ヘキサギア バルクアームβ ランバージャック レビュー

 今回のレビューは、1/24スケール ヘキサギア より、

“ヘキサギア バルクアームβ ランバージャック” です。


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“ヘキサギア” より、

 第2世代型ヘキサギアで最も普及したバルクアームシリーズの改修機、

“バルクアームβ” の派生モデルの1つ、

“ランバージャック” が標準仕様に先駆けて発売されました。


 このところめっきり第3世代型の新作が発表されなくなってきました・・

 一方でガバナーのほうはアメコミ風味が薄れてミリタリー感が増してきましたが、でもさすがに上半身裸のおっさんは要らん!(笑)

 そんなわけで、一般販売分のバルクアームシリーズもなんだかんだで4つめを数えることになりました。

 前回のグランツでは可変機構を盛り込むなど、本体構造にもけっこう手が加えられていましたが、今回のβ型の基本構造はα型とほぼ一緒なので、おおよそはもう説明書なしでも作れますね。

 2019年最後のアイテムがさほど変化のないバリエーションというのもちょっと淋しい気もしますが・・

 今年はもっと第3世代型(獣モチーフ)のキットが出るといいなぁ。


 気を取り直して、レビューに移りたいと思います。

 キットは素組みに一部塗装での仕上げです。

 アンダーグラウンドで行われているバルクアームを使った賭け試合 “レイティングゲーム” のチャンピオンが使用する機体として人気があるという設定のランバージャック。

 しかし、ワンオフ機ということではなく、正規の軍用派生モデルではあるようです。

 最初に発売されたα型の標準仕様(でいいのか?)よりもさらに暗い、もはや黒に近い色の外装に巨大な鉈状の武器を背負った見ためは、なかなかに禍々しい感じです。

 主に脚部に装備が追加され、上から下に向かってのボリュームが増したことでα型よりも、ぐんと重厚感がアップしています。

 例によって細かい色分けは再現されていませんが、成型色のままでも十分かと思います。決して塗るのが面倒なわけではありませんよ(笑)。

 今回の “ランバージャック” はβ型の派生モデルの1つで、「対象を確実に解体する」ことをコンセプトに改修された、近接格闘戦あるいは施設破壊に特化した仕様となります。

 α型からβ型への改修点としては、手首関節の追加と、脚部に装備するオプションタイプのホバーユニットがあります。

 ホバーユニットはβ型の標準装備ではありますが、あくまでも追加オプションなので、取り外すことも可能(詳しくは後述)。本体の脚部自体はα型から変化はありません。

 それにしてもこの後ろ姿、いいですねぇ。

 ホバ-ユニットの追加でベルボトム風に広がった脚部と、折りたたんだ状態で懸架された巨大な得物・・ちょっと違いますが、僕はこの後ろ姿を見たときザメルを思い出しました。

 サンドカラーの標準仕様購入の暁には、M.S.G.ストロングライフルと合わせてザメルもどきを作ろう。

 そして、HGUCザメル発売までの心の支えとします(笑)。


 本体におけるランバージャック独自の仕様としては、頭部ユニットと胸部正面装甲、そしてその下のダクトっぽいパーツが専用になっています。

 脚部の増加装甲も独自要素ですが、そちらについては後ほど。

 その頭部(顔付き)は、グランツほど趣味的ではないものの、ツインアイタイプでイケメンになっています。

 上部のセンサーと合わせて4つ目にも見えますね。

 ツインアイはオレンジのクリアパーツ製なのですが、周囲の暗い色のパーツのせいもあって裏面にシルバーを塗ったくらいでは全然目立たないため、もう表面をゴールド、クリアオレンジの順で塗ってしまいました。それでもさほど目立ちませんでしたが。

 上部のセンサーも胸部装甲のモニター(?)と合わせてガンダムマーカー メタレッドで塗っています。

 なお、今回画像は撮っていませんが、α型に付属した2種の頭部もそのまま付属するので気分で交換するのもよいでしょう。Cタイプ(密林戦仕様でデフォルトになっていたほうの頭部)のゴーグルは今回塗装されていませんが。

 

武装・ギミック

スラッガーブレード

 ランバージャック唯一の手持ち武装。

 使用状態の全長は本体の全高を超える超大型武装です。わかりやすく言えば、どでかいヒートソードですね。

 本来は市街戦において進路確保の障害となる建造物の解体を目的とした作業用のツールで戦闘での使用は想定されていない・・とのことですが、刀身に “碑晶質” という希少素材を使用。これはヘキサグラムと併用することで瞬間的に超高熱を発生させることができ、対ヘキサギアにも十分な威力を発揮するようです。

 ただ、碑晶質の希少性も含めて安全対策のために装填できるヘキサグラムは2個(根元部分に装填)に制限されています、つまるところ最大威力でぶっ叩けるのは2回だけ、ということですかね。

 刃はクリアオレンジのパーツで再現されています。今回は内部をシルバーで塗りました。こっちはそこそこ効果があったかな。

 非使用時は柄の部分で折りたたむことができ、ジョイントパーツを介してコクピットシェル側面(デフォルトでは右側)にマウントされます。


ブルアーマー

ホバーユニット

 ブルアーマーはランバージャック仕様で脛に装備される増加装甲。通常装甲の上からそのまま取り付けることになります。

 爪先にかかる部分で可動はしますがごくわずかに動くのみなので、足首の可動には干渉しがちです。

 その足に履くようなかたちで装備するのが、ホバーユニット。

 エアクッション型の機動装置で、こちらはβ型の標準装備となります。

 実際の推進力を生み出す後部回転翼内部のファンは回転、ラダーは左右に振ることができます。

 底面はご覧の通り、がらんどうになっています。

 これは・・これでいいのだろうか? こちらもファンは回転します。


 さらに、本体から取り外して組み換え、グリップ等を追加することでガバナー用のホバービークルに変形します。

 形状はシンプルでけっこう可愛らしい。これをベースにいろいろ組み換えるのも面白いと思います。

 ただ本体から取り外す際は、側面のグレーのジョイントパーツを外すのがけっこう厄介です。

 ガバナーを乗せるとこんな感じ。

 搭乗モデルはカラーの相性がぴったりなアーリーガバナーvol.2さんにお願いしました。

 以外といい姿勢で乗ってるなぁ・・(笑)イメージではもう少し前傾姿勢になってほしかったんですが。


コクピットシェル

 コクピットの仕様は当然α型から変わらず。

 胸部装甲を含めた外装をガバッと後方に開き、次いで頭部やメインモニタが取り付けられているフレームを前方に開いた状態で乗降します。

 また、腕部が接続されている側面外装も下側の円形モールド部分を支点に前方に展開します。


手首関節

 本体構造で(頭部ユニットもオプションとするならば)唯一、α型から変更改修された部分。

 既存パーツに新規パーツを組み合わせて間接が新造されています。α型と比較して可動点が増えており、柔軟かつ複雑な表現が可能になっていますが、実際の可動にはかなりクセがあります。

 マニピュレーター(アイアンフィスト)自体はα型から変更はなく、手持ち武装の保持に補助パーツ(サブマニピュレーター)が必要なことも変わらず。


比較画像

 まずはα型(標準仕様)と。

 ブルアーマーとホバーユニットを装備したことで下半身のボリュームが増し、全高もホバーユニットの厚みのぶん高くなり、全体のバランスもよくなりプロポーションが向上しました。

 やっぱり脚部のボリュームって重要ですね。並べて見るとα型の脚は貧相だし、そのせいで随分と弱々しく見えます。

 カラーリング効果もあるでしょうが、ランバージャックにはもはや量産機ややられメカといった印象はまったくありません。

 シリーズの異端機であるグランツと。

 これはまた系列機とは思えないくらいがらりとシルエットが変わって面白い。

 グランツの可変機構を逆に流用して、ガンタンクR-44(あるいはロト)っぽい軍用可変機を作るのもいいですね。

 ビークル形態にしたホバーユニットとデザートバギーのサイズ感はご覧の通り。

 結構小さいです。まぁ、バギーが思いのほか大きいというのもあるんですが。

以下、画像

 パッと見ずんぐり体型ではありますが、可動性能は必要十分。そこはα型から基本的に変わりません。

 ただ、ABS同士をはめ込む可動部はけっこうキツめなので、できるだけ可動部の近くを持ってゆっくり動かしてやらないと破損する恐れがあります。とくに、ホバーユニットの追加で間接に対して負荷の増えた足首は要注意。というか、そこははめ込みが浅いこともあってわりと簡単に外れます。

 そして、最初こそキツめの可動部も、けっこう早い段階で緩くなってきます。

 むしろなにも処置を施さないと、数ヶ月後にはまともに立てなくなってしまったりします。まぁ、いつものことです(笑)。

 スラッガーブレードの両手持ちは、ある程度姿勢が限定されますが一応可能。というか、このために手首に関節を追加したのだろうと思います。いっそ肩にも関節を追加してくれれば、もっと大胆なポーズもできたんですが・・

 それにしても、ホバー走行の重量級で、ヒートソード持ちというとやはりドムを思い起こさずにはいられません。

 色も黒いし。当然そこは意識してますよね。

 個人的にドム系の活躍で印象に残っているのは、本家のジェットストリームアタックよりも、断然0083の第1話、トリントン基地を襲撃したドム・トローペンによるジム改ぶった斬りシーンですね・・って、ザメルの件といい、全然関係ない話(笑)。

 ホバーユニットが追加されて脚のサイズが大きくなったこともあり、立て膝は若干苦手になりましたが、それでも腕基部(側面外装)の可動ギミックも合わせれば腕を地面についての搭乗姿勢を取らせることも可能。


 パーツを組み換え、M.A.G.も追加して簡単に仕様変更。

 ホバーユニットのパーツを上半身に移設。M.S.G.ハンドガトリングガンとベルトリンクを組み合わせたものを両腕に取り付けた強襲仕様。

 ガトリングガンの上部には、ランバージャックでは余剰となる胸部センサーポッド(1つはα型から借用)を取り付けました。スピード命なので、重量が増すブルアーマーは取り付けていません。

 この仕様が露払いを務めた後、本命のランバージャックが的拠点中心部を破壊するために突入する・・というようなイメージで。

 第一目標攻略後、もはや機動性を必要としないランバージャック肩ホバーユニットを取り外し、ビークルに変形させて残敵掃討、周辺哨戒にに散っていくがバナーたち。

 残されたランバージャックは、スラッガーブレードがすでに最大威力は出せないため、とりあえず威嚇用に持ってはいますがマルチプルシールドも持って防御主体で待機という格好。 


 一方、アンダーグラウンドのレイティングゲーム会場では今日もチャンピオンが相手のバルクアームを一刀両断。

 これは、普通に人が死ぬゲームですね。


 以上、“ヘキサギア バルクアームβ ランバージャック” でした。


 重量級のボディにホバー走行による機動性、そして近接用の超重武器1本のみで戦場を駆けるという潔さ、好きな人には堪らない機体だと思います。

 基型となるバルクアームαの、量産機然とした野暮ったいイメージをわずかなパーツ追加で見事に払拭し、強機体らしいシルエットを構築できたのは素晴らしいと思います。

 いや、まさかバルクアームがこんなに格好よくなるとはなぁ。


 グランツのレビューで、人型の組み換え前提モデルならもうフレームアームズがあるから、それをまたヘキサギアでやるのはどうなんだ? というようなことを書いた覚えがあります。

 今でもそう思ってますが、なんだかんだでこの型を気に入ってしまっている自分がいます。

 とくに今回、ランバージャックの後ろ姿にザメルを見てしまったので、そうなるとサンドカラーのβ標準機にも手を出さざるをえない(笑)。

 実際問題としてフレームアームズより扱いやすいですし、組み換えの自由度、ガバナー等との連携も含めるとプレイバリューはこちらのほうが上、という気もします。

 フレームアームズがもはやスピンオフのフレームアームズ・ガールの日影に追いやられている感もありますし・・

 フレームアームズ、もう随分作ってないなぁ。

 個人的には、ヘキサギアにおいては人型よりも完全新規の第3世代型動物モチーフのキットを待ち望んでいるわけですが、どうなんだろうなぁ・・

 おそらく大型キットは当分お預けでしょうね。保持力もろもろに根本的な解決策が見出せない限り、アグニレイジ並みのキットは出せないでしょう。あのカミナリ竜型の超大型機は、デザインだけの幻で終わりそうです。

 今後は、スニークサイトやクロスレイダーといった小型の “オルタナティブ” シリーズも加わり、さらに広がりを見せるヘキサギア。

 もともと開発陣が趣味を具現化していったようなシリーズですから、今向いている方向にこそ彼らが本当にやりたかったものがあるのかもしれません。

 HMMもスローペースですが復活しましたし、その代替としての役割(と僕が勝手に思っていただけ)は終えたということなのかなぁ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

 


 

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