今回のレビューは、トランスフォーマー ビーストウォーズアゲイン より、
“BWVSー02 頑強の対決” です。
ジェネレーションラインでリメイクされたビースト戦士トイを、よりアニメデザインに近いカラーリングに変更し、オリジナルトイの対決セットをイメージした2体セットでリリースしていくシリーズの第2弾が発売されました。
今回はサイバトロンの
“陸上防衛戦士 ライノックス” と、
デストロンの
“砂漠戦指揮官 スコルポス” の、
ナンバー2同士(?)のカードとなります。
第1弾のコンボイ VS メガトロン。
それぞれもとのキングダム版も非常によい出来で満足感の高いものでしたが、やはり成型色変更、さらに重塗装でよりアニメ劇中デザインに近い姿に生まれ変わった彼らを手にした感動は一入でした。
加えて、日本独自仕様の日本語吹き替え版基準ということで、キャラクターの名称も日本語版になっていますし、ゴリラのことを気兼ねなくコンボイと呼べることもまた、当時リアルタイムでアニメを見ていた身としては感慨深いものがありましたね。
さて今回はライノックスとスコルポスの対決となりますが、実はオリジナルトイの対決セットではそれぞれ別のキャラクターとの組み合わせになっていました。
アゲインは、あくまでアニメに登場したサイバトロンとデストロン、7人ずつの対決となっていますので、その点は仕方なかったところです。
なお、7組の対戦カードのうちコンボイ VS メガトロンなど、5組はオリジナルトイと同じ組み合わせになっていますので、今回のライノックス VS スコルポスの対戦は妥当といえるでしょう。
ナンバー2同士というなら、アニメでのキャラ設定的にデストロンはスコルポスよりタランスっぽい気もしますが。
それでは、レビューしていきます。
頑強の対決
先にも言った通り、オリジナルトイの対決セットではそれぞれ対戦相手が異なり、ライノックスはシャドーパンサーとのセットで “荒野の対決” 、スコルポスはホワイトクローとのセットで “北極の対決” として発売されていました。
荒野~はともかく、北極~は完全にホワイトクローのホームだろ。スコルポス可哀想・・
ちなみにシャドーパンサーはチーター(チータス)のリカラー頭部変更でキングダムで発売されていますが、ホワイトクロー(海外名はポーラークロー)は同じくキングダムのメインビジュアルにその姿が描かれながら、実際に発売には至りませんでした。
パッケージ
白黒のスリーブをはめたブラインドボックス仕様はシリーズ共通。
スリーブには表(上側)にロボットモード、
裏にビーストモードで2人が相対する新規イラストが描かれています。
蓋を開くと、中身が収められたブリスターに、オリジナルの対決セットをイメージしたインナーシートが被せてあります。
こちらの正面イラストはオリジナルトイのパッケージで描かれていたものをそのまま使用。
シートはリバーシブルになっており、
裏面は白黒でスリーブと同じイラストが配置されています。
サイズもあるのか、シートは前回のようにたわんではいませんでした。
シートを外した中身はこんな感じ。
プラ製のブリスター(蓋なし)にそれぞれがビーストモードで収納されています。
中身だけ取り出してシートを被せると、まさに当時の対決セット。
いいですね。
キャラクターカードも付属。
表面はオリジナルトイのものをそのままコピーした内容ですね。
前回のコンボイ VS メガトロンではオリジナルよりちょっと色が薄かったノですが、今回は逆に濃いです。
裏面には新規イラストが配置。
白黒も格好よく見えてきた。
説明書も、画像は割愛しますが日本語表記の独自仕様です。
裏表でライノックスとスコルポス、それぞれが記載されています。
サイバトロン 陸上防衛戦士 ライノックス
コンボイ部隊のサブリーダー。
機械関係に詳しく、中鎌のバックアップに努めることも多いのですが、戦闘力、指揮能力も高い万能戦士。
基本的に温厚な性格ながら、起こらせると非常に怖いです。
メガトロンに洗脳された際は凶暴な内面が露わになったこともありました。
語尾に~ダナ、~なサイと付けるのが口癖。
CVは中村 大樹氏。
優しく頼りがいを感じさせるお声でした。
ロボットモード
KD版ライノックスのリカラー。
造形的な変更点はありません。
KD版はビーストモードのデザインがリアル寄りだったこともあり、メインカラーが実際のサイらしいグレーになっていましたが、今回はアニメデザインを再現した茶色系・・少しメタリックな色合いなので銅色といったほうがいいかな? ともかくそんな色になっています。
本体メカ部分のグリーンの濃いめのメタリック調に変更。
さらに各部に塗装が追加されています。
ただ、やはりちょっとスマートだとは感じますね。
アニメのイメ-ジだと、もう少し前後に幅があると感じなんだよなぁ。
ということで、KD版と並べて。
カラーリングが大きき変わり、それだけでも十分にアニメデザインに近付いたといえます。
そしてやはりカラーマジックなのか、並べるとなんとなく今回のもののほうが恰幅がよく見えるんですね。
赤みが増したことで膨張したように見るのかな?
では、各部をチェック。
頭部造形はKD版版のまま。
KD版版ではちょっとシュッとし過ぎている感じがしましたが、成型色と塗装の変更で随分アニメの雰囲気には近付いたと思います。
実際はもっと扁平な感じで、顎ももっとしゃくれてるイメージなんですが。
頭部右側にはサイバトロンマークが追加されています。
実際、アニメではこの位置に付いてたんですね。
サイの下顎が配置される胸部。
この型ではダミーパーツでの再現となるのですが、歯茎部分にピンクの塗装が追加されています。
こんな細かいところまでしっかり再現してくれている・・
付属武器
ガトリングハンマー
メイン武器となる遠近両用武装が2つ付属。
これも塗装が変更され、アニメに準じたカラーリングになっています。
残念ながらハンマーはブレードと一体化しており、ブレードの回転ギミックもなし。
銃口部分は3㎜軸と3㎜穴が2つずつとなっています。
非使用時には背中のガワに取り付けておけます。
ビーストモード
サイに変身(トランスフォーム)。
全身が銅色になっており、プロポーションこそリアルなサイですが、色味は完全にアニメ版のビーストモード。
なお、KD版では全身の斑点状の塗装(プリント)がありましたが、今回そういった表現はなし。
KD版では成型色グリーンのままだった前肢(ロボットの腕部)根元の可動部もちゃんと銅色で塗装されています。
お尻がキュートな後ろ姿も、カラー変更でなんというか生々しさが薄まって(?)より可愛らしい感じに。
ただ全体が明るくなったぶん、後肢内側の肉抜きはより目立つ感じになったかも。
こちもKD版と並べて。
こちらも大きく印象は変わりましたね。
あらためて、KD版はリアルだなぁと思います。
でも前肢の根元が急に緑色・・
では、各部をチェック。
頭部アップで。
KD版では真っ赤だった目は白と黒で塗り分け。
これだけでも愛嬌が出ますね。
角もゴールド塗装に変更されています。
また、頭部はわずかですが上下にスイング可能。
口も開閉します。
武器は2つを連結させた状態で腹部内に収納できます。
コンボイのように、ビーストモードでもどこかに装備できてもよかったかなぁ。
砂漠戦指揮官 スコルポス
トイ設定では高い地位(アニメでも海外版では一応ナンバー2になってるのかな?)にありますが、日本版アニメではとくにそういった感じではなく、むしろデストロン軍団内でも雑に扱われていた印象。
ただメガトロンへの忠誠心は本物。
戦闘力は高く、ウィルスを搭載し、偵察任務もこなすサイバービーといった装備を持つなど、以外と多彩な面もあります。
CVは遠藤 雅氏。
オラオラオラ! といった乱暴なかけ声や、たまに語尾を伸ばす癖が特徴的でした。
第2期のメタルスでは冒頭で溶岩に呑み込まれ、残念ながら速攻で退場してしまいました。
ロボットモード
やはりKD版(スコルポノック)のリカラーで造形的な変更はなし。
ライノックスほどパッと見でわかりやすい変化はなく、メインカラーのグレーがシルバーに近い色味になったことと、頭部がかなり濃いメタリックブルーになったこと、胸部中央にデストロンマークが追加されたこと、あとは腹部にと双対か、脛の配色パターンも変わったくらい・・って、まぁ挙げていくとそれなりに変更点はあるんですけどね。
ただ、アニメのカラーリングがこんな感じだったかというと、よくわからないというか、正直KD版版のままでもさほど違和感はないというか・・
そもそもこの型の寸詰まり感がアニメのイメージとはちょっと違うかんじがするんですよね。
オリジナルトイはメガクラス(現在のボイジャークラス相当)でしたし、その印象もあるのかなぁ。
後ろから見ると尻尾や脛など、変形都合とはいえほぼ張りぼてなのも残念です。
それではこちらもKD版と並べて。
う~ん、微妙な変化・・
こうなると、なんでKD版で今回のようにできなかったのか疑問です。
まぁ彼に限らず、あえてちょっと外したカラーリングにした意味ってなんなんでしょう?
頭部は全塗装。
頭頂部はボディと同じシルバー寄りのグレーですが、目鼻や頬の周りなどを覆うように濃いめのメタリックブルーで塗装されています。
でも、ここだけこんなに唐突に違う色だったかな?
胸部はKD版版でもイマイチしっかり閉じない感じでしたが、今回も同様。
むしろ隙間が広くなってる?
まぁ個体差もあるでしょうが、もう少しかっちりジョイントできる構造にしてほしかったですね。
今回は中央にデストロンマークがあるだけに余計に目立つ・・
付属武器
両腕のハサミは開閉可能で、右のハサミの内部には2連装のミサイルを装備。
5㎜軸で接続で取り外すことが可能です。
ミサイル弾頭部分にはデストロンマークが追加されています。
左のハサミにはサイバービーを内蔵。
もちろん左右を入れ換えて取り付けることもできます。
ビーストモード
サソリに変身(トランスフォーム)。
アニメでのスコルポスはビーストモードは頭部デザインがとくにデフォルメされていたので、リアルなサソリ(リアル・・かな?)を再現したこの型ではアニメデザインの再現には正直限界があります。
いっそビーストの頭部パーツを新規造形するとか・・
いやまぁ、こいつだけ急にアニメ顔だと浮いちゃうか(笑)。
しかし、ちんちくりんだったロボットモードからビーストモードになると一気にでかくなるのは面白いですね。
こちらもKD版と。
やっぱりほとんど違いがないですが、頭部だけ明らかに違う色になっているので見分けは付きます。
でも、なんで頭部この色?
各部をチェック。
そんなわけで(?)、せめてもの変化というのか、ロボットモードの頭部と同じメタリックブルーで塗装がされている頭部。
これまた唐突な感じになってしまっています。
そしてこのためにより一層キモく・・
左右のハサミはロボット時の腕部そのままなので、同様に可動。
ちなみにオリジナルトイだとロボット⇒ビーストでハサミの左右が逆になるので、内蔵武器もそれに倣うならば、今回は左右の武器を入れ換える必要があります。
4対ある肢はそれぞれ真ん中の関節部分でボールジョイント可動しますが、2本めと3本めは一体成型になっています。
全体に緩めなので触ってるとすぐ動いてしまうのはちょっとストレス。
尻尾は中ほどで前後スイング。
先端の毒針はボールジョイントで可動します。
これも、ロボットモードでも同様に動かせます。
比較画像
オリジナルトイと。まずライノックス。ロボットモードで。
オリジナルトイはデラックスクラスで、アニメデザインの再現度という部分ではかなり厳しいものにはなっていますが、武器の豊富さとギミックでは負けていません・・というか勝ってますね。
本当、なんでこのてのギミックは一切合切オミットされるようになったんですかね。
ビーストモードでも。
茶色とグレーのグラデーションが独特なオリジナルのビーストモード。
フォルムもサイというよりは怪獣でブサ可愛い。
しかしここから、よくあの下半身の変形に行き着いたものだと思います。
カード比較。
トイ同様、左がオリジナル、右が今回のものです。
やっぱり色濃くなってますよね。なんで?
裏面は割愛します。
続いてスコルポス。ロボットモードで。
スコルポスのオリジナルトイはメガクラス。ここでもライノックスと逆転しますね。
スレンダーなボディに対して大き過ぎるくらいのハサミと、プロホポーションはオリジナルのほうがアニメのイメージに近い気はします。
ビーストモードでも。
こちらも、顔はオリジナルのほうがアニメのデザインに近いかな。
まぁそこは、リメイク版のビーストはリアル路線なので致し方なし。
カード比較
こちらも同様、わずかですが今回のカードのほうが色が濃くなっています。
前回薄いぞ! となったから濃くしたのかな? そして結果濃過ぎたと・・
今回のライノックスとスコルポス。ロボットモードで。
ライノックスはボイジャー、スコルポスはデラックスなので、この通り、ロボットモードではかなりの体格差となっています。アニメでこの2人がガチンコ対決した記憶はあまりないけど、でもこれほどの差があったイメージはないです。
やっぱり、スコルポスが小さ過ぎるんようなぁ・・
ビーストモードでも。あら不思議。
こちらだとあまり体格差を感じません。
むしろサソリのほうが大きいとすら思える。
ライノックスがロボットモードから脚を曲げて縮んでいくような変形なのに対し、スコルポスはたたんでいた尻尾を伸ばす変形だから、このように見ためのサイズ感が逆転するんですね。
面白い。
以下、画像
まずライノックス。
腕部は根元基部で大きく前後に可動。
なお個体差か、その基部の可動がかなり緩めだったり、逆に左腕根元のロール軸が異様に硬かったりしました。
ロール軸のほうがねじ切れるんじゃないかと思いましたよ・・
足首も左右スイングに加え前後スイングもできるので、自立も安定し、逞しいファイティングポーズが決まります。
スタンド対応穴は腰裏にあります。
ただ浅いし、緩めですね。
ラ「ダナダナダナダナダナダナッ!!!
ライノックスといえばダブルガトリングの一斉射ですね。
腕部基部の可動のおかげで、肩の入った射撃ポーズが決まります。
ビーストモードでも。
こちらでの可動性はそれなり。
頭部可動や口の開閉に加え、前肢は根元から、後肢も膝からしたが一応動かせるので、走ってる雰囲気くらいは再現できます。
続いてスコルポス。
腕部は根元で上方への跳ね上げ、上腕と手首位置でロール可動、そしてハサミの開閉とよく動きます。
脚部の可動も問題なし。とくに足首のスイング幅が広く、かなりの開脚でも安定して自立できます。
立て膝もいけます。
腰部のジョイントを外してやれば、さらに可動域が広がります。
スタンドを使って。
腰裏のものは浅く、尻尾のほうは緩くてどうにも使い勝手がよくないです。
ス「オラオラオラオラァ!!!
スコルポスはわりと棒立ちから右手だけ伸ばしてミサイル撃ってた印象。
あんまりやる気はない感じでしたね。
ビーストモードでも。
ハサミがよく動きます。
肢と尻尾の可動は限定的ですが、十分に気持ち悪いからヨシ。
対決イメージで。まずはロボットモードから。
う~ん、やっぱり大人と子供くらいの体格差がありますねぇ・・
力較べじゃ勝負にならないか?まぁ、ライノックスのこぶしは完全に挟まれていますが。
ス「くっそー、このままじゃ分が悪いぜ。
スコルポスぅー、へんし~ん! オラオラオラッ!!
ラ「じゃあボクも!
ライノックス、へんしーん! ダナァー!!
突進するライノックスを真っ向から待ち構えるスコルポス。
そのまま相手の突進の勢いを利用して毒針の一撃!
ということで、今回はスコルポスの勝利!
アニメでの扱いはあんまりよくなかったから、ためにはね。
実写に出てきても量産型のモブにされちゃうし・・
まぁ、ライノックスも台詞なかったけど。
以上、“BWVS 頑強の対決” でした。
変形トイとしてはともにちょっとクセのある両者。
ライノックスは、KD版からメインカラーが一新されたことで一気にアニメの雰囲気に近くなりました。
まぁ、それでもやっぱりスマート過ぎるというか、ちょっとプロポーションがよ過ぎる感はあるのですが。
ビーストモードも目にちゃんと瞳が入ったことで愛嬌が加わり、パッと見はリアルなサイながら、ある程度のライノックスらしさは再現されたのではないかと思います。
一方のスコルポノックは、正直KD版からそれほど違いを感じられません。
もちろん、成型色の変更と塗装追加がされているのですが、ほとんど印象が変わらず。
ビーストモードについては顔がまったく違うのでどうしようもないですし、本文でも触れた通りここでスコルポスだけアニメ通りの顔になっていたらほかとの違和感が半端ないので仕方ないですね。
ただ、その代わり(?)に顔を青く塗ったのはどういうことなんだろうか?
しかし、今回の対戦カードで並べてみて、あらためてスコルポスはもうちょっとうまいことできなかったかな? とは思いましたよね。
やっぱりロボットモードのプロポーションがね。こんなちんちくりんではなかったと思うんですよ。
まぁ、今さらどうにもならないんですけど。
もし仮にボイジャークラスでリメイクされていたらどうなってたろう・・とか、考えちゃいますよね。
とまぁそんなところで、ぶっちゃけ第1弾のときの感動と較べると、ちょっとそういった感情は薄れたかな? という感じの第2弾でした。
実際、これ以上はやりようもないんでしょうけどね。
精度面でも、ライノックスでは一部可動部が妙に緩かったり逆に異様に硬かったり、スコルポスは胸部がちゃんと締まらないとか、ちょっとムラがある感じがしましたね。
そのへんはKD版から多少見られたところですが、とくに調整はされていないんだな、と。
まぁ致命的な問題ではないし、ケチ付け過ぎかな。
さて、もう11月に入ってしまって、ようやく9月発売分のTFのレビューが終了したわけですが・・10月分がすごいことになってますね。
今月中に消化するのは無理だな。
TF以外の案件もありますが、仮にTFだけに絞っても無理だろうな。
一日48時間ください・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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