今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー107 エアレイザー” です。
実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” に登場したマクシマルの女性戦士、
“エアレイザー” が、
スタジオシリーズで発売されました。
前作、バンブルビー以来およそ5年振りとなる実写新作、ビースト覚醒。
新シリーズの幕開けに相応しい、非常に見応えのあるアクションアドベンチャー映画だったと思います。
ただもうすでに上映規模が縮小されてきているのは残念。
せめてメインラインや覚醒チェンジシリーズなどは公開中に出しきってほしかったんですが・・難しそうですね。
というか、全部発売するよね?
とりわけミラージュの動向に注目が集まるわけですが、スタジオ版はともかく、メインライン版ですら海外でもようやく出回っている状況のようなので、映画の公開はおよそ2ヶ月遅い日本での発売が10月以降になるのも仕方ないというか、みんな同じだけ待ってるんですよね。
・・て、今回はエアレイザーの話でした。
今度の実写映画にマクシマル・・ビースト戦士が登場するとなり、登板がプライマル、チーター、ライノックスときて、エアレイザーは少し意外に感じました。
オリジナルのビーストウォーズでは、エアレイザー(エアラザー)は途中参加のメンバーでしたから、ラットルを差し置いて? と思ったのは事実。
女性キャラを出したかったのかな? とはあとから気付きましたが、まさか物語の牽引役として、あれほど重要な役割を果たすことになるとは思いませんでした。
今回のビースト覚醒ではこれまであまりフィーチャーされてこなかった女性型トランスフォーマーにもスポットを当てる・とうような話もさらにあとから知ったのですが、実際マクシマル、オートボット、テラーコンの3勢力にそれぞれ一人ずつ女性型トランスフォーマーが参加しており、なかでももっとも活躍というか、しっかり存在感を示したのはエアレイザーでしたね。
いや、女性型に限らず、今回登場した全トランスフォーマーのなかで一番輝いていたのは彼女だった・・あくまで僕個人の感想ですが。
まさに生命の輝きだったなぁ。
しかしそれゆえに、このスタジオ版の出来にはかなり不満があります。
最初にそんなこと言っちゃうのはなんなんですけども・・
レビューしていきます。
マクシマル 偵察隊 エアレイザー
宇宙を自在に移動できるようになるトランスワープキーをユニクロンから守るため、マクシマルは故郷の星を発ち、地球に降り立ちました。
そしてキーを2つに分割し、二手に分かれて数百年の時をじっと息を潜めていたわけですが、そのうちの一方を守っていたのがエアレイザー。
しかし、キーの片方を封印していた像が人間の手で発掘され、さらに起動したことでディセプティコンとの戦いでサイバトロン星を脱出し、地球に潜伏していたオートボットと、キーを求めて数百年宇宙を彷徨っていたユニクロンの眷属、テラーコンとの間で戦闘が勃発。
テラーコンの前にオートボットは劣勢となり、キーは奪われ、あわや全滅かと思われたときに現れたのがエアレイザー。
口から吐く炎でテラーコンを退け、オートボットと彼らに協力する人間、ノアとエレーナを逃がすことに成功します。
その後エアレイザーは互いに不信感を持つオートボットとノアたちの仲を取り持ち、残るキーの片方を求めて共にペルーへと向かうことになるのです。
日本語吹き替え版のキャストは本田貴子氏。
凜々しいい大人の女性という印象でした。
ビーストモード
メカハヤブサです。
こちらはいわゆる降着状態。
オリジナルのビーストウォーズの舞台は人類誕生以前の地球で、不時着したトランスフォーマーたちはそこにいた動物の姿をスキャンすることでビーストモードを獲得したわけですが、ビースト覚醒ではそもそも故郷の星にいたときからマクシマルはみんなビーストモードでした。
地球状の動物に似ていたのは、きっとたまたまなんでしょう。
みんなでかいしね。
まぁ、プライマルがある程度大きいだろうことは想像していたんですが、エアレイザーが劇中の印象ではめちゃくちゃでかかったですね。
翼のせいでより大きく見えるというところはあるんですが、地球での再登場のシーンはもはや怪獣映画でしたよ。
ラドンでも来たのか思った・・
とまぁ、そんなエアレイザーのビーストモードなんですが、ぶっちゃけこのスタジオ版では劇中の姿を再現しきれていません。
劇中のマクシマルのビーストモードは体毛・・エアレイザーの場合は羽毛ですが、それが思っていたよりも生身っぽい感じだったんですよね。
もっとメカメカしいのかと思っていたら、生身ベースにメカ要素を付け足したような、いわばサイボーグっぽいデザインでした。
まぁ、それをプラスチック製のトイで再現するのはなかなか大変だとは思うのですが、それにしても成型色の関係もあって随分劇中のイメージとは違うなぁ。
そもそもパッケージに使われているイラストが、
これは初期のコンセプトアートなんでしょうか?
実際に劇中に登場したものとはほぼ別物です。
そのイラストを再現したものと考えれば、今回のスタジオ版はまぁまぁ再現できている部類だとは思うんですが。
ただ、再現度云々以前に構造がキングダム(KD)版をそっくり踏襲したものなので、変形パターン含めまったく新しいものになっているメインライン版と較べても目新しさで劣るという点も踏まえると、スタジオシリーズとは? と首を傾げてしまうところではあります。
ともあれ、そんなことばかり言っていても始まらないので、各部の詳細おば。
頭部は先の通り、パッケージに使われているイラストにはわりとよく似ています。
なかなか凜々しい猛禽類の顔付きになっていると思います。
根元でロール、上下スイングが可能。
嘴も開閉します。
胸部は、変形都合でロボットの頭部がそのまま収まる構造。
ゆえに、劇中で重要な意味を持つマクシマルのエンブレムが再現されていないのは残念ですね。
左右にはロボットモード時の武器となるミサイルがそのままマウントされます。
KD版では脚部に移設したのですが、このスタジオ版では脚に五㎜穴がないので。
脚部はロボットの脚ほぼそのままなので、やはり鳥類の脚としては位置やサイズにちょっと違和感がありますね。
爪もかなり大きいです。
翼を広げ、脚部を曲げて前傾姿勢にすれば飛行状態を再現可能。
底面・・脚の付け根部分(ロボット時は腰裏)にスタンド対応穴があるので、飛行ポーズでのディスプレイが可能です。
翼は根元から4つの軸で柔軟に可動し、羽ばたくような動作が可能。
先端部分がソーラーパネルのような雰囲気もあるメカニカルなデザインで、この部分については劇中で見せた攻撃形態(?)に通じるものがありますね。
ただ先端しか塗られてないのがねぇ・・
まぁ、劇中再現という意味ではそもそもこんな色ではないんですけど。
尾羽も上下にスイング可能。
あまり上げると脚の付け根(腰部)が見えてしまって、全体のシルエットに違和感が出てしましますが・・
ロボットモード
映画公開前、一向にエアレイザーのロボットモードについて言及されないので、ひょっとして彼女は変形しないのか? と思っていたら、案の定・・
でも、本来はほかのマクシマル同様、彼女もロボットモードに変形できたとは思うんです。
ただ変形するタイミングがなかっただけで・・
悲しいことですが。
そもそもマクシマルが基本ビーストモードでいるのは、地球の環境下では長時間ロボットモードでいられない(なんらかの影響が出る)という、オリジナルのビーストウォーズと同じ理由のようです。
ということで、スタジオ版エアレイザーのロボットモード。
構造がほぼ同じKD版(つまるところビーストウォーズ版)エアラザーとやはりほぼ同じシルエットですが、一回りほど大きいこともあり、全体にごついです。
少なくとも女性的な印象はありません。
頭部アップで。
ビーストウォーズ版を強く意識したデザインですが、ちょっとアレンジされて仮面を被っているような感じにも見えます。
ただまぁ、細面ではありますが、女性には見えませんね。
むしろかなり男性的な顔立ちになっている気がします。
胸部は先ほどは逆にビーストモードの頭部がすっぽり収まる格好。
ビースト頭部はジョイントで固定できますが、そうするとちょうど嘴が腰部の窪みにはまってしまい、腰部の回転可動が死にます。
なので、腰を回したい場合はジョイントを外し、ビースト頭部を少し浮かす必要があります。
メインライン版では、上げるの下げるのか、イマイチ正解がわからなかった肩アーマーですが、
今回は上腕と一体成型でこのデザインなので、メインライン版でも下げるのが正解だったもよう。
しかしKD版、メインライン版でともに分割されていた肩アーマーが一体成型とは・・
まぁ、同じデラックスクラスで一回り以上サイズを大きくしたのだから、そういう弊害(?)は出てきますよね。
背面。
直立した鳥ですね。
ビーストモードとは足(爪)が前後逆になり、踵部分が長くなるので、自立は安定します。
肉抜きらしい肉抜きもなく、KD版より一回り大きくなっているにも関わらず密度感がほとんどかわりません。
まぁ、肩アーマーの分割がなくなってるわけですが。
翼は通常はこのようにたたまれ、ジョイントで固定しておくのですが、
スタンド対応穴はビーストモードと共通で、ロボットモードだと腰裏に来るのですが、
翼をたたんでジョイントしている状態だと尾羽もまっすぐ閉じた位置で固定されてしまうので、そのままだとスタンド穴が隠れて使えません。
なお、構造が踏襲されているので変形パターンも当然KD版とほぼ一緒。
ビーストモード時の太腿と腰部の固定するジョイントが浅めになっていったりとKD版よりも簡易な感じになっています。
武器も手に付けたままですしね。
付属武器
ミサイル
左右の前腕側面に装備。
KD版のミサイルより小振りでシンプルな形状です。
まぁ、劇中で使用されることがありませんけどね。
5㎜軸での取り付けなので、手に持たせることも可能です。
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景はペルーのジャングル。
マクシマル、オートボット、そしてノアとエレーナが初めて一堂に会するシーンの舞台です。
比較画像
KD版エアラザーと。ビーストモードで。
翼を広げた状態だとよくわかりますね。
同じデラックスクラスなんですが、スタジオ版は一回り以上大きくなっています。
実際、先にも言いましたが劇中ではその巨体にびっくりしましたし、よくそのサイズ感を再現してくれたと思います。
しかし、生身のハヤブサに変形できるKD版のほうがむしろビースト覚醒劇中のエアレイザーに近い気もするんだよなぁ・・
ロボットモーでも。
こちらも同様に、一見1つクラスが上がったんじゃないか? と思えるほどのサイズ差があります。
肩アーマー以外に省略されたパーツはなさそうなんですが、構造を踏襲したことで、開発費とか多少浮かせられたのかな?
メインライン版はけっこうデフォルメされているのと、構造もまったく違うものになっているで今回のSS版とは完全に別物です。
翼はSS(あるいはKD)版のまま、脚の構造と位置がメインライン版を踏襲してたものなら、かなりいい感じのハヤブサになったと思いますね。
ロボットモードでも。
大人と子供くらいの体格差があります。
頭部の輪郭、肩アーマー・・というか上腕のデザインに、胴体部の配置、あとは脛に羽毛が生えている様子など、似た部分もありますが・・
まぁ、親戚くらいには見えるかな?
メインライン版オプティマスプライマルと。ビーストモードで。
案外劇中のサイズ感はこんなものだったかも。
スタジオ版のゴリラも、そう変わらない感じでしょうか?
一応ロボットモードでも。
こちらのサイズ感もまぁまぁいいような気がします。
まぁ、エアレイザーは変形してないんですが、イメージ的にね。
柔軟に動く翼と頭部可動のおかげで逞しく空を飛ぶ姿が再現できます。
ただ正面・・お腹側は見てはいけない感じになっているので、ここは一工夫欲しかったところ。
繰り返しになりますが、胸部のエンブレムが再現されていないのは残念です。
あと脚部の配置もね。可動含め、どうしても違和感が拭えない・・
また、劇中で印象的だった、翼から刃物のようなものが伸び、背面も逆立つように展開する攻撃形態への変形は再現されず。
5㎜穴もほぼないので代替の拡張性にも乏しいです。
火炎放射のエフェクトも付属しませんしね。
このスタジオ版開発段階では、まだそれらの要素は伝わっていなかったのかな・・
仕方がないのでレガシー ドラゴンメガトロン付属のエフェクトで代用。
なかなかいい感じなんですが、生憎と口内に5㎜穴がないので、画像ではスタンドに両面テープでエフェクトを固定し、エアレイザーの口許に重なるように置いています。
鳥人モード!
もちろんお馴染みの形態(?)にも変形可能。
続いて、劇中未登場のロボットモードで。
先にも言ったように、通常では胸部や翼にロックがかかる仕様ですが、それぞれ外すことで十分可動するようなります。
変形都合で、手首も一方向のみですが曲げられます。
足の接続はボールジョインですが、パーツ自体が前後に大きいので自立は問題なし。
これも変形都合で脛が中ほどから前方に曲げられるので、ポージングに活かせます。
スタンド使用に関する注意点は先の通り。
まぁ、代替飛行ポーズだと翼を展開しているでしょうから、あまりきにすることはないかもしれませんね。
覚醒ウエポン装備で。
射撃武器よりも近接武器が似合うと思う。
翼をマントのように前に回しても格好いいです。
ノアとエレーナ、オートボットの危機に現れたエアレイザー。
口から吐く凄まじい炎には度肝を抜かれましたね。
彼女の活躍で一行はなんとか戦場を脱することに成功しましたが、尊い犠牲が・・
そして博物館の被害は、エアレイザーのせいで一層酷いことになった気も・・
それからなんやかんやあって、ペルーにてかつての仲間であるプライマルたちと合流。
エ「マクシマルとオートボットが力を合わなければ、テラーコンには勝てないわ。
今度はオートボットとマクシマルの仲を取り持つかたちになります。
しかし、そのとき既にエアレイザーの身体はユニクロンに蝕まれていた・・
直前の戦闘でスカージから受けた攻撃が原因で、エアレイザーはユニクロンの支配を受け、プライマルたちが現地の人間に託していたキーの片方をスカージに渡してしまいます。
さらにプライマルに対して攻撃するエアレイザー。
彼女の死が、マクシマルとオートボット、そしてノアとエレーナを結束させ、ユニクロン降臨を阻止する最終決戦へと雪崩れ込んでいきます。
いやぁ・・こんな展開、まったく予想してなかった。
アニメ作品含め、初めてトランスフォーマー見てて泣きそうになりました。
初見ではそんな余裕なかったですけど、2回めのときにね。
ちょっとヤバかったね。
プ「エアレイザー! チーター! マクシマァーーーーイズッ!!
あのときスカージの攻撃を避けられていたら、こんなシーンもあったのかもしれない・・
たとえ攻撃を受けて、同じくプライマルに手を下されていたとしても、その身体をバンブルビーの隣に寝かせておけば、共に復活していたかも・・
いやまぁ、きっと彼女の死には意味がある・・と思っていますけどね。
次回作で、別のかたちで復活するんじゃないか、と。
以上、“SS エアレイザー” でした。
劇中再現を謳う(はず)のスタジオシリーズとしては、はっきり言って不十分。
長年のノウハウが蓄積されたバンブルビーや、少なくとも見ためはかなりいいセンをいっているバトルトラップと較べると、どうしても見劣りしてしまいます。
いっそのことメインラインと構造面でテレコになっていたら、変形トイとしての新鮮味もあったのでしょうが、なんでKD版を踏襲したのか?
とまぁそんなふうに、ビースト覚醒のエアレイザーとして見ると正直褒められたものではないのですが、純粋に変形トイとして見ると、ぶっちゃけ良作であるKD エアラザーの拡大版なので、出来そのものはよいんですよね。
ビースト、ロボット両モードで優れたプロポ-ション(まぁ、ビーストはやはり脚の処理が少し気にはなりますが)でまとまっていますし、可動性も良好。
変形もわりと直感的にクリアできるレベルなので、デラックスクラスでこのサイズ感ということも含め、お薦めできるものではあります。
ただやっぱり、映画を見たあとだと物足りないよね・・
1年後くらいでいいから、そっくり作り直してくれないかなぁ。
エアレイザーライジングVer.とかでさ。ボイジャークラスに上げて、攻撃形態にも変形できるものをさ。
むしろロボットモードにならなくてもいいから・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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