今回のレビューは、1/1スケール chitoserium より、
“chitoserium LXXVIII-platinum” です。
浅井真紀 × huke × グッドスマイルカンパニーの三者が紡ぐ新たなガール系キットシリーズ、
“chitoserium(チトセリウム)” の第1弾、
“platinum(プラチナム)” が
待望の再販となりました。
先日、衝撃の最新作、双子幼女の予約も開始されたチトセリウムの原点を入手することがようやく適いました。
ワンフェス2019冬にてprototype(プロトタイプ)が限定発売ののち、2020年の春に一般販売版が発売されたプラチナム。
今回が初の再販ということですかね。
僕は、このプラチナムについてはそのお姿をなんとなく目にはしていて、その独特の雰囲気には当時あまり惹かれるものがなくスルーしていたのですが、その後しばらく経って第2弾のカーボニア アダマスが発売され、Twitterでちらほら画像を(およそネタ画像が多かった気がする)見かけるようになって興味が湧いて情報収集。チトセリウムというシリーズ名もそのときになってやっと知ることになりました。
メガミデバイスと同じマシニーカ素体であることや、なにより付属品のラッパが欲しくてアダマスを購入。
プラモデルキットとしては若干荒削りな印象はあったものの、その独特の世界観を纏ったデザインを忠実に再現した素晴らしい造形、驚きのギミックに、メガミデバイス以上の可動性は非常に満足感があり、即、アダマスは我が家のメインキャラの一角を担うこととなりました(最近は暇そうですがww)。
しかしそうなると、第1弾キットであるプラチナムも欲しくなるのが人情というもの。
ただそのときはすでに入手困難となっており、これは当分我慢だなぁ・・と思っていたところに、意外と早く再販の報。すぐに確保した次第であります。
それでは、レビューしていきます。
キットは基本素組みに付属のインレタを貼ったのみです。
パッケージ
美しいイラストであります。
やっぱりプラモデルの箱とは思えないですね。
画像は撮っていませんが、中身の仕様はアダマスと一緒(アダマスが一緒)。レターパックのようなケースの中央にランナー状態未塗装のフェイスパーツがはめ込まれており、中にはフルカラーの組み立て説明書が入っています。
素体状態
本体部分は造形師 浅井真紀氏が手がけるマシニーカ素体の1種となり、基本的な構造は同じくマシニーカ素体を使用しているメガミデバイス、ダークアドヴェントと共通。組み立てていくときの感触もほぼ一緒です。
ただし、基本的にメガミとの互換性はないものと思ってもらってけっこうです。
ダークアドヴェントのほうは持ってないのでわかりません。
キャラクターデザインは “ブラック★ロックシューター” などで知られるhuke氏。
人のような人形のような、あるいは機械のような、美しくもどこか儚い雰囲気を持ったfragments(フラグメンツ)のデザインは秀逸です。
プラチナムは、前髪のみブロンドで、ほかは特徴的な髪飾りも含め左右で白と黒に分かれたショートヘア(後ろでお団子にまとめているのでショートではないのか・・)がまず印象的。
衣装はほぼ純白ですが、わずかに覗く肌もそんな衣装に溶け込んでしまいそうな乳白色で非常に美しいです。
今回は太腿内側に出てしまう合わせめのみ、肌色パテを使って消しています。
アダマスの素肌露出は顔だけでしたが、プラチナムは顔に太腿、そして肩から上腕も大胆に見せてくれているんですよね。セクシー。
衣装のデザインもゴシック調というのか、やはりアダマスと共通性がありますが、色が純白ということもあり、クラシックバエレの衣装っぽいというか、あるいは高級下着を身に着けているようにも見えます(怒られるわ!)。
一方でアダマスと大きく異なる・・というか、一般的なガール系キットとは明らかに趣を異としているのが足首より下のデザイン。
そもそも足首の関節構造がほかのガール系と較べて特殊なチトセリウムですが、とくにプラチナムは足(靴)のデザインが唯一無二。
かなり前衛的なハイヒールというか、非常に細い2本歯を持った高下駄のような感じですが、踵部分が可動し、これでちゃんと自立できるんだからすごい。
もちろん、なかなか慎重な作業にはなりますけどね。
ともかくもこの特殊な足と兎の耳のように高くピンと伸びた髪飾りのために数多いるガール系でもほかに例のない、スーパーモデル顔負けの高身長となっています。
ただ、アダマスでもそうでしたが頭部側のジョイント受けの位置がわりと奥まったところにあるため、メガミなどと較べて少し首が短く見えます。
あと、これはチトセリウムというシリーズの特性というか、まだまだ発展途上ということなのか、パーツ同士の噛み合わせがあまりよろしくないです。
そのまま組んだだけだと、パーツの間に隙間ができやすく、合わせめがけっこう目立ちます。
FAGやメガミなどのコトブキヤキットなら、素組みでもそこまで合わせめが目立つことは少ない印象ですが・・僕はもう、チトセリウムはそういうものだとして、合わせめはディティールの一部と思うことにしました(笑)が、いざ消そうと思うと、これはなかなか大変なんじゃないかなぁ。
また、アダマスのときにかなり気になった手首球体ジョイントを始め、可動部は動かしているうちに徐々に緩んでいくことが多いです。
今回の再販にあたり、より組み立てやすくなるようパーツの調整がなされたということらしいですが、具体的になにがどうなったのかまではわかりませんね・・
フェイスパーツはアイプリント済みのものが3種類と、
通常顔
こちらは塗装済み目閉じ顔よりも少しディティールがくっきりしているようです。
アダマスではプリント済みのフェイスパーツそれぞれで目の色や形が違い、包帯顔を含め、目と時顔を覗いた3種類すべて別人のように目えましたが、プラチナムは同一人物の表情違いとしてよさそうです。
まぁ、微笑顔のみ目付きがかなり変わっているので別人に見えなくもない・・というか、これは微笑なのか?
一方で通常顔は思っていたよりも可愛らしく、先にも言った首が短く見えてしまうこととも相まって、なんとなくイメージしていたよりも幼いというか、あどけない雰囲気があります。
なお、フェイスパーツや髪パーツは公式からいろいろなバリエーションのオプションパーツも出ているようですね。
髪飾りは前後合わせて90度ほど可動します。
お団子のパーツ分割も素晴らしいですね。なんかドーナツっぽいけど(笑)。
オプション装備状態
オプション類は基本黒一色でほぼ純白の本体とのコントラストがまた美しいです。
露出した肩を隠すように巻かれたケープとボリュームあるスカートでエレガントさアップ。
画像のようなオプション付きでのクロス立ちもスタンドなしで可能という衝撃・・なお、10分以上かかったもよう。
ケープ
3つのパーツをジョイントでつないだもので、肩胛骨の3㎜穴に左右別々に取り付け、肩に沿って前に回します。
先端のパーツの白いマークはインレタで再現。
スカート
基部を含むリアスカートと可動式のジョイントアームで接続された左右のサイドスカートという3つのユニットで構成。
サイドスカートの形状は左右で共通。
表面には複雑な模様がディティールされており、アダマスのシールドのように一部は抜き加工が施されています。
先端部分を始め複数の可動部が備わっており、様々な表情を演出できます。
ただ、サイドスカートを接続するジョイントアームの可動にはそれほどの自由度はありません。
サイドスカート中央の2本のラインやその左右の非常に小さい十字架と髑髏のマーク、同様に小さい外側の星マークなどもインレタでの再現となります。
そのインレタなるもの、デザインの描かれたシートを貼る面に当てて、上から擦りつけて転写する・・ドライでカールとも呼ばれるもので、アダマスにも付属していました。
アダマスの場合は本体襟元のカラー再現に必要だったのですが、曲面に綺麗に貼れそうになかったので、前回は手を出さすじまい。
しかし今回は指定の箇所が平面ばかりだったので、まぁ問題ないだろうと貼ることにしました。
ドライデカールは、シリーズ初期のガンプラMGに付属していたガンダムデカールで経験もありましたしね。
しかし、予想を上回る強粘着力で、位置決めの段階で軽く置いただけで貼り付いてしまうという・・幸い予備が用意されていたのでなんとか指定箇所への貼り付けはクリアできましたが、2枚ほどダメにしましたね。
なお、インレタには貼り位置が指定されているもの以外に、自由に好きなところに貼れるディティールアップ用のものもいくつか付属しています。
ちなみに、再販されるアダマスではインレタは水転写式でシールに変更されるという話を聞きました。
なんでプラチナムはそうならなかったんだろう?
まぁ、仮に変更されていたら貼らなかったかもしれませんけどね。デカール苦手マンなので(笑)。
剣
ケープやスカート同様の雰囲気のある剣。柄の部分は天秤のようにも見えますね。
アダマスの槍もそうでしたが、それ以上に装飾性重視という感じで、およそ実戦に使えそうもない華奢なデザインです。
まぁ、よく刺さりそうではありますが。儀式用かなぁ。
後述のケースへの収納時には、このように3分割します。
本
アダマスの本体がラッパなら、プラチナムの本体はこの本ということになるのかもしれない(笑)。
1冊のみ付属。
ちゃんと開くことができ、専用の左本持ち手で開いた状態で持たせることができます。ただ、さほどフィット感はないです。
表紙に描かれている、ケープのそれと同じマークはやはりインレタ。
今回、ほかの固有ハンドパーツとしては右の指差し手が付属します。
寿司握り手はありませんでした(笑)。
収納ケース
ディスプレイベースにもなる6角形の収納ケースが付属。
交換用のフェイスパーツ、ハンドパーツを除く本体およびスタンド支柱も含めたオプション一式をまとめて収納できる6角形の箱が付属するのも、チトセリウムシリーズの大きな特徴。
今回も・・というかこちらが最初なわけですが、プラチナム本体を付属品が綺麗に収まります。
基本的にはアダマスの箱とも同様のものですが、表面の模様が違います。中央のエンブレム(?)はプリント済みです。
ディスプレイ用のスタンド支柱は、
開いた状態のどちらでも取り付けることができます。
では、諸々収納してみましょう。
まず、スタンド支柱を真ん中から2分割して左右(蓋側と底側)の外側に沿った位置に取り付け。
剣は3分割して、本も閉じてそのまま蓋側の所定の位置に収めます。
これらの取り付け用のダボなどはアダマスの箱にはなかったので、アダマスのものはわざわざ新造したということですね。
プラチナム本体には、膝を抱えるような格好で丸まってもらいます。
フラグメンツの腰部は引き出し式で前に深く曲げられる構造になっており、
また股関節も、中心を起点に左右が独立して斜め下向きに可動するようになっています。
そのため、下の画像のように非常にコンパクトに丸まることが可能になっており、同時に通常時でもメガミ以上の可動性能を発揮できるというわけです。
プラチナムの場合は、さらに特徴的な足を前向きにたたむという工程も加わります。
髪飾りも少し前に倒します。
ケープはたたんで背中側に回し、スカートは裾をすべて内側にたたみ、サイドスカートを回転、ジョイントアームの位置を調節し、本体を守るように側面をカバーします。
頭頂部から足首までは同じようなサイズなのですが、プラチナムの特徴的な髪飾り、そして足までを含む全長となるとこれだけの差がつきます。頭2つ分くらいですかね。
ほぼ純白で清楚感のあるプラチナムに対し、アダマスはなかなか派手です。
フル装備状態で。
姫騎士と従者兼護衛という感じ。姫さまでかいけど・・
12月発売の青いのも加えたら、非常にバランスのいいスリーマンセルになりそうです。
なお、同じシリーズということで両者の間には基本的な互換性は備わっています。
・・うん、右はなかなかヤバイ雰囲気ですが(笑)、左はイイですね。ロリチャイナっ娘という感じ。
ただ、各パーツの接続径は本来は同じだと思うんですが、緩かったりキツかったりとマチマチです。
この組み換えの場合、とくにアダマスの脚部付け根(黒い球体関節)にプラチナムの脚部(太腿以下)を付けるのがギチギチで危険なレベルでした。
画像でも軸は半分くらいしか挿せていません。
箱比較。
左が今回のプラチナムの箱で、右がアダマスの箱。
表面の模様のほか、それぞれの型番(?)の表記もありますね。ちょっと確認しづらいですが・・
以下、画像
まず素体で。
可動性能および構造的な部分については、アダマスのレビューでけっこうがっつり書かせてもらったのでそちらを参照していただければと思います。
プラチナム特有の部分としては、上腕が形状的に回転させづらいので肘の回転軸を使うほうが楽というのと、やはり足の扱いですね。
踵部分が可動しますが、非常に細いので破損には注意・・というか、可動部はおおむねキツめなので、組み立て前に様子も見ながらの調整は必須かと思います。
とくに肩と腕部付け根の球体関節の接続部は異様にキツイので、対策なしだと捩切ってしまうかも。
そういったことを踏まえて、ポーズ集です。
立て膝はもちろん綺麗に決まります。
ただ、足の形特殊なので、少々バランスをとるのが難しいかも。
涅槃像っぽく。
股関節可動のおかげで無理なく足が交差できるので、より自然なポージングが可能です。
俯せで無邪気な感じを演出したり、
横座りからの振り向きでセクシーな感じにしてみたり・・
明らかに人ではないというか、アンドロイド的な雰囲気もあるんですが、でも普通に可愛いな(笑)。
オプション装備で。
いやはや、こんなポーズでも自立できるんだもんなぁ・・
左右の爪先と踵、一応4点支持となるわけですが、接地部分は本当に点ですからね。
こちらでもしっかり自立。
さすがにポーズによってはバランスをとるのが大変ですが・・
スタンドを使って。
多数の可動部を持つスカート。
ある程度の厚みがあり、形状的、色的にもなにかしらの金属でできているように思うのですが、動きをつけることでレース生地のような柔らかく繊細な雰囲気も醸せます。
剣も構えて。
美しい・・
サイドスカートを接続するジョイントアームは、長さもほどほどでさほど自由度はないのですが、それでもスカートを背中側に移動させて、ウイングのように展開することも可能。
こうなるとかなりイメージ変わりますね。
一気に攻撃的になった感もあります。
箱の上で女の子座りして読書。
なんというか、公式画像などを見て抱いていたイメージと、実際に組んで対面してみての印象がまるで違っていたのでびっくり。
あくまで僕の主観ですが、こんな少女っぽい雰囲気を持っているとは思いませんでした。
当初のキャラ付け予定は、完全にクールなお姉さまポジだったんですが、ひょっとしたら違うのかなぁ・・?
まぁ、現状アダマスもわりと無垢な少女感があるので、しばらくは当初の予定通り、“プラチナムお姉さま” という態でいきます(なんの予定か・・)。
2人とも天然っぽいけどなぁ(笑)。
青いコ、そして双子幼女にネコも加わったトータルだとまた変わってくると思いますが。
実家の納屋の奥で見つけた謎の箱。
触れた途端、急に蓋が開き、光と共に現れたのは美しい等身大の人形だった・・
そして新たな箱が見つかるたびに新たな人形戦士が加わり、悪の人形戦士と戦う、というような物語ですな。
で、たまには人形戦士たちの日常も描かれるわけです。
最初に目覚めたプラチナムお姉さまは、普段は優しく穏やかなれど、
憩いのひとときを邪魔する者は、それが愛する妹分だとしても一切の容赦をしない、激しい一面も持っている。
定番のオチですな。
なんの話か・・
以上、“chitoserium LXXVIII-platinum” でした。
独特の世界観というか、デザインでちょっと近寄りがたいイメージのあったチトセリウムですが、実際に手にしてみるとわりとほかのものとも馴染むというか・・その浮き世離れ感も相まってうちでは若干ネタ要員となりつつもあります(失礼)。
もちろん、本来のイメージ、コンセプトであろう嘆美的というか、美しさを意識したポージング、ディスプレイもその広い可動範囲と個性的なオプション類で演出可能ですが、やはりそれなりのセンスは必要ですね(笑)。
キットの出来という部分では、造形は素晴らしいものの、パーツ同士の合わせが甘かったり、スムーズな可動のためには軸調整が必要だったりと、しっかり作ろうとするとそれなりの覚悟は必要だと思います。
とくに対策しないままだと、たとえば膝を動かしていると太股や脛の合わせ目が徐々に開いてきたりしますし、手首の球体ジョイントも緩みやすいです。
まぁ、以前組んだ初版のアダマスよりはマシなので、そのへんは今回の再販から幾分改善されたのだと思います。
そのデザイン、パッケージの雰囲気も含めて一見敷居が高そうではありますが、ただ組むだけなら意外と少ないパーツ数で思いのほかすんなり完成できてしまいます。一方で、先に言ったような注意点もあるので、むしろガール系入門にはよいキットなのかもしれません。
ちなみに、僕は今回ひょんなことからHMM ワイルドライガーとこのプラチナムを同時に並行して組むハメになった(言い方ww)のですが、一日たらたらと小一時間の作業で、結局5日ほどで両方完成させられた(ともに素組みですが)ので、プラチナムだけなら集中すれば2時間程度で組めたと思います。
最初はえらいことになった・・と思ったのですが、HMM ワイルドライガーもかなりシンプルなキットでしたしね。
もちろん、ともにしっかり手をかけるつもりなら、時間なんていくらあっても足りないわけですが。
さて、来月(クリスマスの頃かなぁ?)には小太鼓・・もとい、アダマスの双子の妹(?)、カーボニア ロンズデライトが発売されます。 そして来春には白猫と黒猫、そして双子幼女と我が家のフラグメンツも順調に増えていく予定です。
ただそうなると、彼女たちに似合うお家が欲しくなるな。
さすがにブロックベースで作る家では違和感ありますしね。
少し前から、ドールハウスなどにも興味を持ち始めている僕です・・(笑)
といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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