今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー61 カップ” です。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” および “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー 2010” に登場した、オートボットの
“(老)戦士 カップ” が、
スタジオシリーズで発売されました。
まぁ、日本名の “チャー” と呼ぶほうがしっくりきますね。
しかし、なんでまた日本では “チャー” という名前になったんだろうか?
オプティマスプライムを日本的に分かりやすく、ビークルモードのモチーフでもあるコンボイと呼ぶようになった流れで、ロディマスプライムをロディマスコンボイ、その前身であるホットロッドをホットロディマスと呼ぶのはわかる。
でもチャーはなぁ・・まず理由がわからないなぁ。
“カップ” という呼称になにか問題があったんだろうか?
過程としては、カップ⇒コップ(スペル違うけどww)⇒湯飲み⇒お茶⇒チャー、ということだろうか。
ただ響きはいいよね、チャー。
ザ・ムービーでの世代交代を経て、メインキャラがほとんど若者で構成される2010にあって、1人いぶし銀の魅力を発揮するチャーさん。
同じく阪修さんが声を当てられたホイルジャックと双璧を成すTF界のジジイキャラという個人的な印象です。
というか、前回のロディマスを始めブラー、アーシー、スプラングにウィーリー、レックガーも、意外にしっかり声(もちろん日本版)が脳内再生できるんだよなぁ。
むしろ初代の面子よりインパクトは強かったんですね。デザイン面で(笑)。
好き嫌いはまた別の話。
ともあれ、そのキャラたちが初登場のザ・ムービーの公開から35年、スタジオシリーズにて当時のデザインほぼそのままに新生することになろうとは・・
レビューしていきます。
ロボットモード
あくまで基になった現具(ダイアクロンやミクロマンなど)ベースでデザインされていた(であろう)初代のキャラクターたちと違って、一から、そしてアニメ先行でデザインされたらしい2010のメインキャラたち。
どちらかというと直線で構成されることの多かった初代キャラたちに対し、曲線の多いデザインで登場した新キャラたちに、当時は戸惑ったものです。
当時のトイ開発も、ハズブロが起こしたデザインをタカラが立体化する、という流れだったようですが、設定もちゃんと教えなかったり、ロボットモードとビークルモードの画だけ渡して、実際の変形パターンはそっちで考えてくれ、とかいうこともあったようですね。
実写版でも同じようなことがあったかも・・
そのときのリベンジの意味合いも強いスタジオシリーズで、ザ・ムービー(からの2010)キャラがリメイクされるのも、また宿命だったのかもしれません。
さて、そんな新キャラたちのなかでも、チャーさんはとくにシンプルなデザインになっていましたね。
背負いものもなく、肩や脚に箱型のなにかがくっ付いているようなこともなく、ともすればモブっぽい地味なデザインでありました。
そんな、特徴がないのが特徴みたいなデザインが、今回のSS版ではしっかり再現されています・・が、ちょっとイメージよりは細いかな?
でも雰囲気はかなり近いように思います。
二の腕とか太腿の丸い感じ、ほかの時代にはあまり見ないラインという気がする。
胸部、ビークルモードのフロントガラスはクリアパーツの向こうのディティールがメタリック塗装で映えるようになっています。
そのほか、適度にディティールアップされてますが、決してうるさくはありません。
頭部や腕部など、わりと塗装箇所も多めですが、場所的に可動や変形時に擦れる心配はあまりないと思います。
正面と較べると、さすがにいろいろ重なっている感じはありますが、比較的すっきりとまとまった後ろ姿。
でもやっぱり脛のガワは少し気になるかな。
なお、この状態で拳以外に5㎜穴があるのは足裏のみ。
頭部アップ。
顔も、イメージしてたよりも少し面長というか、ちょっとやつれてる?
頬の痩けかたがすごくて、鼻までの仮面を付けてるようにも見えるんですが・・
まぁ、ザ・ムービーではなかなか過酷な状況の連続だったようですからね。
よく生き残ったもんだ。
なお、ジャズやホットロッドでは目は塗装されていましたが、彼の目はクリアブルーのパーツで、集光ギミックがあります。
そして、今回の目玉(?)ギミック。
ザ・ムービー劇中、惑星クインテッサでイカ型ロボに襲われて四肢をバラバラにされるというシーンがあるそうで、その再現のために腕部、脚部がそれぞれ分離できるようになっています。
解剖標本みたい・・(笑)
それぞれ5㎜軸での接続になっているので、付け外しは簡単に行えます。
というか、4箇所ともちょっと緩めですね。個体差かもしれませんが。
5㎜軸接続なので、WFCシリーズのウエポナイザーやモジュレーターのパーツを取り付けることも可能。
当然、逆も可能です。
ただこれ、バラした腕や脚のほうに軸が生えてたほうが汎用性は高かったかな。
まぁ、そもそもこのギミックはそういう遊びを想定したものではなさそうですが。
付属品
マスケットレーザー
小型のレーザーガン・・のはずですが、”塩酸を発射できる” とする説明文もあったりします。
いや、レーザーちゃうやん・・
なお、ホットロッドに付属のフォトンレーザーの銃口には同梱のものやWFCシリーズのエフェクトパーツを取り付けることができましたが、こちらはイメ時優先ということか、銃口が細くなっており、エフェクトパーツの取り付けには対応していません。
ロボットモード時にマウントできる場所もなし。
エネルゴンキューブケース
エネルゴンキューブの携帯ケース。
飛び出している無色クリア部分がエネルゴンキューブということらしいです。
フリスクみたいなものかな。
本来は腰のベルトの中に収納しているのですが、今回収納ギミックはオミット。
代わりにどこかにマウントできる、ということもなく、底から生えている5㎜軸で保持できるだけです。
ともあれ、こういう武器以外の付属品は遊びの幅が広がるので嬉しいですね。
ビークルモード
ピックアップトラック型のフューチャーカーにトランスフォーム。
やはり少しディティールが追加されていますが、ほぼイメージ通りだと思います。
ロボットモード時にはまったく見えなかった前輪が現れ、逆に頭部や腕部、太腿など、人間的な印象もあった部分についてはすべて綺麗に隠れています。
変形もなかなか凝っていて、肩基部のスライドや膝間接部の角度変更など、ビークルモードの形状再現のために細かい工程が重ねられているのは、やはりスタジオシリーズらしいと思えるところ。
付属品はそれぞれ車体側面にマウント可能。
向きが逆になりますが、左右を入れ替えて取り付けることも可能です。
なお、腕部と脚部が取り外し可能なので、
このように擬似的な分離形態の再現も可能です。
実際にはビークルモードにしてから分離させるのはちょっと面倒なので、バラした状態でそれぞれ変形させるほが楽かも。
というか、とくに腕は変形途中でけっこう外れますけどね・・
腕部と脚部で構成されるほうは、膝を伸ばし、ガワをたたんだうえで前後の向きを変えたほうが分離ビークルっぽいかな。
太腿と二の腕の5㎜穴で4連スラスターに見立てられます。
なんかバウっぽい。
比較画像
オリジナルトイは持っていないので、過去のリメイクトイたちと。
まずはユナイテッド(UN)版。ロボットモードで。
UN版はけっこうアレンジ強め。小顔脚長でスタイリッシュなデザインになっています。
武器もスナイパーライフルと、より武闘派な印象。
もう10年ほど前のアイテムですが、足首可動があったりと、アクション性も最新のアイテムに引けをとりませんし、日本限定(だったっけ?)のメタリック塗装も今にはない味わいでいい感じ。
ビークルモードでも。
こちらのデザインもアレンジされており、むしろ実在する車輌に近いものになっています。
言うなれば、アースモードのカップ、という感じ。
レジェンズ(LG)版と。ロボットモードで。
LG版は日本名のチャーとして発売。
前回のホットロッド(こちらもホットロディマス名義)同様、ヘッドマスター兼ターゲットマスターという仕様でした。同時発売ということも今回と共通。
当時はかなりアニメの雰囲気が再現されてるなぁ・・と思ったLG版も、今回のSS版と並ぶと妙にマッチョな感じで、やっぱりちょっと違和感がありますね。
顔は、LG版は少し丸顔で、SS版に較べて柔和な印象。2つを足して2で割ったくらいの感じがちょうどよかったかも。
ビークルモードでも。
LG版も頑張った感じはしますが、やはり腕が丸見えなのがねぇ・・
あらためてSS版の再現度、まとまりのよさを感じます。
前回のホットロッドのレビューでも貼りましたがもう一度。
けっこう高身長なんですよね、お爺ちゃん。
ビークルモードでも。
21世紀はこういう車が走るのか・・と思っていた時期もありました。
昭和生まれですから。
なんとなく並べてみたんですが、サイズ感もまぁまぁ合っているんだろうか?
ウィーリーは今月末発売のSS グリムロックにオマケで非変形フィギュアが付属するだけで、少なくともしばらく変形トイとしてリメイクされることはなさそうですから、当分はこのLG版でいくしかありません。
まぁ、これで十分という気はしますね。
ビークルモードでも。
ロボットモードでの身長差と較べて、ビークルモードではそれほど大きさが違わないことに驚き。
以下、画像
スタジオシリーズではありますが、同時発売のジャズ、ホットロッド同様、WFCシリーズに準ずる可動性能(腰回転、足首スイングなど)は確保されています。
デザインとしても非常にシンプルで各部の可動に干渉するものがほぼないので、ストレスなく動かせるのもいいですね。
膝をビークルモード時の位置で固定することで、画像のようながに股にすることも。
あまりチャーにがに股のイメージはないですけどね。
一方、腕部については前方への引き出しや上方への跳ね上げはできず、拳も回転しません。
立て膝もばっちり。
なお、膝、肘とも爾軽めのクリック機構が仕込まれており、曲げるときにカチカチと小気味よい音がします。
走る高齢者。
時代を先取りしてたんだなぁ(笑)。
胡座をかく高齢者。
まぁ、かききれてませんが、後ろに倒れるようなことはありません。
横っ飛びに移動しながら銃を撃つ高齢者。
スタンド対応穴は腰裏にあります。
本当、元気ですね。
若者たちを叱る高齢者。
ちゃんと叱ってくれる大人が身近にいるって大事ですよ。
ホットロディマスも、チャーさんがいなければ真のリーダーにはなれなかったはず。
ビークルモードでウィーリーを乗せて。
レジェンドクラスやコアクラスのサポートビークルとしてもいいサイズ感です。
中台紙の簡易ディスプレイベース、背景に描かれているのは宿敵(?)のイカ型ロボ。
哀れ、バラバラにされてしまう老戦士。
長かった彼の戦いの歴史もここに幕を下ろすのか!? と思いきや・・
ホットロッドが修理してくれて復活。
おっと、回転ノコを付けてしまったせいで解体現場みたいになってしまった・・(笑)
で、ここからはちょっとオマケ。
あらかた撮影が終わったあとでいろいろ弄ってたら、また面白いモノになったので追加で貼っておきます。
カップ ビーストモード
腕と脚の位置を入れ替えたらゴリラっぽくなったから、というだけなんですけどね。
さらに背中のガワも開いたら、前輪のカバー部分がちょうどムキムキの背筋みたいに見えるという。
頭が少し上を向ければ、ばっちりだったんですけどね。
センチュリオンチャローン
先ほどの逆で、センチュリオンドローンをベースにカップの腕部脚部を取り付けてみたあと、どうせなら胴体のほうも付けてみようと思ってできたのがこちら。
ビークルモードのフロント部分が、いい感じのバックパックになりました。
側面を少し開いて、腕根元の5㎜軸をドローンの背中の穴にはめ込んでいます。
ちょっと浅いですが、案外安定しましたね。
さらに、組み換えにはなりますが一応変形も。
装甲車的なモノをイメージしてたんですが、サソリっぽいフォルムになってしまいました。
ブラント型ベースだとそうなりやすい傾向がありますね(笑)。
以上、“SS カップ” でした。
正直、地味な印象しかなかったチャー(カップ)さん。
レジェンズ版を購入したときも、最初はそんなイメージでしかなかったのですが、変形トイとしての面白さはむしろ同時発売のホットロディマス以上で、なかなか楽しませてくれました。
そして今回のスタジオシリーズ版。
変形トイとして気合い入りまくりのホットロッドとはまた別の方向性で、まったく違う楽しみ方を提示してくれました。
いや、こんなに遊べるとは思ってなかったですわ(笑)。
まぁ、あくまでスタジオシリーズなのでWFCシリーズのウエポナイザーやモジュレーターには及ばないものの、それらと絡めることで多彩なオレ変形、オレ合体が可能になっています。
本来想定される遊び方ではないかもしれませんが・・(笑)
もちろん単体としての再現度も、スタジオシリーズらしくロボット、ビークルの両モードでアニメデザインにかなり忠実・・いや、ちょっと面長な感はありますが、これまでに発売されたリメイクではやはり一番だと思います。
エネルゴンキューブケースといった武器以外の小物の付属も嬉しいところ。
今月末発売のブラーにも修理用トーチが付属しますし、86シリーズではそういった小物の付属が定番になるかもしれませんね。
どうやら今後も定期的にムービーキャラの発売はあるようですし、WFCシリーズと合わせて初代~2010キャラの一層の充実に期待したいところです。
とりあえずブロードキャストとカセットボットのリメイクして!!(切実)
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2021.05.18 12:15
2021.05.18 12:05