SS ホットロッド(最後の騎士王) レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SSー96 ホットロッド” です。


 実写映画第5作、“トランスフォーマー/最後の騎士王” に登場したウィトウィック騎士団所属のオートボット、

“ホットロッド” が、

スタジオシリーズで発売されました。


 前回のクロスヘアーズ同様、一旦はスルーしたものを評判のよさにつられて追加購入したホットロッド。

 いつものネットショップで発売直後在庫切れになったので慌てましたが、間もなく復活したので無事確保。

 またすぐに在庫切れになっていたので危なかったですね。

 トランスフォーマーは本当、モノによって浮き沈みが激しいからなぁ・・

 さて、シリーズ5作めにしていきなりアーサー王伝説と絡めてきたことでなんかいろいろと矛盾が出た感のある最後の騎士王。

 僕自身そんな印象で一度見たきり・・それもたぶんちゃんと見てなかったので、先日あらためて見返しました。

 さほど印象は変わりませんでしたが・・(笑)

 やはりロストエイジと最後の騎士王は実写版でも第2シーズンという感じですが、無理に続きものにせずにまったくの新シリーズにすればよかったのにと思いますね。

 そうであったなら、このホットロッドも新司令官として登場できたかもしれないのに。

 まぁそんな(?)実写版ホットロッドですが、スタジオシリーズでは先に過去の姿が発売されています。

 ただそれは、ロボットモードはともかくビークルモードが劇中登場の車輌ではなくて、スタジオシリーズとはなんぞや? というような代物で、僕も購入は見送りました。

 それからちょうど3年、ようやく劇中における最新の姿が、もちろん劇中に忠実な完全新規で発売されることになりました。

 スタジオシリーズのデラックスクラスとしては最高峰の出来映えとの評価もある最新モデル、レビューしていきます。


ウィトウィック騎士団 ホットロッド

 第2次世界大戦のことから地球に潜伏していたオートボットで、当時はバンブルビーとも共闘していました。

 戦後は昔からトランスフォーマーの存在を秘匿していた地球人の秘密組織、ウィトウィック騎士団に参加。

 騎士団に連なる魔法使いマーリンの末裔であるヴィヴィアンを守護するために彼女の愛車になりすまし、彼女を騎士団の本拠地に招待(拉致ともいう)しました。

 フランスでの潜伏が長かったためか言葉にフランス訛りがあるものの、本人は気に入っていないもよう。

 名称はG1の2代目司令官、ロディマスプライムの若き日の姿から。

 ただ例によってロボットモード、ビークルモードともにデザイン面での類似はありません。


ロボットモード

 バンブルビーに少し似た、わりとストレートな人型で、目立つ装飾や印象的なパーツもない、細身でシンプルなアンドロイドタイプという感じです。

 今回はかなり頑張って劇中のプロポーションが再現されていると思いますが、ちょっとイメージよりも胴体が太いかなぁ。脚が細いので相対的にそう見えるのかもしれません。

 全体のバランスはちょっと歪な印象を受けます。

 前輪を含むガワを折り返すかたちになっている前腕部だけが急にごつくなっているのも、劇中再現という意味ではどうなのかな? 

 まぁそこまでのこだわりがなければ、これはこれで個人的には嫌いな処理ではないのですが。


 どことなく愛嬌のある顔立ちは劇中デザインが忠実に再現されています。

 よく見ると小動物みたいで可愛い。

 目は塗装で集光ギミックなどはありません。


 背面。

 スポーツカーに変形するキャラの宿命というべきか、ガワを背負うことからは逃れられませんが、比較的コンパクトにまとめられていると思います。

 腰裏のスタンド対応穴がちゃんと露出しているのは個人的に嬉しいポイント。

 使うときにガワを開いたり腰を捻ったりする必要がないので、自由なポージングが可能です。

 脇から斜め後ろに伸びるウインドウパーツがちょっと気にはなりますが、背中のガワと併せてなんとなく昆虫っぽくて、立体デザイン的には悪くないと思います。

 それよりも気になるのは脛即面のタイヤかなあ。

 ここはもうちょっと上手くできなかったのかと思いますね。

 膝を曲げるときにも擦れるんですよね。タイヤの部分をちょっと開くようにしながら曲げなければいけません。

 一方で足首は変形都合もあって2箇所の軸とボールジョイントで前後に柔軟に動かせます。

 ただ左右にはあまり動きません。


付属武器

タイムバブルガン

 標的を中心に一定範囲の時間の流れを止める特殊なフィールドを発生させることができるチート武器ですね。いやそんなんアリかい・・

 一応、普通の銃としても使えるようです。

 弾種の切り替えができるのかな。

 説明書にはとくに記載されていませんが、ロボットモードの脛即面にビークルモード時にマウントするためのダボ穴があるので、一応そこにマウントすることが可能です。


ビークルモード

 ランボルギーニ・チェンテナリオにトランスフォーム。

 第2次大戦中は装甲車、現代では当初ヴィヴィアンの愛車であるシトロエンDSに身をやつしていましたが、彼女を連れていく道中ですれ違ったチェンテナリオをスキャンしてこの姿に。

 今回のスタジオシリーズ化にあたっては正規ライセインスが取得されているので、当然再現度は高いです。

 びっくりするくらいに車高が低く、本当にさっきのロボットから変形したのか? と、自分で変形させておいてそれが信じられないくらい(笑)。

 まぁ、表面の分割線の多さがある意味証拠というとことではありますが。


 フロント部分のランボルギーニのマークはさすがに小さ過ぎるためか輪郭 が再現されているだけですが、ちゃんとゴールドで塗装されています。

 ただ、TLK版ではデザインも再現されていたようですけどね・・


 リアのマフラーも円形ディティールだけですが一応再現されています。

 わざわざ別個にパーツを組み込んでいるあたり、けっこうこだわってるようですね。


 上かえら見るとこっそり覗くロボの顔。

 可愛いね。


 変形は、最初は複雑で各部の合わせもシビアだなぁと思ったのですが、2往復ほどで慣れました。

 各部のパーツ移動こそ細かいですが、案外直感的にいけます。

 というわけで、久々に変形の流れを撮影。

 かなり洗練されてますよね。

 すごく自然な変形だと思います。


 なお、説明書では最初にこの背中のガワの先端部分を開くように指示していますが、

内側のフロントガラス部と干渉するためパーツを強引に開くようなかたちになるので、最終段階で子のガワパーツを180度回転させたあとに開くほうがよいと思います。

 あと、リアウイングのジョイントなんですが、ウイングパーツ自体の薄さに対してジョイントが大きくはめ込みもキツめなので、あらかじめジョイントダボを少し削ったほうがいいかもしれません。

 僕は無理にはめ込もうとして白化させました・・


 武器は車体後部側面(左右どちらにでも)にマウント可能。

 さすがにこの薄さでこの形状の武器を内蔵収納はできませんでしたね。


 中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は、ロンドン市街。

 派手なカーチェイスが行われた現場ですね。

 なお、コグマンに付属のものと共通のようです。


比較画像

 SS ロックダウンと。ロボットモードで。

 最後の騎士王公開時に発売されたホットロッドのトイ(TLK版)は、同じランボルギーニに変形するということで前作ロストエイジのときに発売されたロックダウンの流用で済まされていました。

 今回のSS版は完全新規となったので当然、SS ロックダウンともまったくの別物。

 そもそもロボットモードはオーソドックスな人型というだけでほかに共通点もなかったので当然でしょう。

 で、SS版だとロックダウンのほうが一回りほど大きいですね。

 2人は共演していませんが、おおよそイメージに近いサイズ感かと。



 ビークルモードでも。

 同じランボルギーニでも車種が違います。

 ただ、チェンテナリオはロックダウンが変形するアヴェンタドールをベースにしているそうなので、見ためはけっこうにていると思います。

 というか、車をよく知らない僕みたいな人からしたら色もほぼ一緒だし、パッと見はほぼ見分けが付きません。

 ウイングのあるなしで判断するくらいかな。

 車高はホットロッドのほうが薄いです。そこはより実車に近いのかな?

 なお、分割線の差がそのまま変形難度の差になっています。


 SS WWⅡ バンブルビーと。ロボットモードで。

 このバンブルビーの流用で第二次大戦中のホットロッド(WWⅡ ホットロッド)も発売されているのですが、そちらは持っていないのでその代わりに一応並べてみました。

 ロボットモードは頭部や胸部が新規だったと思いますが、それでどこまで劇中再現がされているのかわかりませんね。なにせ登場したのは一瞬だし。

 型としてはスタジオシリーズでも比較的初期のものなので、まぁいろいろアレな感じはありますよね。


 ビークルモードでも。

 WWⅡ ホットロッドは武装がキャノン砲ではなくガトリングガンでしたが、基本的には同じものでした。

 劇中の姿とは違っているのは先にも言った通り。

 変形トイとしても典型的なガワ変形なので評価は分かれるところでしょうね。

 うちのは薄いパネル状のガワパーツが微妙に反っていてちゃんと閉まらない・・

 もはやなんの比較がわかりませんね。


 劇中で戦ったディセプティコンの一人、ニトロゼウス(TLK ニトロ)と。ロボットモードで。

 のちにほぼそのままスタジオシリーズでKSIボスとして発売されたニトロ。

 発売当時その出来のよさにすぐに市場から消え、これは再販分をどうにか購入できたものです。

 今見てもその格好よさとボリューム、そして変形パターンの秀逸さに感心します。

 ただ顔がね、別人なんですよね。ちゃんと劇中再現されたものも欲しいです。

 そろそろスタジオシリーズで出るかな?

  別に新規でなくても、このTLK版をちょっと改修するくらいで十分な気がする。


 一応ビークルモードでも。

 どちらもここからロボットになるなんて・・まあ、ニトロは脚が見えちゃってますが(笑)。

以下、画像

 可動性は非常に良好。

 クロスヘアーズのあとだから余計にそう感じますが、実際スタジオシリーズのデラックスクラスとしては最高峰でしょう。

 脚国の柔軟性についてはすでに触れましたが、腰も回転しますし、クロスヘアーズの鬼門であった腕部の可動も問題なし。

 変形都合で基部から少し上下に動かすこともできます。

 あと以降の画像でも完全に忘れてますが、手首ロールも実装されています。

 立て膝もこの通り綺麗に決まります。


 なかなかできるものがない足首の前後可動。

 アキレス腱を伸ばすポーズもばっちり。もちろんしっかり自立。


 スタンドを使って。

 腰裏のスタンド対応穴が露出しているので空中ポーズの自由度が高いです。

ホ「俺が動きを止める! その隙に逃げるんだ!

 いやマジでチート過ぎるだろうあれは。

 彼がいなかったら勝てなかったでしょうよ。


ホ「おいおい、いつまでそんな古臭い格好でいるんだ?

 最後の騎士王版バンブルビーもそろそろ出ますかね。

 まぁ、すでにスタジオシリーズでも9種類出てますけどね、ビー。

 今度のビースト覚醒版で10種類。


 VS ニトロ。

 登場シーンは妙に期待させてくれたけど、結局とくに見せ場もなかった釈放ディセップたち・・

 再現度の高いスタジオシリーズを順次発売して供養してあげてほしい。


 以上、“SS ホットロッド”(最後の騎士王) でした。


 かなり劇中の雰囲気を押さえた、よく動くロボットモードからステップ数は多いものの決して複雑過ぎず、理に適った変形を経てライセンス取得された再現度の高いビークルモードへ。

 スタジオシリーズかくあるべしという完成度の高いアイテムですね。

 評判がよいのも頷ける。

 個人的にキャラクターにはさほど思い入れはないのですが、トランスフォーマー好きとしては押さえておくべきものでしたね。いや、買えてよかった。

 実写系スタジオシリーズのデラックスクラスは造りが繊細だったり、外装がほぼ塗装されていたりと扱う際に気を遣うものが多かったのですが、このホットロッド、それにクロスヘアーズも、そこまで小さいパーツもないですし、塗装も最低限(ここは評価が分かれる部分かも)なので案外ガシガシ動かして遊べるのが嬉しいです。

 このあたりは、コストカットが逆にいい方向に作用しているのかもしれません。

 現状できる限りの最善を尽くした結果の産物・・というと大袈裟かもしれませんが、このキャラクターを再現するにあたりなにが本当に必要なのか、しっかり取捨選択がされている感じがします。

 思っていないところで不意に傑作が出てくるから、油断できないんだよなぁ・・


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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