今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、
“TLー15 オートボット ポイントブランク & オートボット ピースメーカー” です。
“トランスフォーマー ザ・リバース” に登場したオートボットのターゲットマスター、
“ポイントブランク” が、
相棒の “ピースメーカー” とセットになって、
レガシーで発売されました。
トランスフォーマー ザ・リバースは海外におけるアニメ、トランスフォーマーの第4シーズンにあたる作品。全3話からなるミニシリーズです。
日本ではトイの展開のみ共通で、内容的にはまったく別のオリジナル作品、ザ☆ヘッドマスターズが放送されています。
登場するキャラクター(トランスフォーマー)も基本的なデザインは共通ながら設定は変更されており、例によって名前が変わっている者もいれば顔も違っていたり・・トイも海外版デザインの顔と日本版デザインの顔が入り乱れていたりと、いろいろと混乱を生んだシリーズだったかもしれません。
ともあれ以降、日本では完全オリジナルのストーリーが続き、いわゆる和製トランスフォーマーの歴史が紡がれていくことになります。
さて、今回のポイントブランクとピースメーカーですが、彼もやはり海外版のリバースと日本版のヘッドマスターズでは大きく設定が異なり、日本ではまず名前がそれぞれブランカー、ピースマンに変更。
ブランカーは顔も変わっています。ただしトイの顔は日本版デザイン。
日本版の設定では、かつてコンボイ(オプティマスプライム)に下で活躍したベテラン戦士となっており、クロームドームら若者たちに対しては先輩風を吹かせるようなところもあったり。
ちなみにオートボット、ディセプティコンともに新たに3人のターゲットマスターが登場するのですが、デ軍側はすでに5、6年前に3人揃ってタイタンズリターンでリメイクされています。
日本ではレジェンズで、日本版のデザインに改修され、さらに新規で相棒のターゲットマスターを付属して発売されました。
一方のオートボット(サイバトロン)側はターゲットマスターのみが、本来とは違う相棒(本体)にセットされるかたちで発売。
その後、シージでクロスヘアーズが発売されましたが、アイアンハイドのリカラー頭部変更で済まされていました。
今回、完全新規でポイントブランクが発売されたのは、そういった過去を思うと僥倖ではあるのですが・・なんでかかなりクセの強い代物になってしまいましたね。
それでは、レビューしていきます。
ポイントブランク & ピースメーカー
オートボットの新戦力。
リバースではとくになんの説明もなくいきなり出てきます。
やがて舞台を惑星ネビュロンに移し、ディセプティコンとの戦いを続けるのですが、彼はそこでターゲットマスターとして新たな力を手に入れます。
というか、ネビュロン人によって武器をロボットに変形可能なものに改造され、それにネビュロン人が乗り込むことによるコンビネーションが可能になったことで戦闘のバリエーションが増えただけで、ポイントブランク(やほかのメンバー)自身が強くなったわけでもないんですけどね。
その点、ヘッドマスターとはちょっと違う感じですね。
日本での名前は先にも言いましたがブランカー、肩書きは陸上攻撃員となっています。
なお、相棒となるピースメーカーはネビュロン人の法執行官だそうです。
しかしターゲットマスターという呼称(ヘッドマスターもですが)、銃を持つほうの本体(TF)を指すのか、銃に変形できるほう(ネビュロン人、あるいは彼らがのるロボット)を指すのか、ちょっとややこしいですね。
このあともちょくちょく出てくると思いますが、どちらを指しているのかはもうニュアンスで察してください(笑)。
ポイントブランク
ロボットモード
完全新規造形で登場。
頭部デザインは先にも言ったように海外(リバース)版準拠になっていますが、オリジナルトイは日本版のデザインだったので、この顔での立体化は初ということになるんでしょうか?
実車モチーフの初代キャラはもちろんのこと、2010キャラとも違う、ある意味オモチャ感の強いデザインは今見るとちょっと新鮮です。
腹部のくびれがないのでちょっとお腹が出ているように見えたり、下半身(脚部)が妙に太ましく見えたり、プロポーションも独特な感じがします。
顔が違うこともあって、ヘッドマスターズのときのヒロイックなイメージはないですね。
でも、オリジナルトイの雰囲気にはかなり近いかもしれません。
ならばこそ名前はともかく顔はブランカーで発売して欲しかったけれど・・いずれどこかのショップ限定とかで出したりするかもしれませんね。そして日本では発売されないとか、ありそう・・
バケツを引っ繰り返したような輪郭の中央にトサカ状のアンテナを備えた頭部。
フェイスはバイザーに目鼻があるタイプで、むっつりと閉じた口許がなんとなくおっさん臭い・・
ちなみに日本版のデザインは左右側面に突起状のアンテナがあり、ツインアイの王道ヒーローロボ系のお顔でした。
胸部は全面クリアパーツで内部のディティールが透けて見えます。
背面。
ちょっと裏側感が強いかなぁ。
妙にお尻が出っ張っているのも気になる。
そしてなにより、変形のためとはいえ脛の裏側ががっつり空洞になっているのはキツいですね。
このパターンの変形でも、最近は蓋ができることが多かっただけにがっかり感が大きいです。
内側にディティールも一切ないんですよ・・
まぁ、正座ができるというメリット(?)もあるんですが。
あと膝のパーツも、一体成型で表面だけ塗装という仕様なので、ウイングも裏から見ると赤い・・
というかこのポイントブランク、コスト面でかなり厳しいものになってるのかなと思わせる点がかなり多く見られます。
そんななかでも一番気になるのが、上腕にロール軸がないこと。
いや、なんで?
まぁ、肩周りの構造が変形可動のためちょっと特殊なものになっているので、強度も考えると可動を仕込めなかったのかもしれませんが、そもそも設計がタイト過ぎるんですよね。
そのへんについてはまたビークルモードのときに触れたいと思います。
とりあえず上腕ロールが出来ないことに関しては、腕部全体を上方に跳ね上げられたり、前腕がロール可動したりするのを組み合わせることである程度カバーはできます。
でも慣れるまではちょっとかかりましたね。
ビークルモード
スーパーカーにトランスフォーム。
とくに実車モチーフはない、SFチックな架空のデザインのスパーカーです。
若干野暮ったい印象もあったロボットモードから一転してスタイリッシュなデザインになりましたね。
車体は全体に薄く、かっちりと綺麗にまとまっています。
オリジナルトイで付属した大型のウイングパーツ(ロボットモードではシールドになる)は今回オミットされています。
コクピット(?)は変形の都合もあって開閉可能。
内部には運転席やエンジンっぽいディティールがあります。
変形は、腕部をボンネットにするための工程が意外に手順が多くて最初は手間取るかもしれません。
ざっと流れを追うと、まず腕部を根元から後方に90度回し、
前腕も外側に90度回転。
さらに前腕を赤いパーツ(肘関節ではありません)を起点に90度曲げます。
そこから今度は肘関節で90度曲げ、
上腕からぐるんと腕全体を回転させ、肩アーマー部と合わせます。
最後に付け根部分から上に上げて左右を合わせて完了。
もう少し余裕のある設計なら、ここまで手順を踏まずに多少ラフに動かしても問題なかったと思うのですが、けっこうパーツ同士が干渉するんですよね。
あと、脚部を折りたたむときにもロボットモードで脇腹に配置されるこのパーツと踵が当たります。
個体差もあるのかもしれませんが、うちに来たものは左側が完全に引っかかるので、もう問題のパーツを一旦外して、脚をたたんだあとに付け直すようにしました。
なんでこんなタイトな設計にしているのか?
それもコストが厳しいからなのかなぁ。
ただ、そもそもこのパーツ要る?
ロボットモードではご覧の通り、肉抜きされている側が表に来るんです。
とくに固定もされないし、このパーツがあることによってプロポーションがよく見えるわけでもない。
むしろなくしてその分のコストをほかに回したほうがよかったんじゃ・・?
ピースメーカー
ロボットモード
銃に変形するターゲットマスター。
このボディはもともとのポイントブランクの武器を改造してロボットに変形できるようにしたもので、この中にネビュロン人のピースメーカー(本人)が乗り込んで操縦する・・というのはリバースでの設定。
ヘッドマスターズでは普通二重に変形可能な小型トランスフォーマーという扱い。名前はピースマンとなっています。
タイタンズリターンのときにリメイクされたディセプティコン ターゲットマスターの3人はそれぞれ単他での発売で、当時相棒まではリメイクされませんでした。
日本ではレジェンズに組み込まれ、完全新規の相棒がセットされたというのは先にも言った通り。
その後、シージではバトルマスタークラスとしてまた新規にリメイクされましたが、単体での発売がメインでした(限定アイテムではセットになることもありました)。
それらを経て、今回晴れて最初から2体セットとなり、本来のターゲットマスターとしての仕様が再現されたことになります。
ただ、その結果がこれ(あらためて正面を)。
可動一切なしでサイズもかなり小さなものになってしまいました。
さすがにフェイス部などは塗装されていますが、まさかターゲットマスターの最新リメイクがこれとは・・
まぁ、すでにレジェンズからシージの段階でかなり手抜きされた感はあったのですが、そこからさらに簡略化されるとは思いませんでした。
背面。
脚に銃身を挟んでいるような格好。
上半身もがっつり肉抜きされています。
こんなことになるなら、無理してセットにしてくれなくてもよかったかぁ・・
もちろん、2体セットが本来のかたちではあるので、ならばいっそボイジャークラスにして本体のポイントブランクにももっとコストをかけてやってほしかったですねぇ。
ウエポンモード
単装タイプの銃にトランスフォーム。
日本での名称はソニックブラスターでした。
当然、過去にリメイクされたもののウエポンモードよりもコンパクトです。
でもこれはまぁ、デラックスクラスの本体にはいいサイズ感ではあるんですよね。
銃口先端は3㎜軸になっているので、各種エフェクトパーツを取り付けることができます。
後端にも5㎜軸があるのですが、どうやら当初は腕部に直接接続するようなギミック(たぶん、拳を収納したら5㎜穴が出てくるとか)も考案されていたようです。
コストがかかるのでカットされたようですね。
銃身を折りたたんだ状態で背面にマウントすることもできます。
その際はウインドウの一部になるガワパーツを上に上げます。
ビークルモードでは専用ジョイントで車体後部にマウントできます。
外付けエンジンのようにも見えていい感じ。
ポイントブランクとピースメーカーをロボットモードで並べてみます。
ピースメーカーがポイントブランクの中に入って操縦できそうなサイズ感です。
いっそ胸部に収納できるようになっていたら面白かったのに・・
比較画像
シージ クロスヘアーズと。ロボットモードで。
サイズ感やディティールの雰囲気など、並べてもあまり違和感がありません。
しかし、ロボットモードの雰囲気は、そこまで遠くはないんですが、だとしてもなんでこういうかたちで出してしまったのかなぁ、とは思いますね、クロスヘアーズは。
顔だけはしっかりリバース版にはなっていますけど(レビューのときはそのことに気付いてない・・)
今後サーショットが出る可能性もあるので、やはり彼も新規でやり直してほしいです。
ビークルモードでも。
ビークルはまったく別物だからなぁ、クロスヘアーズ。
この並びはまた決して悪くはないのですが。
レジェンズ トップスピンに付属したピースマンとピースメーカー。ロボットモードで。
サイズは思ったほど違いませんでした。
しかしまぁ、可動するのとしないのとでは雲泥の差がある・・
ウエポンモードでも。
レジェンズ版は銃身パーツが大きいぶん迫力があります。
一方で、オリジナルの雰囲気には今回のもののほうが近いんですよね。
この形態に限ってはどちらもありかな、とは思います。
あらためて、ポイントブランクにレジェンズ ピースマン、クロスヘアーズにレジェンズ ウインドブレードに付属するポインテック(海外名ピンポインター)のウエポンモードを持たせて。
ビークルモードでも。
どちらの形態でもとくに違和感はないと思います。
レジェンズ トリガーハーピーと。ロボットモードで。
意外や、ぽんとブランクのほうが大柄です。
先ほど、シージ アインハイド型のクロスヘアーズと肩を並べていたときにお気づきかもしれませんが、実はポイントブランク、デラックスクラスとしてはわりと大きいほうなんですよね。
ただそれもタイトな設計の産物と思うと複雑な気持ちです。
そんなに大きいイメージもないし・・
ビークルモードでも。
陸と空、カラーリングも赤と青で対照的な両者。
とくにライバル関係でもない気がしますが。
以下、画像
上腕ロール可動ができないことに加え、肘も真下にあるでっぱりのせいで90度も曲げられない(一方、逆方向にはかなり曲げられる・・)など、とにかく腕部可動の不自由さが気になりますが、腕以外は十分によく動くので相応に魅せるポージングは可能です。
足首はほぼ90度内側に曲げられるので、大股開きでも安定して自立が可能。
スタンドを使って。
頭部基部のロックを外せば、俯き加減にもできます。
一見スタンド対応の3㎜穴かと思われる腰裏の穴はビス用の穴で3㎜より少し広いのでほとんど役に立ちません。
なので、画像では背中の五㎜穴を使っています。
ここへ来てスタンド対応穴がないアイテムがちらほら出てきているのはなんでなのか?
2コメント
2023.02.09 23:36
2023.02.09 20:03