今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー59 オートボット ジャズ” です。
1986年に公開された映画、
“トランスフォーマー ザ・ムービー” に登場したオートボットの
“工作員 ジャズ” が
スタジオシリーズで発売されました。
“トランスフォーマー ザ・ムービー” は、先にも言った通り1986年にアメリカやイギリスで公開された、アニメ作品。
アニメ第1作となる “戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー”(日本版タイトル) と2作めの “2010” の間を繋ぐストーリーですが、なんやかんやあって日本での公開はされなかたったというある意味伝説の作品。
チャリティー上映やソフトの発売などはされましたが、2001年のDVD発売を最後に一切の展開がなくなりました。
そのDVDや過去のソフト類はかなり高値で取引されているようですね。
実は僕も見たことがありません。ストーリー等に関してはウィキその他ネット情報で知っているくらいです。
そんな扱いのザ・ムービーですから、その劇中に登場したキャラクターたちがスタジオシリーズにおいてリメイクされるという話が出たときは、いやまさか・・と思ったものです。
確かに、スタジオシリーズは映画作品の登場キャラクターたちをリメイク、あるいは新規に発売していくというシリーズということで、べつに実写作品には限定していませんでしたから、まったく眉唾というわけでもない・・で、実際に発売に至ったわけです。
なお、海外ではこれまでのシリーズと区別するかたちで “スタジオシリーズ86” と末尾に公開年度を入れた新シリーズという扱いで、ナンバーも01から数え直しとなっていますが、日本ではそのままスタジオシリーズとして、ナンバーも続くかたちになっています。
でも、やっぱりなにかしらの区別は必要かと思いますので今後も “86” と呼ぶことはありますのでご了承を。
そんな86シリーズのトップバッターとなたったのが、WFCトリロジーでの発売が期待されていたジャズ。
まさかこっちで来るとは思いませんでしたが、その出来映えやはたして・・
レビューしていきます。
日本では,、“副官 マイスター” というほうが馴染みがある・・とはもはや言えませんかね?
実写映画のあとは基本的にキャラの名称が海外基準(本名)で統一されましたし、その実写第1作でいきなり死亡した彼がそんなポジションだったという事実を知らない若い世代も多いことでしょう。
もっとも、その副官というポジションも日本版だけの設定で、海外では最初に記したようにただの工作員という立場に過ぎません。
そもそもアニメ第1作でもさほど出番が多いわけでもなく、そう思うとなんで彼を副官ということにしたのか、よくわかりません。
ちなみに海外で副官ポジにいるのはアイアンハイドもしくはプロールですが、これもとくに明言されているわけではないのかな。
ロボットモード
イメージしてたマイスターだ・・
いや、今は(というかそもそも)ジャズですが。
非常にシンプルな見ためですが、要はそれだけアニメデザインが再現されているということ。
もちろんプロポーションはより均整のとれたものに調整され、各部のディティールもある程度足されているのですが、決して過剰ではなく、かつてのアニメが今リメイクされたらきっとこんな感じになるだろうな・・という絶妙なラインだと思います。
顔は、オートボットでは珍しいバイザータイプ。
バイザーは塗装ですが爽やかな色合いで、きゅっと引き締まった口許十相まってなかなかのイケメンフェイスです。
メインカラーの白と黒はほぼ成型色。
塗装箇所は先にバイザーのほか、胸部のマーキングやライト、各部のシルバーなど、数えてみるとけっこう細かく多いです。今回はほとんどはみ出しもなく、綺麗でした。
背面もすっきり。
オリジナルトイではビークルモードのドアが羽根のように肩の後ろに配置されましたが、今回はちゃんと収納したアニメデザインを再現。
箱に入った状態ではガワが全部開いたままになっていますが、すべてたたんでコンパクトに収納できます。
ただ、ガワは薄いクリアパーツでたたむときにそれぞれけっこう干渉するので注意が必要です。
そのガワの仕様は、やはりスタジオシリーズなんだな、と思えるところですが、それ以外、おおよその構造はWFCトリロジーシリーズに近い感じです。
前腕や太腿の内側、脛裏に肉抜きがあります。前腕と脛は少し気になるかな・・
光子ライフル
付属武器はこれだけ。
オリジナルトイに付属した肩のキャノンはオミット。
グリップおよび左右側面の5㎜軸以外がシルバー塗装されており、先端にはWFCトリロジーシリーズなどに付属するエフェクトパーツを取り付けることもできます。
ビークルモード
オリジナルの設定ではポルシェ935 ターボに変形しますが、今回はスタジオシリーズながらライセンスを所得することはなく、あくまでアニメの雰囲気を再現したポルシェっぽいスポーツカーにトランスフォーム。
実車やオリジナルトイよりも全体に丸っこくなっている感じで、格好良さのなかに可愛さも隠れている秀逸なデザイン。
ルーフおよびドアといったガワの合わせに若干シビアなところがありますが、おおよそカッチリと決まる変形で気持ちがいいです。
なお、ドアに記されている数字はオリジナルの “4” から “14” に変更されています。
なお、そのルーフおよびドアはすべてクリアパーツ製でウインドウ以外はすべて塗装になっています。
変形で面白かったのは、腹部パーツの処理。
ぐるんと180度回転させることで腕部の収納スペースを確保します。
光子ライフルはルーフに取り付け可能。
これはなぁ・・それこそスタジオリジースなら収納してほしかった気もするけど。
あとはスピーカーの展開もできればよかったなぁ。
比較画像
まずは過去のリメイクアイテムと並べて。
ユナイテッド(UN)版と。ロボットモードで。
UN版のほうが一回り大きいです。
また、UN版は前輪やドアの位置など、オリジナルトイの雰囲気に近いリメイクになっています。
プロポーションもよく、肩のキャノンこそありませんが代わりにスピーカーの展開ギミックもあり、今見てもかなりよいモノだと思います。
永らくうちでマイスターといえばこのヒトだった(すでにジャズ名義になっていましたが)なぁ。
もちろん、アニメデザイン再現度では今回のSS版が勝っていますが、全体の雰囲気や基本的な変形パターンは共通しています。
ビークルモードでも。
ボンネットからルーフに走るラインなどはもちろんほぼ共通のデザイン阿柄、車体そのものの形状はけっこう違っています。
なお、UN版はこの状態でもスピーカーの展開が可能です。
パワーオブザプライム(PP)版と。ロボットモードで。
PP版はコンバイナー仕様ということで、正直再現度は二の次という印象。
ただ、完全新規で出してきたことには少し驚きました。しかもこのあととくに流用されることもなかったはずだし・・
でも、あらためて並べると案外似てる。
ビークルモードでも。
PP版、これはもうまったく違う車種ですね。
でも数字はオリジナルのまま・・というか本来の数字が使えないというのはどういう状況なんだろうか?
同じスタジオシリーズから、実写版ジャズと。ロボットモードで。
実写版の小ささにあらためて驚き・・
目がバイザーで覆われてるとか、くるぶし横の後輪の感じとか、それくらいかなぁ共通点は。
なお、実写版ジャズは一応副官という肩書きを得ていたようです。
しかしあんなことに・・
ビークルモードでも。
実写版はポンティアック・ソルティスという車に変形します。
そもそも車種が違う。
ちなみにこのSS版ジャスは発売から随分経ってから安くなっていたのでリベンジ版スタースクリームやシャドウレイダーなどと一緒に買ったもので、レビューは描いていません。
ムービー・ザ・ベスト版はレビューしてますので、とくに参考にはなりませんがよろしければどうぞ。
アースライズ(ER)版 オプティマスプライムと。ロボットモードで。
シリーズカテゴリは違いますが、並べてもとくに違和感はないと思います。
サイズ感もよいのではないでしょうか。
司令官と副官がほぼ同じフォーマットで揃う日が来ようとは・・
ビークルモードでも。
以下、画像
スタジオシリーズというと、見ための再現度重視で可動は二の次という印象ですが、86ではWFCトリロジーシリーズに近い可動性能が確保されているようです。
少なくとも、腰の回転と足首の内側へのスイングは共通で実装される模様。
このジャズでも腰の入った射撃ポーズが可能で、接地性もばっちりです。
スタンド対応の3㎜穴も完備。
ジャズは腰裏にありますが、使用の際はガワを少し開く必要があります。
肩の可動には少しクセがあります。
ジョイント基部がL字型になっているため、画像のように腕を水平に上げた状態で回転させようと背中側で引っかかる場合があります。
また、前輪部分で少しだけですが腕全体を跳ね上げることが可能。
膝立ちはかなり自然に決まります。
太股と脛の長さのバランスがちょうどいい。爪先もたためるので安定します。
膝関節のロックが少し外れやすいですが、逆にそれを利用するとさらに深く膝を曲げることも可能です。
背中のガワはドア部分を開くこともできますが、オリジナルトイなどとは接続位置が異なるので、羽根のような感じにはできず。
さらに後部のガワも開くと甲羅を背負っているような感じになります(箱にはその状態で入っています)。
あくまでスタジオシリーズなので、WFCトリロジーシリーズのようなウエポナイズ、アーマーアップは想定されていませんが、足裏には5㎜穴があり、背中のものと含めてこの程度ならなんとか可能。
センチュリオンドローンの汎用性とならカラーバランスもよくていいですね。
スタジオシリーズ恒例の、中台紙を使った簡易ディスプレイベースもちろん健在。
ジャズに付属の背景は、彼がクリフジャンパーとともに配置についていたムーンベースの管制室。
なんとなく司令官たちと一緒に並べて見たけど、そうか、この場面に彼らはいなかったのか。
クリフと並べるべきだったのね・・
誰が本当のナンバー2かで揉める3人を呆れ顔で見守る司令官。
ともあれ、結果としてこのなかで生き残るのはジャズだけなんだよね。
司令官はそのうち復活するわけですが、オートボットの初期メンバーはほとんどがザ・ムービーで戦死してしまうわけで、そりゃあそれを公開ししないまま続編の2010を放送しちゃった当時の日本は混乱しただろうね。
僕も当時リアルルタイムで見ていたわけですが、まず新たなメインキャラのデザインに衝撃を受けてしまって、ストーリーについてどう感じたかとか、そういう部分は全然覚えてません(笑)。
以上、“SS オートボット ジャズ” でした。
このまま、ひょっとしてハブられるんじゃないか? と心配していたマイスター副官(ジャズ)が、まさかこんなかたちで補完されるとは。
あくまでスタジオシリーズではありますが、基本仕様は限りなくWFCトリロジーシリーズに近いものですし、ロボットモードの再現度という意味ではむしろそれ以上の完成度になったのではないかと思います。
ウエポナイズもできないわけではないですし、光子ライフルにもちゃんとエフェクトパーツを取り付けられたりと、一応絡めて遊ぶことは想定されているので十分です。
いやぁ、いい出来だわ。
当初は、てっきりキングダムなどWFCトリロジーのラインナップに諸般の事情で入りきらないものを、弾切れ感のあったスタジオシリーズに肩代わりしてもらうようなものなのかしら? と思ったりもした “スタジオシリーズ86” 。
しかし、やはりスタジオシリーズはスタジオシリーズでしたね。
このジャズはまだWFCっぽい触り心地なんですが、比較的タイトなガワの合わせだったり、ちょっと凝った腹部パーツの処理だったりにスタジオシリーズらしさを感じました。
ただシリーズは違えど並べても破綻がないよう、デザイン、サイズ感はかなり近いものになっていて、2つのシリーズがまさにタッグを組んで初代から2010までの主要メンバーをフォローしていってくれるという展開は非常に嬉しいです。
ひょっとしたら今回発売された3つに次月(もう今月末)の3つで終了か? とも思われましたが、まだリーク情報段階なれど継続の方向のようでまた嬉しい。
ダイノボット全員の再リメイクの可能性も出てきましたし、キングダムでは発売されそうにないブロードキャストやパーセプターなどのリメイクにも期待したいですね。
そしてザ・ムービーのBD発売も・・今を逃したらもうないだろうしなぁ。
といったところで今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2021.05.02 13:25
2021.05.02 12:31