SS トップスピン レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SS-56 オートボット トップスピン” です。


 実写映画第3作、“トランスフォーマー ダークサイドムーン” より、

オートボットの特殊部隊、“レッカーズ” の一員、青の破壊員こと

“トップスピン” が、

指揮官ロードバスターに続いてスタジオシリーズに参戦しました。


 一応リーダーらしいロードバスターは “緑の攻撃指揮官” 。

 パッと見メタボで全然そんな感じがしないレッドフットの肩書きは “赤の戦略家” 。

 そんな彼らに対して今回の主役、トップスピンは、“青の破壊員” 。

 そんな役職ないわ!(笑) どう考えても1番バカじゃん。

 実際、劇中でも彼だけ一言の台詞もなかったような・・

 しかしまぁ、そんなトップスピンもSS化ですよ。

 映画公開時の事情もあってその処遇が注目されていたレッドフットの日本での一般販売も決まりましたし、思いのほか早くレッカーズ集結となりますね。

 それでは、レビューしていきます。


ロボットモード

 トップスピンについては、正直劇中の姿はあまり印象になくて、どちらかというとDA版トイの若干異形なプロポーションのイメージが強かったので、最初にこのSS版を見たときは、うん・・? と思いました。

 いやでも、きっと劇中再現度は今回のもののほうが上なんだろう・・と、あらためて確認のためにダークサイドムーンを鑑賞したのですが、やっぱなんか違う(笑)。

 もっと脚が長くてシュッとしてるんですよね、トップスピン。

 ロードバスターもそうでしたが、SS版のリメイクにあたってはなぜか全体にぎゅっと縮められたようなプロポーションになっています。

 一方で腕だけ妙に長くなってるし・・

 あと、腕の先が普通の手になっているのも違和感だったんですが、これは正しいんですね。

 最初にロボットモードで歩いてきたときは普通の手でした。あのカニバサミみたいなクローは、戦闘時に展開されるもののようです。

 もっとも、戦闘シーンでもはっきりとはわかりませんでしたが。

 そんな感じでプロポーションに関しては微妙な再現度という気がしますが、肩のガワもなんとなくキャノン砲(?)っぽく見えますし、ディティールなどはかなり忠実になっているように思います。

 プロポーションにしても、これはこれでバランスがとれていて格好いいことには違いない。

 背面。

 ビークルモードのガワは左右の肩と背中で3分割されるため、ロードバスターに較べて幾分すっきりしています。

 ただ、背中のガワはとくに固定されないため、グラグラと左右に振れて不安定です。


 頭部周辺をアップで。

 ドレッドへアみたい・・とよく言われているようですが、僕には上杉謙信とか、僧形の武将にしか見えない(笑)。

 鎖骨部分に並んだ排気管は軟質パーツです。


 腕部クロー、そして機関砲は取り外し可能なオプションとして付属。

 しかし、これがすべて軟質素材の一体成型となっており、クローは開閉不可、機関砲も細い砲身がぐにゃりと変形してしまっている状態・・

 背中に固定の機関砲も同じく軟質素材で、やはり若干の変形が見られました。

 対象年齢に応じた安全基準のクリアが大変なのかもしれませんが、それにしたってスタジオシリーズは軟質パーツ使い過ぎでしょうよ・・

 ちなみに、スタジオシリーズは対象年齢5歳以上。シージなどは15歳以上・・って、え?


 武装を取り付けて。

 クローの取り付け位置は前腕側面・・手の外側で固定。

 パッケージアートを見る限り、開閉するクローの中心部(可動部)から手が生えている感じ(指の数は5本ではないように見えますが)なので、できればもう少し密着できる形状にしてほしかったです。

 というか、普通に前腕から展開する仕様なら開閉もできたのに・・

 機関砲は肩のガワに付いてたイメージですが、手に持たせてみました。もちろんガワにも取り付けられます。


ビークルモード

 ナスカー仕様のシボレー・インパラに武装が施された改造車にトランスフォーム。

 天面に2丁、側面左右に1丁ずつ機関砲を装備。さらに車体各部に厳つい装飾や装甲が施されています。

 ナスカーとGM2つのライセンスが取得されており、劇中の姿にかなり近いものになっていると思います。

 変形はいわゆるガワ変形ではありますが、肩の基部や脚部のタイヤの移動など、小技が利いている感じ。

 クローは車体底面に取り付けることができます。


比較画像

 まずは映画公開時に発売されたDA版と。ロボットモードで。

 劇中では、ロボットモードが大きく映るようなシーンは少なかった気がするので、トップスピンといえば僕のなかではこのDA版トイのイメージが強いんだなぁ・・

 ご覧の通り、随分とプロポーションが変わりました。

 DA版は脚が長く、腕の先は展開状態のクローの内側に手がディティールで再現されています。

 実はこのことを完全に忘れていて、DA版はクローだけで普通の手はないものと勘違いしてました・・。なお、DA版のクローはわずかながら開閉が可能。

 肩のガワもSS版では腕に直接接続されているのに対し、DA版は背中から生えており、腕とは独立して可動します。

 トータルの造形面での再現度はやはりSS版に軍配が上がるように思われますが、プロポーションだけならむしろDA版のほうが近い気がします。


 ビークルモードでも。

 DA版のほうが少し丸みを帯びていて、ディティールなどもやはり甘い感じですが、おおよその雰囲気は変わりません。

 武装についても配置は共通。機関砲の造形自体は間違いなくSS版のほうがよいのですが、いかんせん素材が・・

 なお、DA版でもナスカーとGM両方のライセンスが取得されています。


 同じスタジオシリーズで先に発売されたロードバスターと。ロボットモードで。

 案外武装が少なめな指揮官に対し、格闘用(?)のクロー含め、見ために重武装なところはさすが破壊員(笑)。

 こうして見ると、今回のトップスピンもやはり異形感はありますね。

 なお、一見共通のパーツなんてなさそうな両者ですが、肘や拳、そしてビークルモードのタイヤなどが共通になっています。

 つまりはパーシャルということでいいのかな?

 もしやレッドフットも? と思いましたが、公開されている画像などを見るに、少なくとも拳はずっと大きそうです。タイヤは共通かもですね。


 ビークルモードでも。

 レッカーズの3人は、全員がナスカー仕様のシボレー・インパラに変形。

 武装や改造具合についてはそれぞれ個性がありますが、車両本体の形状にも細かく違う部分があります。

 それもカスタムによるものなのか、それとも車種が微妙に違うのか・・車自体に全然興味ないしわかんないなぁ。

 変形パターンも基本ガワ変形という以外、とくに共通要素はありません。

以下、画像

 可動性能はスタジオシリーズとしては標準的。

 つまるところ、腰の回転と足首の左右スイングは不可なので、シージ以降のG1リメイク系の可動に慣れていると物足りない部分はあります。

 というか、この構造なら腰の回転も足首のスイングも十分仕込めそうですけどね。

 立て膝は微妙・・というかほぼできません。

 肩のガワが腕に直付けとなりましたが、ボールジョイントでフレキシブルに動くため、可動の邪魔になるということはありません。

 ガワ自体も伸ばしてシールドに見立てたりと、いろいろと遊べます。

 スタンド対応穴は股下にあり。

 背中のガワはコンパクトになっているので、ロードバスターよりも自由度は高いです。


 DA版の武器も全部取り付けて。

 さらなる重武装化でディセプティコンを蜂の巣にしてやるぜ!


 レッカーズ出撃!

 1人だけまだSS版ではありませんが、この位置だとさほど気になりませんね。


 トランスフォーム!

 カラーリング含めて非常に個性的なトリオです。

 劇中でもっと活躍してほしかった・・


 簡易ディスプレイベースの背景はロードバスターと同じく、最終決戦の場となったシカゴのビル街。すでにほぼ廃墟です。

 束の間の休息イメージで。

 おそらく、レッドフットでも引き続き使われることでしょう。


 以上、“SS トップスピン” でした。


 先に発売されたロードバスターもそうでしたが、なんというか、こぢんまりまとまってしまった印象があります。

 もちろん、これはこれでバランスのとれたプロポーションになっていて十分格好いいんですが、なぜか腕が長くなったぶん、相対的に足が短く見えてしまうのが・・

 まぁ、トイとしての出来そのものは非常によいと思います。

 ロードバスターもそうでしたが。変形も易し過ぎず適当だと思いますし、ロボットモードの可動もそれなりですし。

 ただ問題というか、今回あらためて思ったことですが、スタジオシリーズ、軟質パーツ使い過ぎ・・

 まぁそれも、対象年齢に応じた安全基準を守るためには仕方のないことなのかもしれません。とくに今回のトップスピンの機関砲のような細いパーツには破損防止のためにも使わざるを得なかったのでしょう。

 しかし、ならば、もう少し梱包に気を遣ってよ、と。

 というのも、普通に硬質プラ製パーツと同じ要領でブリスターにはめ込んであるので、その段階で歪みますし、さらにそのまま長時間置かれることでクセが付いて変形してしまうのは当然です。

 どうせあのプラ紐付けるなら、もっと余裕のある梱包にできただろうに・・

 そもそも、先にも言ったようにスタジオシリーズの対象年齢が5歳以上で、シージやアースライズが15歳以上というのがイマイチ納得できん。

 確かに、少なくとも日本の今の小学生にG1キャラ見せてもポカンでしょう。そりゃあ実写版のほうがまだ知名度はありますよ。

 でも、5歳がスタジオシリーズ変形させられますか?

 僕は、もうすぐ5歳になる甥っ子にブラックアウトやデバステーターを預ける勇気はないです(笑)。

 そういう意味では、むしろシージやアースライズのほうが安全でしょう。

 そもそも5歳の子供が扱えるものとして設計されていないのに、素材だけ基準を満たそうとしてることに違和感を感じてしまいます。

 小さい子供用にはサイバーバースといったシリーズもあるのですから、スタジシリーズも対象年齢上げればいいと思うなぁ。

 シリーズコンセプト的にも、そうするべきなんじゃないのかなぁ・・

 すみません、また余計なことを長々と書いちゃった。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。


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