、全身18箇所に備わっています。
それらの穴は、通常はカバーパーツで蓋をするのですが、そのカバーパーツが非常に小さいうえ、短いとはいえしっかり3㎜軸ではめ込んで固定する仕様なので、一旦はめてしまうと外すのがかなり大変。
だろうな・・と思いつつ通常Ver.のほうはとくになにもしないまま全部蓋をして組んでしまったあとで後悔した僕です。
この点についてはコトブキヤも公式ブログで言及しているのです(先に知りたかった・・)が、背中の左右については暗に蓋はするなとすら言ってる(笑)。
まぁ、見栄え重視でここまで小さなパーツになってしまったのだろうと思いますが、せめてキットに専用リムーバーを入れてくれるとか、もう少しどうにかできなかったものか・・
カバーパーツについては紛失や破損を見越してか、けっこう余分を付けてくれてはいるのですが、むしろ本体側に傷が付くんだよなぁ(背中の左右、縁が若干抉れてるでしょう? つまりはそういうことです・・)。
なお、胸部のパーツのみ1点ものなので注意です。
対策としては、カバー側の3㎜軸を半分ほどカットすると、多少外しやすくなるかと思います。
カットし過ぎるとポロリしまくると思うので、あくまでも自己責任でお願いします。
付属品
2種共通のオプションとして、股下の3㎜穴に取り付けられる専用スタンドと、お馴染みの汎用グリップ(✕2)、3㎜軸径のジョイントパーツ(✕4)が付属します。
ただ、3㎜ジョイントは緩め。
付属武器
コトブキヤ版オリジナル要素として、専用成型色のM.S.Gが付属します。
通常Ver.に付属するのは、
ウエポンユニット40 マルチキャリバー
サブマシンガンとマルチキャリバーガン、複数のマガジンやスコープユニットなどがセットになっており、数パターンの程度の組み換えが可能です。
まぁ、かなり初期のM.S.Gなので、最近のものと比較するとあまり拡張製はありませんね。
陸上自衛隊07式ーⅢ型戦車 なっちん(グレーVer.)
その名の通り、機体のカラーリングがグレーメインに変更されたなっちん。
都市名祭、あるいは寒冷地仕様っぽい雰囲気ですね。
ただ、先にも言ったようになっちんとはナツキの愛機の固有名称なので、これもなっちんとするなら塗り変えたということなのかな。
まぁ、そのへんの解釈はご自由に、というところでしょうか。
本体は成型色が違うのみ。なので詳細は省きます。
デカールは、なんとなく通常Ver.とは左右対称に貼りました。
コクピット周りのパーツのみ、デフォルトのダークグレー以外にほかの外装と同色のライトグレーのパーツも付属するので、お好みでどうぞ。
付属武器
こちらに付属するM.S.Gは、
ウエポンユニット05 バトルアックス・ロングライフル
すでに単体の生産は終了しているアイテムですが、バルクアームα密林戦仕様などにも付属するので、案外入手しやすい武装ですね。
ライフルのほうはスコープとマガジンの取り外しが可能ですが、アックスとともにとくに拡張製はありません。
比較画像
通常Ver.とグレーVer.で。
本体の成型色と付属のM.S.Gが違うだけ。画像ではM.S.G持たせ忘れてますが。
グレーVer.はコクピットハッチのパーツが2色付属するので、ある意味お得。
なんとなく似た雰囲気のロボたちと。
メカトロウィーゴは本来ハセガワ製ですが、画像のものはハンドスケール轟雷とのコラボキットで発売はコトブキヤからなので、実質コトブキヤキット(違う)。
なお、スケールは左からTAMOTU1/12、なっちん1/35、ウィーゴ1/20とバラバラなのですが、3機このままのサイズで並んでいてもまったく違和感ないですね。
以下、画像
公式の説明いわく、全身62箇所が可動するフルスペックフルアクションモデル。
腕部は球形の肩関節が前後スイング、横向きにはあまり上がりません。
また、肩間接パーツの接続軸が短いので、腕部全体がけっこうすぐに外れてしまいますね。
前腕はロール可動、肘は約90度曲がり、左右にスイングすることもできます。
腰部は引き出すことができ、回転、捻りが可能です。
ネコっぽいデザインの脛パーツは接続部で回転。さらに足首もかなり自由に動いてくれるので接地性も十分。
自立は尻尾も加えた3点支持でかなり安定しますが、バランスさえとれれば2本の脚のみで立つことも可能です。
股下にある3㎜穴を使ってスタンドディスプレイ。
短い脚が可愛い。
脚部はわずかですが股関節が下方にスライドし、膝も二重関節で深く曲げることができます。
なので立て膝もこの通り。
アックスの両手持ちはギリギリ無理ですね。
片方を平手にすればなんとなく持ってるようには見えます。
走るなっちん。
可愛い。
といったふうに、立ち姿のちんまりした姿からは想像できないほどよく動きます。
可愛いポーズから格好いいポーズまで思いのまま。
小隊イメージで。
でも、やっぱり2体だけだと寂しいなぁ。
もう少しお値段を抑えめにしてくれたら、数も揃えやすいんですが・・
では、お楽しみの組み換えをいくつか。
まずは公式でもやっていた足周りを履帯に交換した、
なっちんたんく
キャノン砲も付けたので、もうほぼあれです。
なっちん にゃんたうろす仕様
4脚にしてみました。
脚がウマじゃなくネコなので、にゃんたうろす。
HMMのパイルバンカーとの相性もばっちりです。あとはいろいろオプション追加で。
ちなみに、このレビューを書く前にTwitterでもこのにゃんたうろす仕様の画像を上げたのですが、その前に上げた破城槌仕様(両手にパイルバンカー持ってるだけのグレーVer.)のほうがいいね数多かった・・
ばるくなっちん
手脚をバルクアームのものに変更。
もうちょっと接続方法を考えて密着感を増せれば、十分アリですね。
オープントップとすれば、まぁがバナーも乗れなくもないし。
ただ成型色は微妙に違うんだなぁ・・
え~るなっちん
まぁ、やるよね(笑)。
一応、それぞれ非戦闘状態も。
あり合わせで急いでやったにしてはけっこうまとまったかな(自我自賛)。
え~るすとらいか~にはもう少し密着感が必要でしたね。
以上、“陸上自衛隊07式戦車 なっちん” でした。
MARUTTOYSのTAMOTUに続くデザイナーズブランドキットとでも言いましょうか、マスコット的な可愛らしさのあるロボットキャラとのコラボでさらに間口を広げていく・・さすが、勢いのあるメーカーです。
もっとも、今回のなっちんはデザイン、名称こそゆるキャラっぽい印象ですが、パッケージイラストは硬派で、店頭で初見だったとしたら、それこそフレームアームズの新作かと勘違いしたかも知れません。実際、世界観も予想外に硬派でしたし・・
そしてキットのほうも、外見に騙された(?)と唸るぐらいに硬派。
フルスペックフルアクションモデルと謳うだけのことはある可動性と拡張性。
かなり細かいパーツも多く、本文中でも触れた3㎜穴カバーのような罠(?)もあるので、プラモ初心者には少々ヘビーな内容になっているかもしれません。
その点、組みやすさもかなり考慮されたTAMOTUとが似ているようで対照的という感じ。
そういえば、あちらは世界観も平和でしたしね。
でも、同じ正解に共存していてもなんら不思議でない。そのうちコラボしそうな気すらします。ウィーゴも含めて。
コクピットハッチの開閉ギミックは今後の展開を考慮してのもの、ということなので、当然シリーズは続いていくものと思っていますが、まず思いつくのは付属のM.S.Gを変更したカラバリでしょうね。
あとは、やはりハッチ開閉ギミックを活かすという意味で、主人公の菊理ナツキなどのパイロットフィギュアの追加。とかでしょうか。
それ以外にも、07式V(バリエーション)として様々なデザインのナッチンが発表されているようですし、そこからのキット化も考えられますね。
外見がガラリと変わったなっちん、立体で見てみたいです。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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