今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、
“フレームアームズ・ガール ✕ アサルトリリィ 六角 潮季” です。
過去にも多数の他社コンテンツとコラボしてきたフレームアームズ・ガール(FAG)。
今回タッグを組むのは、1/12スケールのアクションドールシリーズ、
“アサルトリリィ”
NAOKI氏の作例をベースに、原作者の尾花沢 軒栄氏、イラストレーターの八重樫 南氏の手で設定、デザインが確立され、
“六角 潮季(ろっかく しき)”として発売されました。
アサルトリリィ・・て、名前は聞いたことあるんですが、どういうシリーズかまったくしらなかったので、ちょっと調べました。
2005年に当時アマチュアの模型ディーラーだった尾花沢 軒栄氏によるオリジナル作品として誕生。
2011年に “アゾンインターナショナル” に企画が採用され、アゾンおよび “acus” が手掛ける1/12アクションドールシリーズとしての商品展開が開始されました。
その後ノベライズ、舞台化などを経て2019年に “ブシロード” が加わってアサルトリリィプロジェクトが始動。アニメ化、スマホゲーム化など、現在もさらなるメディアミックスの輪が広がっています。
今回のFAGとのコラボも、その一環ということでしょうか。
近未来、謎の巨大生命体 “ヒュージ” の出現で世界が壊滅の危機にあるなか、人類は科学と魔法の力 “マギ” を結集した対ヒュージ用決戦兵器、“CHARM(チャーム)” の開発に成功。
CHARMは10代の少女に高いシンクロ率を示し、CHARMを扱う少女たちは “リリィ” と呼ばれ、やがて英雄視されるようになっていった。
そして、リリィ養成機関、“ガーデン” が世界各地に設立され、人類の拠点となっている・・と。
うん。どこかで聞いたような世界観だ(否定しているわけではない)。
過去にもデスクトップアーミ-、初音ミク、勇者シリーズやマーベルなどのキャラクターともコラボしてきたFAGですが、初音ミクはFMG(フレームミュージック・ガール)、勇者シリーズやマーベルはCFG(クロスフレーム・ガール)として一応別名義にもなっています。
このへんは、版権の絡みでしょうね。ミクとかややこしいらしいですからね。
今回は、とくに新たな名義はなく、普通にFAGとして発売されています。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに一部塗装での仕上げです。
六角 潮季
今回のコラボ用の新キャラクターということなんでしょうかね。
既存のキャラに六角 汐里(ろっかく しおり)というコはいるようなのですが、彼女となにかしら関係があるか・・?
黒をメインに差し色として白が入るシックなカラーリング。
衣装のデザインはメイドのようなゴスロリのような、でも肩にはセーラー襟のようなものも付いていたり。
メカ要素は控えめという印象です。
本家と違ってロボットがモチーフではないですからね。
轟雷改 Ver.2.0から一部パーツを流用していますが、頭部はもちろん腕部、脚部、スカート周りなどほとんどが新規造形になっています。
実際流用されている部分は、腕の付け根と前面装甲を除く胸部から腹部(内部可動部含む)、太腿、ハンドパーツくらい。
正直、思っていた以上に新規パーツは多かったです。
素体モードから武装モードへの換装などはない、初期のFAGに準じた比較的シンプルな構成ではありますが。
ただ、スカートは少し長くなっていて、ギリギリワカメちゃんスタイルにはなっていません。
そのスカートの白いラインは塗装済み。
肩と腰部のスタビライザーっぽいパーツや太腿装甲の黒いラインはこちらで塗装しました。
背面。
こちらもとくに背負いものなどはなくシンプル
背中、腰(ブースターパーツ)、脛に3㎜穴があり、適度なカスタマイズも可能です。
脛はスティレットとも似たデザインになっていますが、新規造形。
そもそも今回のベースとなった改造作例がスティレットを使ったものだったそうですね。
なので、轟雷改 Ver.2.0というより本来的にはスティレット XF-3をベースキットとするほうが正しいのかもしれません。
スティレット X-3も轟雷改 Ver.2.0からパーツを流用しているわけですが。
フェイスパーツは3種類
正面向き通常顔
これまでのFAGにはなかったタッチのお顔です。
目がかなり大きいです。もう、パーツ造形からはみ出してすらいます。
ちょっとクセがあるというか、個性的なのは確かで、実際賛否が分かれているようではあります。
ほかのガールと並べると多少の違和感はありますかね。
往年の(?)グラ子を見ているようだ・・
ただ、目付きの鋭さが目立つ通常顔、叫び顔に較べてダメージ顔はネタ的にもかなり有用な表情だと思います。
そもそも、ダメージ顔というほどダメージを受けてる感じには見えません。まぁ、精神的に弱ってる感じには見えなくもないですが。
個人的にはシルフィーのまったり顔に並ぶ癒やし系だと思ってます(笑)。
フェイスパーツを、轟雷改のものと並べてみました。
目の大きさだけでなく、位置も若干下がっているんでしょうか。
逆に眉毛の位置が高くなっていて、相対的に目と眉毛の感覚が広がっています。
あと、顔の輪郭・・というか具体的にはほっぺたが随分ぷっくりしているように見えるんですね。
パーツそのものは同じものだと思います。
よぅく見較べてみましたが、明らかな違いというのは確認できませんでした。
でも、六角フェイスのほうがほっぺプニプニに見えるのは、頬の赤みやツヤを再現しているプリントの位置などによる錯覚なんでしょうね。
実は新規造形で、もの凄く微妙な造形の違いがあるのだとしたらごめんなさい。
いやでも、だったら目のプリントがはみ出すことはないだろうし・・
後頭部、2本の短い三つ編みはボールジョイントで可動するようになっています。
花のデザインの髪留めは塗装しました。
本来は外装と同じ黒のようですが、困ったときのピンクで(笑)。
なお、この三つ編みとセーラー襟を模した肩のパーツが干渉するため、頭部および首の後ろ向きの可動が死んでしまっています。
ご覧のように、完全に三つ編みが邪魔で首が反れない状態ですね。
ここを欠点とする声も少なくないようです。
そもそもこのセーラー襟パーツのために首がかなり短く見えてしまってもいるんですよね。
そこで、レティシアなどに付属のドール服用首パーツと交換してみました。
言わなきゃわからんくらいの差ですかねぇ・・
でも、詰まった感じが少しは解消された気がします。
結局、後ろにはほぼ反れないままですが、とりあえずこれでいこう。
一部で過敏な反応があったような気がする胸部前面装甲(笑)。
ふむ。確かに少し尖っている気がする・・
腰部は前面の装甲、スカートはフロントが3分割、サイドが左右ともに2分割で可動するため、脚部の可動の妨げにはなりません。
股関節も下方にスライドするため、太腿腿はおよそ90度上げることが可能です。
ちなみに、今回縞々のデカールはありません。
腰部後方のブースター(?)は左右のスタビライザーが可動します。
もちろん取り外すことも可能です。
CHARM ティルフィング
ユグドラシル社が開発した第3世代型CHARM。
パーツの換装で攻撃力重視のT型、速度重視のR型という2種のブレイドモードに加え、バスターランチャーモードに変形しての射撃も可能な万能兵器となっています。
モノは、“アサルトリリィ・アームズコレクション01” として発売されたものがそのまま流用されているようです。
成型色は変わっているのかもしれません。
こちらが分解した状態。
なお、キットは黒色の単色成型なので、目立つ部分のみですが塗装しています。設定色とは異なりますが。
右端の部分だけでショートブレイドとしての運用も可能です。
シルバーで塗装したパーツがマズルパーツ。左の2つのダイレクトアタックパーツは用途によって付け換える仕様です。
ブレイドモード タイプT
剣というより鉈のような形状のアタックパーツを取り付けた、攻撃力重視の形態。
斬るよりも重量で叩き潰す感じなんでしょうかね。
Tがなんの略なのかはわかりませんが・・
キットとしてもなかなかのサイズ、重量となっていますので、片手での保持はかなり厳しいです。
ブレイドモード タイプR
タイプTよりも若干刃渡りの長い、鋭い切っ先も備えたアタックパーツに換装した状態。
一応速度重視ということで、パーツは一部中空構造になっていて、軽量化が図られているようです。
だとしても、やはり片手で持つのは困難です。
もう手首がくるんくるん回っちゃう・・
Rもなんの略なのか。
バスターランチャーモード
基部パーツを折りたたむことで肩に担ぐようにして使うランチャーに変形。タイプT、Rどちらのアタックパーツを付けた状態でも変形できます。
というか、この形態にアタックパーツは要るのだろうか?
なお、グリップの上にある赤い(これも塗ったんですが)円形パーツは “マギクリスタルコア” と呼ばれるもので、コンピュータで制御される魔法の宝玉だそうで、これを換装することでもCHARMの特性をカスタマイズできるようです。
あと、いつもの簡易スタンドも付属します。
付属品は以上。
かなりシンプルな内容ではありますね。
比較画像
パーツを流用している轟雷改 Ver.2.0と。
轟雷改、一部パーツが行方不明なのでそこはご勘弁を。
本体部分は共通ですが、外装部分はまったく違うので印象はかなり異なります。
六角はあくまで普通の人間ですし、メカ要素はそこまでないんですよね。
あと、胸部前面装甲のボリュームが・・
スティレット XF-3と。
やはりこちらのほうがデザイン的に近いものがありますね。
長さこそ全然違いますが、後ろ髪を束ねている位置もおおよそ一緒ですし。
あと、胸部・・(以下自粛)
以下、画像
もちろん可動は最新のFAGフォーマットに準じたものになっています。
マガツキのように脚が付け根から抜けやすいということもなく、非常に安定した構造なのでストレスなくポージングが捗りますね。
というわけで、ティルフィングの各モードで何枚か。
まずブレイドモード タイプTで。
自立も安定します。
足はけっこう小さいのですが、本体に過剰な装備もなく、足首も柔軟に可動するためしっかり接地でき、バランスがとりやすいです。
なお、腰部ブースターを付けた状態だとスタンド穴が斜め上を向く格好になるので、付属の簡易スタンドの構造だと少々使いにくいです。
少女と超重武器。
ギャップがいつしか定番になりましたねぇ。
ブレイドモード タイプRで。
メインのグリップのほか、コアの下左右にサブグリップもあるので、両手持ちのパターンはいくつかあります。
バスターランチャーモードで。
ティルフィング自体にも3㎜穴などあれば、M.S.Gによるカスタマイズもできてより親和性も高まったんですが・・
ちなみに、FAGはメガミと違ってシリーズ全アイテムでフェイスパーツに互換性がありますので、今回の六角さんのお顔はちょっと・・という場合(失礼)は、ほかのコのフェイスを付けてみるのもよいかと思います。
試しに、その辺にいたガールの顔を剥ぎ取って付けてみました。
轟雷改
すごく真面目そう。
彼女になら世界を任せられる。
輪郭もやはりシュッとしましたね。
スティレット XF-3
ふむ。
系統としては同じような吊り目ですが、六角さんより目が小さいので、お姉さんっぽくなったかな。
レティシア
八重歯は卑怯ですな(笑)。
先の2パターンより幼い印象になります。
グライフェン
あ・・これはまた個性的だ(笑)。
若干の狂気すら感じる。
さすが先輩・・(どういう意味かな?)
ただ、以上の4パターン、顔と目の大きさのバランスという意味では大きな違いはないので、いかに今回の六角さんの顔立ちが特殊かというところですね。
項垂れる六角さん。
あぁ、別にダメだと言ってるわけじゃないんですよ(汗)。
まぁ、通常顔と叫び顔は正直あまり好きではないのですが、このダメージ顔は個人的にすごく好きです。
この表情が購入の決め手になったといっても過言ではない。
六角「わたしって人気ないんですか?
グラ子「気にするはことない。愚かなニンゲンどもは、まだおまえの魅力に気付いていないだけだ。
わたしも同じような経験をしたが、カラバリが発売された。
見るモノはしっかり見てくれている。いずれ評価は付いてくるものだ。
六角「先輩・・
わたし、頑張ります!
なかなか自信を持てない新人を叱咤する、頼れる先輩、グラ子であった。
以上、“FAG 六角 潮季” でした。
コトブキヤのガールキット予約戦争がかなり激しい時期だったにもかかわらずすんなりと予約でき、たぶん今も普通に買える。なんなら投げ売りに近い感じにまでなっているコ・・
直近だとワンダーウーマンとかもわりとそんな感じだったかも。
まぁ確かに、お顔に少々クセがありますし、パーツの流用も明らかという感じでしたので、買い控え、様子見されたのかも知れません。
実際には思ったほど流用はありませんでしたけどね。
コラボアイテムということもあり、例によってオリジナルよりも若干割高という部分も響いたかも。
それでも、最近のメガミなんかと較べたら安いほうですけどね。
逆にそれが仇になった可能性もあるのかなぁ?
昨今・・とくにメガミで顕著ですが、内容的にどんどんボリュームアップしていくなかで、非常にシンプルな構成が見劣りしたという部分もあったかもしれません。
ともあれ、轟雷改、スティレット XF-3と共通の本体構造は非常に安定感があるので、改造用素体としてのポテンシャルを評価するモデラーさんも大勢おられるようです。
て、その時点で当然素人や新規参入の目線じゃないわけですが(笑)。
やはり、一般的にはなかなか手を出しにくいキットだったたかもしれません。
顔付きが特徴的なわりに、キットとしての特徴はこれといってないですからなぇ。
もちろん出来はよいんですが、それは轟雷改の出来がよかったということですし、そもそも実際買って組んでみないとわからない。
彼女独自の売りというと、コラボアイテムであるということくらいしかないんですが、アニメやゲームの登場キャラではなく、作例がベースの新キャラみたいですし。
ティルフィングの換装、変形ギミックはそれなりに楽しいですが、取り回しの悪さは少し気にはなります。そして、アサルトリリィシリーズからの流用ゆえに、M.S.Gのような拡張性もない。
なんとも、惜しいというか、不憫というか・・
あのダメージ顔はむしろこうなることを想定して作ったんじゃないかとすら思う。だとしたら見事に嵌まってまけどすね。
しかしまぁ、こんなことを言えるのも、繰り返しになりますがキットそのものは出来がしっかりよいからです。
安くなってたから買ってみたけど、思ってたよりいいじゃないか・・という感じで、あとから評価が上がってくるんじゃないでしょうかね。
すでにその兆しはある・・のかな?
グラ子やマジ子みたいに熱狂的なファンが出てくる可能性もあるかもしれない。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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