ER スカイリンクス レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、

“ER-06 オートボット スカイリンクス” です。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー 2010” より、

空飛ぶ山猫こと、オートボットの星間輸送戦士、

“スカイリンクス” が、

オリジナル通りの分離変形、さらに新規基地モードへの変形ギミックをも引っさげて、アースライズにてリメイクされました。


 一応、メインキャラなのに人型のロボットモードを持たず、基本形態がいわゆるキメラタイプのメカビーストモード。

 妙にプライドが高く、一人称が “我が輩” 。

「恐竜じゃない! 空飛ぶ山猫だ!」、「スカイリンクス航空、ただいま到着!」といった名台詞などなど・・

 キャラ濃いめが多い2010期の面子のなかでもとくに印象深いスカイリンクス。

 オリジナルトイはオメガスプリーム同様、トイボックスが開発しハズブロが販売するという態でしたが、オメガスプリームと違って始めからトランスフォーマーとして作られながら、結局は版権の問題で当時の日本では発売されることはありませんでした。

 のちにトミーがトイボックスから金型や販売権を引き継ぎ、そのトミーがタカラと合併してタカラトミーとなったことで20年以上の時を経てトランスフォーマーアンコールとして復刻版が発売されました(オメガスプリームも同軸、でしたね)。

 でも、あれからまた10年以上が経つのか・・

 実は僕、アニメ放送当時に海外で売られていた正真正銘のオリジナルトイを持っていました。

 というのも、当時父が仕事でアメリカに行くことがけっこうあり、その度に日本未発売のトランスフォーマーをお土産に買ってきてもらっていたんですね。

 スカイリンクスのほかにも、ロードバスター、シャークトロン、リパッグなんかは細かい傷や塗装、シール剥げはありますが、今もまだ大切に持っています。

 スカイリンクスも、わりと早い段階で壊してしまったものの、その後もけっこう長い間手許に置いておいたんですが、5、6年前かな? 引っ越しの際に処分してしまいました。

 今にして思えば、なんともったいないことをしてしまったことか・・

 アンコール版を買おうかと思ったときもありましたが、ボヤボヤしているうちに時は過ぎ・・そうしたら、まさかこんなにガチなリメイクが来るなんて。

 記憶に新しいところではユナイトウォリアーズ リンクスマスターのコアロボとしてリメイクされましたが、あちらは分離ができず、サイズもボイジャークラスということでスカイリンクスのリメイクトイとしては物足りないものになっていましたが、今回はシージで新設されたコマンダークラスということでボリュームも十分。

 シリーズのメインテーマでもある基地遊びもばっちりフォローした、気合いの入りまくった内容になっています。

 それでは、レビューしていきます。


 まずはそれぞれの分離状態で。

ダイノバード

ビーストモード

 モチーフは始祖鳥ということになっていますが、まぁ怪獣ですね(笑)。

 ビークルモードの機首が伸びて頭になり、さらに尻尾と脚が生えただけ。

 なお、脚の生えている位置がオリジナルトイは後方だったのに対し、前方に変更されているため、胴体後半部分・・尻尾の経ている位置とのバランスが若干おかしな感じになっています。

 ここは胴体後半部分を縮めるなどして、ダイノバードとしてのプロポーションも追求してもらいたかった気はします。

 あと、尻尾のボリュームももう少し欲しかった・・

 ウイングはオリジンルトイでは固定でしたが、位置および角度の変更ができるようになっています。

 そこそこボリュームのある全体を細い脚2本だけで支えるような格好ですが、脚部の関節には硬めのクリックが仕込まれており、足首スイングも可能で良好な接地性を誇るため、案外しっかり自立できます。


 口が開閉。内部のアセチレンブラスターも独立して上下に可動します。

 ブラスターの先端は3㎜軸に待っており、付属のエフェクトパーツの取り付けが可能です。


ビークルモード

 スペースシャトルにトランスフォーム。

 オリジナルトイよりも随分シャープなデザインになりました、基本は一緒。

 側面にNASAと読めるマーキングがありますが・・

 変形も非常に単純で、頭(首)と尻尾、脚を収納。このあたりはオリジナルトイを踏襲しつつよりシンプルにした感じです。

 ウイング固定用のジョイントがちょっと緩いというか、はめ込みにクセがあります。


 天面のハッチは開くことができ、内部にはオリジナルトイにもあったメカディティール(?)が。

 ただ、オリジナルではメッキ加工の別パーツだった部分が、ディティールに塗装のみになっていてなんとも寂しいです。

 これならいっそ空洞にして、中にマイクロマスターでも収納できるようにしてほしかったかも。


 底部では3箇所のランディングギアが展開可能。

 後部の3基のブースターは5㎜穴になっているので、付属のエフェクトパーツを取り付けて噴射炎イメージを演出できます。

 なお、今回付属のエフェクトパーツはシージ オメガスプリームに付属したものの成型色を変更(塗装なし)したものです。


ピューマ

ビーストモード

 自らを “空飛ぶ山猫” と名乗り、名前もそのものズバリなのに、分離したこちらのモチーフはピューマということになっています。

 まぁ、同じネコ科(亜科)動物には違いないんですが、リンクス(いわゆるオオヤマネコ)とは属が違うので、なんで名前の通りリンクスということにしなかったのか? という気はしますね。

 どっちにせよ見ためはピューマでもリンクスでもないし(笑)。

 ダイノバードのプロポーションは微妙でしたが、こちらは箱ロボ感はありつつも比較的獣らしい感じにまとまっている遠見マス。四肢の可動・・とくに4つある足首がすべて前後左右スイング可能なのはすばらしい。

 もちろん、各間接はクリック仕込みで保持力もばっちりです。

 顔はゴールド(オリジナルトイはメッキでした)で角張ったディティールということもあり、なんとなく石像っぽい雰囲気。

 そしてなぜか2本ある尻尾。

 後脚の付け根にはオプションのブースター(?)を取り付けます。

 オリジナルトイでは内部にモーターが仕込まれており、このモードでは4本脚による電動歩行ギミックが搭載されていました。

 その動きはさながらゾイドのようでしたが、さすがに今回そこまでは再現されていません。


 オリジナルにはなかった口の開閉ギミックを搭載。

 内部にはダイノバード同様、上下可動するブラスター(これもアセチレンブラスターでいいのかな?)があります。


ビークルモード

 シャトルキャリアにトランスフォーム。

 頭部と尻尾を収納し、四肢を後ろにたたんだだけという、なかなか強引な形態です。

 オリジナルトイと違って尻尾の付け根部分が短くなっているため、後脚の飛び出しが目立つなぁ・・

 後脚に付けていたブースターは前脚に移設。

 オリジナルトイではこの形態でも車輪による電動走行が可能でした。今回もコロ走行は可能です。


 後部ハッチ(後述の基地モードでスロープになります)を開くと内部にはスペースがあり、マイクロマスターなどを搭載可能。

 画像のようなシンプルな車系なら2体は収納できます。ただし無理矢理に入れれば、ですが。


 ダイノバードとピューマで並べて。

 ビーストモードでは、やはり表面積が広いぶん、ダイノバードのほうが大きく見えます。

 一方のビークルモードは、キャリアのほうが存在感があります。

 オリジナルトイではシャトルのほうが大きく感じましたが、そこは合体状態でのバランス重視で調整がされたのでしょう。


 では、合体。

スカイリンクス

ビーストモード

 ダイノバードとピューマがほぼそのまま重なった基本形態。見ためは完全にドラゴンですが、本人は山猫だと主張しています。

 なお、分離状態でも人格(?)は共通とのこと。

 大型戦士やビーストタイプは、基本あまり賢くない・・という定説を覆すなかなかの知性派。

 オリジナルトイでは首の生えている位置がおかしかったですが、さすがに最新のリメイクだけあってそこは破綻のないプロポーションにまとまっています。

 そこをもう一歩踏み込んでダイノバードも・・

 合体は前後2箇所のジョイントでががっちり固定されるため、上(シャトル)だけを持って持ち上げても下(キャリア)が落ちるなんてことはありません。

 ただしこれ、説明書にはあまり詳しく書かれていないので、僕は最初慌てました。

 後ろのジョイントをしっかりはめ込む ⇒ 前のジョイントの解除レバー(キャリア正面の白いレバー)を下げつつ、前のジョイントの位置を合わせる ⇒ レバーを放してロック、という手順ですね。

 分離する際はそのレバーを下げてロックを外せば簡単にバラせます。

 ちなみに前部のジョイントはピューマの頭部を収納しないと現れないので、オリジナルトイではできたピューマの頭部を出したままの合体はできなくなっています。


ビークルモード

 まぁ、こちらも分離状態の各ビークルモードを重ねただけですけどね。

 もちろん、合体状態のまま変形できます。

 本来はシャトルをキャリアに載せて運んでいる状態・・なのですが、アニメではしばしばこの状態で普通に飛んだりもしてましたね。

 というか、シャトルだけで飛んでいっても、行った先で本来の姿になれないとかけっこうな問題です。

 オメガスプリームにも同様のことが言えますが・・


基地モード

 シャトル発射基地にトランスフォーム。

 なのでまぁ、ご覧のように新たに基地モードに変形できるようになったのはピューマだけです(笑)。

 中央のスロープとシャトル内部も連結はされていません。

 基地へのシャトルの設置も、シャトル後部ブースターに基地側の5㎜軸を差し込む仕様なのですが、これがあまりかっちりとは付かない(個体差かもしれません)のでけっこう不安定。

 しかしまぁ、リメイクでいろいろとギミックがオミットされるものが多いなか、シリーズテーマとも合致した新たなギミックを取り入れてくれるのは嬉しいです。

 電動歩行は・・仕方ない。

 オプションのブースター(?)は左右で取り付け方法を変えることで、それぞれ武器とレーダーに見立てているのかな?


比較画像

 ユナイトウォリアーズ版と。

 右のは右のでけっこう好きなんですが、やはりサイズがダンチで迫力は較べようもありません。

 完全に親子だね、これ。

 そう思うと、UW版の妙に太い脚は大型犬の仔犬のような気がしてきた。


 ビークルモードでも。

 相似形とまではいかないまでも、けっこう似てる。


 同じコマンダークラスの、シージ版ジェットファイヤーと。

 人型と獣型なのでちょっとわかりにくいですが、全体のボリュームはほぼ同等。

 というか、あらためてジェットファイヤーのでかさを実感します。

 なお、パッケージは縦横のサイズは同じですが、厚みはジェットファイヤーのほうがあり、スカイリンクスはだいたいその2/3ほど。

 正直、スカイリンクス薄っ! とは思いましたけどね。


 ビークルモードでも。

 言ってしまうと、ジェットファイヤーはただでかいだけなので、プレイバリューという部分では断然スカイリンクスに軍配が上がるかと。

 まぁ、そのぶんジェットファイヤーにはアーマーパーツ含めた豊富な武器パーツが付いてくるわけですが、そのへんはシリーズテーマに沿った仕様といえなくもない。

 スカイリンクスにはほとんど武器ありませんからね。

以下、画像

 まず分離形態で。

 地面に落ちているなにかしらを啄む鳥のような・・

 首は根元と頭部付け根でボール可動。途中の節は軸による前後(上下)動のみなので、そこまでグネグネ動くわけではないですが、まぁそれなりの表情では可能かと。

 ウイングは2軸のアーム可動で、シルエットを無視すればけっこう大胆な動きが付けられます。

 尻尾は左右にせめて根元だけでも左右に振れれば良かったですかね。尾翼部分は振れますが。

 お座りからのお手。

 前後4本の脚の可動は共通です。肘膝はけっこう深く曲げられるので、ネコ科特有の低姿勢もけっこう再現できるのは驚きました。

 頭部もボール可動で上下左右にある程度捻ることができます。


 ツーショットで。

 ダイノバードのお腹(というかほぼお尻の位置)には5㎜穴(ビス穴なので、決して正しい使用法ではないかもしれません)があるので、一応スタンドディスプレイは可能です。


 もちろん、シャトル状態(ビークルモード)でもディスプレイできます。

 合体状態で。

 走るスカイリンクス。けっこう可愛い。

 まぁ、基本の可動は分離形態からそのまま踏襲していますので、あとはほとんどポージング集みたいなものです(笑)。

 立ち上がるスカイリンクス。

 ちょっと不安定ですが、後ろ脚2本+尻尾で立つこともなんとか可能。

 これもなかなか可愛い。

 炎を吐き出すスカイリンクス・・て、連結タイプのエフェクトパーツ全部を口内のブラスターに取り付けたら、さすがに重みで首がへたれてしまいました。

 なんか、親鳥が雛に対して餌を吐き戻してるような画になってしまった・・(笑)

 オリジナルトイのパッケージイラスト風に撮ったつもりが・・完全に左右逆向きでした(笑)。


 アニメでの絡みも多かった印象のダイノボットたち(PP版)と。

 サイズ的にお母さん恐竜と赤ちゃん恐竜みたいで可愛い(笑)。


 同じく、アニメほかでもなにかとライバル関係とされていたプレダキング(PP版)と。

 対決イメージ・・のつもりが、なんか犬と飼い主がじゃれ合ってるみたいな画になってしまいました(笑)。

 やっぱプレダキング(UW デバスターもだけでど)でかいなぁ・・

 単体で見るぶんには迫力があっていいんですが、ほかと絡めるのがけっこう難しい。


 単独では武装に乏しいので、ジェットファイヤーの武器を拝借して武装盛り盛りにしてみよう・・

 と思ったのですが、いざやろうとするとスカイリンクス本体に案外と5㎜穴、5㎜軸がないこと気付きました。

 なので、アイアンワークスをバラしてジョイント代わりに。

 背中にキャノン砲が付くことでゾイドらしさも獲得しました。


 真リンクスマスター見参!

 ピューマにUW リンクスマスターの手脚を構成する4人(左腕から順にハウンド、ホイルジャック、ラチェット、トレイルブレイカー)を合体させてみました。

 取り付けにはGS シーコンズの拳パーツを使っています。

 かなり不安定で普通に立つのがやっとですし、ダイノバードも完全に余剰になってますが、意外と違和感がない(笑)。

 いずれER トレイルブレイカー、SG ラチェット入手の暁には、ハウンド、ホイルジャックも含めて全員SG、ER仕様でまたやってみたいと思います。

 そのときはアイアンアワークスとかをジョイント代わりにするのかな。


 基地モードでいろいろ連結して大型の宇宙基地に。

 しかし、こうなるともう結局外で撮影するしかないので、だったら撮影ブースも60サイズくらいでよかったな、と今さら思ったり・・

 なんにしても、同じトイボックス由来のオメガスプリームと時を経て同じ仕様でリメイクされ、こうして絡めて遊べるというのも感慨深いですね。

 勢力は違いますが、シャトル繋がりでアストロトレインも交ぜてやればよかった。

 あと、こっそりアイアンワークスを1体追加購入しております。


 以上、“ER スカイリンクス” でした。


 アニメ放送時は小学校2、3年生だったと思います。

 日本で売っていないオリジナルトイを父がアメリカ土産に買ってきてくれて、トランスフォーマーでありながらゾイドのように電動歩行する大型アイテムに興奮し、遊び倒した結果壊してしまったのだと思いますが、それくらい、キャラクターとしてもトイとしても印象深い存在だったスカイリンクス。

 ユナイトウォリアーズにおけるまさかのコンバイナー仕様でのリメイクも嬉しかったものですが、それから数年経ってこんなガチリメイクが成されるとは・・

 初めて知ったときは、まさに歓喜でした。

 さすがに電動歩行ギミックまでは再現されませんでしたが、そのぶん可動性が増し、ビーストタイプらしいアクションポーズが可能になりました。

 プロポーションも洗練され、オリジナルトイではおかしかった(またそれが味ではありましたが)首の位置も調整されました。

 ただ一方でダイノバードモー祖は脚部付け根の位置の変更で妙に胴長になってしまったので、そこの調整もしてくれていたら最高だったんですが、まぁ強いて言うなら、というレベルの不満でしかないですね。

 新規基地モードは、実質ピューマ部分だけの追加ギミックで、変形自体も単純なものですが、ほかのアイテムとの連携拡張がメインなので、単体の仕様はこのくらいシンプルでも十分だと思います。

 いろいろ繋げていくのは楽しいです。

 ただ、満喫するにはけっこうなスペースが必要ですけどね(笑)。


 さて、年1のタイタンクラス発売はここ数年の既定路線になっていますが、コマンダークラスもそれに倣うことになるのかもしれませんね。

 すでに次期シリーズ “キングダム” のラインアップが、確定かどうかわかりませんがリークされたりもしていますが、そこに確かコマンダークラス マグナボスという記述があったような。

 マグナボスって、あのマグナボス? 本当なら凄く欲しい・・というかまぁ普通に買うけど(笑)。

 でもその前に、アースライズはもう終了なんでしょうか?

 ショップ限定アイテムは先日いろいろと発表されてましたが、いわゆる一般販売の単品アイテムはもうないのかなぁ? インフェルノは? ラチェットとスラストも来ると思ってるんですが・・

 一方で、そうした限定アイテムについて続々と日本導入が決定していくという怪現象(笑)が。

 しかも、現在展開中のアースライズのアイテムだけでなく、遡ってシージ版のラチェットやスカイワープまで・・

 もちろん全部モール限定だとは思いますが、いったいどうしたのか? といい意味で驚いています。

 でも、まさかそんなことになるとは思わなかったから、Amazon限定だったラムジェットとダージ、プロールとアイアンハイドのセットはもうそっちで予約しちゃったんだよなぁ。

 これまで海外版には手を出さずにきたのに、もうシージの時のような思いはしたくない! と、タカトミを信じ切れずに早まってしまいました。そしたらシージのアイテムまで発売決定するし・・

 もちろん、よいことですけどね。

 だから、これからは国内販売を待つことにします。

 少なくともしばらくは、この傾向は続くと思う(というか思いたい)ので。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を

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