今回のレビューは、トランスフォーマー キングダム より、
“KDー15 トラックス” です。
“戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” に登場したオートボット(サイバトロン)の
“戦士 トラックス” が、
キングダムで発売されました。
着々と最新リメイク共通フォーマットで揃っていくオートボットのカーロボ部隊。
アニメ中盤から登場した新戦力のなかでも、今回の主役であるトラックスはなかなかに異彩を放つキャラクターでありました。
スポーツカーに変形し、そこからさらにウイングを展開して空を飛ぶという、事実上のトリプルチェンジャーでしたからね。
彼が登場するまで、オートボットで空を飛べるのはジェットパックを背負ったサイドスワイプ(ランボル)くらいでしたし、なによりノンオプションで飛べるトラックスの特別感は際立っていた印象です。
まぁ、ほぼ同時期にパワーグライドとか、しばらくのちにエアーボット部隊も加わってオートボットの航空戦力は一気に拡充されたわけですが。
それでも、ウイング付きの青いコルベットが飛行する格好よさは唯一無二のものでした。
そんなヒーロー然としたトラックスですが、過去のリメイク機会はさほど多くなかった気がします。
マスターピース(MP)を除いての直近となると、日本ではユナイテッド(UN)シリーズとして発売されたものがありますが、これは同シリーズのホイルジャックの流用で、正直オリジナルのスマートなイメージとは別物でしたし。
今回のキングダム版は完全新規でのリメイクということで期待も大きかったと思うのですが・・すでに発売されている海外版では、構造的な問題が取り沙汰されておりました。
遅れることおよそ5ヶ月、ようやくに発売された日本版でははたして・・
レビューしていきます。
ロボットモード
真っ青なボディに真っ赤なフェイス、そして真っ白いヘルメットという、印象的なカラーリング。
プロポーション的には少ーし肩幅が広いので、若干ずんぐりしているように見えなくもないですが、腰の位置はけっこう高く、WFCトリロジーでリメイクされたほかの仲間たちと比較するとわりとすらっとしています。
おおよそアニメデザインのイメージに近いかと。MP版がスタイリッシュ過ぎるんだよね。
頭部は全塗装。
塗料のはみ出しなどはなく、しっかりとイケメンでした。
胸部のインシグニアも綺麗です。
前腕と脛前面のグレー、パンツの白は塗装です。
背面。
本来ビークルモードのルーフが変形する胸部がダミーで再現されていぶん、ガワが大きくなってしまっています。
そのせいで後ろ姿は甲羅を背負っているようで、若干野暮ったく見えます。
構造面ではMP版からのフィードバックが多いようで、とくに脚部の構造はかなり似てます。
そして、その脚部構造に批判が集中しています。
というのも、脛部分は前面のグレーのパーツと側面の青いバーツをジョイントで固定するのですが、そのジョイント(ダボ)が小さ過ぎてまったく固定できないんです。
結果、側面のパーツがフラフラと安定せず、自立もままならない・・ということが多いようです。
日本版で修正が期待されていた部分ですが、おそらくそのままですね。
幸い、うちに来たものは側面パーツがプラプラということはなく、固定されないままでもさほど問題ないのですが・・これはなんなんでしょうね?
こんなダボかどうかも判別できないただのでっぱりだけで固定できるわけないだろう、と。
設計ミスとかそういうレベルですらない気がする。
じゃあなんなのか? と問われると、わかりません、としか言いようがないのですが(笑)。
もっとも、僕自身そこに関しては世間が騒ぐほど気にならないのです。
側面パーツがプラプラ動かないから、つまり可動部の渋みが十分あるからなのですが、ただその可動部、ピン打ちされている部分をよく見ると・・割れてる。
しかも左右ともです。
まぁ、そうそう完全に割れて真っ二つになる、ということはないと思いますが、正直いい気分はしませんよね。
また、海外版では右の脛全面パーツにガッツリ製造番号が印字されていたそうです。
先にも言ったように脛前面パーツのグレーは塗装。塗装の上から印字するとか、どういう感覚なんだろうか?
まぁ、それがなくなっただけでも、日本版の評価は、少なくとも海外版よりはよくなるとは思いますが。
ほかには、これもわりと多く報告されているようですが、股関節、そして太腿ロール軸がちょっと緩めです。
このへんは個体差もあると思いますが、やはり緩いという話をぽろぽろ聞きます。
あと足パーツですね。
件の脛側面パーツに横向けに付いているという、MP版を踏襲した構造になっています。
可動自体はボールジョイントなのでかなり柔軟に動いてはくれるのですが、ご覧の通り完全に隙間が空いているので違和感がすごいです。
と、先に問題となっている下半身についておおよそ言及しました。
続いて上半身もあらためて見ていきましょう。
まず背中のガワですが、そのガワを繋いでいる頭部真後ろの支柱状のパーツが、なんか気になる。
というかこれのせいで頭部が左右45度ぐらいずつしか回せないんですよね。
あと、脇がスカスカ。
たまにいますけどね、こういうヒト。
そしてトラックスの一つの象徴とも言える肩のウイング。
かなり薄く造形されており、サイズもいい感じなのですが、なんと、上腕後面に直付けされています。
つまり、腕を回すとそのままウイングも回ってしまうのです(白背景なので見えにくくてごめんなさい・・)。
腕の動きでシルエットが大きく変わってしまいますし、なによりそんなんじゃ空中で姿勢制御できないよ。
それと、腕を回すとき、上腕前面に付いてるタイヤと肩が干渉する。
スタンド対応穴は腰裏にありますが、やはり甲羅みたいなガワが邪魔で非常に使いにくい。
なんとも重箱の隅をつつくような感じになってしまいましたが、気になりだしたら止まらなくなってしまって・・
付属武器
ブラックビームガン
名前の由来はそのままズバリ黒いから・・ではなく、目潰し効果があるからだそうです。
銃口部分は3㎜軸なので、シリーズ共通のエフェクトパーツの取り付けが可能。ほかにはとくに拡張性はありません。
側面の丸いダボは3㎜なのですがエフェクトを取り付けられるほどの長さはありませんし、仮に付けられたとしてなんなのか? というところでもあります。
熱追尾焼夷ミサイル砲
背部のガワに装備する、2基のミサイル。
オリジナルデザインではガワの左右に1基ずつ装備しているのですが、今回は接続基部を含めた2基一体成型というかたちに。
接続は5㎜軸なので、手に持たせたり、デフォルト位置以外の5㎜穴に取り付けることもできます。
ミサイル先端はやはり3㎜軸なので、エフェクトの取り付けも可能です。
ビークルモード
設定としてはシボレーコルベットにトランスフォーム。
今回はライセンス取得はされていないので、あくまで似た雰囲気の架空の車への変形となりますが、雰囲気はわりと再現されていると思います。
まぁ、実写はもっとボンネット部分が長いようですが。
変形パターンは、脚部の変形手順が少々面倒(とにかく脚がネックなんだな・・)なのと、最終的なガワ(ルーフ)の合わせが厄介。
というのも、ガワ全体がクリパーツな上に各部のジョイントの噛み合わせがかなりシビアなので、破損の危険が常につきまといます。
そこで、思い切ってジョイントを削ってしまいました。
フロント(画像上部)の二箇所は完全に削り落とし、左右側面は多少ひかっかるくらいのでっぱりは残して削りました。
格段に変形がスムーズになりましたね。
若干フロント部分が浮き気味になりますが、
そのときは下の画像、赤丸で囲んでいる部分を動かして微調整してやると、わりと綺麗にツライチになってくれます。
なお、クリアパーツの加工は慎重に。ニッパーなどで一気に切り落とそうとすると割れてしまうかもしれませんので。
武器は車体後部にまとめて取り付けることができます。
飛行モード
ビークルモードからウイングを展開した飛行形態ももちろん再現可能。
変形もロボットモードの腕部ごとメインウイングを広げ、さらに後部からリアウイングを起こすだけ。
腕部はとくに固定されませんが、へたることはないと思います。
ちなみに、説明書では前腕部の向きは上の画像の通りなんですが、パッケージ裏の画像では下の画像のようになっています。
こっちのほうがデザインとしてまとまってる気もする。
どっちが正しいんだろうか・・?
なお、メインウイングの根元(ロボットモードの上腕)、そしてリア部中央にも5㎜穴があるので、大型エフェクトを取り付けることでジェット噴射のイメージ再現も可能です。
ただ、せっかくの飛行形態なのに、底面にスタンド対応穴がないという詰めの甘さ。
もうことごとく・・
比較画像
ユナイテッド(UN)版と。ロボットモードで。
先にも言ったように、UN版は同シリーズのホイルジャックのリデコなので、トラックスのスマートなイメージからはほど遠いプロポーションになっています。
ただ、それ以外の要素についてはけっこう再現されており、以降今日までMP版を除くリメイク機会がなかったこともあり、僕のなかでのトラックスといえば永らくこのUN版でありました。
出来そのものも、今見てもとくに見劣りするする部分もありません。
ビークルモードでも。
パッと見は同じような車に見えますですが、よりコルベットに近いのは今回のもののほうですね。
飛行モードでも。
この形態については、UN版はけっこう無理矢理です。タイヤの位置も上下逆ですし。
まぁ、ホイルジャックにはない形態ですからね。
せっかくなので(?)ER版ホイルジャックとも。ロボットモードで。
まぁ、別物ですよね。今回のトラックスは新規造形でよかった。
それが、構造的に?な代物だったのは、また別の問題です。
UN版は、肩にウイングがあるという共通点だけでやったのかな? だとしたらよくやったほうだとは思うけど。
それに、このER版ホイルジャックのウイングはちょっと・・まぁ、ここで言うのはお門違いですが。
ちなみに、このホイルジャックの基本構造を踏襲してER版サンストリーカーが作られています(リデコではない)。
ビークルモードでも。
可動性自体はもちろん優秀なのですが、心許ない下半身、動かすたびにタイヤが擦れる腕部と、ガシガシ動かして遊ぶ気になりにくいのは残念・・
自立も、背負いもののボリュームに対して接地面が狭めなので、後ろに倒れやすいかなぁ。
パンツを跳ね上げることで太腿はおよそ90度上げることができるので、立て膝はまぁなんとか。
使いにくいスタンド穴を使って飛行ポーズを決めようにも・・
仕方ないから、足の裏からのジェット噴射で飛ぶ感じにしてみたよ。
というか、白背景だからウイングが見えない・・(汗)
今さらだけど、題材ごとに背景紙を変えるべきだろうか?
まぁ、武器にミサイルだけじゃなくブラックビームガンも付けてくれた点は評価できます。
シージからの流れだと、付属武器は1つだけ、というパターンも多かったですからね。
サンストリーカーなんて、武器ですらない・・
目潰しを食らえ!
まさかロディマスプライムの謎の黒煙エフェクトが活かせるときが来るとは(笑)。
飛行ビークルモードで!
本当、なんでこの形態で使えるスタンド穴がないのか?
画像ではなんとか引っかけてバランスをとっているだけです。
なんというか、痒いところにことごとく、ギリギリ手が届かない感じとでもいいましょうか・・
一言で言うと、惜しい。
同時発売のフォッシライザー(モール限定ですが)、ウイングフィンガーでウエポナイズ。
ウイングフィンガーのパッケージ裏画像のパターンから、少しアレンジしてみました。
飛行可能なもの同志、相性はいいかな。
サイバトロン戦士、トランスフォーム!
ともあれ、壮観だなぁ。
忘れてるやついない・・よね?
以上、“KD トラックス” でした。
オートボットの初期メンバーのなかでも比較的スマートなプロポーションで単独飛行も可能と、一際ヒーロー要素の強かったトラックス。
もっとも、だからといってとくに出番が多かったわけでもないのがトランスフォーマーですが(笑)。
しかし、人気のあるキャラであることは確かで、久々のリメイク、しかも待望の完全新規とあっては期待しないほうが無理だったのですが、蓋を開けてみれば・・
外見は、若干気になる点はあれど、まぁ十分納得できるレベル。
まったく別物だったUN版や、スタイリッシュ過ぎるMP版に対し、よりアニメデザインに近い雰囲気になっていたと思います。
ビークルモードのフォルムも申し分なし。もちろん飛行モードへも破綻なく変形可能。
武器もちゃんと完備されているし、最高じゃないか、と思ったのですが・・
実際にはいろいろと気になる点が出てくる出てくる。
もう繰り返すことは止めますが、とにかくいろいろと詰めきれてないというか、実際に遊ぶことを考えていないというか。
海外版から問題視されていた脛部分の不具合(?)については、幸い僕個人はさほど気にならなかったのですが、やはり構造的な欠陥であることは確かです。
個人の調整でなんとかなる程度のものとはいえ、完成品トイの品質としては問題と言わざるをえません。
同じ型のロードレイジはどうなってるんでしょうね。基本的には同じことなのだと思いますが・・
というか、彼女は日本で発売されるのだろうか?
まぁ本当、トラックスに関して惜しいと言うほかないです。
ポージングが決まれば、かなり格好いいだけに。
さて、気を取り直して。
いわゆるカーロボ部隊も残すところスキッズのみ。
そのスキッズは、まさかのMP化でこのトラックスなどと同時に発売されたばかりですが、生憎とロボットモードのサイズ感が合わないので並べられません(というか、僕はスキッスは買ってない)。
しかし、次期シリーズのレガシーでの発売が決定。すでに商品画像も公開されています。
日本での発売は、来年の夏頃かなぁ。
その前に、キングダムを綺麗にたためるんだろうか?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2021.12.02 07:23
2021.12.02 07:02