今回のレビューは、ノンスケール エヴォロイドより、
“ER001 ジェットン” と、
“ER002 Eーレックス” です。
コトブキヤ初の低年齢層向けプラモデルシリーズ、
“エヴォロイド” がスタート。
今回は、第1弾として発売された
“EVRー01A ジェトン” と
“EーREXーS1 Eーレックス” を、
まとめてレビューしたいと思います。
おおよそ対象年齢15歳以上のハイエンドキットを中心に展開してきたコトブキヤが、とうとう子供にまでターゲットを広げてきた!?
対象年齢8歳以上の低年齢層向けキットに参入してきましたよ。
もちろん戦略としては正しい。
いつまでも同じ相手ばかりを見て商売していても先細りしていくのは当然なのだから、どんどん新しい顧客を獲得していかなければならないわけです。
オリジナルシリーズに限って言うと、フレームアームズとヘキサギアでメカ好き、ミリタリー好きの心を掴み、FAGからメガミ、創彩、そしてアルカナディアで美少女好き(という表現には語弊があるけど・・)を囲い込み、そして今、それらの予備軍として子供を呼び込もうという段階にまで至った、と。
もちろん、M.S.Gを使った簡単カスタマイズをちらつかせることでゆっくりと、しかし確実に沼に沈める作戦です。
とはいえ、肝心のデザインが子供の目に留まるもの、子供の関心を惹くものでなければなりません。
そこで選ばれたモチーフが、デフォルメ体型のロボット。王道ですね。
しかも簡易変形可能。定番で間違いがない。
でもそれだけではありません。
エヴォロイドという名称ですぐ気付いた人も多かったはず。
今回のシリーズの原典は、あの伝説のプラモデルシリース、オモロイドです。
1980年代に日東化学、その後サニーから発売された、正式名称 “大河原邦男おもしろメカワールド オモロイド” は、その名の通りガンダムなどで知られる大河原邦男氏がメカニックデザインを担当、SDガンダムなどのコミックを手掛けたときた洸一氏がキャラクターデザインを担当した低年齢層向けのシリーズでした。
僕も小学校低学年の頃にいくつか作った記憶があります。
サニーの倒産後は韓国や中国に金型が渡り、引き続き生産されていたようですね。
今回のエヴォロイドは、原典同様にメカニックデザインに大河原邦男氏、キャラクターデザインにときた洸一氏を迎えた、まさしくコトブキヤ製現代版オモロイドなのです。
つまるところ、今の40代が子供の頃に夢中で作ったプラモデシリーズが現代に甦ったわけで、子供向けと見せながらむしろその子供の親世代に直撃団を浴びせようという魂胆(言い方ww)なのですよ。
親子で一緒に遊んで欲しい・・いや、すでにコトブキヤファンである親に対して子供に買い与えるという言い訳を・・さすがに露骨過ぎますかね(笑)。
まぁそん感じで、新世代のファンを増やそうという試みと捉えています。
もちろん、素直にオモロイドを復活させたかったというところもあるでしょう。
当然ただの焼き直しではなく、先にも言ったM.S.Gを使った簡単カスタマイズのみならず、他シリーズのキット同様、がっつりカスタマイズ、ミキシングできる構成として完成しています。
そもそもプロトタイプともいうべきプログレスボディが先行してM.S.Gとして発売されていますしね。
ちなみにそちらはこれまで通り対象年齢15歳以上。7歳の差は一体どこに・・
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに付属のシールを貼ったのみです。
まずパッケージを2つ並べて。
パッと見コトブキヤのキットと思われない、アニメ調のイラストが描かれたパッケージになっています。
ジェットンのほうにはパイロットも描かれているのがなんか新鮮。
形状はいわゆるサック箱というタイプで、M.S.G ヘヴィウエポンや創彩のアフタースクールシリーズなどと同じですね。縦横のサイズも一緒です。
説明書も裏面はこんな感じ。
カラーじゃないけど。
昔のBB戦士を思い出しました。
ジェットン
世界統合機構UWAT(ウワット)ユーメリア島駐留第22技術開発部隊EeSSA(エーサ)に所属する初のエヴォロイド・ギア。
当初はただの可変戦闘機だったが、謎の少女リララ・リムによって機甲覚醒(プログレッシブドライブ)し、感情を意思を持つようになった。
パイロットのランナー・ラグロックス(通称ラン)とは熱い友情で結ばれた・・いわゆる主人公メカですね。
ロボットモード
ツインアイに顎付きマスクという正統派のヒーローロボット顔。
ほぼ白一色に変形モチーフがジェット機という部分でマクロスのバルキリーっぽい雰囲気もあります。
プロポーションはおおよそ3頭身。
最近のSDガンダム系などとほぼ同じバランスだと思います。
左肩のエーサ所属を示すエンブレムはシールでの再現。
ほか、額や胸部中央の赤、ソールのグレーなどもシールでの再現です。
なお、付属のシールはホイルシールのみ。すでに端とか若干剥がれかけてますね・・
エンブレムなんかはテトロンシールかデカールで欲しかったところですが、そこは対象年齢に合わせたんでしょうね。
そのうち上級者向けで各種エンブレムのデカールセットとか発売されるかも。
背中はコアブロックが剥き出しですね・・
対象年齢8歳以上ではありますが、同15歳以上のプログレスボディと共通のコアユニットに頭部や腕脚、外装類を組み付けるという構造もそのままで、とくに簡略化された部分も見当たりません。
強いて言うなら、各部のエッジが気持ち丸みを帯びているかな?
ガンプラで言うと、V字アンテナの安全基準フラッグがあるかないか、という程度の違いかと思います。
ツインアイはクリアパーツ。
一応、上から貼るシールもあるのですが、今回は貼りませんでした。
マスク、アイパーツともに完成後もわりと簡単に外せるようになっているので、カスタマイズもしやすいかも。
左右にある機銃は取り外し、拳に持たせることもできます。
なお、拳パーツはプログレスボディと共通のコアジョイントランナーに含まれるものと同一形状ですが、カラー再現でわざわざ新規のものが付属します。
う~ん、これはちょっと無駄だなぁ・・
手持ち武器として銃剣が一丁付属。
銃身下部の備わった剣(というかナイフ)が展開します。
コアブロックの構成はプログレスボディとまったく一緒。
ただ、上半身が前後逆になっています。
ジェットモード
コアブロックの可動を利用して飛行形態に変形可能。
基本の変形パターンはプログレスボディと共通で、違うところというと腕部の位置の上下のみ。
上半身のコアが前後逆なのでね。
股関節は前後のアーマーパーツで挟むようにして固定、ソールも頭部側面のダボに引っかけるようなかたちでやんわり固定されますが、腕部はとくに固定されません。
キャノピーはクリパーツ。フレーム部分はシールでの再現になります。
コクピット内部はプログレスボディよりも作り込まれていますが、そのせいでHMMゾイドのパイロットフィギュアも乗せられなくなってしまいました・・
銃剣は天面に取り付け可能。
設定では銃口を後ろに向けるようですが、もちろん前に向けることも可能です。
ただしキャノピーは開けなくなりますが。
胸部アーマーおよび脛側面からランディングギアが展開します。
なかなか芸が細かい。
Eーレックス
エヴォロイド・ビースト軍団のキング。
TーREX(ティラノサウルス)のDNAを受け継いで覚醒した、いわゆる悪の軍団のボスですね。
同型でメインカラーがグリーン、頭部に角がなく顔もモブっぽい量産県の戦闘員、Cーレックス(通称コレックス)を率いて暴れ回ります。
ロボットモード
恐竜の口の中にロボットの顔があり、脚部にもその意匠が見られます。これまた王道と思えるデザインですね。
基本構成はやはりジェットン、プログレスボディと共通ですが、デザインの方向性が大きく変わっていること、変形にも関わるギミックを備えた外装など、なかなか独自性があって新鮮です。
左肩のエンブレムや両肩の黒い部分はシールでの再現です。
尻尾を上方に折りたたんでいるのでそれがバックパックっぽい感じにも見えますが、腰部に接続されているので若干可動に干渉します。
フェイスはジェットンと違って鼻と口があるタイプ。
わりと奥まっいて正面からだと見えにくいですが、こちらもツインアイはクリアパーツ。
やはりシールもありますが貼りませんでした。
なお、変形都合もあってフェイスパーツは挟み込みのため、基本的に取り外せません。
せっかく(?)口があるんだから、表情の交換ができればよかったんですが。
恐竜の目もクリパーツです。そちらにはシールはありません。
額および側面の角は格好いいからという理由で付けた飾りらしく、取り外すことが可能。
コレックスは基本この状態。
交換用のフェイスパーツがあれば、あとはスプレー塗装でも再現できたんですが・・
額用の角はデフォルトの1本タイプにほかに3本のスパイクのようなタイプも付属し、好みで付け換えられます。
手持ち武器として斧が付属。
刃の部分はシールです。
コアブロックは上半身前面に1つパーツを付けません。
また、脚部取り付け用のボールジョイントには専用の軸が長いものを使用します。
TーREXモード
恐竜を模した形態に変形。こちらも可愛らしいSD体型です。
胸部外装の一部を小さな手に見立てているのもよいですね。
腕部の移動、股関節の展開など、コアブロックの変形パターンはジェットンなどと同じですが、フェイスパーツのスライドや胸部アーマーが展開して下顎になったり、あと尻尾の展開など、専用パーツの可動ギミックで飽きさせない構成になっています。
腕部はこれ、キャノン砲化ミサイルランチャーという見立てなのかな?
下顎との位置関係もあって頭部はほぼ固定になってしまいますが、一応口の開閉は可能。
ただどうしても受け口になってしまうのと、ロボットの顔が半分見えちゃう・・
なお、口内には黒いシールを貼ります。
斧は背面にマウントできます。
デザイン的にもわかりやすい敵対関係。
顔付きから初代コンボイとメガトロンのライバル関係も彷彿とさせてくれます。
変形して。
ジェット機と恐竜型ロボ。
地上にいる敵に対して飛行能力のアドバンテージを持つのも主人公っぽい。
というかちょっと卑怯(笑)・・
ジェットンとプログレスボディ、ロボットモードで。
頭身は共通。
プログレスボディのほうが全体に鋭角な感じでディティールも若干細かいような感じはありますね。
そこがまた、試作機と正式採用機みたいな雰囲気になってるかな。
しかし、やはり対象年齢が大きく違うようには見えません。
変形して。
腕部の位置が上下反転しているだけで、基本の変形パターンは共通。
以下、画像
ジェットン、Eーレックスともにデフォルメ体型ですが、ともに全身14箇所が可動。
腕部と脚部の付け根、足首はボールジョイント接続。コアブロックの可動も含め、様々なアクションポーズをとらせることが可能です。
まずジェットン。
SEED撃ちポーズもばっちり。
上半身のコアブロックの向きがプログレスボディと逆になったことで腕部の前方への引き出しはできなくなりましたが、逆に後方へ反ることができるようになったので、また違ったポージングができるようになっています。
ローリング機銃・・とか。
背中はコア丸出しなのでスタンド用の穴には困りません。
ジェットモードでも。
ジェットモードでは胸部のランディングギアを展開した奥(コアブロック)に3㎜穴があるので、それ使えば飛行シーンのスタンドディスプレイができます。
でも、飛んでるのにランディングギア出てるというのはなぁ・・
続いてEーレックス。
基本の可動性能はジェットン、プログレスボディと変わらず。
変形都合もあって脚部に太腿ロール可動が追加されているので、より大股開きでも安定した自立がかのうになっています。
また、これも変形都合で顔を垂直まで上げることができるので、前傾姿勢での失踪ポーズもいい感じ。
スタンドディスプレイには尻尾の根元にある3㎜穴が使えます。
TーREXモードでも。
手に見立てたパーツは多少左右にスイングさせることが可能。
3㎜穴も空いているので武器を持たせることもできます。
それでは、今回もいくつか組み換えを。
まずそこらへんにあったM.S.Gをまとわせて。
スーパージェットン
大型ブースターを背負わせただけ、ですね。
本体はそのままなので、もちろん変形もできます。
ちょっと東洋風のドラゴンな感じに。
こちらも一応変形可能。
羽根は付け換えになってしまいましたが。
プログレスボディを食い込むかたちで。
エヴォジェットン
ジェットンとプログレボディのパーツだけを使ってどうにか頭身を上げようと試みましたが・・難しいですね。
変形ギミックまでは盛り込めませんでした。
エヴォレックス
同じくEーレックスとプログレスボディのパーツのみ使いました。
こちらも変形ギミックは捨てて、純粋にドラゴン型として。
人型よりはまだ作りやすいかな。
最後にジェットンとEーレックスを組み合わせて。
ジェットレックス
ちょっとバランスがおかしくなりましたが、ロボットモード、
の三段変形可能になりました。
1箇所だけ、カットランナーを使って接続しました。
正直まとめきれてないですね。
感覚的にはアニマギアの組み換えに近いものあるかなぁ。
ただ、あちらと違って腕部と脚部にはフレーム構造がないので、むしろ組み換えの制約はキツイかも・・
最後に元に戻して対決イメージで。
なんかスパロボっぽい。
以上、“エヴォロイド ジェットン & Eーレックス” でした。
いやはや、このところのコトブキヤの新シリーズラッシュがヤバい・・創彩はそろそろ1周年になるわけですが、その後もマルットイズやなっちんといったコラボ系にアルカナディアも。
それらはいずれも対象年齢15歳以上ですが、それらにしても数年前のコトブキヤキットと較べると格段に作りやすくなっていますし。
なので、別に小学生でも作ろうと思えば作れますよ。ただ嗜好がそれらにまで至っていないだろう、というだけで。
そういう意味では、やはりデフォルメ体型のロボットというのは低年齢層の目に留まりやすいのではないか、と思います。
ただまぁ、実店舗の場合はこれをどこの棚にどういう風に置いてくれるか? という部分もかなり重要だとは思うのですが・・
さてキットとしては、すでにプログレスボディで完成されているコアブロックを中心に頭部や腕部、脚部、外装武装を取り付けていくという構成で、それ俺の部位は最低限のパーツ数に抑えてあるため組みやすく、それいでいて完成後の可動性や変形ギミックも十分なレベルですし、各部に設けられた3㎜穴でカスタマイズも容易と、まさにコトブキヤキットの入門用に最適なものになっていると思います。
しかしまぁ、平均的な対象年齢8歳以上のキットと較べると、やはり多少ハードルが高いかな? という印象はありますかね。
あでも、ガンプラのHGって8歳以上でしたか。ナイチンゲールとかもそうなんだな。じゃあとくに難しくないのか・・
実際うちの甥っ子、もうすぐ6歳になるんですが、1人で完成させましたしね。プログレスボディもね。
まぁ、英才教育の賜物ではありますが(笑)。
さてエヴォロイド、第2弾の2種は4月発売。さらにまだ発売日未定ですが第3弾2種も設定画まで公開されています。
ここなんだよな。
毎月1つずつ発売とかできないものだろうか?
次まで4ヶ月は長いよ。子供たち忘れちゃうよ。
月刊メガミデバイスができるんだから、月刊エヴォロイドもやって欲しいなぁ、というのが正直なところですね。
そして忘れてはいけないのが、元祖オモロイドの復活。
いやまさかと思いましたが・・あちらはオリジナルに忠実なデザインを現代の技術でリメイクするということなので、そもそもメーカーも違いますし、それはそれで非常に興味があります。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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