SS アーシー(ビースト覚醒版) レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SSー106 アーシー” です。


 実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” に登場するオートボットの女性戦士、

“アーシー” が、

スタジオシリーズで発売されました。


 実写版のアーシーというと、2作めのリベンジでクロミア、エリーター1とのトリオで登場。

 揃ってバイクに変形し、ロボットモードは下半身が一輪車のような、オートボットでは珍しい異形デザインでした。

 まぁ、よくいえば人魚みたいな雰囲気もあったかな。

 劇中では採用されませんでしたが、3体合体ギミックはリベンジ公開当時、そしてその後のスタジオシリーズでも一応再現されていたのに、非公式扱いだったり、そもそも監督のマイケル・ベイがアーシーのことは嫌いだ、みたいなことを言ったとか言わなかったとかで、劇中でもとくにフィーチャーはされず、その後のシリーズにも登場しませんでした。

 トイは3作目のダークサイドムーンのときも発売されましたけどね。

 1作めでも、姿は違うけど同じくバイクに変形するデザインでトイだけは発売されてます。

 そんな感じで、実写ではお世辞にもよい扱いを受けてこなかったアーシーですから、設定がリセットされたバンブルビー(映画のほうね)で、初代にかなり近い姿で登場したときには喜んだファンも多かったと思います。

 そのバンブルビーではちらっと見切れた程度でしたが、今回のビースト覚醒ではがっつり登場。

 前回からは若干変更されましたが、引き続き初代に近いデザインで、オートボットの中核戦力としての活躍が期待されます。

 あ、映画のほうはもう見たんですけど、まだ内容には触れませんのでご安心を。

 無意識にうっかり漏らしちゃってたらごめんなさい(笑)。

 ちなみ今回のビースト覚醒では、これまでのシリーズではとくに意識されてこなかった女性型トランスフォーマーの活躍という部分にも目が向けられているそうです。

 前作バンブルビーでもメインヴィランとして登場したディセプティコンコンビの一方がシャッターという女性キャラでしたが、今回はオートボットではこのアーシー、そして協力関係を築くマクシマルのからはエアレイザー、敵方のテラーコンにはナイトバードと、3勢力それぞれに女性キャラが一人ずつ登場し、確固たる存在感を示しています。

 そういった部分も、今後のスタンダードになっていくのかもしれませんね。

 となると、次作あたりにブラックアラクニア(ブラックウィドー)の登場も期待できる?

 それでは、レビューしていきます。


オートボット偵察員 アーシー


 肩書きは初代アニメ版から。

 ディセプティコンとの戦いで故郷のサイバトロン星を離れ、オプティマスプライムら少数の仲間とともに地球に飛来、潜伏していたオートボットの女性戦士。

日本語吹き替え版のキャストはファイルーズ あい氏。

 元ネタとなっているのはもちろん初代アニメシリーズ、ザ・ムービーから登場した女性戦士 アーシー。

 その後の2010でもレギュラーメンバーとして活躍したため、女性型トランスフォーマーといえばやはり真っ先に名前が挙がる人気キャラクターです。

 ゆえに、先の通りベイバース版でも登場していますが、その扱いは少々雑でした。

 今回は、勇敢だけれども当然女性らしい優しさも併せ持つ、というオリジナルの雰囲気にかなり近い感じですね。

 しかしそれもベイバーズへと繋がるとされているので、結局最後はあぁなっちゃうのかと思うと複雑な気持ちになります・・


 ちなみに、箱の中にはこのような姿勢で入っていました。

 ベイバースリスペクトかな?


ロボットモード

 前作バンブルビーを踏襲し、大まかなデザイン、シルエットはオリジナルのアニメ版デザインにかなり近くなっています。

 ただ今回、ビークルモードでのサイズ感も考慮されたのか、コアクラスでの立体化になっているため、小さいぶん簡略化、省略された部分もちらほら・・

 まぁ難しいところではありますよね。

 また、カラーパターンは似ていますが、オリジナルではピンクだった部分が濃いめの赤になっており、可憐さよりも強さが強調されている感じがします。


  頭部アップで。

 宣材画像を見たときは、ディティールがやけにくっきりしてるし、そもそもなんか小動物っぽい顔付きだな・・と思ったのですが、現物はそれほどおかしな感じはありませんでした。

 でもやっぱり劇中の顔ではないね。

 今回のアーシー、もっとずっと可愛いです。

 顔面も、なんでピンクで塗っちゃったんだろう?

 実際は、ほぼヘルメットと同じ白ですよ。ほっぺただけがピンク。


 女性らしいシルエットを再現しようとしたのか、かなりの撫で肩です。

 ここも、劇中デザインはわりと怒り肩なのでちょっとイメージとは違いますね。

 というか、首が細すぎてなんかバランスがおかしい・・

 なお、変形都合もあって腕部は基部ごと大きく上向きに動くので、怒り肩っぽくすることはできます。

 なお左手だけですが、ビークルモード時の固定用の穴が干渉するためちょっと肘が動かしにくいです。

 右手は軸なのであまり干渉しません。


 背面。

 脛パーツの裏側に左右分割した後輪パーツをたたむ構造は、レガシー プライムアーシーなどでも見られたもので、もはやバイクに変形する型では定番になっていますね。

 今回はちょっとでかいけど・・

 ビークルの前輪周りのパーツはそのまま(上下逆で)腰に配置。

 劇中デザインでも前輪は実際背中に配置されている(横向きではなく縦向き)ようなのですが、カウルが腰の後ろにスカートのような感じで残っているようには見えませんし、やはり少し違った処理になっています。

 もうちょっと密着する感じだったまだよかったかな。

 しかもこののパーツ、とくに固定もされず常に下がり気味なのも気になります。

 この位置でカチッと固定できればよかったんですが。

 また、肩の後ろにある装甲も申し訳程度に背中に造形されているのみ。

 そこは初代デザインへのオマージュでもあるので、せめて上腕の後ろ側に造形するなどしてほしかったかも・・


付属武器

 ボックスタイプのマシンガンが付属。

 小さくてディティールも甘いので、あまり武器っぽく見えませんけども・・

 グリップの径は3㎜です。

 説明書にはとくに記載されていませんが、背面、

バイクのカウルパーツの間にマウントすることができます。


 また、武器というわけではないですが前輪パーツの接続軸径も3㎜なので、

このように取り外して手に持たせることが可能です。

 ジェネレーションラインっぽい・・


ビークルモード

 劇中ではスーパースポーツ型(?)のオートバイ、ドゥカティ・916にトランスフォーム。

 ちなみにリベンジで変形するのは同じくドゥカティの848。数字が小さいほうが古いというわけではないのか・・

 モチーフの再現度については、まぁライセンスの取得もされていませんし、そもそもコアクラスというサイズ的な制約もあってまぁそれなりのものでしかないです。

 後部にはロボットの手がそのまま露出してますしね。

 変形はレガシー プライムアーシーの簡易版という感じ。


 武器は底面に挟むようにマウント可能。

 一応、この武器がスタンドの役割を果たすはずなんですが・・

ご覧の通り完全に浮いてます。

 後輪をもっと押し込めたらちゃんと接地しそうですが、押し込めないので。

 なにこれ? 設計ミス?


 中台紙の背景は、予告PVでも印象的なホイルジャックと併走する山岳道路(?)。

 フリーザーのように大きな穴が開いて足りもしないので背景としてそれなりに使えます。

 アーシーとホイルジャックのサイズ感云々については、のちほど・・


比較画像

 SS アーシー(バンブルビー版)と。ロボットモードで。

 向かって左は前作バンブルビーに登場したときの姿ですが、そちらはデラックスクラスなので、今回はまた随分と小さくなっていましたね。

 地球で潜伏しやすいように縮んだんでしょうか?

 基本デザインはどちらも初代アニメ版を意識したもので、そこは同一人物として無理のない感じにはなっています。

 同一人物・・だよね?


 ビークルモードでも。

 バンブルビー版は劇中では変形しませんが、オリジナルアニメ版のフューチャーカーと近年の定番モチーフであるバイクとを上手く融合させたデザインで面白いです。

 そこから、今回は完全に地球のバイクになりましたが。

 SS アーシー(リベンジ版)と。ロボットモードで。

 リベンジ版アーシーは、スタジオシリーズではクロミア、エリーター1との3体セットでデラックスクラスとして発売されています。

 サイズは・・案外今回のコアクラスとさほど変わりませんでしたが、クオリティはEXコレクションに毛が生えた程度で、これ3つで¥2800+税(当時価格)も高いな、と思ったものです。

 すでに形骸化している感もありますが、スタジオシリーズのウリの一つにロボットモードでのスケール感統一というものがありました。

 そういう意味では、まぁ極端におかしなことにはなっていないのかな? 少なくともアーシーというキャラに関しては。


 ビークルモードでも。

 そもそもアーシー=バイクに変形というのも、リベンジ以降に定番化したはず。

 先の通り、同じドゥカティに変形しますが型番が違います。

 で、こうなるとやはりリベンジ版のほうが一回り小さいですね。

 まぁ、ビークルモードのスケール感は端から合ってませんでしたし。


覚醒チェンジアーマーセット版と。ロボットモードで。

 覚醒版のアーシーはデラックスクラス相当なので、サイズはご覧の通りです。

 デザインもけっこう違ってますね。


 ビークルモードでも。

 サイズもデザインもまったく違います。

 メインラインデラックスクラス ホイルジャックと。ロボットモードで。

 とくにコンビというわけではないでしょうが、予告PVでも共闘する場面があるので並べてみました。

 アーシーこんなに小さいのかな・・?


 ビークルモードでも。

 こうなるとアーシーのバイクが大きいんです。

 ホイルジャックが変形するバンが小さいとも言えますが。


 アーシーをロボットモードに戻して。

 先ほど中台紙の項でも言ったように、アーシーがロボットで、ホイルジャックがビークルで併走するシーンがPVで確認できますし、なによりポスターにもなっているので是非トイでも再現したいと思ったわけですが・・

 まぁ、完全に破綻してますね。

 ロボットとビークルでともに納得できるサイズを再現するのって難しいんだなあ。


以下、画像

 可動性は悪くはないのですが、背面、そして脛の裏にある車輪パーツがけっこうなサイズで互いに干渉するので少し動かしにくい印象です。

 脛のほうは開くことで干渉を避けられますが、背面のカウルおよび前輪パーツは背中ではなく腰と繋がっていることもあり、まぁまぁ邪魔ですね。

 とはいえ基本的な可動は十分可能。

 立て膝も比較的綺麗です。

 疾走イメージもばっちり。

 実際のシーンでは後輪が踵の位置に来るのですが、やっぱりちょっとでかいなぁ・・

 コアクラスゆえに足首スイングなどはできませんが、ここも脛後ろの車輪パーツがスタンド代わりになり、自立は安定します。


 前輪パーツも手に持たせて。

 このへんはもう割り切ってトイらしいギミックと思えば。

 

 スタンド対応用の3㎜穴がないのは残念。

 アクロバティックな動きをするイメージもあるので、そういったポーズの再現にはクリップタイプのスタンドなどを用意してください。


 ベイバースモード! 

 これもまた近年のアーシー型の基本仕様になっている気がする。

 ここからリベンジに繋がる説得力がありますね(?)。


 あらためて、ホイルジャックとの併走シーン。

 アーシーオプティマスプライムくらいの巨体ならば、全然問題ないんだけど・・


 さらにライノックスの背中に乗っているシーンも印象的でした。

 まだビースト覚醒版ライノックのトイが手許にないので、キングダム版(ビーストウォーズ版)で代用。

 こんなときばっか借り出されるんダナ・・

 次回は台詞あるといいね。


 そして再びホイルジャックと共闘。

 ホイルジャックもいずれスタジオシリーズで出るよね?

 1年くらいあとになってもいいから、ライセンス取ってほしいかな。


 VS ナイトバード。

 女同士の熾烈な戦いが行われる・・のかどうかは劇場でお確かめを。

 この画を見る限りはアーシーが不利っぽいなぁ。

 体格差がちょっと・・


 以上、“SS アーシー(ビースト覚醒版)” でした。


 変形モチーフ、ほかのキャラクターとの体格差を考えれば、確かにコアクラスという選択になるかなぁとは思うのですが、前身となるバンブルビーバンがデラックスクラスで、劇中再現度もかなり高いものだっただけに、今回のビースト覚醒版は物足りなく思うのが、個人的に正直なところです。

 やはり実写版のデザインを再現するには、最低でもデラックスクラスは必要なんだろうな。

 でもそうするとビークルモードでのサイズが今以上におかしなことになるし・・難しいところですね。

 ただまぁ、このサイズで可動性も上々ですし、決して悪いものではありません。

 ビークルモードも、ロボットの手が露出している以外はフォルム的な破綻もなく、変形も手軽でかっちりしてますし。ただ自立は困難ですが。

 せめて顔がもう少しちゃんと可愛ければなぁ・・

 美少女フィギュアは顔が命ですからね。

 美少女フィギュアじゃないか・・


 なんにしても、ちょっと消化不良気味。

 数年後にMPMとか出しそうな気がしますね。

 スケールを無視してもいいから、より劇中再現度の高い変形トイが欲しくなるキャラクターです。

 非変形のフィギュアとかはわりと早々に出るかもしれないけど。

 やっぱりトランスフォーマーは変形しなきゃ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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