TL デフコン レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TLー44 オートボット デフコン” です。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” に登場した1話限りのゲストキャラ、

“賞金稼ぎ デフコン” が、

レガシーで発売されました。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” の第35話(日本版の話数)、“ギャンブル惑星 モナカス” に登場したゲストキャラクター、デフコン。

 1話限りの登場ですが、そのスマートなイケメンぶりからコアな人気を誇るキャラクターですね。

 ちなみに、実写映画第3作のダークサイドムーンに同名のキャラが登場していますが、そちらは4足歩行の異形ディセプティコンで、今回のデフコンとは一切関係ありません。

 なんで名前使ったんだろう?

 ゲストキャラということでそもそも基になっているトイがないため、メインキャラたちとは少し異なるデザイン・・同じくゲストキャラクターであるアルファートリンやエリータワンなどのウーマントランスフォマーに近い、曲線メインのデザインになっていて、その点は後の2010レギュラーキャラに近い雰囲気でした。

 当然、当時にあらためてトイが開発、発売されるようなことはありませんでしたが、2014年のボットコン(海外のトランスフォーマーイベント)で、日本ではユナイテッドシリーズで発売されたスカージのリデコで限定発売されたのが初の立体化。

 ほかにもなにかあったのかな? 

 今回もさすがに新規造形ではなく既存の型の流用となりますが、一般販売になるとは思いまでんでした。


 それではレビューしていきます。


賞金稼ぎ デフコン

 戦争勃発時にサイバトロン星を脱出し、以降賞金稼ぎとして宇宙を渡り歩くようになった一匹狼のオートボット。

 宇宙刑務所を逃げ出したアストロトレイン、ダージ、ラムジェットを追ってギャンブル惑星モナカスにやってきたところ、酒場で出逢ったスモークスクリーンと意気投合、協力してディセプティコンと闘技場の元締めを撃退し、囚われていたオプティマスたちを救出しました。

 最後は酒場でのいざこざから助けたことで懐かれたスリザードを相棒に、再び宇宙を放浪する旅に出ています。


ロボットモード

 当時からブラーに似てるなぁ(時系列的にはブラーが、似てる)と思っていたのですが、今回はそのブラー(SS版)の流用となります。

 といっても実際に流用されているパーツはわずかで、ほとんどのパーツが新規造形。

 基本構造はおおよそ踏襲されており、背中のガワパーツを起こしてビークルの機首にするところや脚部の変形パターンはブラーと一緒です。

 ほぼ青一色のカラーリングといい、シンプルなデザインといい、あらためて見るとまぁまぁモブキャラっぽいですが、そこは日本版でCVを担当した鈴置 洋孝氏のイケボのおかげもあるんでしょう、クールイケメンという印象が強いです。

 兼ね役の多かった初代アニメでも、玄田さんはコンボイ(オプティマスプライム)専属でしたし、鈴置さんも、ほぼスタースクリームしか演じていなかったので、そんな彼がデフコンでいつもの卑怯で情けない感じとは違う、クールキャラを演じられていたのが意外だったというか・・

 むしろ鈴置さんにとってはデフコンの演技のほうが主軸っぽいと知ったのはあとになってからでした。

 僕にとっての初鈴置はスタスクでしたので。

 ただ、そんなアニメでのイメージに対して今回のレガシー版は、ちょっと下半身が貧相かなぁ。

 太腿がブラーの流用なので細いんですよね。

 そして、実際はそこまででもないんですが、味全体が少し短く見えますね。

 わりとボリュームのある上半身との対比でそう見えるんだと思いますが、それはブラーでも感じていた点。

 アニメだともっと太腿がむっちりしていて、全体のプロポーションのバランスもよかった気がします。ブラーもね。 

 また、パッケージイラストやパッケージ裏の画像では拳はシルバーなのですが、現物はご覧の通り青い成型色のままです。


 頭部アップで。

 ちょんまげのようなセンサー(?)が頭頂部に生えているのが特徴的。

 ブラーやスカージにも共通する要素で、ほかにもモブキャラで似たデザインをけっこう見るような・・トランスフォーマーでは一般的なことなのかな。

 顔はもちろん、すっきりとしたイケメンです。


 背面。

 ビークルモードで機首となる部分、さらに胸部を覆うパネルパーツを折りたたんで背負う格好です。

 肉抜き等はそこまで気になりませんが、変形時のクリアランスの問題もあってて、ブラー同様脛の内側が空洞になっています。


 ガワのパネルパーツについては完全に裏側が見えている状態ですが、しっかりディティールが造形されてるのであまり裏側感はありません。

 ただ、ちょっと嵩張る感じは否めませんね。

 スタンド対応穴は背中にある(下画像黄色矢印)のですが、

通常はガワパーツで完全に隠れてしまうので、ロボットモード時用のものではないのかも。

 ブラーでは腰裏(赤矢印の位置)にあったのですが、今回はその位置にビスが。なんで?

 


付属武器等

ハンドブラスター

 手持ちの銃が1丁付属。

 ボディと同じ青色成型のパーツにシルバーでされていますね。

 銃口先端は3㎜軸になっています。

 今回は基本手持ち武器という扱いですが、前腕側面に5㎜穴があるので、アニメ再現で右前腕に取り付けることも可能です。

 やっぱりこっちのほうがいいかな。


ロケットブースター

 通常、ビ-クルモード後部に配置される高推力のブースターが5㎜軸接続で取り外し可能なオプションとして付属。

 ロボットモードでは脛裏が定位置となります。

 まぁ、位置的にはビークルのときと一緒なんですが、このまま変形させると噴射口が前に来てしまうので、変形後左右を入れ換える必要があります。

 噴射口は5㎜穴になっていて、反対側には3㎜軸もあります。

 ブラスター同様水色で計のパーツに塗装されているので、内側の肉抜き部分が水色なのがちょっと残念・・


エヴォフュージョン

 ハンドブラスターの左右にロケットブースターを取り付け、3連装砲とするのが今回のデフコンのエヴォフュージョン。

 なんか、久しぶりにちゃんとエヴォフュージョンしてくれて嬉しい・・


ビークルモード

 スペースシップにトランスフォーム。

 やはりブラーのビークルに似た感じですが、あちらがホバータイプのフューチャーカーだったのに対し、こちらは宇宙船。

 ちなみにアニメでデフコンが変形したのは最後にスリザードを乗せてまた宇宙に旅立つときだけでした。

 拳を収納することで展開するスラスターの噴射口部は5㎜穴。

 変形については先にも言ったとおり、ブラーと共通する部分が多いですが、腕部はほぼそのまま側面に固定するだけだったりと、よりシンプルになっています。


 なお、ビークルモードを上から見てみるとロボットモードの胴体部とビークルの機首からルーフ(といっていいのか?)部分にぞれぞれよく似たディティールがあるのに気付きます。

 これって、本来は共通する部分なんじゃないの?

 おそらく設定上はロボットの胴体部分が180度ひっくり返えるような変形なんじゃないのかな。

 そう考えると、ガワパーツをもっと大きくしてロボットの胴体部分のディティールを完全に隠してしまわないといけなかったんじゃないだろうか?

 う~ん、ちょっと詰めが甘いというか・・

 ただしそうした場合はロボット時に背負うガワがもっと大きくなってしまうのでよし悪しという感じですね。


 底面はこんな感じ。

 ブラーから流用されている足パーツ、変形時の処理も当然一緒ですね。

 また、ビークルモード時用のスタンド対応穴が機首パーツの接続アームに開けられてます。

 先に触れたロボットモードの背中にあるけど、その機首パーツのせいで完全に隠れてしまう穴については、ビークルモードでもご覧の通りかなり奥まった位置になってしまうので、やっぱりこの穴はロボットモード用なんでしょうね・・


 機首先端の銃口っぽい部分は、ちょんまげが移動してきたものですかね。随分大きさが変わっていますが、それはまぁ仕方ない。

 先端部は5㎜軸になっています。


 ブラスターは機首底面に取り付け。

 ブースターは先の通り機体後部、ロボットモードと同じ位置に、左右逆に取り付けます。

 ちなみにブースターを付けたまま変形させるとこうなります。

 デザイン状、軸が片方に寄った位置にあるので一旦外して付け換えるしかないですね。


 ということで、オプション類をすべて取り付けた状態がこちら。

本体だけのときはかなりあっさりしていて、民間の宇宙船という感じでしたが、こちらは戦闘もこなせるし高速航行も可能な軍事用という雰囲気。


比較画像

 流用基になったSS ブラーと。ロボットモードで。

 実際に流用されているパーツは、肘関節と脚の付け根から太腿まで、それと足くらいですかね。

 背の高さもほぼ一緒で、頭の大きさや腕、脚の長さもほとんど変わりませんが、肩幅はデフコンの砲が広くなってマッチョ感が増してますね。

 だから余計に脚が細く見えるのかな・・


 ビークルモードでも。

 こちらもなんとなく似た雰囲気ですが、まとまりのよさはブラーに軍配が上がりますかね。

 デフコンは腕がまんまだからなぁ・・

 1話限りの共闘となったスモークスクリーン(ER版)と。ロボットモードで。

 奇しくもカラーリングにもわりと共通点があって、そりゃあ気も合おうってもんです。

 デフコンのほうが随分背が高いけど、それもなんとなくイメージ通りかもしれない。

 しかし、いわゆるアースモードとサイバトロンモードの方向性の違いがよくわかる対比だと思います。


 ビークルモードでも。

 フィアレディZと宇宙船。

 劇中この姿で両者が並ぶことはありませんでしたが。

以下、画像

 可動性もほぼブラーと変わりませんね。

 足首が内側スイング以外に変形都合で前方向にスイングできますが、それ以外履いたって平凡・・いや、凡庸という感じで、正直ちょっともの足りなく感じます。

 立て膝は、膝が着けないので厳密には立て膝とは言えませんが、先の足首可動のおかげで一応この状態で自立可能。


 エヴォフュージョン!

 射撃の名手ということでもあるので、ブラスターのパワーアップはキャラクター性にもマッチしていてよいと思います。

 エヴォフュージョンにはなんでそうなった? と思うようなものも多いので、久々に真っ当な感じ。


 スタンドを使って。

 先にも言ったようにスタンド穴を使うためには背中のガワパーツを開く必要がありますが、まぁ多少開いていてもそこまで不自然ではないので、実際それほど問題ではないんですよ。

 ただまぁ、方法はあったでしょ? と思うだけで。

 たとえば、ビークル機首先端の銃口っぽい部分に穴開けておくとか・・


 デフコン 高機動モード!

 5㎜穴が多いので、ロケットブ-スターの取り付け位置を変えるだけでもけっこう遊べます。

 拳を変形させてハンドキャノン発射! とか。

 可動性は並だけど、そのへんの拡張性は高いですね。


 ビークルモードでも。

 ロボットモードはともかく、こちらでちゃんとスタンドが使えるのはありがたい。

 劇中このモードで戦闘は行いませんでしたが。


 5㎜穴が多いので久々にウエポナイザーと一緒に遊んでみました。

 相性がよさそうなSG シックスガンを装着。

 大型ハンドがまっすぐ付けられるのが高ポイント。

 後ろはこんな感じで。


 ビークルモードでも。

 武装盛り盛りのバトルシップになりました。

 こちらでは腰部パーツの取り付けは断念しています。


 “ギャンブル惑星モナカス” は、宇宙を航行中のオートボットの宇宙船が突如謎の大型宇宙船に拿捕されるとことから物語が始まります。

 大型宇宙船の主はボッシュという宇宙人で、オートボットからエネルギーを抜き取り、奴隷人形として売り払おうという魂胆。

 オプティマス以下オートボットたちは捕らえられて行動不能になりますが、スモークスクリーンだけが装置の故障で難を逃れます。

 しかし状況は不利、そこにスロットマシーンを見たスモスク。

ス「オレはギャンブルの天才だ、オレが買ったら仲間たちを開放しろ」

 と、見えないところでマシーンに干渉する・・いわゆるイカサマで勝利。

 ボッシュはまんまと騙され、しかしオプティマスたちを開放してやつるから、ギャンブル惑星モナカスで大設けしようと持ちかけます。

 しかもオプティマスたちを担保に金を借りて・・という話を了承するスモスク。

 まぁそんなわけ一行はモナカスを訪れるわけですが、金は借りられたけど法外な利息を課されたり、イカサマがバレたりでどうにもこうにもやけ酒しているスモスクとボッシュ(そんな場合じゃなし、いつの間にか仲良くなってるし・・)のもとにようやく今回の主役、デフコン登場。

 彼自身はギャンブルとはまったく関係なく、アストロトレインら追ってモナカスにやってきただけ。

 ふらりと立ち寄った酒場でスモスクたちと出逢うわけですが、その直前にちょっとしたいざこざから助けてやったスリザード(スモスクたちが金を借りたカジノの元締め、ガイコニーの召使い)にすっかり懐かれてしまった様子。

デ「なんだこいつは?

 なお、スリザードはトカゲのような宇宙人で宇宙共通語はなさせないようでした(ボッシュが通訳)。

 今回はサイズ感も似ているイグアナスにスリザード役で参加してもらっています。

 ボッシュ役は思いつきませんでした・・

ス「助けてくれたお礼に、ガイコニーからあんたに主人を変えるといってるらしい。

デ「いや、迷惑だし・・


 とまぁ、その後またなんやかんやあって、結局ガイコニー & ディセプティコンとの戦いになるわけですが、そこで共闘することになったスモスクとデフコン(ついでにボッシュとスリザード)。

 人形状態のオプティマスたちが連れ去られそうと聞き、急いで現場に向かう一行。

 変形したスモスクにボッシュが乗り込み、デフコンは走って付いてくる。

 いや、変形しろ! 足速いけど!


 そして戦闘。

 スリザードもたぶんなんか役にはたったはず。


 そうしてディセプティコンの撃退に成功し、オプティマスたちも無事解放。

 すべての元凶のボッシュはどさくさに紛れて仲間面してるし・・とにかくツッコミどころの多いエピソードでした。

 まぁ、初代アニメはほとんどそんな感じだけどね。


 最後、デフコンはスリザードを相棒として再び宇宙へと旅立つことに。

ス「元気でな、スリザード!

 どのタイミングで認められたんだろうな・・


 以上、“TL デフコン” でした。

 まさかの登場ですが、それだけ初代アニメ由来のキャラクターの弾が限られてきたということですね。

 とはいえ、1話限りのゲストキャラよりもレギュラーキャラを優先してくれ・・というのが正直なところですが。

 まぁ、さすがに完全新規型ばかり出し続けるのは大変だろうし、適度に流用で時間稼ぎ(言い方ww)もしなくちゃいけないのはわかります。

 そう思うと、今回のブラーからのデフコンは非常に上手い流用だと思いますね。

 デフコンとブラーが似てる、というのは共通認識だったんだな。

 もっとブラーみが残るかと思っていたんですが、8割ほどのパーツが新規造形になっていて、似た雰囲気はありつつもちゃんと別人になっていると思います。

 ただ、パーツ流用こそ最小限なのですが基本構造を踏襲したことでロボットモードでのプロポーションもよく似た感じになっていて、結果上半身と下半身のバランスがちょっと悪い・・つまりはなんとなく短足に見えるデフコンになってしまったのは残念かなぁ。

 そもそもSS ブラーの時点でなんかおかしくない? と思っていた人は多かったと思うのですが、それをベースにしたんだから、今回もまぁそうなるよね、というところですね。

 イメージ的にはTL ジアクサスくらいのバランスがちょうどいいと思うんですよね、デフコン。

 でもボイジャークラスだとでかいしなぁ。

 可動性もブラーとほとんど一緒・・

 いや、手首ロールができなくなっているのでむしろと劣化したといってもいいくらいで、あまりアクション性には期待できません。

 5㎜穴が多いので拡張性が高いのと、ビークルモードでもスタンドディスプレイが容易という点はよかったとは思います。

 まぁ、ある意味シチュエーション再現要員ですよね。

 そういう意味で遊びの幅が広がるのは嬉しいところ。

 であるならばいっそ、ボイジャークラスにしてスリザードのフィギュアとセットにすればよかったのでは? なんて。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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