今回のレビューは、ノンスケール M.S.G.(モデリングサポートグッズ) より、
“ギガンティックアームズ オーダークレイドル” です。
フレームアームズ・ガール(以下、FAG)などとの連携を前提としたM.S.G.の大型アイテム、ギガンティックアームズに今後の同シリーズとの合体を想定したコアユニット、
“オーダークレイドル” が
登場しました。
そんなわけで、ギガンティックアームズの第4弾(一般販売アイテムとしては8番目)となるオーダークレイドルの登場です。
コンセプトは “ファイナルギガンティックコンビネーション” ということで、FAGなどの150㎜サイズのアクションフィギュアを搭乗させられる汎用コクピットシステムとなっており、これまでのシリーズアイテムとはかなり趣が違っています。
前弾のルシファーズウイングまでは、2体のマシンが合体して大型のマシンになる、という共通点がありました(第1弾のパワードガーディアン、第2弾のアームドブレイカーは、それぞれの分離形態が成型色変更で単品発売もされました)が、今回は基本的に単体仕様。
もちろん、各パーツは手軽に分解可能なのでオリジナルの分離形態を組むこともできなくはないですが、あくまでフォルトの仕様は巨大な密閉型コクピットです。
説明書巻末の組み替え例ではオーダークレイドルをコアに、ほかのコトブキヤキットのパーツを使った巨大ロボットの画像が掲載されていますし、今後腕部や脚部を構成するパーツが同じくギガンティックアームズとして発売される予定もあるようです。
もちろん単体でのプレイバリューも高く、その点でこれまでのギガンティックアームズとはまた違った楽しみ方のできるアイテムになっています。
では、レビューしていきます。
キットは素組みに一部塗装、墨入れでの仕上げです。
クレイドルとはそもそも揺り籠という意味ですが、最近だとスマホなんかを差し込んで充電できるスタンドなんかのイメージが強いですかね。
台座に載った卵形のフォルムはわりと定番のデザインではありますが、側面に装備する大型のレドームユニットや、ある意味ネタバレしている前面上部の造型など、豊富なギミックを予感させる外観になっています。
また、黒地に白い水玉が散ったシックなカラーリングも特徴的。
そしてなによりそのサイズ。FAGが乗り込めるというだけでおおよその大きさが想像できるかと思いますが、この状態で全高20㎝オーバー、横幅は10㎝、奥行きは15㎝ほどあります。
パーツもみっちり詰まっているので、総重量もなかなかのものです。
各部カバー、パーツをすべて展開した状態がこちら。
こうなると専有面積が一気に膨れあがります。
上面装甲(トップカバー)はそのままで上向きに開きますが、前面装甲(フロントカバー)は側面の白いロックパーツを外さないと開きません。
左右のコンソール類が内蔵されたオペレーションブロックはそのまま横に開き、さらに各部が展開。
レドームユニット(オーバーサイズレドームおよびトライセンサー)は保持力確保のためか、本体への接続軸のみ六角ジョイントになっています。曲線を描くアームユニットの接続は通常の丸軸なので、いずれはへたることになるでしょうが今のところはキツイくらいです。むしろキツ過ぎて破損が心配なくらい・・
そして、たぶん誰もが察していた頭部ユニットの展開。
ただ、引き出せるだけで左右に振ったりはできません。
また、画像では忘れていますが肩のところでもう1段階展開します。
内部のシートのみの状態がこちら。
もちろん、完成後も外装はすべて取り外すことができますが、そう簡単な作業ではありません(最初に手軽と書いておきながら・・)。
一応、トップカバーや側面外装に簡易弁のようなパーツがあり、「それを開くことでパーツの取り外しが容易になります」という説明がありますが、実感できるほどのものではありません。
ということで、これらの画像は外装取り付け前にあらかじめ撮影したものです(笑)。
操縦桿やフットペダルは可動式で、搭乗させたフィギュアの動作に追従できます。
また、シートの背もたれは蛇腹構造になっており、自由に可動することで搭乗者の体型に合わせたフィット感を実現・・
とはいうものの、主に乗せることになるだろうFAGやメガミにはそこそこボリュームのある後ろ髪が伸びていることが多いので、思ったほど活かせない感じ。
なにより外装を取り付けた状態だと蛇腹を動かすこと自体が難しく、さらにFMG 初音ミクや直近で発売されたスティレット XF-3などの長いテール髪のキャラはそもそも普通に座らせることすら大変です。
なお、シートに固定用の軸などはなく、搭乗フィギュアは単純に座らせるだけになります。なので、股関節の可動がイマイチの初期FAGなどはバランスを取るのが意外と難しかったりします。
なのに、なんでアーキテクトを・・
なお、こちらが4箇所、計10個ある簡易弁。
開けた内側には3㎜径のコネクタがあり、メガミデバイス BULLET KNIGHTSに付属する極太リード線(3㎜よりちょっと太いので付けにくいですが)などを差し込めば、なにかしらの伝達ケーブルが伸びているという演出も。
さて、ここからは公式対応ガールであるアーキテクトに搭乗してもらって基本となる各形態を紹介していきます。
ちなみに、これまでのギガンティックアームズではパワードガーディアンが轟雷、アームドブレイカーがバーゼラルド、ルシファーズウイングがスティレットにそれぞれ対応しています。
もちろん専用というわけではなく、全体のデザインやカラーリング、ギミックや付属品などが各FAGとのマッチングを前提に考えられているというだけのことなので、このオーダークレイドルに轟雷やスティレットを乗せても全然問題ありません(実際に乗せられるかどうかは別にして)。
カラーだけでいうと、ゼルフィカールも合うかなぁ。
オペレーションモード A
トップカバーとフロントカバー、さらにオペレーションブロックを開いただけの、もっともオーソドックスな形態となります。
オペレーションブロックを開くときは、一旦オーバーサイズレドームを外すほうがいいでしょう。
バイザーモニター(正式名称がわからん)は搭乗者の目線に合う位置に下ろし、操縦桿は握らせておきます。
オペレーションモードというよりは、大元のコンセプトである汎用コクピットそのものといった形態ですね。
もちろん、このままFAGなどを座らせたまま各部カバー、パーツを閉じることも可能です。
オペレーションモード B
オペレーションブロックを展開して前方に回し、搭乗者を囲むように配置。
さらにトップカバー前面のセンサーも開放した、搭乗式の巨大電算ユニットとでもいうべき形態です。
こうなるとオペレーションモードという呼称がしっくりきますが、なんでレドームは外したのか?
オペレーションブロックにはキーボードとミキシングコンソールが内蔵されています。
それぞれパネル状のパーツになっており、任意で位置を交換することも可能。
ただ、すべて単色成型になっているので、キーボードのほうはそのディティールがはっきりするよう墨入れ、ミキサーのほうはフェーダーやトリム(で合ってる?)を白く塗りました。
ライブモード A
オペレーションモード Bから各パーツの配置ははぼそのままに、バイザーモニターを上部に収納し、キーボードパーツの表裏を引っ繰り返して鍵盤(こっちもキーボードですが)に変更したシンセサイザーモード。
なんとも未来感溢れる形態です(笑)。
鍵盤側ももちろん白一色だったので、黒鍵を黒く塗り、全体に墨入れしました。
ライブモード B
オペレーションブロックの各部を収納して後ろに回し、オーバーサイズレドームとトライセンサーを変形させたユニットをあらためて取り付けたドラムモード。
曲線アームの可動に若干クセがあるので位置決めがわりと面倒ですが、インパクトは絶大。
ちゃんとドラムスティックも付属しますし、ひょっとしたらこの形態が開発が一番やりたかったことなのかも(笑)。
ドラム・・もとい、レドームとセンサーの内側にはクリアパーツが使われています。
レドームは巨大スピーカーに見立てても面白いですね。
オーダークレイドルのパーツのみで(すみません、一部接続にパワードガーディアンのパーツも使ってます)ロボット形態に組み換えてみました。
フェイス部のシャープさに対する、首より下のずんぐり感・・(笑)
とりあえずかたちにしただけなので、可動性能も高いものではありません。とくに脚はほぼ動かないうえ、強度に著しく問題があります。
こんなものに乗せられたというのに、アーキテクトさんにとくに不満もなさそうなのがせめてもの救いです(笑)。
比較画像
シリーズ第2弾、アームドブレイカーと並べて。
サイズはだいたい同じくらい。
ですが、オーダークレイドルがコアユニット(ボディ)のみでこのサイズということを考えると、あらためてその巨大さを実感できます。
ちなみに、価格でいうとオーダークレイドルはアームドブレイカーより100円安いですが、箱のサイズは縦横が同じで厚みが1.5センチほど増しています。そして、箱の素材も分厚いものに替わっています。
以下、画像
というわけで、むしろオーダークレイドル単体ではこちらのほうがメインだろうと思われる(笑)ライブモードをメインに、ミク & ガールズでバンド結成。
ボーカルのミクはそのまま。
レティシアにはM.S.G.ライブアックスを持たせてギター担当に。
オペレーションブロックは取り外してジョイントさせ、素体モードのゼルフィカールに奏者になってもらいました。
アーキテクトにはそのままドラムを叩いてもらいます。
電脳の歌姫、ミク。
元気印のギター娘、レティシア。
往年のTKばりのテクニックをドヤ顔で魅せる、ゼルフィカール。
そして無表情で淡々とリズムを刻むドラム、アーキテクト。
なかなかよいキャラ構成のバンドになりました(笑)。
でも、もう一つライブアックスがあればそれをベースということにして、ギターをミクに渡し、レティシアをベース担当にすれば初期HTTと同じ構成にできたんだな。
惜しかった・・
以上、“ギガンティックアームズ オーダークレイドル” でした。
こういう自力で動かない構造物的なキットって、とくにキャタラクター系のキットを作ってるメーカーのシリーズではなかなかないですよね。そういう意味でも新鮮な気持ちで作れました。
最初、これまでのギガンティックアームズは2体合体が基本、みたいなことを書きましたが、これがコアユニットで、後々腕や脚を構成するパーツの発売も予定されているならばシリーズの共通点は実は引き継がれていると考えることもできます。
実際、試作原型らしきものの画像は公開しれており、それを見るとヘキサギアのバルクアームのような、重量感のあるロボットになるようです。
ボリューム的には、左右の腕と脚を合わせるとコアとなるオーダークレイドルに匹敵するものになりそうで、さらに武装も対応するものが別売となると、合計価格がそれほどのものになるのか想像もつきません。
まぁ、コトブキヤのキットでは過去にゴジュラス・ジ・オーガを経験しているので、せいぜいその半分くらいと思えば分割方式ということもありそれほど大変という感覚はないですね。
いかん・・いろいろ麻痺している(笑)。
おそらく腕や脚にも単体で成立するようなギミックが考えられているでしょうが、どうせなら今回のライブモードと連動するようなものがいいですね。アンプやなにかの機材になるとか、合体させてライブステージになるとか。
ただそうなると、たぶんもうロボットには合体させないだろうな(笑)。
果たしてライブモードは単体時のプレイバリューを高めるために後付けで設定されたものなのか、あるいはライブモードこそが本当にやりたかったことで、オペレーションモード、ひいては巨大ロボットの汎用コクピットいう体裁こそが後付けだったのか・・わかりませんが。
あと、直接は関係ないんですが、次作となるだろうケッテンクラートもどきの続報が全然ないのが気になる・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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