KD サイクロナス レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー キングダム より、

“KDー07 サイクロナス” です。


 “トランスフォーマー ザ・ムービー” および “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー2010” に登場した、ディセプティコンの

“新航空参謀 サイクロナス” が、

キングダムで発売されました。


 新生ディセプティコンのナンバー2。

 かつての面影もなく、暴力と恐怖で軍団を支配し、物語が進むなかでどんどんおかしくなっていく新破壊大帝ガルバトロンにただひたすらに尽くす苦労人・・そんなイメージのナスさん。

 ヘッドマスターズでのキャラ変は、溜まりに溜まったストレスが爆発した結果なのかな?

 先日、配信日が確定したネトフリ版アニメ、キングダムではどういった役どころになるのか・・そもそも登場するのか?

 まぁ登場するからこそスタジオ86ではなくキングダム枠になったのだと思いますが。

 オリジナルのザ・ムービー、2010ではもちろんデ軍の主要キャラであり、過去にも何度かリメイクされていますが、近年はほかの2010メンバーに較べるとやや露出が少なかったというか・・ちょっとほかとは絡めにくい仕様だったりもしたので、今回のリメイクは満を持してという感じがします。


 それでは、レビューしていきます。


パッケージ

 ロボットモードのイラストが前面に来るパターン。

 いい顔してますわ。

 キングダムではそれほど苦労しないのかな。

 そして、この段階でナスさんがかなりでかいこともわかりますね。


 ちなみに、付属のゴールデンディスクカードはダイノボットでした。

 結果、WAVE1のカードはアーク4枚、オプティマスプライム1枚、ダイノボット2枚でブラックアラクニアは当たりませんでした・・


ロボットモード

 まず、でかい。

 クラスはボイジャーですが、本体のボリューム感は同じWFCトリロジーシリーズのリーダークラスに匹敵します。

 サイクロナスこんなにでかかったっけ? と思ったりもしたんですが、BDで当時のアニメを見返してみると、ガルバトロンよりも頭半個分ほど大きく描かれている場面も多く、なるほど、これくらいの上背はあったのか・・と再認識。

 ただ、当時のアニメは話数や場面によってサイズ感がまったく違うことも多いので、あくまでイメージという感じですが。

 さてサイクロナス、先にレビューしたスカージ(あちらはスタジオ版でしたが)同様、ザ・ムービー劇中においてオートボットとの戦いで負傷し、宇宙に放逐されたディセプティコン兵士がユニクロンの力により新生した姿なのですが、基になったキャラクターはスカイワープともボンブシェルともいわれています。

 まぁ、そのポジション、そしてガルバトロン=メガトロンへの忠誠心を鑑みるに、スカイワープが前身、あるいはベースであると思いたいところです。

 さて、全身のプロポーションですが、オリジナルのアニメデザインのむっちり感を残しつつ、全体には少し角張った造形になっており、その点ではスタジオシリーズとは違う、WFCトリロジーシリーズらしいアレンジが加わっていると思います。

 ビークルモードのコクピットディティールの向きが、アニメデザインとは上下逆転していますが、すっきりと上手くまとまった背面。

 ビークルモードで特徴的な長い機首パーツも、この形態では一切見当たりません。

 ウイングも後部の縁を折りたたむことで、ロボットモードでちょうどいいボリュームに。

 目立つ肉抜きもほとんどありません。

 ディティールは比較的シンプルに抑えられている印象。

 WFCトリロジーシリーズなので、当然各部には適度に5㎜穴も配置されています。

 顔は・・少し面長ですね。というかSS ブラーと一緒で顎が長い・・

 そして若干たらこ唇。眉毛はないですね。

 少しアニメデザインとはイメージが違いますが、ザ・ムービーから2010までの強いサイクロナスの雰囲気は感じられます。

 目には集光ギミックがあり、なかなか鮮やかな赤に光ってくれます。


付属武器

酸化レーザー

 おおよそアニメ版のデザインを再現。

 全体がシルバーで塗装されており、銃口も3㎜軸になっているので、シリーズ共通のエフェクトパーツの取り付けが可能です。


ビークルモード

 前進翼タイプのSFジェット機にトランスフォーム。

 フォルムにサイズ感・・もう完璧といっていいでしょう。

 機首もしっかり長く太く、イメージ通り。

 コクピットのキャノピー部分はクリアレッドのパーツで再現されており、それがまたいい面構えになっています。

 

 非常にまとまりがよく、上面はほぼツライチで美しいです。

 後部も、ロボットモードの足が完全に収納され(サウンドウェーブの脚部変形構造が流用されています)、腕部が変形するエンジン部分と合わせ、スラスターが4基整然と並ぶ様は気持ちいいです。


 機首および本体後部底面(ロボットモードの脛前面)からはランディングギアを展開させることが可能。

 航空機に変形する型で、ちゃんとランディングギアの展開が再現されるのって久しぶりな気がする。


 変形は、本体部分こそオリジナルトイを踏襲して脚部を縮め、腕部を揃えて固定するくらいですが、胸部を開いて長い機首パーツを順繰りに伸ばしていく過程は秀逸。

 まず両腕基部を開き、

続いて胸と背中を開きます。

 頭部が生えている中身その1を一回転。

 さらに中身その1を開き、折りたたまれていた中身その2を伸ばします。

 で、一旦閉じる。

 そして今度は中身その2も開き、中身その3=機首先端部分を伸ばします。

 中身その2を閉じ、胸と背中も閉じ、最後に腕部基部をぐるんと一回転させて上半身の変形は終了です。

 かつてヘケヘケ版でリメイクされた際も、機首はロボットモード胸部に収納されていましたが、今回のKD版では当然さらなる進化を見せてくれました。

 マトリョーシカみたい。


 変形パターンとは直接関係はないのですが、ビークルモードで唯一残念だったのは本体側面のガワパーツの歪み。

 腕部の基部を兼ねたパーツで、わずかに浮いて隙間が空くのは仕様のようですが。うちに来たものは右側の隙間が若干広くなっていました。

 おそらく軸打ちが微妙に歪んでいるのだと思います。

 個体差の部類だと思いますが、同様報告はけっこう多かった印象。

 ただ浮き具合が大きいだけ・・というのならそこまで気にしないのですが、変形時にほかの部分と干渉し、角が擦れてペキ、とか音がするのでちょっと嫌な感じです。

 いきなり割れたか!? と、初回変形時はビビりました。

 気付いてからは、慎重に少し浮かせ気味にしながら動かすようにしてます。


比較画像

 オリジナルトイと。ロボットモードで。

 独特なスタイルがわりと癖になるサイクロナスのオリジナルトイ。

 かなり濃い紫色も、アニメ版のイメージとは大きく違います。

 2010放送当時、僕は小学校低学年でしたが、正直2010から登場した新キャラクターたちはそれほど好きではありませんでした。

 トイも、持っていたのはこのサイクロナスとホットロッドのみ(どちらもまだなんとか無事な状態で残っています)。

 というか、今にして思うとなんでその2人だけ持ってたのか謎ですね。買ってもらったときの記憶がまったくない・・


 ビークルモードでも。

 オリジナルトイもなかなかの再現度。

 機首先端のデザインが違うくらいで、非常に綺麗にまとまっています。すごく薄いし。

 さすがに機首の変形は背中側に折りたたまれていたものを伸ばすだけなので、その点ではやはり35年の進化を実感できます。


 ヘケヘケ版と。ロボットモードで。

 ヘケヘケシリーズでもかなり後期に発売されたサイクロナス。

 サイズはデラックスクラスで、パートナーとなるターゲットマスター、ナイトスティックが付属しているので、厳密にはヘッドマスターズ(リバース)版ということになるのかもしれません。

 カラーこそアニメ版に近い明るい紫になってますが、プロポーションはわりとスタイリッシュにアレンジされています。

 ちょっとイメージより若々しい感じかな。

 あと、左の拳が完全な握り手になっていて、右手でしか武器を持てないという謎仕様・・


 ビークルモードでも。

 基本的なシルエットは踏襲しつつ、やはりアレンジ強めのヘケヘケ版のビークルモード。

 ロボットモードの胸部を開き、機首を展開していく変形パターンは今回のKD版の礎になったはず。

 KD版では展開ステップが1回増えています。


 ユナイトウォリアーズ(UW)版と。ロボットモードで。

 日本ではUWーEX グランドガルバトロンのコアロボ、タクシティアンサイクロナスとして発売されたお方。

 シルバーボルトのリデコということもあり、単体での再現度は少し厳しいアイテムではありますが、そこは合体ギミック前提なので大目に見るという感じ。

 しかし、同時期にレジェンスでヘッドマスター仕様とはいえほかの2010キャラの多くが当時としてはかなりよい出来でリメイクされるなか、彼とレックガーのみがとり残されていたのが気の毒ではありました。

 そういう意味でも、今回のリメイクはまさに待望といっていい。レックガーも、SS86で来ますしね。


 ビークルモードでも。

 こっちも・・まぁ、ね。


 ライバル、ウルトラマグナスと。

 ウルトラマグナスのアースモードはまだ日本では発売されていないので、とりあえずサイバトロンモードのシージ版で。

 いいサイズ感。

 リーダークラスと並んでもまったく引けをとらないナスさん、すごいです。


スカージ(SS版)と。ロボットモードで。

 シリーズは違えど、この2人が同時発売されるとは・・

 スカージもでかいと思ったけど、サイクロナスはさらにでかい。

 じっくり見ると、やはりWFCトリロジーシリーズとスタジオシリーズの方向性の違いというものは見えてきますが、極端な違和感はなく、普通に並べて遊ぶのにはまったく問題ないレベルです。


 ビークルモードでも。

 サイクロナスと無敵艦隊・・の再現はなかなかキツいな。

 2機だけですでに十分な満足感あるからいいけど(笑)。

 前身とされるスカイワープ(ER版)と。ロボットモードで。

 あらためて、サイクロナスの大きさがよくわかってもらえるかと。

 しかし、サンダークラッカー⇒スカージでもそうでしたが、デザイン面でとくに共通点はないですね。

 強いて言うなら紫・・といってもスカイワープのイメージはむしろ黒だしなぁ。


 ビークルモードでも。

 地球上に実在するものとSFデザインという違いはあれど、ジェット機に変形するという部分は共通なので、その点ではサンダークラッカー⇒スカージの場合よりも原形を留めているといえなくもない・・

以下、画像

 WFCトリロジー基準で可動は良好。

 肩も考えられたパーツ構成でデザインと可動とが両立されており、そのまま横方向に水平まで腕を上げることが可能です。

 腰はフンドシ部分で回転可動。もちろん太腿も回転できます。

 デザイン上、足首の左右スイング幅は狭めですが、比較的シンプルな体型なので自立も安定。

 膝は変形都合もあって二重関節になっており、深く曲げることが可能。

 立て膝も綺麗に決まります。


 トランスフォーマーとしては珍しく首が可動するので、前傾姿勢で少し顔を上げたり、

逆に顎を引いて、見下ろすようなポーズも自然に再現できます。

 なおスタンド対応穴は股下にあります。


 匍匐前進だって!

 拳も回転します。


 のちの相棒、ナイトスティックのウエポンモードも装備して。

 ナイトスティックのグリップも5㎜軸なので、そのまま保持可能です。

 サイズはむしろちょうどいい感じ。


 ついでに(?)、ボンブシェルのウエポンモードも持たせてみたり。

 まぁ、ほぼでかいカブトムシ持ってるだけですけどね(笑)

 エフェクトパーツも付けられることに気付けたのはよかったかも。


 ビークルモードでも。

 後部スラスターはすべて5㎜穴になっているので、エフェクトパーツが取り付け可能。

 さらに酸化レーザーにもエフェクトパーツを付けて。

 それと、あとから気付いたんですが、これ機首の先端にも無理矢理エフェクト付けられるな・・


 なお、ビークルモード時専用のスタンド対応穴はありません。

 ロボットモード股下の穴が使えないことはないのですが、かなり奥まった位置になってしまうので、使えるスタンドは限られてきます。


 VSウルトラマグナス。

 お互いを戦士と認め合うよきライバル関係。

 この再現度、サイズ感でガチンコ勝負を再現できる時が来ようとは・・

 まぁ、まだウルトラマグナスはサイバトロンモードなので、KD版のアースモードを入手したら、あらためて対決シーンを撮りたいですね。


 スカージとの共闘イメージで。

 デストロン(ディセプティコン)軍団アターック!

 ガルバトロン様の到着までこの戦線を死守するのだー!


 さて、KD ガルバトロンの日本発売はいったいいつになるのやら・・


 前世の記憶に・・惑わされてる暇などないサイクロナスさん。

 リーダーはあんなだし、部下もあんなだし・・

 気苦労の絶えない中間管理職、サイクロナス。

 今もスカージたちの働きをしっかり監視しています。気の休まるときがないですな。

 今さらながらイッキ見BD BOXで2010を見返しているのですが、切なくなるシーンもちらほら・・

 適度にストレス発散できてれば、ヘッドマスターズでもそれなりに活躍できたのかも・・とか思ってしまいます。

 たとえばこんなコスプレとか・・

 すみません、ふざけ過ぎました。


 以上、“KD サイクロナス” でした。


 特徴的なウサ耳(?)を覗くと、案外地味なロボットモード。ビークルモードも綺麗にまとまってはいますがデザイン的には古臭さは否めませんし、付属品も銃が1つのみと、商品内容としては至ってシンプル。

 しかし、その圧倒的な再現度、そしてボリュームは、まさしくあのサイクロナス。

 新生ディセプティコンのナンバー2として現れた当初の、強いサイクロナスそのものという感じです。

 なので逆に言うと、当時のアニメを知らない今の子供や若い世代にはまったく刺さらないんじゃないかなぁ・・

 まぁ、そんなの今に始まったことじゃないんですが(笑)。


 いやしかし、とにかくまずその大きさにびっくりしましたね。

 あらためてスカイワープとの並びなんか、相手がデラックスクラスに見えますもんね。

 それでいて張りぼてということもなく、しっかり中身が詰まっているのだからすごい。

 その詰まっている中身を次々に展開していく変形も、非常に気持ちがよいです。

 可動性も十分。ロボットモードでの飛行シーンも印象的なキャラですし、首が動かせるのはポイントが高かったですね。

 個体差か、ビークルモード側面のガワの軸打ちが歪んでいたことと、やはりビークルモードでスタンド穴が使いにくいという2点のみ、少し気にはなりましたが、それらもあえて粗を探せばという程度のことで、総合的にはほぼ文句のつけようがない、非常によい出来だと思います。

 早くガルバトロンの隣に立たせてやりたいところですが、その肝心ガルバトロン、海外版の初期ロットではどうやら組み間違いが起きているようで・・

 はたして日本版はどうなるのか? そもそも年内に発売されるのか?

 まぁ、多少遅れてもこのサイクロナスならなんとか戦線を維持してくれそうな頼もしさを感じます。スカージもいるしね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

 

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 退屈と惰性と

    2021.06.16 12:42

    @あけち?ともあきスカージもよかったけどサイクロナスもいい!変形の楽しさはナスさんのほうが勝っていますし、期待以上でしたね。 早くアースモードのウルトラマグナス、そしてまだ日本発売がいつになるかわかりませんが、ガルバトロンさまと並べたい!
  • あけち?ともあき

    2021.06.16 12:31

    これは傑作でしたね……!いじって面白い、変形させて面白い、でかいし存在感あるし、全体の作りがガッチリしてるので、ガシガシ遊んでも大丈夫。まさかサイクロナスがこれほどいいできだとは思いませんでした。たしかに、ウルトラマグナスのアースモードが欲しくなってしまいますねw