今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー117 ラチェット” です。
“戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” および、“トランスフォーマー ザ・ムービー” に登場したオートボットの
“看護員 ラチェット” が、スタジオシリーズで発売されました。
今回はすでに発売されてたのですがレビューしていなかった、
“SSー99 ラチェット(コアクラス)” と、
“SSー110 アイアンハイド(コアクラス)” も、
併せてレビューしていきます。
アイアンハイドに遅れることほぼ1年、ようやくラチェットも通常サイズ・・ボイジャークラスで発売されましたね。
昨年、同じ楠くスタジオシリーズで発売されたブローン、アースライズのときに、日本ではモール限定で(アイアンハイドとセットで)発売されたプロールと、これでザ・ムービーにおけるオートボット才女の犠牲者の4人がアニメデザインベースで揃いました。
書いてて悲しい気持ちになりますが・・
ちなみに、海外では限定でダメージ表現追加のセット商品(アイアンハイド & プロールと、ブローン & ラチェット)もあるようで、本当、人の心ないんかしら・・
このレビューでももう何度も触れてますが、ザ・ムービーではそれまでのTVシリーズはいったいなんだったのか? ってくらいにレギュラーキャラがあっさり死んでいきましたからね。
とくにオートボット側の被害は深刻だったと思うのですが、今までどこにいたの? って新キャラたちが出てきて、しれっとメインになっていきますから。
古参メンバーたちはトイ展開の都合で犠牲になったとしかいえない・・
まぁしかし、あんなふうに劇的な死が描かれたからこそ、ラチェットもアイアンハイドもブローンも、40年近く経った今スタジオシリーズでのリメイクが叶ったわけですが。プロールはさておき。
もちろんレガシーでもよかったんですけどね。
というか、ラチェットとアイアンハイドについてはほぼ同時期に同じスタジオシリーズでコアクラス版も出したのはいったいどういうつもりなんだろう?
いや、コアクラス・・ミニサイズ版のラインナップが増えることはやぶさかではないんですが、それこそレガシーでよくない?
アニメ由来キャラのミニサイズ版は、これまでレガシー等のジェネレーションラインで出ていたので、そこは棲み分けというか、区別してほしかった感はあります。
まぁ、実写版にしてもミニサイズ版はBB ショックウェーブとバンブルビーが出ているだけですが。
当初のサイズ感統一というコンセプトはもはや形骸化しているとはいえ、よくわからないですね。
ともあれ、レビューしていきます。
看護員 ラチェット
オプティマスプライムがリーダーを務めたオートボット部隊の医療、修理部門を一手に担っていたスペシャリスト。
一方でマッドサイエンティスト ホイルジャックの助手のようなこともしており、ダイノボット誕生にも関わっています。
性格は温厚で、血気盛んな武闘派の多い部隊のなかでは数少ない良識派。
ザ・ムービーでは冒頭、宇宙船で地球に向かっていた際にメガトロン率いるディセプティコンの襲撃を受け、同乗していたアイアンハイド、プロール、ブローンともども壮絶な戦死を遂げてしまいます。
ロボットモード
先に発売されたSS アイアンハイドの流用で、正面から見る限りは頭部と、見落としがちですが腰部前面パーツが新規造形。
ほかはそのままで成型色および塗装が変更されています。
構造その他、詳しくはアイアンハイドのレビューで触れていますので、今回はさらっと流しますね。
シージ、アースライズを経ての新規型で、大まかな構造は踏襲しつつもよりアニメデザインに近い姿になりました。
でも、まだ脚部に皺寄せが来ている感じは否めませんね。
後ろから見るとより顕著。
脛から下でビークルの外装を細かくたたんでいる様がけっこう露わになっています。
そのガワにライト(赤く塗られた四角)が付いているのがおわかりだと思いますが、今回新規造形されているのはそのライトと頭部だけですね。
先日レビューしたブラジオンも頭部と追加された刀だけが新規造形で個人的はかなり不満だったのですが、ラチェットはべつにいいんです。
だって、そもそもそういうキャラだから・・
頭部アップで。
丸い頭にトサカのあったアイアンハイドと違って、丸い頭で額にV字の飾りを付けているラチェット。
フェイス部も実はちょっと違っていて、ラチェットは顎が出っ張っています。
表情は意外に厳しい感じですね。
まぁ、場面が場面だけに・・
両肩には本来、赤い十字マークが付いているのですが、なにかとややこしく使えないらしく、十字ではない謎の図形にオートボットマークを組み合わせたマークがプリントされています。
ただ、肩の造形自体がアイアンハイドと同じモノで細かなディティールがあるので、せっかくのマークがちょっと掠れたような見ためになってしまっているのは残念。
腿を上げる場合は、腰部前面パーツ・・つまりはパンツを前方に跳ね上げる必要あり。
仕様自体はともかく、脚の付け根のはめ込み部分がモロ見えになってしまうのはいただけない・・
これもコストカットの影響でしょうね。
シージやアースライズではデラックスクラスだったけど、それではアニメデザイン再現は難しいとボイジャークラスに昇格したはずなのに、それでもまだこんなことに・・
付属武器
ビームガン
小型のビームガンが2丁付属します。
アイアンハイドに付属した内容とまったく同じですが、そもそも劇中でこのビームガンの2丁拳銃スタイルを見せたのはラチェットなので、こちらが本家ということもできます。
銃口は3㎜軸になっています。
非使用時は背面にマウント可能です。
ビークルモード
オリジナルの設定では救急車仕様の日産チェリーバネットに変形。
今回はかなり近い雰囲気の救急車にトランスフォーム。
ルーフにライトが追加されている以外は、アイアンハイドのビークルモードの色違いでしかありません。
アイアンハイドでも側面のオレンジのラインがありませんでしたが、ラチェットでも赤いラインなし、赤い十字マークも当然無しで、とにかく白いです。
フロントやサイドのウインドウはクリアブルーで再現されており、周りの外装部は白く塗装されています。
なので、成型色との色味の違いがけっこう目立ちますね。
リア部はシージやアースライズのときのようなことはなく、ちゃんと実写に近いデザインを再現。
ただ、やはりアイアンハイド同様、ウインドウやバンパー、ライトは塗装されておらず白一色。
これ、アニメデザイン再現のスタジオ版なんだし、そもそもクリアパーツを使う必要なかったんじゃないかと思うんですよね。
前部白色成型にして、ウインドウは水色とかで塗ってしまえば、クリアパーツと違って強度面の不安も・・なくなるとは言わないけど随分マシになると思うし、白色の色味の違いが気になることもなくなる。
ついでにリアのウインドウを塗るくらいの余地もできたんじゃないか? って。
変形はそのクリアパーツ製のガワを開いたり閉じとしたり、クリアパーツ同時をジョイントさせたりするところでなにかと気を遣います。
まぁ、すでにアイアンハイドの経験があるので慣れてたものですけどね。
ただ今回はフロントとルーフのジョイントがやたら固くてヒヤヒヤしましたが。
とまぁ、そんな感じで身長に変形させても・・
全体が波打ってますね。
ルーフが絶対フラットにならないんですが?
アイアンハイドよりマシになっているかと期待しましたが、変わりなし。
箱型のロボットを箱型の車に変形させることが、なぜにこんなにも難しいのか・・
数いるトランスフォーマーのなかでも、アイアンハイドおよびラチェットの変形難度の高さは本当、謎ですよね。
もっとシンプルにできそうにも思うんですけど、無理なんだなぁ。
ビームガンは後部底面にマウント可能。
救急車らしからぬエグゾーストパイプが露出するような格好になりますが。
ドリルみたいにも見えるな・・
また、ライトは取り外すことができ、
あと、画像撮るの忘れましたが、フロントバンパーの下側に付けることもできます(アイアンハイドのレビューを参照してください)。
ちなみに、ライトはウインドウと同じクリアブルー成型で表面を全塗装したものになります。
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は彼らが最期を迎えることになった宇宙船のブリッジ。
アイアンハイドに付属のものと同じですが、ちょっと色味が明るくなっていました。
ちょいちょいあるこの明度の違いはなんなのか?
印刷のたびに設定忘れるの?
SSー99 ラチェット
SSー110 アイアンハイド
同じスタジオシリーズから発売されたミニサイズ版のラチェットとアイアンハイド。
通常サイズ版とは順番が逆でしたね。
これまでレビューする機会がなかったので、今回一緒に紹介しておこうと思います。
ロボットモード
二人まとめていきますよ。
ビークルモードのルーフとなる背面パーツのみ。
ラチェットの背面パーツにはライトが造形されており、ついでに3㎜穴も開いています。
タイタヤを除き、ラチェットは白色一色での成型。
アイアンハイドはグレー成型のぱーつもありますが、塗装で再現されている部分も多いです。
プロポーションはこれまでのミニサイズ版同様、ややデフォルメされてます。
頭部が小さく、相対的に通常サイズ版よりもがっしりした印象。
間接可動部はほぼボールジョイント接続で、個体差もあるでしょうがラチェット、アイアンハイドともに脚部付け根、膝が外れやすいです。
変形させてると外れるパターンが多いですね・・
なお、うちのラチェットは頭部接続がゆるっゆるで、頭がクルクル回ってしまいます。
外れはしませんけど。
ラチェットの頭部。
額の飾りの造形がシンプルになっていますが、基本的に通常サイズの顔付きに近いです。
肩のマークも同じものですね。
付属武器は2丁のビームガン。
これも通常サイズ版と共通。
グリップ以外、シルバーで全塗装されています。
グリップは3㎜。銃口も一応3㎜なのでエフェクトパーツを付けることもできます、
ビークルモードで使うジョイントの都合で、2丁が左右対称の造形になっていますね。
アイアンハイドの頭部。
なんとなく、ラチェットより老けて見える・・
やはり2丁のビームガンが付属。
ラチェット付属のものと同じですが、ビークルモードに取り付けるためのジョイント部は塗られていません。
ビークルモード
ラチェットは救急車仕様、アイアンハイドは通常仕様の同型バンにトランスフォーム。
先の通り、ルーフパーツに違いがあります。
小さいながらフォルム事態は悪くなく、変形もシージからスタジオシリーズの通常サイズでほぼ確立されたパターンをおおよそ踏襲しています。
ただ、可動部がほぼボールジョイントということもあり、かっちり合わせるにはある程度の慣れが必要かもしれません。
フロント部分とルーフの間にけっこうな隙間が出るのも気になりますね・・
塗装は最低限で、ともに運転席部分のウインドウとフロントバンパー(それに加えてラチェットはライトも)だけ塗られていて、側面や後ろ側は成型色のまま。
後ろから見るとかなり寂しいですね・・
あと、通常サイズ版とは違ってルーフが後ろに張り出した形状になっています。
ビームガンは車体左右にマウント可能。
通常サイズ版よりも実用的な位置な気もする。
中台紙の背景は通常サイズのものと同じ、宇宙船のブリッジですね。
例によって固定用のプラ紐を通す穴が開いているので背景には使いにくいですが。
比較画像
まず通常サイズのラチェット。
基型のアイアンハイドと。ロボットモードで正面から。
頭部と腰部前面パーツが新規造形。
クリアパーツの色はたぶん変わっていないと思うのですが、地の色の違いでアイアンハイドのほうが濃い色に見えますね。
後ろからも。
ラチェットの脛裏にはライトが追加。
造形の変更ではなくオプション追加というかたちになります。
ビークルモードでも。
カラーリングとルーフ状のライトの有無が違うのみ。
ラチェットでライトを付けるためのルーフ上のダボジョイントですが、やはりアイアンハイドではその存在が悪目立ちしてしまいますね。
ルーフ自体がクリアパーツに塗装で、ジョイントは塗られていないので余計にね・・
左から順にシージ版、アースライズ版と。ロボットモードで。
シージでもアースライズでもラチェットは限定発売だったので、今回ようやく一般発売されて彼自身ホッとしているのではないでしょうかね。
アースライズはシージの流用で、今回のスタジオシリーズは新規型となりますが、変形パターンなど基本的な構造はおおむね踏襲されてます。
まぁ、脚部の変形がかなり複雑化しましたが。
しかし、シージ版はそのままサイバトロンモード、そしてアースモードとしては今回のスタジオ版がやはりアニメデザインを再現しているのでそこに充てられるとして、じゃあアースライズ版はどういう扱いにすればよいやら・・
ビークルモードでも。
救急車として見ると、今回のスタジオ版よりむしろアースライズ版のほうが再現度が高い気がしますね。
まぁ、リア部にブースターみたい名の付いてるんですが・・
やっぱり側面の赤ラインの印象は強いなぁ。あとワイパーとか、地味なところもしっかり塗装されてますしね。
通常サイズとコアクラスのラチェット。ロボットモードで。
個々のバランスはさておき、上半身の構成はほぼ同じ。
下半身・・脚部は変形パターンの違いもあってちょっと印象が違うものになっています。
ビークルモードでも。
車体側面に分割線や可動ヒンジので出っ張りなど、なにかと目立つのはどちらも一緒。
アイアンハイドも。ロボットモードで。
やっぱりなんかミニサイズ版のほうが老けて見えるな・・
ビークルモードでも。
ラチェットよりもウインドウの色の差が目に付く感じ。
ミニサイズ版でオプティマスプライムと。ロボットモードで。
まぁまぁいいサイズ感だと思います。
このサイズでもっと初代メンバー欲しいなぁ。
ビークルモードでも。
アイアンハイドンのレビューの繰り返しになりますが、足首の柔軟性が非常に高いです。
内側スイングはもちろんのこと、変形都合もあって前後にもスイングできるので接地性は抜群。自立も安定します。
立て膝も綺麗に決まります。
ただパンツがねぇ。なんで左右分割できなかったのか・・
ともあれ、手首ロール可動も完備です。
2丁拳銃スタイルで。
TVシリーズでこのスタイルで戦ったことってあったっけ?
どちらかというと格闘してるイメージがあるなぁ。
スタンドを使って。
スタンド用の3㎜穴は腰裏にあります。
ボールジョイント接続の頭部はやや上を向かせることもできます。
アイアンハイドと一緒に。
同型ですがとくに関係性はなかったと思う二人。
でも、ともにいろいろな武器や道具を扱う器用さは持ち合わせていましたね。
今回はあくまでザ・ムービーでの活躍(?)を再現したものなので、ビームガンしか付いてませんが。
ラ「修理の腕で私の右に出る者はいない。すぐに元通り直してやるぞ。
ア「我々の部隊にラチェットがいてくれて本当によかった。安心して無茶な突撃ができるってもんだ!
ラ「無茶な突撃はしないほうがいいぞ。
ミニサイズ版のラチェットで。
膝が30度くらいか曲がりませんが、腰は回りますし、間接は基本ボールジョイントなのでロールも可能。
アイアンハイドで。
自立もまぁ安定しますね。
なお、ラチェットは背面、ライトの基部にスタンド用にも使える3㎜穴がありますが、アイアンハイドにはありません。
簡易ベースと一緒に。
このとき、すでにブローンとプロールは死んでいる・・
ミニサイズだと通常サイズのベース上に二人並べられますね。
背景とのサイズ感もこっちのほうが合ってるかも。
それは壮絶な全面対決の幕開けだった・・
まぁ、TVシリーズから劇場版になって作風がガラリと変わる・・なんてことはままあることで。
とはいえ簡単にやられ過ぎだろ、オートボット。
まぁ、ディセプティコン側はこのほかにビルドロン(コンストラクティコン)もいたので、4体7で数的にもオートボットが不利だったわけですが。
メガトロンが変形したワルサーの一撃(撃ったのはスタースクリーム)でまずブローンが死亡。
続いてプロールがスカベンジャーに撃たれて、口から煙を噴き出しながら死亡しました。
ラチェットも複数の射撃を受けて死亡しますが、4人のなかではその描写があっさりしていたというか、さらっと流された感じでしたね・・
ともあれ、副官クラス2人に修理部門のトップ、そしてベテラン戦士を一度に失ったオートボット。
しかし、それも序章に過ぎなかった・・
以上、“SS ラチェット” +“SS コアクラス ラチェット” 、“SS コアクラス アイアンハイド” でした。
既定路線としてのアイアンハイドからのラチェット。
通常ラインでアニメデザインベースのトイとしては、現状最高のものである・・という感想はアイアンハイドと同じです。
ただ、当然不満点も同じようにあって、まぁそのへんはアイアンハイドのレビューで諸々書いているので繰り返すことはしませんけどね。
悪くはないんだけど、あちこちに見えるコストカットの影響とか、微妙に歪になってしまうビークルモードとか・・結局繰り返してる(笑)。
たぶん、いろいろ諦めたところもあるんだろうな。
コスト管理厳しいらしいですからね。
クラスごとの固定やめればいいのに・・
コアクラス(ミニサイズ)版の2体については、まぁこんなものででしょうね。
やはりパネル状のパーツを展開するタイプの変形ですが、当然通常サイズよりもシンプルな変形でしっかりビークルモードの形状を再現できていると思います。
色が少ないとかはまぁ仕方ないですね。
武器もビームガンが2丁付いてきますし、コアクラスとしては豪華ともいえます。
ただ、ほぼ同時期に同じスタジオシリーズで通常サイズとミニサイズとをリリースしたのは、やっぱりわけがわかりませんね。
アニメ由来のミニサイズ版はジェンレーションラインで統一してほしいです。
まぁ、どっちでもたぶんモノは一緒でしょうけどね。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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