chitoserium Ⅳ-carbonia lonsdaleite レビュー

今回のレビューは、1/1スケール chitoserium より、

“chitoserium Ⅳ-carbonia lonsdaleite” です。

 浅井真紀×huke×グッドスマイルカンパニーの三者が紡ぐ新たなガール系キットシリーズ、

“chitoserium(チトセリウム)” の第3弾、

“carbonia lonsdaleite(カーボニア ロンズデライト)”

が発売されました。


 ロンズデライトとは、別名六方晶ダイヤモンドとも呼ばれる炭素の同位体で、隕石などにわずかに含まれ、地球上にはほとんど存在しないものだそうです。

 なお、同じカーボニア(炭素)の名を冠するアダマスの名前はダイヤモンドの語源であるギリシャ語のアダマスから来ており、両者の関係はまさに同素体・・簡単に言えば双子のようなものなのだと思います。

 そんなわけで、キットはアダマスの流用・・バリエーションということになりますが、メインカラー、オプションの変更でしっかり違った個性を発揮してくれています。


 それでは、早速レビューしていきましょう。

 今回、キットは素組みしたのみです。


 恒例のパッケージアート。

 先日、とてもプラモデルとは思われない前面にイラストの描かれたパッケージの某社新シリーズが投下され、世間が騒然となりました(笑)が、こちらも以前から、ベクトルこそ違えどやはりプラモデルのパッケージとは思えない美麗イラストが目を惹いていました。

 ただ今回のロンズデライトのイラストは、これまでのプラチナム、アダマスとは少し雰囲気が違って、もちろん美しいながらなんとなく不穏な気配が漂う(あくまで僕個人はそう感じた)情景になっています。

 とくに印象的なのは、ロンズデライトの左右に2人(2体?)のアダマスが描かれている点。

 つまるところアダマスは単一の存在ではなく、同じ姿形のモノが複数存在しているということです。

 それぞれ1人(1体)ずつなら双子という表現でもいいと思うのですが、どちらか、あるいはどちらも同型が複数存在するのなら、量産型やクローンということなのかも。

 チトセリウムの世界観は難解(まず英語が訳せない・・)なので、あくまで個人的にそう解釈する、というだけのことですが。

 そもそもうちはアダマスもロンズデライトも1人ずつしかお迎えするつもりはないので、双子でいいや、となるんですけどね。


素体状態

 ボディなどは基本的にアダマスと同じで、頭部(顔、髪形、バイザー)と肩、膝のアーマー、靴のデザインが変更されています。

 相変わらず、胴体部分の細かい色分けがほぼ成型色で再現されているのはありがたい。

 しかも今回は、アダマスではインレタを貼る仕様だった胸の左右の装飾も塗装(プリント)済みです。

 バイザーのデザインはアダマスに較べて曲線の多いものになり、側面は羽根飾りのような形状に。

 一方で肩のアーマーや靴は丸みを帯びていたアダマスのそれに対し角張った直線的なものに、膝のアーマーは少し大型化するなど、面白い対比になっています。

 肩と膝のアーマー、靴はアダマスのパーツもそのまま付属するので、好みで付け換えるのもいいかも。

 後ろ姿もなかなかセクシー。

 人とも人形とも、機械とも思える儚くも美しいデザインは本当、すばらしいですね。

 

 キット仕様の面では、手首や足首、股関節といった可動部のパーツにはソフトとハードの2種類があることなど、チトセリウムの基本仕様はもちろんそのまま。

 一方で、これまではディティールアップ用にインレタ(ドライデカール)が付属していましたが、今回は水転写式デカールに変更されています。

 先に言った胸の装飾も、同じものがデカールでも用意されているので、曲面にインレタということで躊躇していたアダマスのデザイン再現にこちらを使用するのもよいと思います。


 フェイスパーツは正面向き、右目線、目閉じの3種類に加え、アダマス同様に右目をアダマスの白に対し、黒い包帯で覆ったもの、つるりとした黒地に白で文様の描かれたマスク、さらにいつもの未塗装、ランナー状態のものの計6種が付属。

 アダマスでは未塗装を除く4種のフェイスパーツうち2種が瞳の色やかたちが違う、完全に別人の顔でしたが、ロンズデライトはすべて同一人物(?)と思える顔の表情(装飾)違いとなっています。

 アダマスの基本顔よりもクールなお姉さん顔ですね。むしろプラチナムに似ている感じ。


 バイザーは前後の向きを変えて取り付けることも可能。

 ただし、その状態で下ろしてもアダマスのように顔全面を覆うことはできません。


武装状態

 各種装備はアダマスとまったく違う内容になっていますが、それらを本体に取り付けるための装備は、肩(肩胛骨の位置)のマウントラッチ、フレキシブルに可動するジョイントアームを備えた腰部アーマーともにアダマスと共通の仕様。

 腰のサイドアーマーについては、なぜかこれだけ新規のレリーフディティールの入ったものとアダマスと共通のものとの選択式(画像では新規のアーマーを取り付け)になっています。


 柄だけでもロンズデライト本体を超える全長の巨大な旗。

 旗そのものは抜き加工が施されたレリーフディティールがチトセリウムらしい独特のデザインで非常に雰囲気があります。

 複数の箇所で可動・・とくに上下の紐状の部分は細かいパーツを多数連結させた構造になっており、正しく風に靡く旗らしい表情付けが可能です。

 基本的に、右側のマウントアーム先端に取り付けたロボットハンドで保持します。

 柄には3箇所溝が切ってあり、位置を選んで挟み込み、しっかり保持(固定)することができます。


 バヨネット(銃剣)付きのアンティーク調デザインがこれまた雰囲気抜群の銃。

 銃身が真ん中で折れる・・いわゆる中折れ式です。

 バヨネットの取り外しも可能。

 説明書ではとくに言及されていませんが、肩のラッチで銃身を挟んでマウントすることもできます。


ドラム

 ロンズデライトの本体(嘘)の小太鼓です。

 アダマスにおけるラッパですね。

 スティックは2本付属。スティック持ち手も付属しますが、これはアダマスのラッパ持ち手をそのまま流用したものです。

 表面の模様はプリント済み。

 ドラムは左側のマウントアームに直接接続され、普段は左肩の後ろに配置されます。

 スティックは専用ホルダーを介して右肩のラッチにマウント。


収納ケース

 チトセリウムの代名詞ともいえる、収納箱兼ディスプレイスタンドが付属します。

 基本仕様はプラチナム、アダマスと共通で、蓋表面のディティールも同じカーボニアであるアダマスとまったく同じ。

 ただ、装備の違いに応じて内部レイアウトは変更されています。


 スタンド支柱を取り付けた状態。

 展開状態でも。

 素体状態だと腰の3㎜穴、武装状態では腰部アーマーの3㎜穴を使ってディスプレイできます。

 

 では収納。

 まず旗、銃、ドラムスティック(ホルダーごと)を本体から取り外します。旗を持たせていたロボットハンドはなにも持たせない状態で再度はめ合わせます。

 旗は柄と分解し、旗は真ん中で折りたたみ。柄も三つ折りにします。

 旗、銃、スティックを、展開した箱のそれぞれ所定の位置にセット。

 そのあと、スタンド支柱も2分割して縁に沿って収納します。

 ロンズデライト本人は例によって膝を抱えるような格好で丸まり、腰のアーマーなども姿勢に合わせて可動。

 アーマー類を装着(肩のマウントラッチ、付け忘れした・・)。

 腰部リアアーマーは可動させた腰に合わせてたたみます。

 マウントアームは両方前に回し、ドラムを真ん中から開いて、本体に被せるようなかたちで位置を調整。


 では、

お休み

なさい。

 ふむ。

 プラチナムも剣(3分割して)や本は個別に収納する必要がありましたが、ロンズデライトではさらに本体から外すパーツが増えましたなぁ・・

 ラッパ(2つ)含めて全部装備したまま収納できたアダマスはすごかったですね。


比較画像

 アダマスと、素体状態で。

 先にも言ったように、相違点は頭部、肩および膝のアーマー、靴、そしてカラーリングのみ。

 しかし双子設定とするにしても、どっちが姉でどっちが妹かというのは悩ましい問題ですね。

 単純に、先に発売されたアダマスのほうをお姉ちゃんと考えていたんですが、顔付きは断然ロンズデライトのほうが大人びてるんだよなぁ。

 で、数いる双子ロボだと、だいたい兄(妹)格が青くて、弟(妹)格は赤いというパターンが多い気がするんですよね。つい先日レビューしたヴァイエイト & メリクリウス然り、ガズR/L然り、ガンダム4、5号機然り。全部MSやけど・・

 なので、うちでもロンさんがお姉ちゃんということにしましょうかね。

 もちろん、長姉はプラチナムお姉さまですが。


 武装状態でも。

 直接戦闘タイプのアダマスに、後方支援タイプのロンズデライトという感じ。

 パッケージアートから想像を膨らませるに、量産型のカーボニアシリーズで、いわゆる一般兵タイプがアダマス、指揮官(旗手)タイプがロンズデライトということなのかもしれませんね。

 まぁ、うちではあくまで双子ということで対等な間柄ですが。


 装備一式を交換して。

 槍の真ん中のパーツはロンズデライトにも付属する(プリントはなし。穂先と石突きも付属します)ので、そのまま装備をそっくり入れ変えることも可能です。

 これはこれで面白いかも。

 肩、腰、膝のアーマーと靴は、アダマスのものがロンズデライトにも余剰として付属します。

 同じ旗持ちということで、コジマプロダクション ルーデンスと。

 ガール本体はルーデンスのほうが一回り大きいですが、旗のサイズは逆ですね。

 なんというか、この並びだと人間とアンドロイドの戦争を描いた作品が生まれそう。

以下、画像

 本体はほぼアダマスと一緒なので、もちろんロンズデライトでもその抜群の可動性を楽しむことができます。

 ただ可動部はいつものように全体的にキツめなので、ある程度調整したほうがよいとは思います。

 とくに肘や脚の付け根と太腿の接続部などは下手をするとねじ切れてしまうかもしれませんので注意。


 まず素体状態で。

 宣材でも印象的な立て膝で銃を構えるポーズ。

 うちのロンさんは多少恥じらいを感じるのか、真正面からは撮らせてくれませんでした。


 弾込め。

 うーん、惜しい・・とか言ってると気付かれましたね(笑)。

 銃剣抜いて、めっちゃ怖い。

 でも、このマスクもなかなか面白いオプションです。一気にモブ感が増しました。


 太鼓演奏。

 マウントアームの可動のクセもあって、太鼓をちょうどいい位置持ってくるのが地味に難しいんですよね・・


 応援団長ロンさん。

 旗を通常のハンドパーツで持つことも一応可能。

 ただし、指が開いてしまうのであまり長時間は持たせないほうがいいでしょうね。

 バランスをとればちゃんと自立してくれます。


 武装状態で。

 装備全展開・・パッと見仰々しいから妙な迫力はあるけど、実質銃以外に直接武力は持たないんですよね。

 やはり後方支援・・というか、部隊を鼓舞する役割なんだなぁ。


 身を伏せ、息を殺し、標的を狙うスナイパー。

 旗で身を隠しているというイメージですね。

 太鼓はなんとなくレーダーっぽい雰囲気に。


 ちなみに後ろか見るとこんな感じ。

 全然身体隠れてない・・(笑)


 お姉ちゃん、援護お願い。このまま突っ込む!

 しょうがないわね。必ず仕留めるのよ。


 プラチナムお姉さまを加えて3人で。

 色的にも青、赤、白と美しくも怪しいスリーショットに。


  最近、あちこちの町で子供が大勢いなくなってるらしい。神隠しってやつさ。

 で、その子供がいなくなった町では、決まって妙な格好をした3人組みの楽隊が目撃されているらしいぜ・・みたいな。


 職人としては先輩にあたる妹に教えを請い、ロンズデライトもまた新たな道へ・・

 寿司握り手・・もとい、バイザー持ち手ももちろん付属するので、こんなお遊びもできます。

 うん。なんら違和感なし(笑)。


 以上、“chitoserium Ⅳ-carbonia lonsdaleite” でした。


 同じマシニーカ素体でもメガミデバイスとはまったく違う方向性で、組むのが楽しいチトセリウム。

 最初はちょっとクセが強いかな? とも思いましたが。もう3体めとなると慣れたもので、案外サクッと組めてしまいました。

 まぁ、パチ組みで塗装も墨入れもしていないからこそですが。

 キットそのものの精度も徐々に改善されているように思います。手首ジョイントの緩みもかなりマシになった印象です。

 ただ太腿は相変わらず、動かしていると合わせめが徐々に開いてきますね。

 独特なデザインの存在感は言わずもがな。

 今回もまたスタイリッシュな旗にアンティーク調の銃、そして本体である太鼓と、非常に魅力的な小道具が満載で非常にありがたいです。

 ほかのガール系とは明らかに異質な雰囲気なのに、いざ並べると不思議と違和感なく溶け込めてしまうチトセリムたち。

 ともすればネタ要員にもなっているうちでの立ち位置と、シリーズの本来のコンセプトとの間にはけっこうな乖離があるような気もしますが・・


 さて、2月には白猫と黒猫、そして5月には全世界待望の双子幼女セットを発売と攻勢を緩めないチトセリウム。

 今後もさらなる衝撃をもたらしてくれることを期待し、シリーズを追いかけていきます。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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