今回のレビューは、ノンスケール M.S.G. モデリングサポートグッズ より、
“ギガンティックアームズ ワイルドクローラー” です。
フレームアームズ・ガール(FAG)等との連携を前提にしたM.S.G.の大型アイテムシリーズ、
“ギガンティックアームズ” に
小型軌装式オートバイをモチーフにした新アイテム、
“ワイルドクローラー” が登場しました。
ギガンティックアームズ第5弾、通算では9アイテムめということになりますか。
シリーズではこれまでとくにモチーフのない、オリジナルデザインのメカがラインナップされていたように思いますが、今回のワイルドクローラーは実際に第2次世界大戦の頃にドイツが開発した軌装型軍用オートバイ、ケッテンクラートをモチーフに・・というか、これほぼケッテンクラートそのまんまですね。
最近だと “少女終末旅行” ですかね。観てないけど・・
ギガンティックアームズというと、どちらというとFAG用の拡張キットという印象で、実際各アイテムにはそれぞれデフォルトでマッチングされたFAGがありました。
第1弾のパワードガーディアンには轟雷、以下、アームドブレイカーにはバーゼラルド、ルシファーズウイングにはスティレット、オーダークレイドルにはアーキテクトといった具合。
ワイルドクローラーの担当ガールは轟雷改 Ver.2。第1弾のパワードガーディアンと轟雷の組み合わせの再来となっています。
ただ今回は、最初からFAGだけでなくヘキサギアやハンドスケールと行った1/24スケール相当のキットとの連携も強く意識した構成になっており、公式画像はもちろんのこと、説明書にも実際の組み換え手順が多数記載されています。
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに一部塗装での仕上げです。
通常基本モード
もちろん、それなりにキャラクターキット的なアレンジはされていますが、全体の雰囲気は実際のケッテンクラートにかなり近いように思います。
バイクの後ろ半分をぶった切ってそこに豆戦車を繋げたようなシルエット。そこそこのボリュームがあるのですが、なんとも可愛らしいフォルムです。
なんとなくヤドカリやカタツムリのようにも見える。
前輪からシートにかけての運転席部分にはラピッドレイダーのフレームパーツが流用されています。このパーツはバンディットホイールでも使われていましたし、今後もバイク系キットの基本フレームとして需要がありそうです。
ホイホイさんのリニューアルキットがシリーズ化するようなら、このフレームを使ってオボロをリメイクするなんてこともあるかも。
轟雷改を乗せるとこんな感じ。
車高はそれほどありませんので、普通に横から跨いで乗れる感じですね。
とくに固定装置はありませんが、グリップを握らせて位置調整が可能なフットペダルに足を乗せれば姿勢は安定します。
デフォルト状態のFAGだと彼女以外を乗せる選択肢がありません(笑)。
それでは、あらためて各部を見ていきましょう。
まずはフロント部分。
ヘッドライトのカバーは着脱可能。レンズは無色クリアパーツなので、表面をクリアオレンジで、内部の反射板をシルバーで塗っています。
前輪のタイヤ部分はプラパーツ。もちろん回転します。さすがにフォークのシリンダー伸縮までは再現されてませんが、基部で多少上下左右に動くので、この車体では物理的に不可能かと思いますが、ウイリー走行っぽく前輪を持ち上げることも可能です。
ハンドル周りを後ろから。
ハンドルグリップは基部と一体成型。メーター含めて左右に振ることはできます。
スピードメーターとタコメーターは三重構造になっており、最後にクリアパーツで蓋をする仕様。
メーター部分は目盛りとスイッチ類(?)をシルバーで、貼りを赤で塗りました。
今回のキモとなるクローラー。
パネル状のパーツに起動輪、誘導輪、転輪、補助転輪を組み付け、1枚ずつ連結させたプラ製の履帯パーツをぐるりと巻き付ける方式。
起動輪、誘導輪、転輪は回転(補助転輪のみ固定)し、履帯自体も機動輪の回転に沿ってちゃんと可動します。
つるつるのフローリング床とかは無理ですが、畳や絨毯の上とかある程度抵抗のある場所なら転がし走行が可能です。
ラジコンに改造してるツワモノもいましたね。
バラすとこんな感じ。
履帯パーツは基本形では1基で38枚を使用。4枚ずつ予備として余ります。
パーツさえあれば、それこそ無限連結が可能ですが、さすがにこれを複数買いはキツい・・この部分に必要なパーツだけヘヴィウエポン名義かなにかで発売されないかな? ランナーは独立してるし、アームドガーディアンのマシンガンの例もあるから、可能性はある気がする。
荷台部分。
デフォルトではFAG・・おおよそ1/12スケールに対応したちょっと長めのシートが2つ、横に並んでいます。後ろ向きに座るかたちですね。
後部ハッチも開閉しますが、この場合はただの収納スペースですね。
表面の円形ハッチ(薬莢捨てるトコみたいな)はただのディティールです。
こだわる人はそこも開閉するよう加工するんでしょうね。僕はしません!(笑)
シートの背もたれ兼用のツールボックスは取り外し可能。蓋も開閉し、中に小物が収納できます。
とりあえずバンディットホイールから工具類を借用。
もう一方にもなにか入れたかったので、メガミデバイス BULLET KNIGHTSからシルバー類も借りてきましたが、蓋が閉まらなかった・・
続いて、公式の組み換えパターンを順番に。
1/24スケール対応モード
通常シートとツールボックスを取り付けたパネルパーツを取り外し、テールランプを追加、後部ハッチも交換することで荷台部分を1/24スケール対応型に変更可能。
こちらでは4つのシートが進行方向に対して横向きに、2つずつ対面に並ぶかたちになります。
アーリーガバナーとハンドスケールで、2対2の合コンスタイルで座ってもらいましたが・・ちょっとシートが大きめですね。
ちなみにこれ、全員足浮いてます(笑)。固定用のピンなどもなく、本当にただ座らせるだけなのでなかなか不安定です。
スティレットとか、ツインテールが邪魔で邪魔で・・(笑)バックパックとブースターも外してます。
こちらも後部ハッチは開閉。こっちはちゃんと乗降用ですね。なお、表面のドア状のハッチはまたただのディティールです。
テールランプはガンダムマーカーのメタリックレッドで塗りました。
なお、運転席に関しては1/24スケール対応への組み換え要素はないため・・
このように。
まぁ、彼女ならやってくれる気はする(笑)。
タンク脚モード
車体底部を引っ繰り返し、クローラーを接続、さらに戦用の腰部パーツを取り付けて、タンク脚モード完成。
基本的にこの状態で、腰部パーツの上にフレームアームズ(FA)などの上半身を載せることになりますが、輝槌系の上半身を載せる場合は腰部パーツの上下を入れ換える必要があるようです。
ワイルドタンク
ともかくも、これはガンタンクっぽいモノを作れ、ということだと思ったので、パワードガーディアンと轟雷用ウエポンセットを使って上半身を作って載っけてみました。
名付けて “ワイルドタンク”。
所要時間は30分。
マルチポッド連結
ヘキサギアブースターパック 004 マルチポッドとの組み合わせです。
運転席を外してできたスペースが、ちょうどマルチポッドの横幅ぴったり・・というか、始めからそのつもりで設計していたのでしょうが。
組み換えは非常に簡単で、運転席を恥じたワイルドクローラーに、側面の円形ディティールパーツを外したマルチポッドを鹵獲ジョイントを使って挟み込むだけ。
こういう建設車輌いますよね。可愛い。
荷台部部のシートを外して、ダンプ的なイメージもいいかな。
ともあれ、これで買って組んではみたものの、単体ではレビューしづらかったマルチポッドにもようやく日が当てられた。よかった。
また、専用のジョイントパーツを使えば、車体後部にコンバートキャリアーのコンテナを連結させることができます。
こうなると全長はかなりのものに。
ただし、この状態だと後部ハッチはほぼ開けられません。
デザートバギー連携
こちらはマルチポッドと違ってそのまま挟み込むことはできません。
しかも、公式画像なんかでも組み換え例が出てるのに、こっちは説明書への記載なし。
ということで、比較的簡単と思われる方法で繋げてみました。
まずバギーの後輪とカバーパーツを外し、後輪を取り付けていた六角穴にジョイントをはめて、クローラー基部のプレート部分に接続します。
六角ジョイントは、適当なものをいくつか繋いで位置を調整してください。
比較画像
まずは運転席部分のフレームの流用基であるラピッドレイダーと。
製造年に100・・いや、150年ほど開きがありそうです。
ラピッドレイダーは固定用の補助フレームパーツのはめ込み(3㎜軸ジョイントを使用)がかなりキツく、アームドガーディアンへの組み換え時などは破損しないかヒヤヒヤものでした。ワイルドクローラーの運転席部分にも、一応固定用の補助フレームがあるのですが、今回はわりと付け外しが容易になっている印象です。
そこに限らず、ワイルドクローラーはパーツの分解が比較的楽だったので、組み換えも捗りました。そのあたりもどんどんと改善されているのかもしれません。
同じくフレームを流用しているバンディットホイールと。
同じフレームパーツを使って1/12スケールと1/24スケール両方のキットを作ってしまう・・
まぁ、バンディットホイールはガバナーに較べてかなり大型なのでFAGや女神を乗せてもさほど違和感はないんですが。
さて、ここからがある意味今回の本番。
ワイルドクローラーをベースにオリジナルの組み換えに挑戦してきますよ。
すでにタンク脚モードの項で1例フライングしていますが、使用キットはコトブキヤのキットのみ、パーツ加工はなしで最終的にすべて元の状態に戻せるというルールでやっていきます。
ワイルドドーザー
とりあえず誰もが挑戦するだろう、クローラーの小型複数化を出発点に、重機要素も取り入れて。
ワイルドクローラーのパーツはできるだけたくさん使いたいと思ってやったらこんなことに・・どうしても使いたかった前輪は全天候レーダーのイメージです。
搭乗員は運転手1名、オペレーター兼機銃手1名。最初は後部のスペースにもう一人乗せようかと思ったんですが、仰向きにでもならないと乗れないのでやめました。なお、運転手はちゃんとシートに座っていますが、もう1人は膝立ちです(笑)。
クローラーは4基に分割。これで実際に動くのかどうかはわかりません!(笑)
履帯パーツは前部クローラーに21枚、後部に19枚を使用。
ドーザーブレードは各部が可動。車体連結部で左右にも振れるようにしてあります。
後部ハッチに加え天面も開くようになっています。
内部スペースにももう少しこだわりたかったですが、案外狭かったので今回は保留で。
使用キットはワイルドクローラーとヘキサギアブースターパック003 デザートバギー、同004 マルチポッドをそれぞれ1つずつ。
所要時間は、なんだかんだと試行錯誤しながら3時間というところでしょうか。
ワイルドパンツァー
ドーザーをベースに戦闘用に改修。
ドーザーブレードをパージしてM.S.G. リボルビングバスターキャノンをほぼそのまま使った主砲を搭載。各部に装甲も追加しました。
こちらも各部が開閉、可動。
主砲後部に取り付けた前輪は、今度は粒子加速器のイメージで。
主砲自体は仰俯角の変更のみ可能です。旋回砲塔式にはできなかったので、戦車ではなく自走砲ですね。しかもオープントップだし。
一応外部ジェネレーターも内蔵しているので、リボルビングバスターキャノンのスライドギミックも活かしています。
搭乗員は運転手と砲手(ジェネレーターのスイッチを押す人)の2名。今回は2人とも膝立ちを余儀なくされています・・(笑)
使用キットはドーザーに使った3キットに咥えてM.S.G. ヘヴィウエポンユニットのリボルビングバスターキャノンとオーバードマニピュレーター、外部ジェネレーター各1つです。
所要時間は1時間弱。主砲の位置決めに少し迷いましたが、ドーザーで基本形ができていましたので、わりと短時間でいけました。
ワイルドバンディット
野性の盗賊て・・(笑)
最後はシンプル(?)にバイクとして。
とりあえず、ホイールパーツは余さずどこかに付けたいという性癖が自分にあることが判明しました(笑)。
第2次大戦感と世紀末感がほどよく融合しているような・・?
これは各部の開閉、可動ギミックはほとんど盛り込めませんでした。
轟雷改を乗せるとこんな感じ。
ちょっと前後に長いですね。
2人乗りできるしいいか。
使用キットはワイルドクローラーとバンディットホイールを1つずつ。フレームの固定にデザートバギーのロールバーパーツのみ使いました。
所要時間は1時間半ほど。
以下、画像
まず基本形に戻して何枚か。
1人で気儘に初乗りドライブ・・のつもりが、当然のように荷台に乗り込んできたレティシアとスチ子。
もっとスピード上げて! とはしゃレティシアに、
ツインテールを風に靡かせてご満悦のスチ子。
これには、普段あまり感情を露わにしない轟雷改もうんざりといった様子。
2人を降ろして(実力行使で排除して)、あらためて1人でドライブ。
しかし、なにがあってもすぐ対処できるよう、装備は一式積んでいきます。真面目!
1/24スケール対応型でも。
ずっと1人で運転してるガバナーが可愛そう・・
以上、“ギガンティックアームズ ワイルドクローラー” でした。
いやぁ、ひさびさに楽しく組み換えに興じることができました。
やっぱ履帯はいいよね。ロマンがある。
ちょうどガルパンのBDを観返しながら弄っていたこともあって、数日間妙なテンションでした(笑)。
もちろん、パッと見では普段と変わらないくらいに平静を保てるスキルは習得していますが(キリッ)。
ほら、おかしなこと言ってる・・
さて、基本形としてわりと純粋な乗り物をモチーフとしたのは、ギガンティックアームズでは初の試みですね。
コトブキヤからこんなに本格的(?)な戦車系のキットが発売されるとは・・
これまでのギガンティックアームズでは定番だった合体ギミックは採用されていませんが、そのぶん組み立ては案外易しく(履帯を1枚1枚繋げていくのは地味に面倒でしたが)、説明書に乗っている組み換え例もさほど手間がかかりません。
基本形があくまで乗り物なので、誰かを乗せてナンボのキットではありますが、FAGなどの1/12スケールから、わずかなパーツ交換でヘキサギアなどの1/24スケール対応に変更可能(運転席部分は、他キットと交換する必要がありますが)と非常に汎用性が高く、初心者には少々ハードルの高いシリーズの枠を超えた自由な組み換えが比較的容易にできるというのも大きなポイントでしょう。
というか、それこそがワイルドクローラーの真骨頂、ですね。
そういう意味でも、まだ小さい子供やプラモ初心者にこそ作ってほしいキットだと思いました。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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