今回のレビューは、ノンスケール モデリングサポートグッズ より、
“プログレスボディ” です。
コトブキヤが展開するプラモデル用オプションキットシリーズ、“モデリングサポートグッズ(M.S.G)” に、
多数のジョイントで構成されるブロックパーツをコアとするデフォルメタイプの変形ロボット、
“プログレスボディ” が登場しました。
かつてD-STYLEというシリーズでゾイドや勇者シリーズ、さらにはトランスフォーマーなどを3頭身ほどにデフォルメしたアクションキットシリーズを展開していたコトブキヤですが、オリジナルデザインとしてのデフォルメロボは初めてではないでしょうか。
しかもM.S.G。ただのデフォルメロボキットではないことは明らかです。
まぁ、最初に言ってしまっているんですが、その本質は3㎜軸、3㎜穴を多数設けた小サイズのジョイントパーツの集合体であるコアブロック。
頭や手脚はオマケのようなものです(笑)。
実はそのコアブロック・・というかジョイントパーツ、のちに発表されたエヴォロイドシリーズに流用されるようで、今回のプログレスボディは事実上そのプロトタイプということになります。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みしたのみです。
まずコアブロックを構成する新規造形の汎用ジョイントパーツを、ランナー状態で。
このランナーが2枚付属します。
1枚のみでは成立しないパーツ(ユニット)もあるので、基本は2枚1セット。
とりあえず今回のプログレスボディでは、最下段の3つのパーツ(ハンドパーツと腰部基部パーツ)が1つずつ余剰となりますが、あとはすべて使用します。
それでは、まず説明書通りに各ユニットを組み立てます。
さらに、これらをプログレスボディ用のコアブロックとして組み立てた状態がこちら。
真四角の上半身(胸部)に逆三角形の下半身(腰部)を接続。
分かりやすいデフォルメ体型です。
この状態でも各部がこの通り展開、可動します。
頭部や四肢を接続するための軸パーツや、なぜか赤丸で囲んだパーツには接続軸にダボが設けてあり、穴側の形状に合わせてはめ込むことで回転しないよう固定する仕様になっています。
ある程度保持力が必要な関節部分の軸パーツを固定する必要があるのはわかりますが、少なくともプログレスボディ単体のサイズではただの軸でも問題ないですし、組み換えするにしても、状況に応じてダボはカットしてしまってもいいもしれませんね。
それでは、頭や手脚、その他のパーツを組み付けてプログレスボディ完成。
デフォルメロボット形態
かっこ可愛いデフォルメロボです。
あくまでM.S.Gということなので、成型色はグレーメイン。
なので、このままだとかなり地味というか、量産機然とした雰囲気がありますが、デザイン自体はなかなかにヒロイックで、塗装次第で化けると思います。
安易ですがブルー系統が似合うと思う。
頭部バイザー部分にはグリーンのクリアパーツを使用。
奥のフェイスパーツにはツインアイも造形されているので、そこをシルバーなどで塗っても映えると思います。
バイザーを付けない、というパターンもアリでしょう。
ホイルシールが付属し、それぞれ胸部と腰部のパーツに貼ることで設定のカラーリングを再現できます。
コトブキヤのキットにホイルシールが付くことはけっこう珍しいですが、エヴォロイドでも同様の仕様となるようです。
なるべくパーツ数を抑えることで価格の上昇も抑え(それでも2500円ww)、同時に組みやすさも確保する・・
エヴォロイドは低年齢層に向けた新シリーズということで、その事実上のプロトタイプであるプログレスボディもほぼ同じ設計思想になっているようです。
コトブキヤの新たな挑戦、というところですかね。
まぁ、とりあえず今回はシール貼りませんでしたけども。
背面。
ウイングやブースターなど、小さいながらも造形はもちろん抜かりなし。
FAやヘキサギアなど、他シリーズの改造パーツとしても有用なパーツばかりです。
まぁ、M.S.Gですし。
ライフル
手持ち武器としてライフルが1丁付属。
グリップ用以外にも左右に3㎜軸があるので、ジョイントパーツとしても使えますね。
では、変形させてみましょう。
説明書では、一旦頭部、上半身、下半身に3分割してそれぞれ変形(頭部はそのまま)させていますが、もちろんそのまま完全変形も可能です。
まぁ今回は分かりやすく、分割した状態でそれぞれの変形ギミックを紹介しようと思います。
まず上半身。
画像は真上からみた状態です。
腕部の基部ジョイントを前方に開きます。
腕部自体はまっすぐ肘を伸ばした状態。
そしてウイングを後方に倒して上半身の変形は完了。
続いて下半身。
脛外装の後ろ側を開き、足を収納します。
このサイズでもこういった細かい部分にもこだわるところは、さすがコトブキヤという感じ。
それから股関節を開きます。
画像では分かりやすいようにフロントスカートパーツを外しています。
脚部全体をぐるんと前方に回し、素論とスカートを展開して下半身の変形は完了です。
最後に頭部、上半身、下半身と連結させ、各パーツの位置を調節して完成。
戦闘機形態
デフォルメ感のあるジェット戦闘機に変形しました。
ギュッとコンパクトにまとまった感じが可愛らしい。
ちょっと腕部の処理が雑な感はありますが、それも敢えてのこともしれませんね。
コクピットハッチはクリアパーツで、もちろん開閉可能。
内部シートやコンソールも、あっさりめではありますが再現されています。
噂ではダイアクロン隊員が搭乗可能ということらしいですが、生憎とうちにはいないので、代わりに候補を。
マイクロウォーズのパイロットフィギュアでは狭過ぎました・・
当然ハッチは閉まりません。
オープンコクピットなら・・いや、無理か(笑)。
ゾイド(1/72スケールのほう。画像はHMM版のフィギュアですが)のパイロットフィギュアだと、今度は広過ぎるんですよね。
しかしまぁ、ほかに候補はいないし、現状はこれでよいか。
もちろんハッチもしっかり閉じますしね。
比較画像
あくまでサイズ感比較ということで。
FA レイファルクスと。
すぐ出せるFAがこいつくらいしかなかったので・・とくに関連性はないです。
デフォルメ化のお約束という感じで、プログレスボディの頭部がかなり大きいのがわかるかと思います。
仮にプログレスボディの頭部をそのまま使ってFA並のプロポーションのロボを作るとなると、かなりの大型機になりますね。
全高はほぼ同じくらい。
FAG シルフィーの残りのオプション、キット化してください・・
以下、画像
腕部と脚部の付け根、そして足首は軸にボールジョイントをはめ込むことで柔軟性のある可動を実現。
肘、膝はそれぞれ1軸関節による可動ですが、前後どちらにでも曲げることができます。
上腕や太腿のロール可動はありませんが、まぁこのプロポーションなら十分と言えるでしょう。
というわけでポージングをいくつか。
まずはロボ形態で。
接地性はよいとはいえませんが、自立にはまったく問題なし。
立て膝も・・一応できます。
まぁ、高さがほぼ変わりませんけども。
あと、ウィングパーツは邪魔になるので肩に移設しました。
片脚立ちでファイティングポーズ。
股関節を開けば上段蹴りのいけますよ。
肩基部を引き出して、ライフル両手持ち。
さすがに少し不自然になりますが・・
バックパックや腰裏パーツの3㎜穴を使えば、安定したスタンドディスプレイが可能です。
サイズ的にミニフライングベースが使いやすいですね。
戦闘機形態でも。
こちらも腰裏パーツの3㎜穴がスタンド用に使えます。
共闘イメージで。
とまぁ、普通に2個買いしております(笑)。
いや、当初は自分用に1個、甥っ子の本格プラモデビュー用に1個のつもりで予約していたんですが、TwitterのTLを眺めているうちに、これは複数個持っていないと真価を感じられない! と思い、急遽もう1個買い足しました。
甥っ子用のものを自分のものにしてしまったわけではないので、そこはちゃんと言っておきます(笑)。まぁ、まだ渡してないんですけどね。
サブフライトシステムとしての搭乗も。
ただ乗っけてるだけですけどね。
開放型コクピットのヘキサギアに乗せても、さほど違和感はないです。
これもただ乗っけてるだけですけどね。
ハンドル握ったりまではちょっと難しい・・
では、ここからいくつか組み換えチャレンジ。
まず、コアブロックの構成はそのままで、手持ちのM.S.Gなどジャンクパーツに近いものを使って。
プログレスクルーザー
名称は仮ですが。
コクピットを活かしたかたちで、そしてできるだけ公式の組み換え例とは違う雰囲気を目指してみましたが・・レイジングブースターを脚部にした時点でまぁ・・ね(笑)。
それでもわりといい感じにザコメカっぽいものにできたかな、と。
手脚の延長や足首関節などにジョイントパーツを使っていますし、ほかにもウイングやライフルなど、結局プログレスボディのパーツは(かなり限定的ではありますが)2体ぶん使っています。
クルーザー形態へ変形も可能。
基本的な変形ギミックは原型と共通で前後が逆になっているくらいです。
あ、コクピットの接続基部を起こしてますね。
それから、ライフルをジョイント代わりに腕部と脚部を固定しています。
ロボか形態からかなり大きくシルエットを変えられたので、我ながらなかなか上手くまとまったと思っております。
さて次は、単キット縛りの組み換え。
コクピットにゾイドのパイロットフィギュアを乗せられる=もうそれはゾイド! ということで、小型飛行ゾイドをイメージしてみました。
プログレスプテラ
ウイングなどが普通にジェット機のそれなので、生物感はあまりなく、メカ感強めですが、初期のゾイドなどと並べるとさほど違和感がないと思います。
ドップっぽい感じもある。
なかなかに可愛い。
コアブロックはほぼバラして構成を変えています。
フェイスパーツとハンドパーツのみ余剰になりましたが、ほかのパーツはすべて使っています。
飛行形態にも変形可能です。
さらに、2体を合体させることでカミナリ竜モチーフの中型機、
プログレスサンダー
に。
まぁ、ちょっと首が短いですけども。
ライフルなど一部パーツは取り付け位置を変えていますが、本体は背中合わせ8お尻合わせ?)に連結しているだけです。
あとは各部のパーツの角度や向きを調整して完成。
基本は頭側での操縦となりますが、状況に応じて尻尾側での氏宇銃に切り換えたり、瞬時に分離したりと臨機応変な戦闘行動が可能・・という設定。
コアブロックの構成はこの通りです。
合体形態は水陸両用ですね。飛行可能な単体形態と合わせ、あらゆる地形をカバーできる。
オマケ。
フルアーマーシルフィー
プログレスボディの頭部とハンドパーツをFAG シルフィーのものに交換し、さらにオプション類を取り付けてみました。
可愛いですね。
シルフィーの頭部接続は3㎜軸にボールジョイントをはめたものなので、そのボールジョイントごと取り外すことで移植は容易でした。
つまりはFAGならすべて頭部移植は可能。創彩少女も同一径なので、オッケー。メガミの径に合う単体ボールジョイントはあったかな・・
以上、“M.S.G プログレスボディ” でした。
似たコンセプトのキットにやはりM.S.Gのコンバートボディというものがありましたが、今にして思うと、あれはけっこうクセのあるキットで、組み換え難易度はけっこう高かったように思います。
今回のプログレスボディは、体幹部分(コアブロック)の組み換えに特化し、それこそブロックを組み立てるようにジョイントを繋げていって形状を出していく、という構成になっています。
デフォルトの真四角の上半身はあくまで基本形でしかなく、複数組み合わせることで体幹部分だけではなく、腕部や脚部フレームを構成することもできるでしょうし、それこそFAのフレームアーキテクトに匹敵する内部フレームを完成させることも可能だと思います。
これは、ジョイントパーツランナーだけの単品発売も考えてほしいですね。
2枚セットで1000円くらいなら、かなり売れるんじゃないかな?
外装パーツについては、ジェットモードでのコクピット開閉、パイロット搭乗可能というギミックは非常にポイントが高かったです。
ちょっとオーバーサイズではありますが、ゾイドのパイロットフィギュアが乗れたのは嬉しかった。
HMMと絡めるとデフォルメ感が強すぎてちょっと浮いてしまうもしれませんが・・
ダイアクロン隊員も乗れるということで、そちらと絡めるのも楽しそうです。
エヴォロイドでも同じことできるのかな?
拡張性を考えた場合、もっと軸パーツがあったもよかったかな、というところはあります。
コアブロックを基本の四角形に組んだとき、表面には穴しかないので、必然的に軸が足りなくなるんですよね。
まぁ、軸が欲しけりゃランナーを適当にカットすればいいし、ほかのM.S.Gと組み合わせるにしてもなんらかの軸パーツは付いてくるのでいいといえばいいんですが・・
ランナー未使用、単キット縛りの組み換えを考えるときは、そこがけっこう悩ましい問題でした。
ともあれ、今後のエヴォロイドの展開が非常に楽しみとなる出来映えでした。
この勢いのまま、エヴォロイド第2弾2種の予約も近々解禁されることでしょう。
さてさて、低年齢層を沼に引きずり込めるか・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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