ZWR ダグラス・アルドリッジ専用ファングタイガー レビュー

 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド列伝 より、

“ZWR02 ダグラス・アルドリッジ専用ファングタイガー” です。


 アニメ、“ゾイドワイルドZERO” に登場したカスタムゾイドをリリースしていく列伝シリーズに、

帝国軍の少佐、ダグラス・アルドリッジ専用の

“M型 サーベルタイガー種 ダグラス・アルドリッジ専用ファングタイガー” が

登場しました。


 当初は少々高圧的ながら帝国に強い忠誠心を持つ軍人という感じで登場したアルドリッジでしたが、度重なる敗北を経てどんどん性格が破綻していった印象。

 最後は生き残ったようですが、その後はどうなったのか・・

 搭乗したゾイドはスティレイザー、ジェノスピノ、そして真帝国軍に参加したあとに今回の専用ファングタイガー、オメガレックスと乗り継いでいます。

 劇中で一番ゾイドを乗り換えたライダー・・かな?

 さて、前作アニメでは頼れる兄貴分(ただし途中退場)の相棒として登場したファングタイガーが、続編では作中でも一、二を争う悪役の乗機として帰ってきたわけですが、ZOバイザーを装着した顔に追加武装、そしてなにより漆黒に真紅の差し色が映えるカラーリングが非常に格好良く、アニメ放送時からキット化を望む声は大きかったはず。

 結果としてアニメ終了から1年近く経ってからの発売となってしまいましたが、新規造形パーツに加え細部に塗装が施された豪華仕様での発売となりました。

 それでは、レビューしていきます。


ボーン復元

 もう見慣れた・・とも言い飽きた感もあるネコ科のボーン形態。

 もはや復元の書を見ることもないですね。

 ワイルドシリーズゾイドの3分の1はこれが中身なんじゃないか? とすら思ってしまいます。

 実際は全然そんなことないんですけどね。総じてメイン級なので、印象が強いんでしょう。

 と、そんなわけで(?)この形態では通常仕様から造形的な変更点はありませんが、成型色がシルバーグレーに変更。

 さらにサーベルタイガー種の特徴でもある長い犬歯を始めとした牙、そして四肢を接続するZキャップの周囲の円形ディティールがメタリックレッドで塗装されています。

 まるで血の色のような禍々しさですね。

 なお、Zキャップは帝国側武装ゾイド共通デザインのものに変更されています。


復元完了

 外装、武装を取り付けて復元完了。

 ディアス中佐のライガーと違ってブラストユニットは変更されていませんが、帝国所属となっているので目はZOバイザーで覆われ、2種の武装と機動性を向上させるブースターが追加装備されています。

 装甲パーツにはとくに塗装はされていませんね。

 基本的に近接戦闘しかできなかった通常仕様から、中距離の射撃戦もこなせる万能機へと強化された感じですね。


 今回、新たに追加されたパーツは以下の通り。

 ZOバイザーが追加された頭部外装と、武装取り付け用の3㎜軸が増設されたパンテラアーマー、後脚に装備するAーZロケットランチャー、腰部外装と一体化した全天候型パイパワーブースターSが新規造形パーツとなっています。

 AーZレーザーガンはゼログライジスのキャンペーンやギルラプターLCに付属したものの流用ですね。


 では、それらを含めて各部をピックアップ。

頭部

 ZOバイザーは例によって外装との一体成型で、バイザー部分が塗装されています。

 頭部外装の形状自体は通常仕様から変更はありません。

 ただ、これまでの帝国側武装ゾイドはボーン形態に目玉パーツを付けた上からバイザーの造形された頭部外装を取り付けることができていましたが、このアルドリッジ専用機については目玉パーツを外した状態でないとこの新規造形の頭部外装を取り付けることができません。

 内側が妙に出っ張っているせいなのですが、それってこの外装パーツが完全に新規造形ではなく、既存の金型になにかしらの手を加えて成型されたもの・・ということなんだろうか? 


AーZロケットランチャー

 後脚外装に追加装備する、2連装のロケットランチャー。

 新規造形です。

 発射口らしきディティールはありませんが・・


全天候型ハイパワーブースターS

 起動骨(電動スイッチ)に直結する放熱ユニット(HMMいわく)の左右に、通常仕様ではスタイビライザーにもなるフィンを装備していましたが、アルドリッジ専用機ではより機動性向上を目的としたブースターに換装されています。

 このブースター、デザインは改造武器セットに含まれていた同名のブースターとほぼ同じですが、明らかに小型化されている(だから末尾にSが付いている)ので、相似形で小型化されたものが新規造形で付属するのだろう、と思っていたのですが・・

 まぁ、新規造形には違いなかったのですが、まさかの装甲も含めての左右2基一体成型でした。

 ともあれ、裏面には起動骨に取り付けるダボ穴以外にも3㎜穴があるので、ほかの機体へのカスタムにも使えます。

 装甲部分は塗装でカラー再現されてます。


ブラストユニット

 巨大な2本のブレード、ツインドファングと電気発生装置、エレキジェネレーター、それらを保護するパンテラアーマーからなるユニット。

 本体とは独立したユニットとして簡単に取り外すことが可能。

 これ単体でもなんらかの小型ゾイド感があります。

 古代の軟骨魚類か、甲殻類系ですね。

 パンテラアーマー、エレキジェネレーター、そしてツインドファングとけっこうな箇所がメタリックレッドで塗装されています。


AーZレーザーガン

 ブラストユニットの側面に追加装備されたレーザー砲。

 この武器の追加に伴い、先にも言ったようにパンテラアーマーが3㎜軸付きにものに変更されています。

 これも金型改修(加工?)によるものかもしれません。


兵器開放(マシンブラスト)形態

 武装ゾイドなので、基本的なギミックは同じでもワイルドブラストではなくマシンブラストだそうです。

 パンテラアーマーが左右に開きし、後方にたたまれていたツインドファングが前方に展開します。

 例によって電動歩行ギミックに連動してこの形態に移行しますが、通常形態へは手動でしか戻せません。

 なお、頭部を下げることで手動でもワンタッチ(?)でブラスト形態への変形は可能。

 エレキジェネレーターは手動で前後にスイングします。


 ちなみに、頭部と腰部の外装は通常仕様のものも付属するので、武装なしの黒いファングタイガーとして組むことも可能です。

 まぁ、パンテラアーマーは軸なしのものは付属しませんし、Zキャップも武装ゾイド用のものしかないので、完全な野性ゾイドとしての復元はできませんが。

 目玉パーツはメタリックレッドで塗装されています。


電動アクション

 4足での歩行からのブラストギミック発動の流れは基型・・というか、大半のネコ科ワイルドゾイドと共通です。

 前進と同時に頭部(首)が段階的に下がっていき、4段階めまで下がったところでパンテラアーマーが開き、ツインドファングが前方に展開。

 以降はツインドファングの振り下ろし動作に本体も口の開閉が加わり、前進を続けます。

 AーZレーザーガンが前脚の動作に干渉しやしないかとちょっと不安だったのですが、さすがにそんなことはなかった。

 ただ、これは個体差なのかもしれませんが、このZOバイザー付きの頭部外装を取り付けていた場合、一度口を開くとその位置で絶妙にバランスがとれてしまうのか、そのまま口が閉じないという状況になってしまいました。

 外装をなしや、通常仕様の外装を付けた状態なら問題なく開閉したんですが・・結局、ボーンパーツの可動部の穴を内側を削り、ゆるゆるにしてなんとか開閉するように・・


 ブラストユニットを交換して。

 背中の連動パーツまで外す必要がありますが、ディアス専用ライガー(というかキャノンブル)のブラストユニットを取り付けることも可能です。

 もちろん9連キャノン砲も連動して動きます。

 ただし、頭部は下がったまま。


比較画像

 基型となる “ZW19 ファングタイガー” と。ボーン形態で。

 ボーンパーツの成型章句が黒からシルバーグレーに、Zキャップもグリーンの野性タイプデザインからシルバーの武装デザインに変更されています。

 あとはやはり血の色のように真っ赤に塗装された牙でかなり印象が変わってきますね。


 外装および武装を取り付けて。

 外装が黄色から漆黒に。

 ZOバイザーや追加武装は、実はそれほど目立ちません。

 武装についてはあくまで補助的なもので、機体本来の性質はほぼそのままで総合性能を向上させる改造というコンセプトなんでしょうね。

 そういう意味ではディアス中佐のライガーとはまったく方向性が違います。


  ブラスト形態でも。

 なのでこちらも、シルエットはほぼそのまま。

 ツインドファングを、より大型の新規のものにするくらい大胆なことをやってもよかった気はします。


 武装なしでも。

 パンテラアーマー側面の3㎜軸の有無以外は、成型色変更と塗装が追加されたのみです。

 列伝シリーズ第1弾、“ZWR01 クライブ・ディアス専用ワイルドライガー” と。

 先にも言ったように、改造の方向性がまったく違う2機。


 ブラスト形態でも。

 本来の性能を向上させたうえで、持ち合わせていなかった中距離での攻撃手段も手に入れたファングタイガー改と、本来の性質とは真逆の遠距離攻撃に特化させたワイルドライガー改。

 どちらがゾイド自身にとってよいのか・・

以下、画像

 HMMを組んだあとだとどうしても見劣りしてしまいますが、ちょっと工夫してアクションさせてみます。

 というか、連動軸を外して四肢の位置をズラしてみるくらいですが・・

 意外とうまいこと走ってる感じで撮れましたね。


 ブラスト形態でも。

 ユニットは展開させたまま首を上げることはできるので、その点ではディアス専用ライガーよりもポージングの幅はあります。


 横から。

 頭を下げて、尻尾を上げて威嚇してる感じで。

 まぁ、これくらいが限界ですな・・


 VSディアス専用ライガー。

 ここまで接近されたらもうライガーに勝ち目ないでしょ。

 ほらね(笑)。


 以上、“ZWR ダグラス・アルドリッジ専用ファングタイガー” でした。


 まさか今になって連続でゾイドのレビューを上げることになるとは思いませんでした。

 しかも2匹とも虎。まぁ、メーカーは違いますけど。

 これでHMM レブラプターがもう少し早く届いてくれれば、3連続ゾイドという可能性もあったなぁ。

 まだ発送してくれないけど・・(悲)


 さて、旧シリーズのグレートサーベルを思わせる漆黒のタイガー。やっぱり格好いいですね。

 個人的にはライガーよりはタイガー派。共和国よりも帝国派なので、今回帝国側になったこのファングタイガーは好みにドンピシャであります。

 キットとしては本文でも何度も言っている通り、通常仕様から大きな変更点はなく、あくまでカラーリングの変更と補助武装の追加のみというところ。

 ブラストユニット2つにさらに武装も追加されていたディアス専用のライガーと較べると、正直なところボリューム的に物足りないところはありますが、そのぶん新規造形パーツが多めという印象です。

 これが、たとえ限定だったとしてもアニメ放送当時に発売されていればなぁ、ゾイドもまだ生き存えていただろうに・・

 いや、まだ死んでませんから(汗)。

 しかし、例の廃盤につき在庫限り! と書かれたポップの貼られた棚の画像を見たときは、まぁわかっていたこととはいえ悲しかったですね。

 そりゃあね、店舗側にとっては迷惑ですよ。

 メーカーが全然売る努力をしないうえに、おさらく数ヶ月もはっきりしたことを言ってこないわけだから。

 ただこれで、まだあるうちにと確保に走るファンが増えて一気にモノが市場からなくなる可能性はありますね。

 あの店のあの棚にずーっと並んでるたくさんのゾウさんも、そのうちみんないなくなるのかな?

 うちの甥っ子、5歳ですが、春頃に、クリスマスプレゼントはお腹の開くゾイドが欲しい! と言ってたんですよ。

 ゼログライジスのことですね。

 しかしまだ5歳。実際のクリスマス頃にはもう別のものに興味が移っているかもしれなから、さすがに春の時点で確保しないほうがいいだろう、と思っていたら、つい先日また同じことを言ったそうです。

 まだ5歳で、アニメもろくに見せてなかったのに、半年間も気持ちが変わっていない。

 そんな子供もいるんですよ、タカトミさん。

 もちろん、僕の布教の賜物でもあるわけですが(笑)。

 とりあえずゼログラ確保しました。

 だからまた、一般販売のシリーズも復活させてください。

 列伝シリーズも第6弾が発表されて、それは喜ばしいことだけれど、やっぱりまた店頭にずらりと並ぶさまを見たいんですよ。

 ゾイドはまだ死んでない!

 そのことを、もっと広く世間に知らしめてほしい。

 

 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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