MARUTTOYS TAMOTU レビュー

 今回のレビューは、1/12スケール MARUTTOYS より、

“TAMOTU[ホワイトVer.]” & “TAMOTU[ブラックVer.]” です。


 新進気鋭の造形作家、MiZ氏のオリジナルロボットシリーズ、

“MARUTTOYS(マルットイズ)” から、

最新型メンテナンスロボ、“TAMOUTU(タモツ)” が

プラモデルキット化。

 コトブキヤの新たな挑戦、アーティストコラボアイテムの登場です。


 西暦2064年。

「TAMOTU」は先進企業「ATARASY(アタラシー)社」がリリースした、最新型のメンテナンスロボットです。

街の環境を保つために開発された「TAMOTU」は、ハードポイントやアームに様々なオプションを装備することで、物資運搬からインフラ整備・清掃など、様々な作業に対応できる高い汎用性を実現しています。

通常はキャスターに似たタイヤで自由に走行し、作業時や段差を乗り越えるときなどには、脚部とアームを展開した「ワークモード」に変形します。

大量生産が可能な「TAMOTU」は、アリやミツバチのように集団作業を得意とし、その作業のタスク処理はクラウドAIによって効率よく管理されています。


 ・・というのが、公式より抜粋転載した設定。

 つまりは架空の近未来で開発されたAI搭載型の多機能ロボットということですが、現代に実在する同様のロボット(もちろん性能的にはまだお世辞にも高いとは言えませんが)の延長線上に本当に存在しそうなデザインです。

 今回は製造数のもっとも多い一般仕様という[ホワイトVer.]と、高級ホテル用などに限定生産されているという[ブラックVer.]の2色が同時発売されました。

 MARUTTOYSシリーズにはほかにも、このTAMOTUと共通性のあるデザインの “MAMORU(マモル)” や、イメージキャラクターである “まるっといくん” など可愛らしきゃラクターがいるようで、今後のシリーズ展開にも期待ができそうです。


 それでは、レビューしていきます。

 キットは素組みに一部塗装での仕上げです。


ノーマルモード

 ホワイトVer.、ブラックVer.の違いは成型色のみです。

 全体が緩い曲線で構成されたデザイン。

 こちらは脚部を収納して先端のタイヤで走行するノーマルモード。

 なお、タイヤは一体成型のディティール処理で回転はできません。なので転がし走行も不可。

 現代に実際に存在するペットロボに近い雰囲気もありますが、設定上は収納状態のオプションアームを含めて高さ90㎝ということで、大型犬くらいのサイズ感になります。

 丸い頭部にまん丸の目(センサー?)が愛らしい。

 目はどちらもブラックで塗装しています。

 本体の前後には車のヘッドライト、テールライトに相当するライトがあり、レンズはクリアパーツ(それぞれ1個ずつ予備が付属)になっています。

 どちらもヘッドライトの内部はシルバー、テールライト内部はメタリックレッドで、それぞれの横にあるスモールライト(?)はディティールのみですが、それらは4つすべてゴールドの上からクリアオレンジを重ねました。

 今回の塗装箇所は以上です。

 頭部は180度回転可能。

 さらに頭部側にはボールジョイントが仕込まれており、引き出すことで少し上を向いたり、俯いたりという動作も可能です。


ワークモード

 脚部を展開し、各種作業を行うためのワークモード。

 収納されていた関節を伸ばすことで高さが増し、脚部の可動域もぐっと広がります。

 とはいえ接地面はタイヤのままで、とくにアンカーなどはないのであくまで軽作業用という感じです。サイズ的にもね。


オプションアーム

 デフォルトで背面に装備されているアームユニットは伸縮可動します。

 先端部には3㎜穴と簡易マニピュレーターが備わっており、マニピュレーターではM.S.Gの保持も可能です。

 ただし、保持力はほどほどで、アーム自体もわりとすぐにへたるのであまり重いものは持てません。


 アームを外した背面はこのように。

 3㎜穴が縦に2つ並んでいます。

 ほかにも本体側面や後面(お尻)脚部側面など各種にハードポイント(3㎜穴)を完備。

 前面にも、下部のカバーを外すとハードポイントが出現します。

 ただ、ここのみ若干奥まった位置にあるので使い方には少し工夫が必要。

 オプションパーツとして3㎜軸ジョイントが4つずつ付属します。


フレーム状態

 各部の外装は組み立て後にも比較的簡単に外すことができます。

 で、すべて外して中身(フレーム)だけにした状態がこちら。

 左のガンメタがホワイトVer.、右のライトグレーがブラックVer.の中身です。

 ふむ、なかなか怖い(笑)。

 まぁ、現実のペットロボも毛皮を剥いだ中身はこんなもの(もっともっとショボい)ですけどね。


 もちろんワークモードへの変形も可能。

 一気にSF感が増したというか、失われた古代文明の遺産っぽい・・このままヘキサギアの世界観に放りこんでもなんら違和感ありません。

 ヘキサ孔こそありませんが、多数の3㎜穴があるのでカスタマイズ、ミキシングも容易です。

 ツヤのあった外装パーツとは対照的に、フレームパーツには梨地加工が施されており、そのままでもツヤ消し感があります。

 ディティールもみっちりと細かいので、丁寧に塗り分けてやるのもよいでしょう。僕はやりませんが(笑)。


比較画像

 公式には1/12スケールということなので、おおよそ相当スケールのFAガールと。

 ふむふむ。やはり大型犬(の子供かな?)と飼い主くらいのサイズ感ですね。

 でも、FAガールは1/12とすると少し大きいのかな。メガミくらいがちょうどいいのかも。


 一方、1/24スケール相当のハンドスケールと並ぶとこの通り。

 ◯イマックス感・・

 でかいですが、デザインがデザインなだけに外装を着けた状態だとまったく威圧感はないです。

 近未来の多用途ビークルという感じ。


 なんとなく丸っこいメカということで、メカトロウィーゴと。

 こちらのウィーゴは1/20スケールですが、ハンドスケール轟雷とのコラボアイテムにもなっており、サイズ的な違和感はありません。

 デザイン的も十分共存できる感じ。

 ともに造形師がオリジナルでデザインしたロボットシリーズでしっかりとした世界観があるなど、共通点も多いですしね。


 同じく1/24スケールのヘキサギアの世界に放りこんでみると・・

 さすがに外装ありだと違和感ありありだったので、中身だけで。

 ジェスターと並ぶと同じ超文明の産物という気もします。


以下、画像

 まずは単体でポージングなど。

 ノーマルモードでは、基本的に頭部とオプションアームが可動するのみですが、それだけでもべつにいいか、と思える可愛らしさ。

 すーっと音もなく滑るように移動しつつ、頭部を回して周囲を警戒、というイメージですね。

 それが脚部を展開したワークモードでは、たちまち生物的な躍動感を発揮してくれます。

 この形態でも基本はタイヤ走行になるのでしょうが、ひょこひょこと4本の脚を動かして歩行する姿も可愛らしいと思います。

 脚部の可動にはHMMやヘキサギアで培われた4足型メカのノウハウがしっかり活かされており、少ないパーツでグリグリとフレキシブルに動いてくれます。

 オプションアームも同様です。

 一応メンテナンスロボということで愛玩用ではないと思うのですが、その可愛らしい外見は、当然そのようにカスタマイズすることも可能なように、とのことでしょう。

 ダレる犬のようなポーズもよく似合う。


 もちろん、ちゃんとお仕事もしますよ。

 駐禁のバイクを移動させるTAMOTU。


 そして戦場でも活躍するTAMOTU。

 オプションアームの簡易マニピュレーターはFA用のグリップサイズを保持できる形状になっており、手持ち用のM.S.G各種の装備が可能です。

 ほか、本体各部のハードポイントにも武装が可能です。

 外装のカラーをミリタリー調に変更すれば、軍用モデルとしても十分通用しそうです。

 もっとも、そういった方向のカスタマイズはMARUTTOYS本来の世界観には反するのかもしれませんが。

 警備用ロボとかなら許容範囲かな? パトライトは似合いそう。


 お手軽カスタマイズをいくつか。

 オプションアームを本体側面に2本装備して仕事量が2倍に・・なるかどうかは疑わしいですが(笑)。

 

 オプションの3㎜軸を使って2体合体。

 まず並列繋ぎ。

 TwitterのTLで見かけたものを真似させてもらいました。

 一昔前のSFアニメとかに敵で出てきそうなフォルムですね。


 続いて縦列繋ぎ。

 無重力空間とか、上下の概念がない場所で活躍できそう・・かな?


 最後に前後繋ぎ。

 さすがにこれは実用性ゼロだな(笑)。


 いろいろな人たちと絡めて。

 カラーリングもばっちりなバーゼ、ゼルフィ姉妹と。

 遊園地とか、デパートの屋上(何十年前の話だよ!?)にあった、コイン入れたら歩き出す動物の乗り物的サイズ感。

 ハンドルも付けたいですね。


 ハンドスケールやメカトロたちと。

 平和な世界。

 デスクトップアーミーと。

 こちらもまた実に平和ですね。

 なにか粗相をしたのかな?


 なお、昨年5月以来デスクトップアーミーにハマってしまい、新作が出るたびほぼ箱買いしてしまっている僕ですが、破損が怖くて間接パーツの入れ替えとかができないこともあり、正直遊びきれている自信がないため、これまでは・・そしておそらくこれからも、デスクトップアーミーに関するレビューを書くことはないと思います。

 僕にとって彼女たちはただ愛でるだけの存在、ということで(笑)。

 しかしそんなこと言ったら、これまでレビュー書いてるものにしても全部が全部遊びきれているわけでもない(むしろ遊びきれてないもののほうが多い?)んだよなぁ・・


 外装を外してヘキサギア、M.S.Gとミキシングした、その名タモツギア。


フロッグアーミー(訓練仕様)

 TAMOTUの本体はほぼそのままに、バルクアーム、ウッドペッカーのパーツを組み付けた陸戦タイプ。

 世代的には第2世代。本来作業用として開発された2足歩行型重機、フロッグワーカーを軍用に改修したもので、すでに旧式になっているため新人ガバナーの訓練用にレストアした、というようなイメージですね。

 名前は、最終的にカエルっぽい感じになったのでそのまま。


エアスラスト・ジェスター

 やはりTAMOTUの本体はそのままに、M.S.Gレイジングブースターやソリッドラプターなどを取り付けて高機動空中戦が可能な感じにしました。

 そこまでやって、これにガバナーを乗せるのはけっこう大変だなぁ・・と思って、頭部にジェスターの上半身をくっつけた次第。

 ジェスターが戦場で手当たり次第にスクラップと融合した・・という態。


 最後に、ホワイトVer.とブラックVer.、それぞれの外装をパッチワークしてみました。

 パンダっぽくなるかな、と思ったんですが、これ角付けたら完全にウシだわ(笑)。

 でも可愛いですね。今年は丑年だしむしろよい。


 以上、“MARUTTOYS TAMOTU” でした。


 けっこうしっかりした設定はあるものの、スケールも含めそんなもの(失礼ww)は無視してコトブキヤ(あるいは他社)のあらゆるプラモデルシリーズと絡めてもほぼ違和感なく馴染める懐の深さ(?)が素晴らしいです。

 ガール系との親和性は議論の余地もないところですが、ヘキサギアとの相性も思いのほかよく、その汎用性の高さには驚かされました。

 ただ可愛いだけのプラモじゃないぜ。まさに可能性の獣だ!

 しかもパーツ数は控えめ、もちろんそのぶんお値段も控えめでサクッと組めるので、昨今ひたすら箱が大きく、分厚くなっていくコトブキヤキットのボリュームに疲れたときに、一服の清涼剤の働きもしてくれると思います。


 僕にとってはホワイトVer.が2020年最後のプラモになったわけですが、次いで21年に入ってからブラックVer.も組み、なんやかんやで2個揃えて手許に置いて遊んでいます。

 つるっと丸いフォルムが触り心地いいんですよね。

 破損等、扱いに気を遣う場面もほとんどないですし。

 今後もシリーズ継続で、ほかのMARUTTOYSロボットもキット化して欲しいですね。

 ホワイト、ブラック以外のTAMOTUのカラバリがあってもいいかな。

 コトブキヤキットとしてはかなり低価格なので、いろいろな色で集めたくなります。

 まぁ、ホワイトにスプレーブシャーで好きな色にすりゃあいんですけどね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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