今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー62 スカージ” です。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” および “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー2010” に登場した
ディセプティコンの親衛隊兼追跡者集団、スウィープスのリーダー、
“スウィープス参謀 スカージ” が
スタジオシリーズで発売されました。
先のハズブロ ファンファーストフライデーで新アイテムの発表もあった86シリーズですが、そこで確定しているものまでを含めて、今のところ唯一のディセプティコン勢がこのスカージ。
サイクロナスにガルバトロンまでキングダムに割り振られ(?)ましたからねぇ。独りで寂しい思いをしているような・・
パッケージ裏も可哀想なことになってますし(笑)。
さてそんなスカージ、ザ・ムービーが実質的に公開されなかった日本では、2010でいきなり出てきて、誰? となった人も多かったことだと思います。
まぁ、2010のレギュラーキャラ、ほぼほぼそんな感じでしたが(笑)。
オートボットとの戦いで負傷し、宇宙空間に放逐されたサンダークラッカーがユニクロンの力で新生した・・というのが、ザ・ムービーで描かれたスカージ誕生の経緯だそうですが、その際、周りにいたインセクトロンたちも同時にスウィープス部隊へと生まれ変わっており、厳密に誰がどうなったのかはよくわからないようです。
まぁ、リーダー格のスカージですから、やはりベースはサンダークラッカーなのだと思いますが、単体で生まれ変っているのか、ちょっとばかりインセクトロンの要素も混ざっているのか・・
とりあえず、ザ・ムービーの4KBD、日本でも発売して。もちろん、日本語音声付きで。
レビューしていきます。
ロボットモード
過去にも何度かリメイクされているスカージですが、だいたいがデラックスクラスでのリメイクだったと思います。
しかし今回は、ボイジャー。
思っていた以上にボリュームがあります。
劇中でのサイズ感再現はもちろんのこと、全身とされるサンダークラッカー(を含むジェットロン)がWFCトリロジーシリーズでボイジャークラスになっていることも理由の一つかと思います。
パワーアップしたあとの姿が、前の姿よりも小さかったらがっかりしますもんね。
まぁ、そういうパターンもあるけど。
ともあれ今回のロボットモード、素晴らしくスカージです。
特徴的な髭面にちょんまげ。
フェイス部分は全塗装。
ちょっと顎に塗料がはみ出してるのが気になりますね・・あとで修正するか。
目は塗装再現されており、集光ギミックはありません。
ほか、ムッチリ感のあるボディライン。そして背中の、コウモリの羽を思わせる禍々しい形状のウイングなど、さすがスタジオシリーズ、劇中デザインの再現度は過去一ですね。
拳は、これも特徴的な爪の形状を再現。
ネイルもちゃんと塗られていてお洒落。
左のみ指が開いた状態になっており、2010でのエピソード再現のためのアレを持たせることも可能になっています。
なお、本体の薄い水色はほとんどが塗装で再現されています。
後ろから見ると・・さすがにウイングにガワ感が残っていますが、数箇所で折りたたまれ、アニメデザインのシルエットに近付ける努力が見られます。
なにより、十分なボリュームがあってハッタリが利いています。
ただこのウイングのせいで重心が後方に偏りがちで、足首にもあまり柔軟性がないので、自立はやや安定性を欠きます。
太腿の裏側には、なんとなくブースターを思わせる形状で肉抜きをカバーする工夫が。
足首には、すでに定番になっている左右スイングは仕込まれているのですが、デザイン上の問題もあって可動域はごくわずか。
さらに個体差だとは思いますが可動部に少しテンションがかかっていて、動かしてもバネのように元の位置に戻ってしまいます。
軸打ちが少しズレてるのかなぁ。片脚だけならまだしも、両脚ともですからねぇ。
あと、ゲート処理が雑・・
付属品
レーザーブラスター
成型色のままなのが少し残念ですね。せめてスコープくらいは塗って欲しかったかも。
でも、大型で迫力があります。
画像では逆側なので見えていませんが、右側面には5㎜軸があり、手に持たせる以外にも、スタジオ86シリーズとしては多めにある、スカージ本体各所の5㎜穴にマウントすることが可能です。
銃口先端は3㎜軸で、付属の特徴的な形状のエフェクトパーツを取り付けることができます。
もちろん、WFCトリロジーシリーズなどに付属のエフェクトパーツと同規格。
また、先にも言いましたが、スカージにはスタジオ86シリーズとしてはかなり多めの5㎜穴が本体各所に配置されているので、WFCトリロジーシリーズのウエポナイザーなどを使ったウエポナイズ、アーマーアップが比較的容易となっています。
これ、本当はキングダムで発売するつもりだったんじゃないかとすら思う・・
ただ、肩や脛の5㎜穴は内側が塗装されているので、あまり頻繁に付け外ししていると塗装が剥げてしまうかもしれません。
ビークルモード
ホバークラフト型のUFOにトランスフォーム。
全体にパネルラインなど細かいディティールが入っており、巨大な宇宙船にも見えます。
いわゆるガワ変形となり、ロボットモードのボディをすっぽりガワ(ウイング)で包み込むような変形で、スタジオシリーズのボイジャークラスとしては難度は低め。
しかし、かっちり綺麗にまとまってくれます。
まぁ欲を言うと、脚を少し縮めたりできて、後部に一体感があればよりよかったかな。
なお、強度面では先のホットロッドと較べて全体的に大振りなぶん、さほど気になる部分はないのですが・・強いて言うならここかなぁ。
ウイングの折りたたみヒンジにもなっているパーツ。
画像では光の加減で白化しているように見えますが、実際には白化していません。
しかし、負荷がかかるのは間違いない部分なので、注意しておきます。
もちろんビークルモードでも武器やエフェクトパーツの取り付けは可能。
ブラスターは右側面しか軸がないので、もちろん右側にも取り付けられますがその場合は前後の向きが逆になります。
エフェクトパーツはブラスターのほか、3機のエンジン(先端部分はビーム砲という設定だったか?)にも取り付けられます。
サーチモード
劇中で印象的だった、ビークルモードでロボットモードの顔だけを出した状態も再現可能。
というか、名前あったんだ、この形態。
今回あらためて付けたのかな?
頭部基部ごと全体に持ち上げるようなかたちになり、基部は左右のエンジン(?)パーツでしっかりジョイントされます。
中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、ユニクロンによって新生されるシーンをイメージ。
スウィープに新生する直前のキックバックとシャープネルも描かれています。
となると、今回のスタジオシリーズではサンダークラッカー単独で生まれ変わったという態なのかな。
比較画像
まずは過去のリメイクアイテムとの比較。
ユナイテッド(UN)版と。ロボットモードで。
UN版はデラックスクラス、そしてアレンジ強めです。
しかし、髭面にちょんまげ、マッシブな上半身、ネイルと特徴はしっかり押さえてあり、ちゃんとスカージではあります。
サイズ的には、UN版は同シリーズでも比較的小柄なほうなので、かなりの差がありますね。
ビークルモードでも。
UN版はこちらも大きくアレンジされており、ステルス戦闘機のような形態に変形します。
非常にまとまりもよく、腕部の変形パターンなども凝っているので、個人的にはけっこうお気に入り。
あくまでアレンジデザインとしては非常によくできていると思います。
一応、顔も出せますしね。
続いてレジェンズ(LG)版と。ロボットモードで。
LG版もデラックスクラス。
ヘッドマスターにはなっているものの、デザインはオリジナル準拠。ネイルが塗られていないだけで、それ以外の特徴はかなりよく再現されています。
しかし、当時はよくできたリメイクだと思ったものですが、さすがに今回のSS86版と並べるとなぁ・・
ウイングの再現度でかなり印象が変わってきますね。
ちなみに、LG版はヘッドマスター仕様という部分を活かして、のちに髭がカイゼル髭に変更された頭部のみがスウィープスとしてシャークトロンとセットで発売されました。
でも、その頃には胴体のほうが入手困難になっていたという・・
そもそも、スウィープス部隊再現のためにはリーダーの頭だけ大量に余るという状況もよくわかりませんでしたね(笑)。
今回のSS86版のリデコでスウィープスが出るという噂もありますが、複数いてこそのモブキャラがボイジャーというのはいろいろキツイ・・
ビークルモードでも。
LGも多少のアレンジはあるものの、オリジナル準拠のホバー型UFOに変形。
ヘッドマスターギミックを活かすことでサーチモードの再現が一応可能になっており、十分な出来ではあると思います。
全身となるサンダークラッカーのアースライズ(ER)版と。ロボットモードで。
サイズ感は同程度。
とくに似た要素はなく、そういう意味でも完全に作り替えられたんだなぁ・・という感じです。
強いて共通点を挙げるとすれば、メインカラーが同系統というくらいですね。
ビークルモードでも。
これまたまったく違います。
まぁ、サンダークラッカーのほうはアースモードということもありますが、サイバトロンモードの三角ジェットともまったく違う形ですしねぇ。
そりゃなんの説明もなしじゃ生まれ変わりなんて思えないよ。
同じスタジオ86シリーズのホットロッド、ブラーと。ロボットモードで。
正直、これほどの体格差があったのか、という驚きが強い・・
スカージ、めっちゃ強そうなんですけど(笑)。
ビークルモードでも。
形状に色味・・複数並べると実にフューチャー感が強いです。
フューチャー感てなんだ? と訊かれると答えられませんが(笑)。
相棒(?)のサイクロナス(キングダム(KD)版)と。
クラスは同じボイジャーですが、サイクロナスでけぇ・・
スタジオ86とWFCトリロジーに分かれたため、やはり微妙に方向性が違うようには思いますが、もともとのシルエットが大きく違うので、並べてもそこまで違和感はないですね。
しかし、同じザ・ムービーおよび2010のメインキャラでも、スタジオ86とキングダムへの振り分けにはどういう基準があるんでしょうね。
ビークルモードでも。
こちらは違和感皆無ですね。
どちらもボリュームがあってよいです。
サイクロナスの前身はスカイワープらしいのですが、まったく同じ型が転生して全然違うかたちになってるんですよね。
以下、画像
可動はWFCトリロジーシリーズにほぼ準拠していますが、デザイン上少しクセのある脚部の可動はイマイチ。
足首については先に言いましたが、太腿ロールも腰部と干渉しがちであまり機能していません。
膝は90度曲がるくらいですが、立て膝は綺麗に決まります。
肘の曲げも90度ほど。腕はそのままで横向きに水平以上まで上げられます。
頭頂部の角(?)は360度回転するので、ビークルモード時同様前に向けてエフェクトを取り付けることも。
もちろんサーチモードでも。
角は後ろのパーツとはめ込むようなかたちなので、基本前向きで固定ですが、頭部そのものはこの形態でも左右に振ることができます。
なお、サーチモードおよびビークルモードでもロボットモード股下のスタンド対応穴が使えます。
サイクロナスとともに遠く戦場を臨むスカージ。
同じサイズ感でこの2人が揃うことは意外となかっただけに、感慨深いものがあります。
ブラーとの対決イメージで。
とくにライバルという感じはないですが、以前LG版でも同時発売だったんですよね。
前世の記憶に悩まされるスカージさん。
劇中ではとくにそんな描写はなかったと思いますが。
でも、2010においてロディマスが放棄したマトリクスを体内に取り込み、暴走するというエピソードがありましたが、ガルバトロンでは使えなかったマトリクスの力を、結果的に暴走したとはいえ使えたというところは、その前身がディセプティコンの思想に決して傾倒してはいなかったサンダークラッカーだったから・・という解釈もあるようで興味深いです。
たぶん、当時のスタッフはそこまで考えてなかったと思うけど(偏見ww)。
そんなわけで、左手にホットロッドに付属のマトリクスを持たせることができます。もちろん、ER オプティマス付属のものでも可。
まぁ、しっかり保持できるわけではなく、引っかける程度ではありますが。
どうせなら胸部にしまえるまでやってほしかったとも思いますが、ムービーではやってませんからね。
あくまでムービー版だから、今回は。
以上、“SS スカージ” でした。
ザ・ムービー35周年ということでスタートしたスタジオシリーズ86。
WFCトリロジーシリーズと合わせて、2010でメインを張る新世代(と、それも35年前のことなのですが)がオリジナルデザイン準拠のリメイクで続々と揃っていくことは非常に嬉しいです。
とはいえ、2010放送当時、ロボットモードのデザインにはなんか曲線が多いし、ビークルもSF色強くなったし、そもそもザ・ムービーの存在も知らなかったので、急に出てきたこいつら誰だよ? という感じで個人的には全般的にあまり好きになれなかったのですが・・
しかし時を経て、ザ・ムービーでの経緯も知ったうえであらためて見ると、なかなかに味のある連中ですね。
正直、スカージでこんなに興奮するなんて思わなかったわ(笑)。
KD サイクロナスとの同時発売というスケジュールも憎いですなぁ。
まぁ、スタジオシリーズのボイシャークラスとしては随分と大人しい変形ですし、可動もそれなりでしかないのですが、それを補って余りある再現度に、こっそりマトリクスも持てたりと、ついついニヤリとしてしまう仕様に開発者の愛を感じます。
でも、このへんのこだわりはキャラによってけっこうな差がありますね。
同じ2010世代でもアーシーとか・・なんでもありません。
早くガルバトロンも一緒に、新破壊大帝と新参謀のトリオで並べたいですね。
一つ気になる・・というか悩ましいところとしては、リデコで発売が噂さされるスウィープスですね。
同型でのボイジャー複数買いは、けっこうキツい・・
すでにシージ、アースライスのジェットロンで経験済みですが、あちらはそれぞれ別人でちゃんと個性がありましたし、なにより色が違う。
対するスウィープスは完全なモブキャラで、スカージとの違いは顔(髭?)だけ。
せめて付属のエフェクトパーツの変更や追加くらいないと食指が動きません。
買うとなれば、最低2体くらいは欲しいので、何卒仕様変更お願いします(笑)。
といったところで、今回は終了。
またご訪問を。
2コメント
2021.06.05 07:27
2021.06.05 06:03