FAG マガツキ レビュー(3月29日 訂正追記)

 今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、

“フレームアームズ・ガール マガツキ” です。


  隆盛を極めるガール系キットの先駆者、フレームアームズ・ガール(FAG)に、グライフェン以来、実に2年3ヶ月振りの完全新作ガール、

“マガツキ” が登場しました。


 ときはまさにガールキット戦国時代。

 そんな状況下に鎧武者モチーフのマガツキがガール化されるとは・・

 まぁ、キット化の発表はもちろん随分前にあって、発売もまた2ヶ月ほど延期になってのことなので、結果的にこの時期になっただけだとは思いますけどね。

 実際、マガツキのガール化発表当時に今のこの情勢を予想できた人はいたんだろうか?

 まさかあの巨山までもが本腰を入れてくるとはねぇ・・

 さてマガツキ、先にも言ったようにFAGでは初となる鎧武者モチーフのガールとなっています。

 和風ガールとしては迅雷がいますが、あれは忍者っぽいですからね。

 そもそもの本家マガツキが鎧武者モチーフ、多くのパーツが共通の兄弟機とでもいうべきドゥルガーが西洋騎士モチーフと、フレームアームズ(FA)でも異色の機体でした。

 まぁ、鎧武者モチーフということではつい先日、それこそモロな信玄(デザイン 大河原邦男)が発売されたばかりですが、あれはもう別次元の存在だしなぁ。

 なんにしても、FAの段階で非常にキャラクター性の強いデザインであり、今回のガール化は満を持してという感じさえあります。


 それでは、レビューしていきます。

 キットは基本素組みに一部合わせ目消し、同じく一部塗装での仕上げです。


くノ一モード

 いわゆる素体モードですね。

 前腕と脛にメカ要素がありますが、それ以外はほぼ生身の少女・・というか、露出がエグい(笑)。

 臍まで出しているのは、ビキニフレズも同様ですが、あちらがちゃんと穿いているのに対し、こちらはなにも手を加えない場合、完全に穿いてませんからね。

 前はそれこそ前貼り、後ろも腰にそれっぽディティール(塗装済みパーツで再現)があるだけで、横はおろか、下も繋がってないんですね。

 要はイノセンティアなどの素体系ガール・・迅雷もでしたか・・に連なるデザインになっているわけですが、彼女たちの場合は横こそ繋がっていませんでしたが、下はちゃんと繋がっていました。

 さらに、彼女たちよりもはるかに腰周りのボリュームが増したプロポーションになっているがために、生々しさがえらいことになってます。

 さすがに本当に穿いてないままにしておくわけにはいかないので、問題の部分はグレーで墨入れするようなかたちで線を引きましたが・・

 なんだろう、むしろ悪化したような気がしないでもない。

 同様の処置はジェネのときにもしましたが、もっとも他人に見られたくない作業ですね(笑)。

 さて、一番の問題点についての言及を済ませたところで、全体の感想に移りましょうか(いや、そっちが先だろ)。


 というわけで、あらためて全体像を。

 顔付きと、ぱっつんな前髪の印象も強いのかもしれませんが、実はけっこう幼く見えます。

 腰周りに対して胸部のボリュームが控えめということもありますかねぇ。

 ここ2回ほど、連続でどっちもすごいヒトたちを組んできたからなぁ。

 

 本体構造は完全新規型で、いくつか新しい試みがなされています。

 まずは首ジョイントの構造。

 メガミのように横向きにスイングできる可動部が追加され、

さらに内部も二重関節になっており(下図参照)、可動域が広がっています。

 ただ、メガミと較べるとジョイント部分が少し短め、かつ頭部側のジョイント受けが深いため、けっこうがぽっと奥まではまり込んでしまうので、スイングさせたい場合は少し頭部を引き出す必要があります。

 また、奥まではめ込むとジョイントがけっこキツめにはまってしまうため、そのまま頭部を左右に振ろうとすると内部の関節が捩れて、接続(上の画像の1番の接続)が緩むことがあります。

 実際緩んでいるのが、もう1つ上の画像の青い矢印の部分。隙間ができているのがわかると思います。

 一度ほぼ外れかけて、あわや捻じ切ってしまったか⁉︎ と焦りました。

 ここは挟み込みにしてほしかったかなぁ。


 腕部は、肩の接続部で多少の引き出しが可能。

 体幹部分は胸部腹部間でボールジョイント接続になっており、前後左右に可動。腰部の可動はありません。


 脚部は、股関節が左右独立して下向きに引き出可能。

 太腿内部にはメガミM.S.G ボトムスに近い構造が採用されているのですが、

肝心の股関節への接続がボールジョイントでこれがまた外れやすいこともあり、せっかくの可動が活かしづらいという現実があります。

 赤い矢印の2箇所で可動するのですが、そこが動く前にボールジョイントが外れてしまうんですね・・

 可動だけでなく、なんとなくプラつく感じもあり、やっぱりボールジョイント接続は安定性に欠けますねぇ。

 レティシアやビキニフレズは軸接続になっていたのに、なんでまたこっちに戻したのかなぁ。

 なお、最近のガールキットを組むときの定番工作として肌色部分は合わせ目を消しています。

 また、成型色で色の足りない部分は主にブラック、シルバーの筆塗りで対応しました。

 設定色とは異なりますが、気にしません。

 あと胸部、着物の合わせ目部分にある縫い目(?)にはデカールが用意されていますが・・完全に忘れていました。

 というか、なんでまたここにだけデカール? ここがあるなら前垂れの模様にもデカール付けてよ、と思います。

 だったら忘れなかったのに・・(笑)。


 フェイスパーツはいつものように3種類。

通常顔

ダメージ顔

憂い顔

 これぞ大和撫子という感じで、どの表情にも凜とした雰囲気があります。

 ただ、真面目過ぎて融通利かないんだろうなぁ・・とも思える。

 直近で不真面目でしかないヒトを組んだせいもある(2回め)し、余計にね。

 ふとしたときにあの煽り顔がチラつきます(笑)。

 ともあれ、やっぱりFAGは振り幅狭めが基本という部分は変わらないんですね。

 そういうところも、ある意味でメガミとの差別化になっているのかもしれない。


 額の飾りは武装モードのものも含めて3種類あり、角なしのものも付属します。

 中央の宝玉(?)部分はメタリックブルーで塗装しました。


 後ろ髪はおかっぱから下、さらに2つに分かれた束ね髪の3箇所でそれぞれ可動します。

 後頭部の装甲ももちろん可動。

 可動部のジョイントは若干緩めで、とくにおかっぱ下部分はごそっと抜けやすいです。

 また、束ね髪は定番の球体ジョイントでの接続ですが、基本的にジョイントが隠れてしまうので、どの方向に動くのか、ちゃんと見極めてから動かさないと破損の危険があるので注意です。


武装モード

 こっちは普通に武装モードなんだな。武者モードとか呼んでもよかった気が・・

 日本の鎧兜をモチーフにしたと思われるデザインのアーマーパーツ、そして4本の刀を身に着けた状態。

 さすがに細かい塗装が多くなりましたね。

 換装は若干面倒で、まず頭部は額の飾りと後頭部の装甲を交換。

 体幹部分では胸部、腹部、腰部(前貼り)をそれぞれ交換し、さらに脇腹に装甲、腰にサイドアーマー、後部アタッチメントを追加します。

 腕部は上腕のリングパーツに換えてアーマーを取り付け、前腕にも装甲を追加。

 脚部は膝上のパーツと足(靴)を交換し、脛の前後に装甲を追加。

 最後に、4本の刀およびマウントパーツを含む背部フレームを腰のアタッチメントに取り付けて完了となります。

 アーマー、武器のデザイン、装備箇所などはもちろん本家FAのマガツキとほぼ共通なのですが、本家からの流用はなく、今回のガール用にサイズや形状を調整した新規造形パーツになっています。

 アーマーの各部には本家でも印象的だったブルーのクリパーツがふんだんに使われていますが、これらのパーツ、ただのクリア成型ではなくラメ入りで、そのままでも光を当てるとキラキラと輝いて見えます。

 また、額の角飾りなどの白色成型パーツも同様に粒子感のあるものになっています。

 さすがに露出も減り、まさしく女武者という雰囲気ですが、それも正面から見ればの話。

 後ろから見ると・・

 この状態だとあまり目立ちませんが、背部フレームを外せばご覧の通り。

 まったく隠す気がありません。

 腹部の装甲に前垂れと、正面は多用なりとも防御力が上がっているのに、後ろの防御力は相変わらず限りなくゼロに近いです。

 先日組んだ別シリーズのあのヒトも、武装モードにおける後ろの防御が疎かになっていましたが、あっちはちゃんと穿いてたしなぁ・・(3回め)

 なお、背部フレームを付けた状態だと髪との干渉が酷く、なかなかに動かしづらいです。


付属武装等

テンカイ

 大きいほうの刀。2本付属します。

 刃と柄の部分で分割されており、刃は先に言った粒子感のある白色成型なので、あえて(本当だよ)シルバーなどで塗装はせず、成型色のままにしました。

 非使用時は背部フレーム外側のラックにマウントできます。

 というか、抜き身のままですよ、危なくないの?


サツガ

 小さいほうの刀。

 こちらもやはり刃と柄で分割されています。

 非使用時はやはり背部フレームにマウントするのですが、こちらはちゃんと鞘が用意されており、その中に収めることができます。


 今回のガール化にあたって追加されたオリジナルギミックとして、武装足の裏にアタッチメントパーツを介してテンカイおよびサツガを取り付けることができます。

 アタッチメントパーツにはほかにも3㎜軸が備わっており、さらなるカスタマイズも可能になっています。


背部フレーム

・・というか、腰裏のアタッチメントに取り付けるので腰部フレームというほうが正しい気が。

 アタッチメント自体にも可動部があり、かなりフレキシブルに動きます。

 下部のスラスターっぽい部分(青い矢印の位置)に3㎜穴があるので、スタンド等の使用にはそれが使えます。

 いつもの簡易スタンドも付属します。


 刀のマウントパーツの構造はこのようになっています。

 また、3箇所に3㎜穴の空いたオプションのアタッチメントパーツや、

 ほかのFAGやFAの脚部などに換装する際にスペーサーにもなる太腿リングパーツも付属します。


比較画像

 腰周りがほぼ同様のデザインになっている、レティシア〈リュウビ〉と。素体モードで。

 プロポーションはかなり違いますね。

 スレンダーなレティシア(ほかの似たようなデザインのコたちも細身)に対し、マガツキは随分と肉感的です。

 加えてお腹が丸出しということもあって、もう・・ね(笑)。


 後ろからも。

 レティシアはちゃんと穿いているのがわかりますね。

 なんにしても、例の巨山製ガールでは絶対にやらないであろう・・というか、たぶんできないデザインですな。


 武装モードでも。

 和風となんとなくの中華風。

 ちなみにレティシア〈リュウビ〉には配管テープ等で作ったミニチャイナ風のスカートを履かせていたのですが、今回の比較撮影のために脱がしました。


 ついでにデザイナーが同じフレズヴェルク=ルフス〈アギト〉とも。素体モードで。

 ヒールの分アギトのほうが少し背が高いですが、実際はほぼ同じくらい。

 ともに程よいむっちり体型になっているのは、デザイナーさんの趣味なのかな?

 腰周りのボリュームはマガツキでさらにアップしてます。

 本家FAマガツキと。

 ちょうどいいサイズ感。顔の大きさが全然違うのは仕方ないとして。

 先にも言いましたが、アーマー、武装の配置はほぼ同じであることがよくわかると思います。サイズは大きく違いますけどね。やはり本家のほうが大きいですね。

 なお、僕は無印マガツキは持っていないので、これは強化型である崩天から追加パーツ等を外して無印状態にしたものです。たぶん、無印とは成型色が少し違っていると思います。

 でも、ブルーグレーからシルバーにメインカラーがガラッと変わったドゥルガーと違って、マガツキは無印と崩天では色味が変わったくらいでほぼ同じカラーリングだったはず。


 お兄ちゃんを崩天状態にして。

 これ、FAGマガツキ崩天も絶対出るよな。今さら気付いた。


以下、画像

 まずはくノ一モードで。

 メガミなどとは較べてはいけないとわかってはいるものの、やはりもう少し動けばなぁ・・とは思ってしまいます。

 もちろん、初期のものと較べるとはるかによく動くようにはなっているのですが、脚部がすっぽ抜けるのは残念です。胸部も抜けやすいしなぁ。

 くのいちモードではとくに干渉するものがないので、立て膝は比較的綺麗に決まります。

 ただ、やはり腰の可動がないので、太腿が90度以上上がらないのでバランスをとるのが少し難しいですね。


 せっかくなのでバックショットも。

 くノ一・・なんかいろいろと想像(妄想)が膨らみますが、ほどほどにしておきましょう。


 腕部、脚部をレティシアに付属の素肌パーツと交換して。

 脚の太さの違いは、スペーサーを噛ますことでそこまで不自然さを感じなくなりますね。


 武装モードで。

 髪と背部フレーム、肩アーマーが干渉するのでポージングにはけっこう気を遣います。

 接地性に関しては武装足は素体足よりも柔軟に動くので、しっかり自立してくれます。


 スタンドを使って、上空からの強襲イメージ。

 うーむ。肩アーマーの扱いが厄介だなぁ・・しかもけっこうポロリするし。

 前垂れは左右独立して跳ね上げることができますが、くノ一モードほど脚を上げることはできなくなるので、立て膝はイマイチ。


 刀を足裏に装備して。

 こういうMSいたね。色もおおよそ同じだわ。

 脚付け根の可動がしっかり活かせれば、もう少し派手なアクションもできるんでしょうが・・要調整というところですね。


 アーマーパーツをお兄ちゃんのものと交換して。

 接続はすべて3㎜軸なので、すべて同じ位置に取り付けることは可能です。ただ一層動かしづらくはなりますけどね。

 でもこれはこれで、それほどバランスが悪いわけでもないですね。

 アーマーパーツ流用でも十分いけた感じだなぁ。


 崩天で追加される武装を装備して。

 まずはキョウテンの大弓モード。

 さすがに重さで腕がへたりますが、ハンドパーツでの保持は問題ありません。

 なんか矢に見立てられるものが欲しいな。


 オオトリ装備で。

 こちらも普通に持てます。

 ダメージ顔が、狙いを付けている表情に応用できますね。


 もちろん、本家FA同様アーマーパーツにはドゥルガーとの互換性があるので、それぞれをドゥルガーの装備位置に取り付けることも可能。

 完全再現のためにはいくつかパーツが足りませんが、これも悪くないな。

 後ろ髪はすべて外してみました。ショートカットも凜々しい。


 くノ一モードと武装モードの中間形態なんかも。

 これもなかなかよい。

 後ろ髪は束ね髪のみ外してみました。おかっぱでさらに幼い印象になりましたね。


 以上、“FAG マガツキ” でした。


 2年以上振りの完全新規FAG。

 端からバリエ展開ありきのものは始めてかもしれません。

 カラバリもあり(しかもノーマルカラーの発売前に予約開始)、さらに崩天、ドゥルガーもⅡとそれぞれに強化型があることも考えると、この型だけで当分FAGは食っていけるんじゃないかなぁ(笑)。

 輝槌はいつのことになるやら・・

 ともあれ、本家FAでも異色で個性が際立っているマガツキのシルエットをほぼそのまま、しかししっかりとバランスを調整してガールのデザインの落とし込んだのはさすが。

 これまでのFAGではあまり馴染みのない純和風、しかもちょっと幼い感じのガールということでなかなかに貴重な存在ともいえます。

 限界ギリギリとも思える露出の素体(くノ一)モードから、そこへ直接鎧を着込んだような武装モードへの換装、さらに部分的にだけ換装したり、本家同様にドゥルガーとの共通パーツの配置を換えてみたりと、ビジュアル面では多彩に楽しむことができます。

 一方で、構造面では完全新規とはいえ可動面での恩恵はあまり感じられず、ひょっとしたら破損防止の意味合いもあるのか、間接や可動部の接続には緩い箇所が多い印象すらありました。

 長い束ね髪や刀をマウントする背部フレーム、そして肩アーマーなど、可動に際して干渉する部分も多いので、ストレスなく遊ぶためには、それなりの調整が必要ですね。

 設定のカラーリングを再現するためには細かい塗装が必要なことも含め、僕のようなできるだけパチ組みだけで済ませたい怠け者には少々手強いキットだったかなぁ・・と(笑)。

 しかしそれは、手をかけてあげればあげるほどよいものになるということでもあり・・まぁ、なんでもそうですけどね。


 さて、6月にカラバリの橘花、9月にはバリエーションのドゥルガーⅠの発売が控えています。

 昨今の予約戦争に対する1つの解決策として、ドゥルガーⅠは公式ショップのおいて抽選販売という形式がとられました。しかし直後の創彩少女庭園 佐伯リツカでは1限となったものの、通常の販売方法が採られたので、今後新商品すべてが抽選となるわけではなさそうです。

 というか、ドゥルガーⅠの抽選販売はある種の実験で、それによって悪質なアカウントを排除したのではないか、というような憶測もされたりしていますが、はたして・・

 とりあえず、僕はドゥルガーⅠの抽選は当たりました。

 誰もが戦争などない、平和な世のなかを願っていると思いたいけど・・


 ちなみに、橘花が発売される6月には同じくFAGからアサルトリリィとのコラボアイテム、六角潮季も発売されることを忘れないでくださいね。

 まだ普通に予約可能ですよ。

 

 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

0コメント

  • 1000 / 1000